いつも見に来てくれてありがとうございます。
11/6に開催された2022 甲州アルプスオートルートチャレンジのレースレポです。
私はリリールート52kmの部に参加。結果は先の記事で書きましたが42㎞地点で無念のリタイアとなりました。
コケてメガネが破損して走れなくなったという理由なだけに悔しさいっぱいだけど、
ある程度練習を積んでしっかり走れたので楽しかった!ほうが大きいです。
前日は18時に就寝して24時に起床。トレランはスタートが早いので辛い。
自宅を1時に出発し、途中SAで仮眠したけど、3時過ぎには会場に到着。甲州市は山梨の中でも東京寄りなので近くてありがたい。
リリールートのスタートは6時なので早すぎる到着なんだけど、
猛者が集まるクレーシャ、オートルートの部のスタートをこの目で見たかったので早めに来ました。
クレーシャの部(105km)には、今年の信越五岳で優勝した大瀬和文選手や、TJARで優勝した土井陵選手が出場するのだ。
トレランの選手のなかで、このお二人は特に好きな選手です。
NHKのグレートレースという番組で、2018年のUTMFのレースの様子が放送されておりたまたま見たのですが、
そのときに活躍していたお二人なんです。まだトレランの世界を知らなかったので、
こんな世界があったのかと度肝を抜かされた記憶があります。山の中でマラソンの4倍もの距離を走るってほんとクレージー。
そんな過酷な状況で海外の選手と渡り合っていたお二人に魅了されたのでした。
4時、クレーシャとオートルートの部のスタートです。参加条件をクリアした猛者ばかり。
長丁場のレースなのでピリピリ感はないんだけど、程よい緊張感がありました。
招待選手の紹介などがあったのですが、(私のスタートじゃないけど)スタートの高揚感に包まれて、
結局、大瀬選手、土井選手を見逃してしまいました。下手こいたー。
その後、受付と必携品チェックを済ませました。まだ時間が早いこともあって行列などはなくあっさり完了。
ちなみに必携品チェックをしていないと失格らしく、クレーシャ/オートルートの選手で、スタート後に戻ってきてチェックを受けている選手がいました。
受付と必携品チェックの場所が別々で、しかもスタートエリアに入場する際に特に確認もないので要注意です。
この字は小川壮太さんが書いたのだろうか? 達筆ですね。
アントニオ猪木さんの名台詞かな。行くぞ!!って気持ちはほんと大事だな。
バナナ食べたり、荷物を詰めたり、ドリンクをセットしたりしているうちに夜が明けてきました。
富士さーん!
6時、私の出場するリリールートの部(52km)がいよいよスタートです。
前月330km走り込んだのでどこまで行けるかワクワク。
ブリーフィング動画で寒さ対策をするようにとあったので皆さんザックが大きめです。
小川壮太さんの先導(きゃっほーい!)で、最初は公園内の通路をくねくねと登っていきます。
ちなみにここから先は動画から切り出した写真のため、ちょっと画像が粗いです。
朝焼けと富士山。私はまだ夜通し走ったことはないですが、こういう時間帯にも走るトレランならではの景色ですね。
公園を出て少しトレイルをアップダウンした後、ぶどう畑の間を走る区間がありました!
