星さんぞう異文化きまぐれ雑記帳

異文化に接しての雑感を気ままに、気まぐれに

「いける」東西比較

2006年03月07日 19時05分46秒 | Weblog

関東で「いける」と言えばおおよそ次の用法が思い当たります。
①「あいつ、相当いける口だぜ」と酒を飲む人を指すとき
②「この肴、結構いけますね」と食べ物の美味いことを、物事の良さを褒めるとき
③「明日の晩、一緒にいける?」と「行くことができる」の意味で使うとき

いっぽう、関西ではもっと広範にかつ頻繁に「いける」が使われます。それが話のやり取りを大変生き生きとさせるリズムも持っていて、感心させられた記憶があります。

①「この店の前の駐車場に停めてもいいんですか?」「いけるよっ!」

②「席あいてますか?10人いるんですけど」「いけますよっ!」

③「天気崩れそうだなぁ・・・」「だいじょうぶ、いけるよっ!」

④「おっちゃん、いけるぅ?」「いけるでぇ!」

要するに「OK」「オッケー!」「可能である」「問題ない」「ノープロブレム」「大丈夫」である旨を伝えるときの万能薬なのですが、関西弁の流れの中で聞く「いけるでぇ!」はなんともリズム感があふれていて、元気に満ちている言い回しであるのです。たった2年と短い関西生活でしたが、関西弁のとりこになるきっかけを私にくれた言葉です。

 

 

 


よろこんでっ!

2006年03月07日 18時28分51秒 | Weblog

家の近くに和風海鮮居酒屋が開店したので行ってみました。「日本人の台所」を目指すとの大層な気合を入れたチェーン店でした。

ドアを開けるやいなや、「いらっしゃいませ。よろこんでーっ!」との声に???。席に座り、メニューを眺めて頃合を見はかり注文のブザーを鳴らすと、これまたそこらじゅうから「よろこんでーっ!」の連呼。またまた??? なんだこりゃ?

新規開店で店長さんが気合入れて従業員教育を施し、「お客の喜びは我が喜び」てな調子で教え込んだに違いありません。よく見ると制服の半纏の背中にも「よろこんで」と染め抜かれています。いわゆる企業理念なのです、これは。

適当に注文して「ま、取り敢えずこんなとこかな」と言うと、また「よろこんでっ」が返ってくるのです。料理はそれなりに値段相応にまずまずではあったものの、店にいる間ずっと耳に入り続けた「よろこんでーっ!」には食傷しました。

これも英語にすると「With a great pleasure!」とすんなり耳に入るし、違和感はないのですが、日本人の台所を標榜する和風居酒屋で常時口にし、耳にする日本語としてはいかがなものかと、なんともやりきれない思いを抱きながら店を後にしたものです。「よろこんでっ!」のげっぷが出そうなほど聞きすぎをしてしまいました。

お節介とは承知のうえながら、どうも腹に収めかねてチェーン店の担当にメールを入れ改善を促しました。早速偉いさんから謝意の返信が届いたのはさすがですが、その後再訪したときにもあまり改善された形跡はなく、「ま、こんなものかな」と感じて、それ以来脚が遠のいている次第です。外食産業の挨拶マニュアル、敬語マニュアルが日本語の乱れを加速させているとの話の裏を取ったような、妙にわびしく、ほろにがい経験でした。

「チョット悪いけど、手のすいたときにお茶取り替えてくれるぅ?」「はい、よろこんでっ!」「そうそう、そうこなくっちゃ。それが正しい使い方よ。他は余計よ。」こんな話にきまり悪そうに耳を傾けてくれた女子高校生アルバイトの多い店でした。

 


だいじょうぶ

2006年03月07日 15時29分18秒 | Weblog

最近特に気になる日本語、「だいじょうぶ」の大丈夫でない話です。

レストランでの会話です。
「コーヒー(と言って私のカップを覗き込んで)だいじょうぶですかぁ?」
「えっ?? あれっ?なんかまずかった?もうオレ飲んじゃったよ。」
「おかわりはだいじょうぶでしょうか?」
「大丈夫かどうかわかんないけど・・・なにがあったの?なにかあったの?

