斉藤うめ子ブログ

新しいニセコの街づくりにとりくみます

日本政府に核兵器禁止条約の署名と批准を求める意見書

2020-12-18 01:21:59 | 政治
12月議会定例会は昨日16日に閉会しました。今回私が議会に提出した
「日本政府に核兵器禁止条約の署名と批准を求める意見書(案)」は
総務常任委員会で審議した結果継続審査することになりました。
この意見書が【可決】されなかったことは大変残念に思っています。
私は継続審査することを希望しました。なぜなら今ここで【否決】されてしまう
ことだけは避けたかったからです。今回【否決】という決定が回避されたこと
はせめてもの救いのように思っています。
私には核兵器禁止条約に反対する【否決】はニセコ町議会の存在そのもの
が【否定】されてしまうことと重なって思われるからです。

総務常任委員会は5人の委員で構成されています。4対1の攻防の結果
は明らかです。継続審査で何とか時間をかけて今後【可決】への希望を
つなげていきたいと考えています。
総務常任委員会で出された反対の意見はこれまで一般的に出されてきた
条約反対派の意見となんら変わりはありません。

以下は委員会での私の意見と考え方を平野啓一郎さんが12月8日付の
朝日新聞デジタルで代弁しているかのように述べているので掲載します。
>
小説家・平野啓一郎さん
核禁条約は非現実的なのか それは「思い違い」ではないのか
 核兵器禁止条約が来年1月に発効する。画期的な国際合意ではあるが、
核保有国が背を向ける現状に日本社会には「非現実的」と冷ややかな
視線もある。条約は世界を変えられるのか。
「日本は取り残されている」
「核兵器はなくせるなら、なくした方がいい」。大半の人がそう思って
いるでしょう。その上で、多くの人が「でも、日本は米国の『核の傘』の
下にいるのだから、条約には賛同できない」と考え、「それが現実主義だ」
ととらえている。それは思い違いではないでしょうか。
 長崎を訪ねてみてほしい。小さな町だけど、海があり、丘に囲まれ、
異国情緒がある。人は素朴で優しい。小説「マチネの終わりに」でも、
町の魅力がインスピレーションになりました。この小さな町の人たちが
原爆投下後の一瞬でどうなったのか。長崎で被爆し、2017年に亡くなった
林京子さんの小説では、当時を語る人々の長崎弁が、痛烈に胸に響きます。
 日本には核兵器によって命を奪われた人、人生をめちゃめちゃにされた
人がたくさんいる。その事実や証言があったから「核兵器は存在すべきで
はない」という運動が日本の外でも広がり、条約につながった。
にもかかわらず賛同しないことを、日本政府は恥ずべきです。
 いま「現実主義」とされるものの多くは、単なる「現状追認主義」です。
核兵器をめぐる日本政府の姿勢は、原発事故が起こった後、他国では再生
可能エネルギーが発展した中で、かたくなに原発を維持していることと
重なって見えます。世界の取り組みは迅速です。日本が「非現実的」と
言っていたことが現実となり、いまやさまざまな分野で取り残されています。
 本当に核兵器によって均衡が保たれているのか。米国の核が日本を守って
いるのか。イラク戦争を見ればわかるように、通常兵器でも相手を徹底的に
破壊できる。局所的な戦闘ではドローンによる無人爆撃が行われ、戦争の
イメージは、冷戦時代の「核兵器による全面戦争」から変化している。
米国やロシアの影響力が低下する将来、それらの国が地球を何度でも破滅
させられる核を保有し続けることを、世界がいつまで許容しますか?
 核兵器だけでなく、気候変動などを見ても、人類は「サバイブできるかどうか」
というフェーズに入ってきています。スウェーデンの環境運動家グレタ・トゥンベリ
さんら若い人たちが強い危機感を抱いて動き始めています。








意見書が可決されました

2020-06-18 23:38:29 | 政治
6月11日から始まった第5回ニセコ町議会定例会は18日閉会し、
提出した「選択的夫婦別姓制度の導入を求める意見書案」は
総務常任委員会に付託され修正議決され本会議で今日可決
されました。
意見書を掲載します。

