東京都議会の女性蔑視ヤジ問題のニュースでもちきりです。
これを見てて、ふと過去の苦い思い出が甦りました。
私が最初の結婚をしたのは、今から28年前のことです。
結婚して1年経つか経たないかの頃だったでしょうか、私よりも2年ほど早く結婚した同級生の親しい友人には、すでに第一子が生まれていました。
友人とは遠く離れていたので、その当時は手紙のやり取りをしており、友人の赤ちゃん誕生のことを祝う言葉と、私はまだ子どもを持つ気持ちがなく、新しく始めた染織に夢中になっていることなどを書いたように記憶しています。
その返事の中に目を疑うような言葉がありました。
「子どもを産まない女はカタワよ!早く子どもを産みなさいね」
はぁ~? これ、ほんとに彼女が書いたんでしょうか?
才能もあり、大らかな性格の友人がほんとうにそんなことを考えているんでしょうか。
たった28年前のことです。
戦前の話じゃありませんよ。
結婚するもしないも当事者の自由、出産のこともまた然り。
私はとうの昔からそういう考えで生きていたので、びっくりしました。
たったそれだけの文章でしたが、友人との心の距離が一気に遠ざかった瞬間でした。
当時私たちは25歳かそこらの若造です。
経験も足りず、考えも足りず、若気の至りで周りの大人(親以上の世代)から言われたことを鵜呑みにしていただけかもしれません。
男性が女性を蔑視してるという構図が問題になってるかのようですが、実は同性同士の差別が厳然とあるのです。
こっちの方が罪深いかもしれませんよ。
とっても残念な思い出ですが、私はそこで意見なり反論なりをせずに、黙って距離を置いてしまいました。
私は結局、彼女の言う「カタワ」ではありませんでしたが、障がいのある子を授かりました。
私自身はどうであろうと堂々と生きてきましたが、彼女は私に掛ける言葉に苦慮するだろうと思うと、気の毒でそうせざるを得なかったのです。