いつも見に来てくれてありがとうございます。
上州武尊山スカイビュートレイル80Kのレポ、レース編です。
結論から言うと無事に完走できました。予想タイム21時間のところ、17時間半くらいでゴール。
自身の最長距離となるレースだったのでビビって予想タイムを遅くしたってのはあるけど、
途中バテることなく(あっ、ちょっとだけバテた区間があったな)最後までまずまず動き続けられたので
自分的には成功したレースだと思っています。
成功の要因は、頑張りすぎない。これに大事!
今まで自分の走力を顧みず序盤に突っ込み過ぎてヘロヘロになることが多かったんだけど、
今回は意識して抑えて入りました。序盤だと緩やかな坂って走る人も多いけど、自分は焦らずに歩き。
はぁはぁ言わない程度には頑張りましたけど、決して無理はしませんでした。
この大会は、残りの距離を表示してくれているんだけど、それを見たら頑張れなかったというもあるけどね。
あと補給もうまく出来ました。
1時間おきにジェルや固形物を摂取。エイドも充実していて、どこのエイドでもおにぎり等のご飯系があったのは助かりました。
豚汁や味噌汁もあって、そこにおにぎりを投入して一緒に食べたらめっちゃ美味しかった。今思い出しても、じわーっとくる。
胃腸のトラブルもなくしっかり補給できたことで、動き続けられたんだと思うけど、
逆に補給さえできればどこまでいけるんだろうと興味が湧いてきています。やべ。
最後にもう1つ。集団で走る!
自分一人だとすぐに止まっちゃうことがあります。ペースメイクが出来ないんです。
序盤に突っ込むのと同じなんだけど、残りの距離を考えずにその時点で走れるペースで走っちゃってすぐにバテる。
バカだなって思うけど、じゃぁどのくらいのペースならいけるのかがイマイチ分かっていない。
だから今回は意識的に周りのランナーに付いて行くようにしてみました。ちょっと遅いなーと思うような場面でも前には出ずじっと我慢。
後ろに付くとルートファインディングしなくてもよく楽が出来るという利点も。
先頭を走るランナーにはほんとに感謝です。自分ももうちょい強くなれたら先頭に出たいと思う。
コース的には、前半に剣が峰(2,020m)、武尊山(2,158m)まで標高差1,500mほどを一気に登るが、序盤で体力も残っているので難なくクリア。
この辺りは山岳コースで標高もそこそこあるので景色が良かったです。
それ以降は、トレイルのほか、スキー場ゲレンデのアップダウンや、林道、舗装路などバリエーションに富んだコースで飽きなかったです。
下りの林道も結構あり、走らされるコースでもあるかな。
とはいえ、制限時間は24時間とちょっと緩め。走らなくてもきっと大丈夫。
ちなみに今回の完走率は90.8%だったとのこと。ITRA4ポイントをゲットできるのでおススメの大会です。
来年は128Kに出てみたいと今は思っています。今は。
ではレースの様子を写真とともにつらつらと書いて行きます。
当日の朝はあいにくの雨。
雨雲レーダーを確認するとスタートの7時くらいにはやみそうな感じである。日頃の行いがいいから止むっしょ!と楽観しておりました。
とりあえず屋根のある場所でまったりとスタートを待っていたんだけど、やむ気配なし。むむむ。日頃の行いはどこいった。(^▽^;)
スタート時間が迫ってきたので、意を決してレインウェアを着込んでいざスタート位置へ。
スタートから雨っていうのは初めてだけど、テンション下がるなー。
スタート前、地元の神社の神主さんによる安全祈願がありました。こういうのがあると安全意識が高まりますね。
無茶はしないでおこうという意識が芽生えました。
7:00、雨の中スタートです。
スタートすぐにリンゴ畑がありました。ほんのり色づくりんごにテンションアップ。
1つもぎって食べたい衝動に駆られるが我慢。
ちなみにこちらはスタート地点にあった残りの距離表示。80Kの部の残距離は下に小さく書かれているんだけど、77.5kmとのこと。
そうそう、後ろの畑の作物、なんだか分かるかな? 群馬県名産のこんにゃくです!