ワインで有名な甲州市。ブドウの栽培も盛んです。もう収穫終わってるけどテンションアップ。
一旦街に下りてロードの区間。赤信号は止まります。
だいぶ体が温まってきたので、ウィンドウブレーカーを脱ぎ、手袋も外しました。
ちなみに手袋、この大会用に温かいやつを買ったんだけど、すぐ外すことになりショボーン。
甲州市の街並みを眼下に淡々と走ります。ちょー気持ちいい。
6㎞地点の渡辺フルーツ農園の辺りで経過時計を確認したのですが、なんと計測できていませんでした。
スタートボタンを押し忘れていたようです。前回の八ヶ岳トラバースでも忘れてたんだよね。あちゃー。
スタートでは動画撮影に気を取られるので、やることをルーチン化しないといけないな。
ヤマレコアプリとGPSウォッチの起動をするんだけど、両方ともスタート前に起動しておくのが良さそう。
1分1秒を争うわけではないのでタイムはちょっとくらいずれていても問題ない。
ちなみにヤマレコのアプリは地図で現在値などを確認できるほか、ルートを逸脱した際に警告してくれるので重宝していますが、
それだけじゃなく「いまココ」という機能があって、家族や友人に今どこにいるか知らせることができるのです。
今回嫁さんはこの機能を使って私の位置を把握していたそうです。
話を戻します。
渡辺フルーツ農園。ここを過ぎるとトレイルに入っていきます。しかも急登。
みなさんポールをオモムロニ取り出し始めたので私も準備して急登に備えます。あー急登 怖いな。
渡辺フルーツ農園から源次郎岳まで6.7kmで標高1000mを一気に登るのだ。登りが苦手な私には恐怖でしかありません。
ブリーフィング動画ではこの急登は焦らず頑張りすぎないことが大事だって言われていた。
しかーーーし、最初で疲れがない状態だったことや、周りのペースに流されてMAX頑張っちゃいました。
一人しか通れない細いトレイルで私のせいで詰まっちゃうといけないというプレッシャーもあった。
何回か前と少し離れたら端によけて先に行ってもらったけど、まぁまぁ行列で一旦コースを外れると次入れてもらうタイミングが難しいんだよね。
行列の間に入れてもらうと遅れられないというプレッシャーがかかるし、行列の隙間がくるまで待つと結構な時間待たないといけない。
ということでゼェゼェハァハァ苦手な登りを頑張ってしまいました。
以前、美ヶ原トレイルランで後方からスタートして遅いペースにはまってリタイアした苦い経験から
今回は少し前の方に並んだのがいけなかったのか私には早すぎるペースでした。
そんなこんなで動画を撮る余裕もなかったのですが、恩若峰を超えて少しバラけてきたところで動画撮影を再開。
8時23分、やっとこさで源次郎岳(1476m)に到着。予定より40分早い。ここで頑張りすぎていたことに気づいたが後の祭り。
広めの山頂で眺望もよいので休憩したくなるが、これまでの頑張りが帳消しになっちゃうのはもったいないと思って写真だけ撮って先に進みました。
トレランって走ることでいろんな場所まで行けていろんな景色を見ることが出来る!っていう人がいるけど、
景色をゆっくり楽しめないですね。特にレースだと。もったいないと思うが仕方ない。
源次郎岳からの富士山。天気も良く最高の景色だったのでスマホを取り出して撮影。いいねぇ。
源次郎岳から第1エイドである上日川峠エイドまでは多少のアップダウンはあるが標高はほぼ同じ。
ブリーフィング動画で、ここを走ることで時間を短縮できると言っていたので、疲れていたがとにかく走った。
林道に出たところで、またまた富士山! 富士山を見ながら走れるって幸せだなー。
疲れが吹っ飛ぶとまでは言えないけど、一時だけでも忘れられます。
たしかこの辺りだったと思うのですが、エネモチを食べたところ歯のかぶせ物が取れました。
寒い季節だとエネモチが固くなりリスクが高まります。今後は、セブンのクルミ餅にします!
ちょっと登りなんだけど、前の女性ランナーさんが走るのでつられて走るが辛い。ほんと女性って強いなと思った。
9時38分、上日川峠エイド(20㎞地点)に到着。予定より50分の貯金。
エイドはいろいろ充実しており、私がいいなと思ったのはメダリストのドリンクとお湯。
メダリストはいつも愛用していたので無料で提供いただけるのは助かりました。
お湯はインスタントの味噌汁やコーヒー、紅茶、コーンスープも提供されており、それら温かい飲み物を頂けるのが良かったです。
ほっと一息できるし、温まることができるし、あと胃の活動を促進してくれる気がしました。以前軽井沢トレイルランニングレースで45㎞走ったときは胃腸トラブルでレース後に食事を満足に頂けなかったのですが、
今回は結果的に42㎞ですが全く胃腸トラブルはなかったです。1つ難点は熱くてすぐに飲めない点。
水を足してぬるくも出来ますよ、と言っていただいたが熱湯のままで頂きました。謎のこだわり。
結局このエイドの滞在時間は12分。コーヒーが熱くて長居しちゃいました。。。
エイドでリフレッシュした後、次はコース最高峰の小金沢山(標高2014m)を目指して出発。
この区間は登り基調で、距離4.3㎞で標高500mアップする。苦手な登り区間だけど、ここをクリアすれば何とかなりそう、頑張るぞー!と気合を入れました。
ちょいちょい姿を現す富士山。その度に「おぉ~、すげー」「最高!」と声が漏れる。
岩ごろごろの区間。どこがコースなのか判別しづらく、青いマーキングを頼りに進みました。
狼平近くの草原。絵になる景色だと思い急いでスマホを取り出して写真を撮った。