英訳してみましょう。
「Are you OK with your coffee?」「Is everything OK with you?」
こう英語で言われてみると違和感ありませんね。なのに日本語で「だいじょうぶですか」と訊かれるとドキッとしせんか。「大丈夫」とは「危なげない」状態を指すはずだから「コーヒー大丈夫か」と訊かれれば、「しまったぁ。毒入ってたのかぁ!」とビックリするのです。或いはウエイトレスの女の子が英語的発想なのかな。

「コーヒーいかがですか」「おかわりはいかがでしょうか」とは殆ど聞かなくなりました。この用法は若者に限らず、幅広い年齢層に浸透しているようです。更にもっと広範囲の用法があるようですが、ここでは省略します。今度よく注意して聞いてみてください。ひょっとして自分でも使っているかもしれません。だいじょうぶですか?


ゴルフ場のレストラン

2006年03月07日 15時01分51秒 | Weblog

日本のゴルフ場のレストラン、どうしてあんなに豪華で高価なんでしょうね。たかがラウンドの途中で腹に入れて半日もてばいいだけなのに。サラリーマンは500円のざる蕎麦か400円のライスカレーをものの5分でかきこんで仕事と格闘する特技があるのに、ボール追いかけるだけのためになんで1300円のラーメン、1700円の鰻膳食べなきゃならないんだ。これ、プレーヤー誰しもが思っていながら反旗を翻せない欲求不満のタネですよね。こちらに選択の余地のないことを承知でベラボーな値段のメニューを出して当たり前の顔をしている経営者にむかっ腹が立ちます。

ゴルフ場はゴルフを楽しみに来る場所で、食事を楽しみに来ている人間は皆無のはずです。飲食部門で利益を出さないと経営が成り立たない、日本のゴルフ事情の貧困さを象徴するもので、ゴルフがまだまだ「贅沢なお遊び」として位置づけられるゴルフ後進国であることを実感します。

そもそも前半・後半の境目にレストランで昼食をとること自体、スループレイを旨とする外国ではあり得ないことです。せいぜいホットドッグかサンドイッチをコース売店で買ってプレーしながら食べたりする程度です。アメリカ、カナダのゴルフ場ではカートにスナックを載せた女の子がコース中を走り回って御用聞きをしている姿がふつうに見られます。これを見るとゴルフが庶民のスポーツとして定着しているゴルフ先進国であることを痛感します。

気候のよい春先や秋にお弁当持参して、桜を見たり紅葉狩りしながら野外で食べたらゴルフ場側は文句言うのでしょうか。最近はペットボトルを外のコンビニで買って持ち込んでもOKなのだから、弁当もOKですよね。ドンドン実行してゴルフ場経営者を教育してあげませんか、どうですか、みなさん。

因みに私の所属するゴルフ場で昼の休憩時間が一時間以上と宣告されたときには腹を立てて、近場の蕎麦屋まで出かけました。この程度ですがね、できる抵抗は。


キャディーのおみやげ

2006年03月07日 08時46分26秒 | Weblog

近ごろ、キャディーなしのいわゆるセルフプレーを導入するコースが増えてきました。

私がゴルフを始めたのはおよそ40年前。その頃のキャディーは(今でもそうなんでしょうが)年齢50がらみの女性が殆どでした。今のように電動やモーター付でない、文字通りの手押しカートに4人分のバッグを載せて、起伏の激しいコースを一日中動き回るのです。自分の母親の姿にダブって、「申し訳ないなぁ!」という思いが先に来て、急な上り坂なんぞでは、背中を押したり、一緒になってカートを引っ張りあげたりした経験が誰にもあると思います。