最初は2㎞ほど街中を走り、それからトレイルに入っていきます。
トレイルに入るころには雨がやみ、皆さんレインウェアを脱いでいました。
序盤の登り。
横移動のトレイル。体力も余っているので、ここが一番気持ち良く走れたかな。ここばっかり走っていたいくらい。
21世紀の森の近く。緩やかな登りで走っている人もいたけど、私は無理せず歩きとおした。
残りの距離を考えたら走り出せなかったというほうが正解。
第一エイド手前の下りの林道。前日からの雨でどろどろでした。
いつもなら暴走しそうな区間ですが、足に負担がないよう安全運転。成長したもんだと自分を褒めてたのは内緒。
9:00、第一エイドである川場スキー場第4駐車場に到着。
車でこれる場所ということもあり、多くの応援の方がいて応援してもらえました。感謝。
エイドの写真はナシ。ブロガー失格だな。最近エイドの滞在時間を短縮しようと意識しており、
エイドに入る手前からソフトフラスコを取り出し、ミネラルタブレットを入れて給水する準備をしなきゃならない。
写真を撮っている暇なんてないのだ。
このエイドではぶどうがありました。テンション上がります。
あと塩むすびも1つ頂きました。こういう腹持ちする補給食があるとすっごく助かります。
出発する前にトイレへ。5人ほど並んでいたのでスルーするか迷ったけど、トイレを気にしながら走るのもメンタル的に厳しいので、並びました。
トイレは3基あったのですぐに順番がきて助かりました。
この大会は9回目の開催なので、運営はどこもスムーズで、ストレスは一切なかったです。感謝。
8分ほどでエイドを出発。
ここからは登りが急になり、周りのランナーに置いて行かれました。みんな強いなー、ほんと。
この辺り(↓)はへばりそうでした。時刻は10時過ぎで日差しが強くなってきたんです。登りは急だし、暑いし、やべーって感じ。
この日はそんなに暑くならない予報だったので、帽子に取り付けるサンシェードを持ってこなかったことを激しく後悔した。
しかーし、タオルを持っていることを思い出し、帽子の下にかぶって首筋を日差しから守りました。
せっかく登って来たのになぜ下るのだ!といつも思ってしまう。
森林限界を超え、眺望が開けました。景色は良くなるんだけど、先が見えて嫌になる。
ピコッと飛び出たところがピークっぽかったので、周りのランナーに「あれが武尊山ですか?」と聞いてみたところ、
「そうですよ!」と帰ってきたけど、手前の剣が峰でした。がくっ。
さっきまで晴れていたのに、ガスが出てきました。景色は見えなくなるけど、気温、体温が下がるのでウエルカムです。
剣が峰
剣が峰を通過すると、急な下りが待っていました。皆さん慎重に降りていきます。
距離の長いレースで経験を積まれた方が多いからか、みなさん”山力”が高い印象を受けました。
登山者への挨拶だったり、ロープや梯子のところではちゃんと待つ、などなど。他者への気遣いというか、どういう行為が危険なのか分かってる印象。
いよいよ本丸の武尊山への登りです。ガレた岩場の急登に四苦八苦。
淡々と一定のリズムで登りたいところだけど、何回か立ち止まってしまい休憩を入れないと厳しかったです。
12:00(スタートから5時間)、ようやく武尊山山頂に到着しました。
もう半分くらい終わった感があったけど、まだ21㎞。1/4しか来ていないのだ。先のことを考えるとやってランねー。
暑さと急登で水の消費が激しく残り少なくなっていたので、
ダメもとでスタッフさんに「水はないですよねー??」と聞いてみたところ、やはりありませんでした。
次のエイドまではあと6㎞あるけど、基本下りなので出力を抑えれば何とかなるか?!と思いながら出発。
標高が高いのでいい景色です。里山じゃ見られない景色に感動。
途中 水たまりがあったので、タオルを濡らして帽子の下にかぶったらヒンヤリして気持ち良かったぁ。
これまで夏場の暑いときはサンシェードをかぶっていたけど、モンベルのアルミ素材のサンシェードで保水しないタイプ。
ただのタオルの方が保水してくれるし、頬っぺたにもタオルが触れてヒンヤリ。こっちのほうがいいかも。
生き返ったーと思いながら走っていると、ランナーが3, 4人ほど立ち止まっている場所があり、何だろうと思っていると天然の水場でした。
めっちゃありがたい!!
ソフトフラスコ2本とも満タンにしました。ちょっと濁ってたけど気にしている場合じゃないっす。
前の女の子も、「命の水ーーー!!」と言いながら汲んでました。ほんとその通り。
このあと次のエイドまで水の残量を気にせず、ペースを落とすこともなく行けたのは大きかったです。
武尊山からの下りは、前日からの雨でぐちょぐちょのトレイルでした。
避ける場所がないところもあり、靴はドロドロで、じわーっと靴の中まで濡れちゃいました。
13:45、2つ目のエイドである「ほたか牧場キャンプ場」に到着。
豚汁とおむすびを頂きました。疲れた体に染みわたる美味しさ。このセット、どの大会でも提供してほしいくらい最強です!
