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風に向かう刻
原点回帰。 ~SW-MOTECH導入しました~<CBR600RRカスタム5>
いやはや。歳をとるとなにがしんどいって面倒くさいこと全般に対する耐性が落ちます(笑)
それはそれで由々しき事態ではあるのですが、根性以外の部分で出来ることはできればしておきたいもの。
・・・なんて大袈裟な話ではないのですが、最近はオートバイに乗るのに脚を上げるのが既にしんどい( ̄ー ̄)
降りるときは汚れた英雄スタイルで降りればいいのですが、乗るときは流石に三角乗りって訳にもゆきませんからね。
ということで、今日のお題はCBR600RRの納車からここ数か月の間に気になっていた部分に手を入れてみようと思います。
前回のblogでは別の内容を書くかもと申し上げましたが、私の場合脱線はよくあることでしてご容赦を^^;
さてさて。では問題の箇所。このところこいつが邪魔に感じていました。
ライダー界隈では完全にお馴染みのTANAX製のシートバッグ。
【 ユーロシートバッグ 】なるモデルで容量は14Lと結構入りますし、蓋部分の小物入れも充実。
長年愛されているメーカーだけあり私もとても気に入って永く使ってまいりましたが、
CBR1000RRからCBR600RRに再度乗り換えて思っちゃったんです。『なんか邪魔だな~』と。
それは先述の乗り降りの時の足の上げ下ろしだけではなく、なにより面倒になったのはその固定方法でした。
方式としては極めてオーソドックスな ”シートにベースになるベルトを巻いてバックルで留める ”タイプ。
【 Kシステム 】なる汎用のベルトを着けておけばあとはバックルを4か所パチパチするだけですが、
じゃあ何が面倒なのか? そのベルトの処理なのです。
端的に言って そのベルトがそもそも邪魔 。
色々な寸法のシートに適合するように長めになっているのですがそれ自体が厄介で、
べつに高価なベルトでもないので切って調整してもよかったのですが、
切らない場合は御覧の通り取り外した際にシートにベルトが残り邪魔であり、バッグ付け外しの際に毎度縛るなど手間が要ります。
また、都度ズレないための多少のテンションの調整をしなくてはなりませんのでそれも手間です。
これでも以前の2本ベルトをシートに巻くスタイルから比べればKシステムになって多少は楽になったのですがやはりそれなりに面倒です。
更に私のCBR600RRの場合はもう一つ決定的なネガがあり、
”余ったベルト部分をシート下に入れて隠そうにも、ETCやら何やらがありそんな余裕はなく納まらない ” こと。
この有様ですので、ここに無理にあまったベルトを押し込むと圧迫されてETC車載器などの故障の原因にもなりそうです(笑)
こんな時に CBR1000RR-R にあるようなスタイリッシュなピリオンシート置換型の専用バッグが、
CBR600RRにも設定されていれば解決する点もあるのですが無いものは仕方がない。
そんなこんなでここ暫くどうやって気軽に荷物を積もうか色々と思案していたのですが候補は2つ。
【 サイドバッグへの変更 】または【 タンクバッグへの回帰 】でした。
前者のサイドバッグについては同じくTANAXのカービングシェルケースを持っていますが、
これも決して取り付けが楽とはいえず。そもそも普段使いには大袈裟です。(使い勝手は追々紹介します)
となると後者のタンクバッグが手段となるのですが、
過去のNSRやGB250やRZ250R時代には使っていたタンクバッグを今現在使っていないのにはやはり理由があり、
樹脂製のタンクカバーへの取り付けには大仰なベースをつける必要があることとか、
擦り傷がかなり増える、伏せるのに邪魔だったなどで近年は遠ざかっておりました。
それでもと『なにかいいのないかなあ』と探していると・・・なんとこんなものが!