狼平を過ぎて小金沢山へ向かう稜線。こちらも絵になるなと思って撮影。
撮影が多くなってきたのはお疲れの証拠。撮影と称して止まるからねー。
11時9分、小金沢山(標高2014m)に到着。
富士山のてっぺんしか見えてないけど、いいのいいの。
ここには登山客が多くいらした。写真撮影しているとチラチラ見られている気がしたので颯爽とリスタートした。
ほんとはヨレヨレなんだけど、かっこつけちゃいました。(^▽^;)
行程表を確認すると、次の牛奥ノ雁ヶ腹摺山までは1.4㎞。距離が短いとホッとする。
こうやって目標地点を区切っていくといいね。まぁ1.4㎞は短いが、5,6kmで区切れると頑張れる感じでした。
11時29分、牛奥ノ雁ヶ腹摺山(うしおくのがんがはらすりやま、標高1990m)に到着。
日本一名前の長い山だそう。その昔、雁が腹をこすりそうに飛んで行ったことから名前が付いたんだって。
山頂からの眺めが最高でした。あとで写真をみると、下の方が雲に隠れているし、小さく見える富士山だけど、
実際はもっと大きく見えたんだ。頑張れているのでなんだって絶景に見えるかな。
次のすずらんエイドまでは3.3kmで標高600m下る。
前の選手について行こうとしたがすぐに離された。下りも苦手、というか下手くそなのだ。登りも下りも苦手だ。
YouTubeとかで勉強しているんだけどな。考えすぎて体が付いてこない感じ。山で練習しないといけませんね。
いい景色。思わず声が漏れた。
この辺り(↓)だと思うのですがもう少し狭くなったところでコケちゃいました。
目の前に切り株が迫ってきたので咄嗟に手をついたんだけど、手首に激痛が走り悶絶。
最近では感じたことのない激痛だったけど、骨は折れてなさげなので続行。
意気消沈のなか走っていたらすずらんエイドの手前でコースロストしちゃいました。
林道をずんずん下ってちゃんとした舗装路に出たのですが、コースマーキングがない。
こういうところでは必ずあるのになーと思いヤマレコで地図を確認すると「コースを外れています」という。
100mくらい行き過ぎていたみたい。もっと早く行ってよ!と思ったけど、ちょうど警告を出すか出さないかの境目だったのかな?
12時9分、ヘロヘロですずらんエイド(29㎞地点)に到着。予定より50分早いが、第1エイドからは上積みなし。
すずらんエイドでは屋内にあり、椅子に座って休憩できました。ここでは水の補給と、コーンポタージュのスープを頂いた。
温かい飲み物はやっぱりいいですね。ほっとします。
すずらんエイドを出ると、舗装路が続きます。長い登りの舗装路で心が折れそうでした。
登りが苦手ないのでヨチヨチ歩いていると、サーっと抜かされるんです。なんであんなに早く歩けるんだろうと、
その選手の動きを観察するんだけど分からねー。膝や股関節の屈伸が多く無駄な力を使っているんだろう。あと骨盤が前傾になっていないのも悪いのだろう。
と思うものの、じゃぁどうすればいいのか、ということが分からないんだよねー。
次の深沢エイドまでは6㎞。黙々と進んだ。
だいぶお疲れ状態。この区間、ほとんど写真や動画を撮っていなかった。
疲れ始めると立ち止まりたいから写真撮影が多くなるけど、ほんとに疲れちゃいと何も撮らなくなります。
あぁ、ここいい景色だなと思っても全部スルー。
それでも、深沢エイド手前の紅葉のトンネルだけは動画を撮りました。
上空もオレンジで地面もオレンジ。日光と相まって360℃オレンジの世界でふわぁ~と幸せな気分になったんです。ほんと気持ち良かった。
13時12分、深沢エイドに到着。予定より1時間10分早い。この区間、貯金20分の上積みが出来た。
しんどいと思っていたけど、前のエイドでしっかりエネルギー補給できたのが良かったのかな。
あとはこれ(↓)。シャインマスカットとクイーンニーナの食べ放題。これを食べたい!と思って頑張れました。
食い意地が前に進むエネルギーになるんだよねー。
このエイドでは温かいミルクティなどでしっかりとエネルギー補給してリスタート。
エイドからトレイルまでの区間は往復するコースになっていて選手がすれ違うんだけど、
すれ違う選手ほぼみんな軽く会釈したり「お疲れ様」「ファイトー」とか声かけあったりするんだ。
こういうのいいですよねー。じわーっとくる。自分はトレランって他人とタイムを競うという意識が低く(自分との闘いってのはあるけどね)、
山の中でリスクもあるので助け合う精神がありライバルだけど同士という意識を持っています。
みんなも同じ意識なんだろうな、と思える一コマでした。
最後にシャインマスカットを1粒口に頬張ってリスタート。
エイドを出るときに高低図を確認したんだけど、見間違えて、登ったあと下り基調になると理解。下り基調になったらポールを仕舞おうと思っていた。
ところが登りではなく下りが続いて???となり、その後登ったあと下り基調になったんだけど、ポールを仕舞うタイミングを逸してしまった。
いつポールを仕舞おうかと思っていた矢先、下りでつまずいてコケて顔からダイブ。
やばいと思ったが、ポールを持っていた左手では防御できず。右手は出てこなかった。
後から考えたんだけど、すずらんエイド手前で右手首を強打。その後、別の場所でも2回ほどコケて咄嗟に右手をつきその度に悶絶していた。
岩に手をついただけでも激痛が走る状態になっており、脳が右手ではもう防御を拒否していたんだろうな。
教訓:面倒でもポールは仕舞おう!(もしくは下りでもポールを使えるようにする!)