このエイドではジェルを取りやすいポケットに移し替えたり、十分な休憩をとったこともあり、滞在時間は約20分。
予定通りです。最近予定を立てるとき、エイドの滞在時間も設定して予想タイムを出しています。
休憩はその時の状況に応じて取ればいいんだけど、予め時間を取っておくことで焦らずに済むのでメンタル的によかったかな。
今年リニューアルオープンした ほたか牧場キャンプ場の横を下っていきます。
ロードに出て走っていると距離表示の看板を発見し、愕然とする。47㎞って。。。
十二様のウォーターエイドで水を補給。あまり減っていなかったのでスルーしても大丈夫そうだったけど、
水不足の心配をしたくないので満タンにしておきました。
十二様からの登りは少し傾斜がきつくなり、抜かれるばかりでした。
登りは苦手だけど、最近少しは改善出来ていると思っているんだけど、まだまだであることを痛感しちゃう。
この登り(↓)、コースの中で一番の急斜面だったんじゃないかな。
目の前に地面があって壁のように感じてしまうほどでした。
また、地面が少し水分を含んでおり若干滑るんです。グリップの弱いシューズ?を履いている選手は滑って前に進まず四苦八苦していました。
幸い私の履いているHOKAスピードゴートちゃんはしっかりグリップしてくれました。
えっちらおっちら登ってようやくクリアしたー!と思っていたら、また同じような急登が現れるんです。絶望っす。これを楽しめるメンタルが欲しい。
急登のあとは横移動の区間。若干だけ登ってる林道で、周りのランナーが歩いているので私も歩いていたんだけど、
そこを128Kの選手が走って抜いて行くんです。僕らより3時間も前にスタートして長い距離を走っているのにすげー。ほんと強いです。
で、それをみた80Kの選手たちが後を追うに走り出したので私もつられてスイッチが入り走り出せました。
またゲレンデの下り。急な下りは着地の衝撃が大きくて参っちゃいます。
何人かのランナーに抜かれましたが、焦らずゆっくり丁寧に下りました。
16:30(スタートから9時間半)、3つ目のエイドである「オグナほたかスキー場」に到着。
距離的には40㎞地点でようやく半分ってところ。考えただけで頭がクラクラしちゃいそう。
ここでは片品産野菜入りカレーを頂きました。ちょい辛口で美味しゅうございましたよ。
そのほか、片品産リンゴと、フルーツ杏仁も頂き、リフレッシュできました。
トイレは地下1階にあり階段を下りて行くの辛そうだなと思っていたんだけど、
思いのほか何ともなく、40㎞走って来たけどまだまだイケそうと思えました。
トイレは仮設ではないので、洋式でウォシュレットがあったのは助かりました。
そろそろ陽が落ちてくる時間帯なので、ライトを準備。
また気温も下がってきたのでウィンドブレーカーを取り出しやすいポケットに移動。
準備万端でエイドを出発。滞在時間は26分。予定通りです。
この区間は下り基調のトレイル。周りに選手がおらず、1人で寂しく走ってました。
その後ロードの下りを経て、再びトレイルに入ったところでライトを点灯。あれっ、点かない。。。。
初めて使うライトで、誤ってボタンが押された時の誤点灯を防ぐためにロックをかけていたんだけど、
ボタン長押しでロック解除されるはずなのに点かないんです。長押しを何回かやってみたけれど点かず焦る焦る。
バッテリーがダメになっちゃったのかな?と思い、予備バッテリーに変えてみようとバッテリーをザックから取り出したところで、
もう一度、ボタンを長押しではなく、ピッと押してみたところ点きました!! はー、助かった。
ボタン操作を誤解していたのが原因でした。長押しすると、ロック解除されると同時に点灯するものだと思い込んでいたんですが、
ロック解除されるだけで、もう一度ボタンを押さなきゃダメでした。長押しを何回も繰り返していたのですが、
単にロック→ロック解除を繰り返していただけだったのです。がくっ。
歩行を再開。
夜間歩行は2回目で経験が浅いので、前の人について行くことに。
ちょっと遅めグループで、登り区間が終わってもずっと歩いているのでどうしようか迷っていると、
1人が抜け出して走って行きました。そちらについて行こうか迷ったけど、まだまだ体力ありそうな人に見えて
途中で付いていけなくなったら嫌だなーと思ってしまい、抜け出すことが出来ず。