選択的夫婦別姓制度の導入を求める意見書

現行の民法では夫婦別姓での婚姻が認められていません。
婚姻の際96%が夫の姓となり、結婚後も同じ姓を使い
たいと願う女性は、望まぬ改姓、事実婚、通称使用など
による不利益・不都合を強いられています。
最高裁判所は2015年12月16日に、民法の夫婦同姓規定を
合憲とする一方、選択肢が設けられていないことの不合理
については裁判の枠内で見出すことは困難とし、国民的議論
により検討されるべきであると民法の見直しを国会に委ねました。
別姓を望む人にその選択を認める選択的夫婦別姓制度の導入を
求める声は、切実で提訴が相次いでいます。世論調査でも
賛成が7割近くを占め、反対を上回っています。
世界で夫婦同姓を法律で義務付ける国は日本だけです(2015年政府答弁)。
国連女子差別撤廃委員会は、条約に照らし合わせて、夫婦の
同姓を規定する法の改正を繰り返し勧告しています。
国は別姓を選択する自由を認める選択的夫婦別姓制度の導入を
求める声に応え実現すべきです。

よって、国会及び政府に対し、民法を改正し、選択的夫婦別姓制度
の導入に関し国会で審議することを強く要請します。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

令和2年(2020年)6月18日

            北海道ニセコ町議会議長 猪 狩 一 郎

提出先 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣
総務大臣 法務大臣 内閣官房長官

ニセコ町の特別定額給付金の支給 

2020-06-13 10:38:50 | 政治
ニセコ町は5月の連休明け早々に特別定額給付金の申請書を郵送し受け付けを
開始しました。4月末の世帯数は2,591世帯、5015人中2,421世帯(93.44%)
から申請があり、6月10日給付済世帯数は2,361世帯(91.12%給付)に交付
されたと町からの報告がありました。ニセコ町はスピード感を持って真摯に
対応した結果、全国平均30%と比較すると短期間の間の達成度は高く、地方
の人口約5,000人の小さな自治体ならではの良さでお互い確認がしやすいこと
が今回の給付金の支給の速さにつながったのではないかと思います。
あと残り8.8%の給付が速やかに行き届くようにと願っています。

マスクの在庫状況は6月9日現在、新規購入数は32,000枚、寄贈は41,610枚
計73,610枚です。その内34,010枚は関係機関や高齢者、妊婦、飲食店などに
配布済みとのことでその残りは39,600枚です。
アベノマスクはニセコ郵便局に届いているので、今日から配布する予定との
ことです。小さめなマスクなので小学校に寄付してはという意見もありました。
まず届いたらどんなマスクか手に取って見たいと思います。

「ノルウェーの楽しい選挙」

2020-02-12 00:38:37 | 政治
三井マリ子さんの名古屋での講演の様子が友人から送られてきたので
ここに紹介したいと思います。
三井マリ子さんは10年前の2010年8月にニセコ町で講演とシンポジウムを
して頂きました。私が所属する全国フェミニスト議員連盟の創始者でもあり
日本に初めてクオータ制を紹介したのも三井マリ子さんです。

2020年2月9日(日)名古屋市のウィルあいち(愛知県女性総合センター)にて、
三井マリ子さんがノルウェーで自ら撮影した写真を使って、政治や選挙を
中高生にもわかるように見せてくれた。余分な説明をそぎ落とした洗練された
キャッチコピー、見える化されたデータ比較……。そして、元英語教諭ならではの、
参加者巻き込み型の楽しいラップも!講演終了後、会場の人たちの心が一気に
持って行かれたような空気に満ちていた。皆が三井さんのファンになってしまった
ように感じられた。そして私は、日本の未来に一縷の光が射した気がした。
問題点が整理されて、エンカレッジされた私は、政治を諦めず頑張るのは、
私たち市民ひとりひとりだと自覚した。
今回の三井さんの講演内容と学びを、ここに一部触れたい。

