店主敬白(悪魔の囁き)

栄進大飯店の店主さがみやがおくる日々の悪魔の囁き。競馬予想や文学・音楽・仕事のグチやちくりまでいろいろ。

贋作王ダリ

2010-03-17 00:14:45 | 小説・読んだ本
 今回はこの本。
 ま~とんでもない内容の本である。
 20世紀を代表する芸術家、ダリ。
 その狂気じみた私生活と、そのとんでも私生活を維持するためにタレ流しにされた贋作「芸術」。
 読んでいてめまいがするようなダリとガラの果てしない欲望。
 お金のためなら、贅沢のためなら白紙にサインをしてばんばん売ってしまうのである。
 (もちろん後から、絵が印刷されてくる)
 油絵と違って大量生産できるリトグラフの世界は、これだから怖いのだ。
 なんか芸術愛好家をナメきったような世界がえんえん続くんだけど、
「どうせみんな、資産(投資)として作品を買ってるんだから、いいじゃん」
「こんなもん買うほうが悪いんだよ」
 と言われてるようで、だんだんハラが立ってくるのだ。
 そう、白紙にサインをしながら朝食をとっているシーンを読んでいると、かなりムカムカしてくる。そばにいたら思わず殴りたくなるほどにだ。
 まあ、こんなことしてたら主人公(絵画の斡旋人)じゃなくてもイヤ気がさしてくるんだろうな、と思うけどね。
 読後感はかなり悪い。
 でもそれは作者のせいでも主人公のせいでもない。
 ダリ夫婦とその二人を骨抜きにして「金もうけマシン」にしてしまった周囲の連中、
あんたらがすべて悪い。


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6 コメント

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Unknown (ばりぼい)
2010-03-17 03:04:45
ダリって「踊るポンポコリン」のいんちきおじさんの印象。
もしくはヤッターマンのボヤッキー。
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Unknown (さがみや)
2010-03-17 10:45:57
 この本、次から次へとんでもないことが書いてあるので、ある意味オススメです。
 マジメなダリのファンの方は、読まないほうがいいかもしれませんね。
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Unknown (右京 りん)
2010-03-17 21:53:20
>狂気じみた私生活と、そのとんでも私生活を維持するためにタレ流しにされた贋作

この一文ですごく読みたくなった。
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Unknown (さがみや)
2010-03-18 11:15:37
 私たちが芸術に対して持っている憧れが一気にふっとびますよ・・・。
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Unknown (しげり)
2010-03-18 14:56:01
語弊があるかもしれないけど、芸術家って変わり者が多いってイメージだし…。
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Unknown (さがみや)
2010-03-18 20:01:59
 変わってる人、確かに多いかもしれない。
 多少変わっててもいい人ならいいけどさぁ。
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