顔面からダイブ瞬間、メガネがヤバいなーと思った。
目を開けるとメガネがとれていることに気づくが、裸眼視力が0.06の私。
落ち葉に埋もれたメガネを探すのに一苦労した。ようやく見つけたんだけど、フレームが割れ、レンズが外れていた。がびょーん。
レンズを探すが見つからず、手で落ち葉をわさわさしながら探したけど見つからず。
昔、吉本新喜劇でこんな場面あったなー、なんて笑いが込み上げてきた。
途方に暮れていると後続のランナーたちが来て「大丈夫ですか?」と声をかけてくれ、レンズも探し出してくれた。感謝。
割れたメガネで顔を切り血が出ていたようでずいぶんと心配してくれたけど、体の方はケガなく一人で歩けると判断できたのでお礼を言って先に行ってもらいました。
そこから次のマロニエ山エイドまでの4㎞は、良く見えない状態なので慎重に歩きとおしました。
その間も続々と走り去っていく後続のランナー達。みんないい走りしているなー、頑張ってるなーと思うと、すごく距離感を感じちゃいました。
同じコース上にいるのに10mくらい離れているような感じ。今思い出してもそういう距離感の画像しか頭に浮かんできません。
まだ15時くらいだったけど、山の中は薄暗く裸眼では到底継続はできない。
セロテープなどでメガネを補修できたとしても、疲れが蓄積した状態で再度コケるリスクが高い、
そうなるとまたメガネが破損して歩けなくなるな、と思いリタイアを決意した。
エイド手前2㎞くらいから舗装路になり足元を気にせず走れるのに、意気消沈していたので走らなかった。
応援の人がいて「がんばれー」って言ってくれたんだけど走らなかった。そしたらもう1回背中越しに「がんばれー」って。
そこでハッとしてグー。走れるのに走らないって何だよと思い直し、エイドまで数百メートルだったけど走りました。ちょっと気分が持ち直した。ありがとう。
エイドでリタイアを告げ、お味噌汁と地元銘菓のうらじろまんじゅうを頂きました。
メガネがないので何がどこにあるのか分からず、お味噌汁はどこですか?と聞いたら、
エイドスタッフの方がインスタントの味噌汁にお湯を入れて味噌がとけるまでくるくると丁寧にかき混ぜて作ってくれました。ありがとう。美味しかったです。
その後、スタッフの方の車で会場まで送ってもらいました。
その車窓から、走り続けているランナーが見えたんだけど、みんな頑張ってて輝いていました。
会場では地元のお母さんたちが豚汁を作ってくれておりめっちゃ美味しかったです。
コロナ禍で地元の理解が得られず中止になる大会が多い中、こうして協力いただけるのはすごくありがたいです。
小川壮太さんはじめスタッフの方々のご尽力の賜物なんでしょうね。
帰りはペーパードライバーの嫁さんの運転で近くのコンビニまで行き、セロテープを購入してメガネを補修。
そこから運転を交代して帰ってきました。
勝沼 ぶどうの丘にある温泉で汗を流し、晩ご飯も食べて帰路へ。
馬のもつ煮があったので注文してみたのですが、ちょっとクセがあって食べるの大変でした。
今回は歯のかぶせ物が取れたり、手首を強打したり、メガネが破損したり散々だったけど、
まずまず走れたのでめっちゃ楽しかった!です。
また来年リベンジします!
大会関係者の皆さん、同士であるランナーの皆さん、ありがとうございました。
動画も是非!
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