その頃の名残なんでしょうか、キャディーへの心づけ、お土産というのは。確かに当時の重労働をねぎらうには、所定のキャディーフィーに加えてお土産のひとつも差し上げたい気持ちに自然になったものです。600円~1200円ぐらいのお土産がコースの売店に置いてあるのは、重宝といえば重宝ですが、いかにも日本的なシステムですね。

時代が変わり、ゴルフ人口の増加に伴ってのキャディーの人手不足のせいでしょうが、ゴルフの知識も少なくコースの癖もろくに知らないキャディーと一日お付き合いさせられることも珍しくありません。厄介なのは、そんなキャディーさんでも「お土産」に関する知識だけはあって、それを期待しているふしがあるのです。日本におけるゴルフの一つの流儀だと割り切って、心づけ、チップの本来の意義を棚に揚げて、こんなキャディーにもお土産をあげたときもありました。あげなかった場合の反動を恐れたわけでもなく、深く考えずに「ま、そういうモンだから」と。

「キャディーへの心づけは辞退します」なんて張り紙を出しているコースも最近見かけます。義務感でお土産を買っている気の小さいプレーヤーに対する福音と言えなくもありません。キャディーのサービスが本当に気に入った客はお土産でもチップでもはずんだらいいし、そうでない客はお土産なんて気にせずにプレーに集中すればよい、ただそれだけの当たり前のことでしょう。

私も最近はよほど際立ったサービスがない限りチップ・お土産はキャディーに差し上げないことにしています。これもセルフプレーが目覚めさせてくれたものの一つです。

セルフプレーだとキャディーへの余計な気遣いをしなくて済むし、快適です。セルフに慣れてくるとキャディーの存在が余計なものに思えてくるから不思議なものです。グリーンまでの距離を推し量ったりパットラインを読んだりと、所詮は自己責任でコースに挑戦するのがゴルフ本来の姿でしょうから、キャディーへの過度の依存は邪道と思い知るべきなのでしょう。自立でき、お土産の出費も防げるセルフプレー万歳!!

 

 


バンカーの熊手

2006年03月07日 00時58分08秒 | Weblog

バンカーの熊手はバンカーの内・外どちらにあるべきか?

バンカーめがけて飛んでいったボールが手前の熊手にコ~ンと当たって左の池にドボン。バンカーに入ったと諦めてボールのところに行ってみたら熊手に引っかかってセーフ。悲喜こもごもです。日本では熊手はバンカーの外側にあり、外国ではバンカー内に置いてあります。どちらが良いのでしょうか?

そもそもゴルフとはボールをあるがままの姿で打つ(Play as it lies)のが基本です。コースの起伏なりにボールが自然に転がり、自然にとまることを想定しています。それが熊手のような自然条件以外の「物」によってその動きが左右されることは好ましくなく、極力排除すべきことだと思います。その意味では熊手はバンカー内にある方が理にかなっています。

ハザードであるバンカーの中にあった熊手にコ~ンと当たってバンカーを飛び出して池ポチャになったのならまだ諦めもつきます。ハザードに入れた自分が悪いんですから。本来ならバンカーで止まるか、強いボールならバンカーから出て先のフェアウエーまで届こうかというボールが手前の熊手のせいでとんでもない方向に行ってしまうのは「アンフェア」と言わざるを得ません。いっぽう、バンカーに入ってもしょうがないボールが熊手のおかげで手前に止まるのも「アンフェア」であり、ゴルフでは本来あってはならない種類のものです。

アメリカとの違いを承知したうえで、日本ではなぜ外に置き続けるのでしょうか?

そう言えば、プロのトーナメントでは熊手はどこにあるんだろう。あまり注意して見たことがなかったけど・・・・。これでまたテレビ中継を観る楽しみが増えました。

こんどゴルフに行ったらバンカーの熊手を中に入れちゃおう。キャディーがなんて言うか楽しみです。