【 SW-MOTECH タンクバッグ PRO / EVO 】※ブランドページリンク
国内ではACTIVE社が代理店をしているというドイツのバイク用品メーカーですが、
実にユニークなのはその取り付け方法。このタンクバッグにせよ、別のサイド(サドル)バッグにせよアイディアとセンスが光ります。
そのタンクバッグはフューエルタンクキャップ部に専用のベースを取り付け、
それに対応した複数種類のバッグから適切なものを選んで装着を行います。その機構こそが私にとってツボでした。
類似の製品には GIVIやヘプコ&ベッカーなどのものがありますが、
ベース部のデザインが野暮ったいのと、バッグ本体のデザインもあまり好みではなくSW-MOTECHが一番いい感じでした。
ただ、国内の取り扱いは2017年からとのことでまだまだ馴染みはない印象であり、
私が気になったタンクバッグも展示があるとされるのは Active社のある愛知に2店、
その他は東京の足立と岐阜、鹿児島と沖縄だけという(笑)
本当に売る気があるのか悩むレベルでモノが見られない状況でした。
一応Webikeなどで扱いはあるのですが、やはりこの手のものは多少値段が高くてもモノを見て買いたい。
私はショールーミングを避ける性分ですので実店舗で買えるならそこで買います。
が、近くにない事にはなあ・・・ということで2週間程悩んでいましたが結局お店に見に行きました。
高速を飛ばして小一時間。 【 ナップス足立店 】に到着です。
自宅からは少々距離があるのと、都会のど真ん中(かの浅草寺からたぶん8kmぐらい)なので二の足を踏んでいましたが、
会社で同僚の女性と「遠いんですよね」なんて話していたらばなんと隣の丁目に住んでいるとのことで(笑)
諸々土地の話を聞いて身近に感じたので行くことに。
実は仕事帰りに電車でもいけますが閉店間際になるので時間に余裕のある土曜にお出かけです。
お店に入り早速目的のコーナーに向かうと、なんともまあ勢いのない展示の状況で^^;
陳列棚の1スパンに2段位並べてありましたがバッグが4種ほどとあとは小物が少々。
私の前に誰かが荒らしたのか、ひとつのバッグは中身の付属品が取り出されて散らかっている状態でした。
単純にそれぐらいの力の入れ具合の国内展開、なのだと思われます。
ただ、ここに来た理由はモノを実際に見たかったのと、在庫があればぜひ買いたかったからなのでひとまずOK。
商品を見てゆくとなんとか目的のものがひとつ置いてありました。
【 PRO タンクリング HONDA 7穴用 】¥5,170-
これがまた曲者で、先述の国内6店舗以外はネットで買うしかないのですが2022/2月現在の在庫はどこもゼロ。
取り寄せでもドイツから入荷待ちなのか ”3月下旬” とのことでそのころにはすっかり熱意も冷めそうです。
まあ・・・海外から取り寄せればいいのですが、今は色々不安定なのでそこも少々不安です。
幸いにしてナップス足立店さんにはこの1点だけ在庫がありましたので無事確保。
その他のバッグも見ましたが、私の欲しいバッグは先述の展示4種の中にはなかったので残念ながら買えませんでした。
無いものは仕方がないのでバッグは在庫のあったWebikeでその後注文。
ともあれ現時点はとてもレアなベース部材を買えて満足♪
意気揚々と帰宅し、翌日にはWebikeで注文したタンクバッグ本体も配達されましたので取り付け作業です。
まずはベースから。どれどれ開封してみましょう。
