店主敬白(悪魔の囁き)

栄進大飯店の店主さがみやがおくる日々の悪魔の囁き。競馬予想や文学・音楽・仕事のグチやちくりまでいろいろ。

荷宮和子さんの本

2011-02-28 10:43:19 | 小説・読んだ本
「声に出して読めないネット掲示板」(中公新書ラクレ)
「若者たちはなぜ怒らなくなったのか」(同上)
「バリバリのハト派」(晶文社)

 荷宮さんは、おいらと同世代の人間である。
 肩書きは「女子供文化評論家」。
 他にも著書は宝塚関係、ファッション関係といろいろあるけれど、今回はとりあえずおいらが最近読んだこの3冊の感想である。

 我々の世代は、とにかく人数の多い団塊・団塊ジュニアに挟まれた少数派「くびれの世代」なのだと荷宮さんは訴える。
 「私たちは少数派だから」、とため息つきつつも、荷宮さんは主張する。
だから、あんた方、おかしいんだよ、それはちょっと違うんだよ、どんどんイヤな方向にイッちゃってるんだよ~

 こんな「くびれの叫び」は人ごみに流されて聞こえなくなってしまうのか。
 あるいはネットの中で「論破」とかいうばかくさい勝ち負けの中で埋もれてしまうのか。
 うう・・・少数派はツラい。
 でも荷宮さんはくじけないだろう、たぶん。
 
 右傾化、殺伐としたネット世界、フェミニズム(これは別の本が出てる)、団塊ジュニアの若者・・・おいらが「違和感」を覚えながら、それがなんかモヤモヤっとした言葉に表せないでいたものを、荷宮さんがキッチリ言葉にしてくれたような気がする。
 でもこの本は「攻撃本」ではない。
 恐ろしい方向へとつき進んでいく人たちに、「ちょっと立ち止まってくれ」と言ってるのだ。
 それがまだ間にあうか、もう手遅れかどうか・・・。
 手遅れだったら、くびれの世代には老後に「絶望」が待っているんだろうけれど。
 (頼むからそれはかんべんして欲しい)

 同世代の方、読んでください。
 団塊・団塊ジュニアもこんな「少数派の声」を黙殺してると、自分がどんな立ち位置にいるのかわかんないまま、「戦争貧乏社会」に向ってまっしぐらに突撃しちゃうよ。
 


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