斉藤うめ子ブログ

新しいニセコの街づくりにとりくみます

マックス・ウェーバー「資本主義の精神」とは

2020-10-03 15:55:24 | 哲学
今年はマックス・ウェーバー没後100年。
ウェーバーの「職業として政治」をテーマに姜尚中(カン・サンジュン)さんが
対談するシリーズが北海道新聞に掲載されています。
9月は太田昭宏さんとの対談でした。
その中で「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」にふれています。
太田さんは「ウェーバーは『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で、
神を意識した生命のマグマとも言うべきエートス(社会心理)が資本主義の精神
になったことを指摘し、その生命の変革なくして社会変革はないと考えるに至り
ました。」と述べています。
ウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」の中に
「この『吝嗇(りんしょく)の哲学』に接してその顕著な特徴だと感じるものは、
信用のできる立派な人という理想、とりわけ、自分の資本を増加させることを
自己目的と考えるのが各人の義務だというような思想だ。
-そこには一つのエートス(Ethos)が表明されている」とあります。

今年6月に(私が参加した)オンラインセミナーでマルクス経済学者斎藤幸平さんは
「ポスト資本主義とグリーンニューディール」の中で「資本主義」の精神は
ますます経済成長を最優先し今日の地球温暖化による気候危機を招いていると
指摘し、脱成長社会への転換を訴えています。
※グリーニューディールとは:緑の経済への移行に向けた大型財政出動や公共
投資によって、安定した高賃金の雇用を作り出し、有効需要を増やし、景気を
刺激することを目指す。それがさらなる投資を生み、持続可能な緑の経済への
移行を加速させる。(斎藤さんの資料より)

斎藤幸平さんは以下のように述べています。
「人類が有史以来使用した化石燃料の半分が、過去30年間で消費されたという
ことです。」「今選択を迫られているのは、地球環境を壊し続けて一部の人が
豊かになる社会を目指すか、平等で持続可能な社会を目指すかという二択です。
人類の経済活動が環境を破壊する時代であることを自覚しなければ、気候変動
の問題を解決できない。経済成長とは違う進歩や発展の可能性を考えなければ
いけません」と述べています。

経済成長を優先させるあまり、新型コロナ感染症拡大と気候危機による地球環境
破壊に進むのか、今私たちにその大分岐点に立たされていると言えます。