付属品は金属のベースプレートが2枚・樹脂のベースが1枚・ねじ類と説明書といったところ。
取り付ける場所はここ。
HONDA 7穴用 というだけあって、タンクキャップは7本のネジで留まっています。
キャップ下の細かなネジの長短や構造ここではさておき、うち4本を外してベースを装着します。
構造図はこんな感じですね。
付属品のねじ類はこちら。
左側がタンクキャップ部にベースプレートを取り付ける際のスペーサ、
上側がそのベースプレート固定用のM6ネジで下側がM4(タンク側のネジ穴径に合わせて選択します)、
右側が上層の樹脂ベースを取り付ける際の特殊ナットです。
ちなみに2BL-CBR600RRのタンク側のネジ穴はM6の方を使います。
まずタンクキャップから4本の純正ボルトを外し、
タンクリングに付属のベースプレートのうち1枚を、先述のスペーサをタンクキャップ側に4つ入れてから取り付けます。
続いて樹脂ベースを取り付け。ここでは注意書きがありますので要確認。
ベースプレートと樹脂ベース双方のトルク指定があります。
特に樹脂ベースは2N・mですので破損に注意ですね。ネジロックも指定されています。
各々のネジを適切に締め付けたらばベースの取り付けは完了です。
非常に興味深いことにタンクバッグのベースになるものは馬蹄型のこれだけ。
その他ベルトなど必要なくこれだけでがっちりと装着され、取り付けにも取り外しにもまるで手間がありません。
なによりもデザイン的に不必要に出っ張った感じがなく好印象です。
それではいよいよタンクバッグ本体の取り付けです。
【 PRO Daypack タンクバッグ 】 ¥23,650-
容量は 5-8Lの可変式。私は今回これを選びました。
SW-MOTECHのタンクバッグには 【 PRO 】 と 【 EVO 】 のラインが存在しますが、
PROの方がバッグの選択肢は多く、それこそSSからネイキッド、ツアラーからデュアルパーパスまで適した商品が選べます。
他方のEVOについてはまだ選択肢が少なく、
タンクリング経由でバッグまで給電ができる仕様もあるとのことですが、そこに電源は求めていませんので考慮の対象外でした。
しかしこれも高いな・・・。先に取り付けたベース部もそうでしたがSW-MOTECHは高価です。
一回り大きいモデルの【 PRO Engage 】はさらに1万円高でもっと大きいものはもっと高い。ぜいたく品ですね~。
それでは取り付けの準備。
付属品はお決まりのレインカバーとタンク側の ”タンクリング” に対応するベース部分が入っています。
ベース部については樹脂製のがっちりした構造。これをタンクバッグの裏側に取り付けます。
連続した凹凸があるのはここの部分でタンクバッグの位置を調整することができる為です。
取りつけて裏返すとこんな感じ。簡単な実測ですが、前後方向に ”90mm”程度の調整ができるようです。
好みの位置が決まったらば4本のボルトを締めてズレないように完全に固定ができます。
そしてここに見えている ”赤い紐” について。
この紐はベース部に仕込まれたロック機構を解除するのに使う紐です。
この赤い紐はタンクバッグ前方の専用の穴を通して中へ通し、バッグ内のバックルに固定。
外に出ている紐の長さをタンクバッグの設置位置に合わせて引っ張るのに都合いい長さに調整します。
ちなみにロック機構のアップはこんな感じ。
実によく考えられてますね~。すごい!
そしていよいよ タンクリングとタンクバッグ の合体!