その後、後ろからランナーが来たタイミングで、意を決して、そちらについて行くことに。
そのランナーさん、ずっと一定のペースで走るので、こちらも走りやすかったのですが、
この下り区間は6㎞ほどあり長いんです。途中からついて行くのが辛くなってきたんだけど、
離されると1人になり怖いのでちょっとだけ無理をしてついて行きました。
おかげでタイムを短縮できたけどそれなりに体力を消耗しちゃた感あり。
19:15(スタートから12時間ちょい)、4つ目のエイドである赤倉橋に到着。
このエイドでもおむすびと味噌汁を頂きました。幸いにも胃腸トラブルはなし。
最後のエイドになるのでしっかり休憩するつもりで30分ほど時間をみていましたが、
特にすることもないので12分でエイドアウトしました。
赤倉橋エイドから1.2kmの地点にあるニチネン前のウォーターステーションで水分補給。
赤倉橋エイドで補給しても良かったんだけど、ニチネン前ではスポンサーであるニチネンさんが
「武尊の天然水」を提供してくれるということで、こちらで補給。美味しい水だと想像しますが、
このころになるとクエン酸ドリンクをずっと飲んでいるため口の中が気持ち悪くて味なんてわからない状態でした。がくっ。
ニチネン前から浅松山へは6.8kmの登り。キレイに舗装された道で歩きやすいのは助かったけど、
この区間が一番しんどかったかな。終盤で体力消耗しているし、
エイドで食べたものがまだ消化されておらずエネルギーが不足していたのが原因かと思う。
即効性のあるジェルを食べて少し持ち直したけど、この区間で20人くらいに抜かれたはず。数えてないけど。
21:00、ようやく浅松山に到着。1時間20分間、ずっと登り続けて疲弊しちゃいました。
浅松山はウォーターステーションになっており、ウィダーINゼリー(今は単にINかな)みたいなのを置いてくれていたので1つ頂きましたが、
美味しくなくて半分くらいしか食べれなかったです。めんごめんご。
浅松山から雨乞山への区間は横移動なんだけど、多少のアップダウンがある。
最初は1人で走っていたんだけど、やはりペースがつかめず歩いたり走ったりの繰り返し。
途中後ろからきたランナーさんに抜いてもらったタイミングで、すかさず後ろについて行ったんだけど、
そのランナーさん(下写真の白いウェアのランナー)、ずっと一定の出力で走れる人で、めっちゃ助かりました。感謝感謝です。
結構長い距離を引っ張ってもらってたんだけど、たまには自分も前に出て引っ張らないといけないと思いつつも、
どこで捻挫したのか分からないけど、くるぶし辺りに痛みがあり踏ん張れない状態だったこともあり、ついて行くのが精一杯でした。
ほんとかたじけない。もう少し強くなったら前を引っ張れるランナーになりたいと思う。
雨乞山の前後それぞれ1㎞くらいの区間は急な下りで、かつ滑りやすい路面だったこともあり、
みなさんロープを頼りに慎重に下っていたんだけど、後ろから128Kの選手がきたんです。
速そうな雰囲気をまとっていたいたので先を譲ったんだけど、ロープも使わずにざっざっざっとしっかり踏み込んですごいスピードで下って行きました。
すごいの一言。踏み込み時の角度とか、姿勢、重心の位置とかコツがあるんでしょうね。
(たしか)雨乞山を越えた辺りで夜景が見えました。残り5㎞。
1㎞ごとに残り距離の表示があるんだけど、10㎞すぎて一桁になると、よし行けるぞ!もう少しの辛抱だ!と思っていたけど、
5㎞より少なくなってくると、あーもう終わっちゃうのかといった感情も芽生えてくるから不思議。
残り2㎞あたりで街中に入りロードになったところで、もう体力を残していても仕方がないので全力で走りました。
キロ5切っているんじゃないかと思っていたが、後で確認するとラスト1㎞は6:45ペースでした。
ゴール会場手前にある、ふれあい橋。この大会では「栄光の架橋」って呼ばれている。
ここも走ってゴールへ!
ゴールへの花道
無事にゴールできました!
↓の時間はストップを押し忘れていたので正確ではないけどまぁこんなもんです。
こんな長い時間、動けるもんですね。
ゴール後、うどんを2杯頂きました。
スタッフの皆さん、一緒に走ったランナーの皆さん、ありがとうございました!
いい大会でした。
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