12月議会定例会は昨日16日に閉会しました。今回私が議会に提出した
「日本政府に核兵器禁止条約の署名と批准を求める意見書(案)」は
総務常任委員会で審議した結果継続審査することになりました。
この意見書が【可決】されなかったことは大変残念に思っています。
私は継続審査することを希望しました。なぜなら今ここで【否決】されてしまう
ことだけは避けたかったからです。今回【否決】という決定が回避されたこと
はせめてもの救いのように思っています。
私には核兵器禁止条約に反対する【否決】はニセコ町議会の存在そのもの
が【否定】されてしまうことと重なって思われるからです。
総務常任委員会は5人の委員で構成されています。4対1の攻防の結果
は明らかです。継続審査で何とか時間をかけて今後【可決】への希望を
つなげていきたいと考えています。
総務常任委員会で出された反対の意見はこれまで一般的に出されてきた
条約反対派の意見となんら変わりはありません。
以下は委員会での私の意見と考え方を平野啓一郎さんが12月8日付の
朝日新聞デジタルで代弁しているかのように述べているので掲載します。
>
小説家・平野啓一郎さん
核禁条約は非現実的なのか それは「思い違い」ではないのか
核兵器禁止条約が来年1月に発効する。画期的な国際合意ではあるが、
核保有国が背を向ける現状に日本社会には「非現実的」と冷ややかな
視線もある。条約は世界を変えられるのか。
「日本は取り残されている」
「核兵器はなくせるなら、なくした方がいい」。大半の人がそう思って
いるでしょう。その上で、多くの人が「でも、日本は米国の『核の傘』の
下にいるのだから、条約には賛同できない」と考え、「それが現実主義だ」
ととらえている。それは思い違いではないでしょうか。
長崎を訪ねてみてほしい。小さな町だけど、海があり、丘に囲まれ、
異国情緒がある。人は素朴で優しい。小説「マチネの終わりに」でも、
町の魅力がインスピレーションになりました。この小さな町の人たちが
原爆投下後の一瞬でどうなったのか。長崎で被爆し、2017年に亡くなった
林京子さんの小説では、当時を語る人々の長崎弁が、痛烈に胸に響きます。
日本には核兵器によって命を奪われた人、人生をめちゃめちゃにされた
人がたくさんいる。その事実や証言があったから「核兵器は存在すべきで
はない」という運動が日本の外でも広がり、条約につながった。
にもかかわらず賛同しないことを、日本政府は恥ずべきです。
いま「現実主義」とされるものの多くは、単なる「現状追認主義」です。
核兵器をめぐる日本政府の姿勢は、原発事故が起こった後、他国では再生
可能エネルギーが発展した中で、かたくなに原発を維持していることと
重なって見えます。世界の取り組みは迅速です。日本が「非現実的」と
言っていたことが現実となり、いまやさまざまな分野で取り残されています。
本当に核兵器によって均衡が保たれているのか。米国の核が日本を守って
いるのか。イラク戦争を見ればわかるように、通常兵器でも相手を徹底的に
破壊できる。局所的な戦闘ではドローンによる無人爆撃が行われ、戦争の
イメージは、冷戦時代の「核兵器による全面戦争」から変化している。
米国やロシアの影響力が低下する将来、それらの国が地球を何度でも破滅
させられる核を保有し続けることを、世界がいつまで許容しますか?
核兵器だけでなく、気候変動などを見ても、人類は「サバイブできるかどうか」
というフェーズに入ってきています。スウェーデンの環境運動家グレタ・トゥンベリ
さんら若い人たちが強い危機感を抱いて動き始めています。
「日本政府に核兵器禁止条約の署名と批准を求める意見書(案)」は
総務常任委員会で審議した結果継続審査することになりました。
この意見書が【可決】されなかったことは大変残念に思っています。
私は継続審査することを希望しました。なぜなら今ここで【否決】されてしまう
ことだけは避けたかったからです。今回【否決】という決定が回避されたこと
はせめてもの救いのように思っています。
私には核兵器禁止条約に反対する【否決】はニセコ町議会の存在そのもの
が【否定】されてしまうことと重なって思われるからです。
総務常任委員会は5人の委員で構成されています。4対1の攻防の結果
は明らかです。継続審査で何とか時間をかけて今後【可決】への希望を
つなげていきたいと考えています。
総務常任委員会で出された反対の意見はこれまで一般的に出されてきた
条約反対派の意見となんら変わりはありません。
以下は委員会での私の意見と考え方を平野啓一郎さんが12月8日付の
朝日新聞デジタルで代弁しているかのように述べているので掲載します。
>
小説家・平野啓一郎さん
核禁条約は非現実的なのか それは「思い違い」ではないのか
核兵器禁止条約が来年1月に発効する。画期的な国際合意ではあるが、
核保有国が背を向ける現状に日本社会には「非現実的」と冷ややかな
視線もある。条約は世界を変えられるのか。
「日本は取り残されている」
「核兵器はなくせるなら、なくした方がいい」。大半の人がそう思って
いるでしょう。その上で、多くの人が「でも、日本は米国の『核の傘』の
下にいるのだから、条約には賛同できない」と考え、「それが現実主義だ」
ととらえている。それは思い違いではないでしょうか。
長崎を訪ねてみてほしい。小さな町だけど、海があり、丘に囲まれ、
異国情緒がある。人は素朴で優しい。小説「マチネの終わりに」でも、
町の魅力がインスピレーションになりました。この小さな町の人たちが
原爆投下後の一瞬でどうなったのか。長崎で被爆し、2017年に亡くなった
林京子さんの小説では、当時を語る人々の長崎弁が、痛烈に胸に響きます。
日本には核兵器によって命を奪われた人、人生をめちゃめちゃにされた
人がたくさんいる。その事実や証言があったから「核兵器は存在すべきで
はない」という運動が日本の外でも広がり、条約につながった。
にもかかわらず賛同しないことを、日本政府は恥ずべきです。
いま「現実主義」とされるものの多くは、単なる「現状追認主義」です。
核兵器をめぐる日本政府の姿勢は、原発事故が起こった後、他国では再生
可能エネルギーが発展した中で、かたくなに原発を維持していることと
重なって見えます。世界の取り組みは迅速です。日本が「非現実的」と
言っていたことが現実となり、いまやさまざまな分野で取り残されています。
本当に核兵器によって均衡が保たれているのか。米国の核が日本を守って
いるのか。イラク戦争を見ればわかるように、通常兵器でも相手を徹底的に
破壊できる。局所的な戦闘ではドローンによる無人爆撃が行われ、戦争の
イメージは、冷戦時代の「核兵器による全面戦争」から変化している。
米国やロシアの影響力が低下する将来、それらの国が地球を何度でも破滅
させられる核を保有し続けることを、世界がいつまで許容しますか?
核兵器だけでなく、気候変動などを見ても、人類は「サバイブできるかどうか」
というフェーズに入ってきています。スウェーデンの環境運動家グレタ・トゥンベリ
さんら若い人たちが強い危機感を抱いて動き始めています。