デイサービスに行ってるトシヤを迎えに行くのに、駅前のバス停でバスを5分ほど待つ。
ベンチに腰を下ろすと、数メートル離れたちょうど真ん前に、1本の桜の老木が見える。
見事に満開の花を咲かせて、ひらひらと花びらが舞っている。
私のすぐ横に座っていた80歳過ぎかと思われる上品なお婆さまが、私に話しかけてきた。
まだしっかり花がついていますわね。花びらが散ってるけど。
そうですね。
今年の桜は白っぽいらしいですわよ。
あら、そうですか?気づきませんでした。
いいわねえ・・・桜。幸せ
バスがやってきたので会話はそこで終わってしまった。
何てことない会話のようだけれど、桜を見られて幸せとつぶやいたお婆さまを通してメッセージをいただいたような気がして嬉しかった。
見渡せば、日常に心配や不安はいっぱいころがっているのだけど、こうして満開の桜を見られることはけっこう幸せなことなんだ。
いつにも増して穏やかな一日。