徐にバッグをベースに近づけて・・・ポンと置けば「ガチャっ。」ほんとにわずか1秒です♪
取りつける状況を想像すると位置決めに難儀しそうなものではありますが、
それもよく考えられていて強力なマグネットで誘導されるため全くストレスがありません。
うむ。納まりもいいですね。
タンクバッグ全般に言えることですが、ある程度伏せることが前提のスポーツバイクでは大きすぎると邪魔です。
その点ではこれぐらいがサイズの限界。一つ上のサイズである EngageやSportを選ばずDaypackで正解でした。
例えばSportであれば容量は12-17Lとなりますが、17Lはまさにオートバイのタンク並みの容量です。
そんなものをタンクの上に載せたらタンクがもう一つ増えるようなもので大変なことに^^;
容量を稼ぎたい場合は、実用上はデュアルパーパスのような運転時にライダーの上体が直立したモデルに限られる印象です。
横から見るとこのようになります。
基本的にタンクの面とは触れない=傷がつかない が売りではありますが、
2BL-CBR600RRの場合は後半の赤いタンクカバーが若干エッジが立っている関係で少し触れます。
ただ、その場所はホバークラフトのようなスカート形状の軟質素材ですので傷の心配はなさそうです。
尚、バッグ横の白く見える部分はリフレクタです。
この場所であればベタ伏せでない普通の乗車姿勢で邪魔になることはありません。
続いて PRO Daypack の容量の感じ。このモデルは 5-8Lの容量可変ですがまずは普通の5Lの状態から。
蓋を開けるとこのような姿。
下に複数のネジが留まっていますがこれは先述のベース部を固定しているもの。がっちりした硬質の素材です。
それではモノを入れてみましょう。
一般的なイメージですが、
500mlのペットボトル と SONYのちょっと大きいスマホ(手帳型ケース)を入れた状態です。
これで既に余裕がないようにも見えますが高さ方向ではまだ余裕があります。
一眼レフを入れてみました。バッテリーグリップ無しです。
カメラの肩部分が飛び出していますが、バッグの蓋も高めのデザインですのでこの状態で蓋が閉まります。
前後方向については、写真場合の装着しているレンズはDX機の 18-55mm ですが、
18-200や300などの一般的なズームレンズであればそのまま入ります。
それでは容量を 5Lから8Lに拡張してみましょう。
バッグの裾回りのファスナーをぐるっと展開してにょきにょきっと上に伸ばします。
底上げスタイル。60mm程高さが上がりこれで8Lです。
この高さではバッテリーグリップ付きの一眼レフも入りますが、
一般的なタンクバッグと同様で中身が入っていなければ自立はしません。
そもそもSSの前傾度でこの高さまで伸びられると邪魔ですのであくまで非常用ですね。
ついでにその他の収納箇所。
蓋の裏にポケットがあります。
スマホを入れるとこんな感じですが、ツーリングネットや予備のマスク、財布などなら問題なく入ります。
以上がモノの収納の具合です。
私の場合、財布にスマホに目薬にマスクやアルコールティッシュ、ツーリングネット。
あとはカメラとブレーキ防犯ロックあたりを持っていますがそれらの収納に無理はありません。
ただ、お土産などの追加収納は困難ですので、
もし何かを買うときはツーリングネットを使って対応する予定です。
そして肝心の取り外しの方法も紹介。
画像下側の赤い紐を引っ張るだけ。これもたった1秒の世界の話。
オートバイから離れるときは例の馬蹄型のタンクリングだけが残ります。
着けるのもマグネット誘導で1秒。外すのも紐を引くだけで1秒。実に素晴らしいです。
うーむ。今回導入したものだけで3万円。
正直タンクバッグにしては高いなあと感じますがバイク用品としてはまあそんなものかという感もあり。
ただ、この便利さだけは最高ですね~。冒頭でも申し上げましたが面倒くさい感覚は皆無です♪
最後に余談。
SW-MOTECHは他社に比べてもデザインのよい印象ですが、
こんなよくわからん飾りもついていました(笑) 牛かな?ブランドロゴのようです。
下側に見えているヒモや天面の謎のブロック状の穴と並んで用途がよくわからないデザインもありますがとても見た目はよいです。
そんなわけで脚の上げ下げ(笑)や、
そもそもバッグの取り外しが面倒になりつつある諸兄にはおすすめのタンクバッグの紹介でした( ̄ー ̄)。
≪注記≫
・2022年2月現在はタンクリングなどはすぐの部材入手が困難なようですが、コロナ禍由来と思われますので順次解消かと。
・本記事の記述時点では代理店のActiveやWebikeのサイトでは PRO Daypack の商品画像に掲載ミスがあり、
”バッグ側面の小物ポケット”はDaypackには存在しません。Sportの画像を誤って掲載しているようです。
私も最初は騙されましたのでご注意ください。