●2019年のノルウェー地方選挙。政党が設営した選挙小屋に、中学生が授業の
一環で出かけて行って質問をしていた。 政策調査だという。驚きだ。
日本ならば、選挙権もないのになぜ?と冷笑されるかもしれない。
●ノルウェーの首都のオスロ議会では、副市長がスリランカからの移民、しかも
女性だった。日本では何十年住んでも外国人なら参政権自体がないというのに…。
●ノルウェーは投票率が高い。地方選は65%(2019.9)。私たちの住む、愛知
県議選は36.4%、名古屋市議選32.9%(ともに直近)。
三井さんの「名古屋市のこの抵投票率は何ですか!」と叱咤する声(苦笑)。
●ノルウェーは、日本の小選挙区のように死に票が多い制度ではなく、国会も
地方議会も比例代表制。投票者は政党に1票を入れる。ゆえに候補者個人は名前・
顔を売る必要がいっさいなしとのこと。素晴らしい!
●地方議員の多くは、無報酬のボランティア。仕事や学業を続けながら議員職をこなす。
日本のような職業政治家は不在。三井さんが選挙出馬の際、高校教員を泣く泣く退職
せざるを得なかったエピソードも伝えて下さった。
●ノルウェーは、1986年すでに女性の首相。そして閣僚の40%は女性。
それが90年には女性閣僚は47%に増えていた。当時すでに国会議員の36%は女性。
日本とのあまりの違いに唖然とした。
●愛知県みよし市議会議員選挙、立候補者のポスター掲示板がスクリーンに広がった。
女性はゼロ。三井さんは、「私、泣けてきます」とお怒り。ノルウェーのような
比例代表制ならば…、と初心者の私までも最後に確かな気づきを得られた。

日本に初めてクオータ制を紹介したパイオニアの三井マリ子さん。
35年前から、すでにノルウェーに着目した審美眼の持主だ。
三井さんこそ、今のこんがらがった日本の政治を紐解くヒントを与えてくれる存在だ。


マックス・ウェーバーとの出会い

2020-02-08 01:29:02 | 政治
マックス・ウェーバーの代表的講演録「職業としての政治」は政治家に
とって何時の時代であってもバイブル的存在と言えます。
この「職業としての政治」の本を読んだのは議員になってからですが、
この本のことは学生の時から知っていました。
北大の研究生の時宗教学の宇野教授のゼミに参加してウェーバーの代表作
「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を学びました。
ドイツ語の原文で読まされ、ドイツ語を第2外国語に取得したのですが、
ほぼ役に立たない状態でウェ―バーのドイツ語原文と英語訳、日本語訳を並べて
必死に学びました。私だけでなく他の学生もみな同じようでした。
マックス・ウェーバーの文は実に長文で途切れることがなく悪文の代表である
と言っていたのを思い出します。理解するが大変でした。日本語でも大変なのに!
ゼミに参加していた学生は3~4人位でいつも先生の研究室でありました。
先生がコーヒーを入れてくれて、「私が入れましょうか」と尋ねると先生は
「ここは私の研究室だから、(これは私の仕事です。)私が入れます」と
おっしゃっていつも先生が入れてくれました。
宗教学は文化人類学と並んで実に面白いし一番関心ある分野です。

近代社会の初期の資本家たちは敬虔なクリスチャンで宗教の倫理観が資本主義
の精神になっていたこと、しかしその倫理観に支えられた資本主義はその後
魔物のように独自の進化をつづけ、巨大化して格差社会を生み出して行った
ように私は思います。まるでAIのように人工知能が人間の手を離れて制御が
効かずどんどん進化していくように見えます。

ドイツの社会学者マックス・ウェーバー没後100年、2月6日(木)の道新に
姜尚中(カン・サンジュン)氏と石破茂氏の対談が掲載されています。
この対談の一つ一つが重く胸に響きます。新聞から抜粋して紹介します。

ウェーバーの言葉 「職業としての政治」から
「政治家にとっては、情熱―責任感―判断力の三つの資質が特に重要である」
「単なる情熱だけでは充分でない。情熱は、それが『仕事』への奉仕として、
責任性と結びつき、この仕事に対する責任性が行為の決定的な基準となった時に、
はじめて政治家をつくり出す。そしてそのためには判断力―これは政治家の
決定的な心理的資質である―が必要である」
「政治への献身は情熱からのみ生まれ、情熱によってのみ培われる」

以前「リンカーン」の映画を見ましたが、この映画の中でスピルバーク監督は
マックス・ウェーバーの「職業としての政治」の中で『心情倫理』(自分が正しい
と信じるままに行動すること)と『責任倫理』(結果への責任を重んじて行動する
こと)は絶対的な対立ではなく、むしろ両々相俟って「政治への天職」をもちうる
真の人間をつくり出すのである。」とありますが、映画の中でリンカーンの
「奴隷解放宣言」後、憲法13条修正案の議決を巡り、三分の二を超える議員の賛成
を集めて議案を通過させるリンカーンの姿を描いています。
政治家としてのリンカーンの情熱・責任感・判断力が良く描かれています。
もう一度この映画を見たいと思っています。