農協おくりびと (35)尼僧2人は、肉食系?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/90/0072d729b2daf5a16b0d99da7cbdfe9a.jpg)
尼僧の連絡先は、苦もなく判明した。
「私も連れて行ってくれるなら、尼さん2人を、間違いなく口説いて見せる」
ちひろの耳へマネージャ格の先輩が、自信たっぷりにささやいた。
どうやら祐三との会話を立ち聞きしていたらしい。
「松坂牛のA5ランクでしょ。庶民には手が出ない垂涎もののお肉です。
1人や2人増えたって、女が増える分には祐三さんも文句ないでしょ。
あそこのお寺には、少しばかり顔が利くの。
まかせて。必ずいい返事をもらってくるから、私も合コンに混ぜてちょうだい」
A5ランクの肉の魅力につられて、思わぬ援軍があらわれた。
ちひろにしてみれば、大歓迎の援軍だ。
引き受けてはみたものの、正直、口説き方に苦慮していたからだ。
可能性が有るのなら先輩の申し出に甘えたほうが、好結果を得やすいだろう。
「私こう見えても、仏教学部を出ているの。
今日来た尼さん2人のうちの1人、妙子はわたしの学部の後輩なのよ。
住職はもちろん、妙子にも絶対に嫌とはいわせないわ」
絶対の自信を見せて、先輩が胸を張る。
仏教学部を置いている大学は、かなりの数で存在している。
独立した学部ではなく、文学部仏教学科として置いている大学なら、さらにある。
駒沢大学や京都大学、広島大学などが有名だ。
「わたしに任せなさい」と胸を叩いた先輩は、東洋大学を卒業している。
自信をもって胸を張った結果は、すぐにあらわれた。
「いつでもいいわよ。期日を指定してくれれば、2人とも合コンに顔を出すわ」
ちひろのラインに、先輩からのコメントが届いたのは翌朝の事だった。
さすがにやることが早い。
「尼さんと言うのは、暇な職業なのですか?」と書き送ると、
「わたしと同じです。A5ランクの魅力に負けて、生き方を変えたのよ」と
返事が返ってきた。
祐三のほうも、素早い反応をみせる。
「明日の晩でもいいぞ」と、こちらもおおいに乗り気の返事がかえってきた。
「ただし。頼みが有る」とひそめた声で、追加注文が出た。
「2人とも、尼さんの正装で来てくれないか。
普段着で来られたんじゃ、どこの誰だかわからない。
俺たちは尼さんのあの姿と合コンすることで、精神的な満足を得るんだ。
頼んだぜ。そのあたりのところを、抜かりなく手配してくれ」
じゃ任せたぜ、と通話が切れる。
尼さん姿の合コンはさすがにまずいだろうと思いながら、ちひろがささやかな
可能性を信じて先輩へメールを送る。
「先方は尼さん姿が所望だそうです。大丈夫でしょうか? あの2人から
反感などを買いませんか?」今度も、返事が返って来るのが早かった。
「そちらの件も了解を取り付けました。
A5ランクの焼き肉、プラスしゃぶしゃぶで、2人とも了解しました」
見かけによらず2人とも、どうやら肉食系の女子らしい。
ただし。松坂牛のA5ランクなどは、滅多なことでは口に出来ない。
しゃぶしゃぶまで食べられるというのなら、禁断の衣装くらいお安いご用らしい。
ともあれ。焼き肉プラスしゃぶしゃぶで、簡単に話がついた。
祐三へ電話を入れると、こちらも快諾の声が響いてくる。
「焼き肉に、しゃぶしゃぶの追加か、お安いもんだ。
ついでだ。お前と先輩にも同じように、しゃぶしゃぶを食わせてやろう。
明日の6時。隣町の松坂亭の個室を予約しておく。
尼さん2人と、お前と先輩の合計4人だから、男どもも4人用意しょう。
いまから楽しみだな、明日の合コンが。
松坂のA5ランクの肉は口に入れただけで、あっというまに、とろけるぞ」
(36)へつづく
新田さらだ館は、こちら
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尼僧の連絡先は、苦もなく判明した。
「私も連れて行ってくれるなら、尼さん2人を、間違いなく口説いて見せる」
ちひろの耳へマネージャ格の先輩が、自信たっぷりにささやいた。
どうやら祐三との会話を立ち聞きしていたらしい。
「松坂牛のA5ランクでしょ。庶民には手が出ない垂涎もののお肉です。
1人や2人増えたって、女が増える分には祐三さんも文句ないでしょ。
あそこのお寺には、少しばかり顔が利くの。
まかせて。必ずいい返事をもらってくるから、私も合コンに混ぜてちょうだい」
A5ランクの肉の魅力につられて、思わぬ援軍があらわれた。
ちひろにしてみれば、大歓迎の援軍だ。
引き受けてはみたものの、正直、口説き方に苦慮していたからだ。
可能性が有るのなら先輩の申し出に甘えたほうが、好結果を得やすいだろう。
「私こう見えても、仏教学部を出ているの。
今日来た尼さん2人のうちの1人、妙子はわたしの学部の後輩なのよ。
住職はもちろん、妙子にも絶対に嫌とはいわせないわ」
絶対の自信を見せて、先輩が胸を張る。
仏教学部を置いている大学は、かなりの数で存在している。
独立した学部ではなく、文学部仏教学科として置いている大学なら、さらにある。
駒沢大学や京都大学、広島大学などが有名だ。
「わたしに任せなさい」と胸を叩いた先輩は、東洋大学を卒業している。
自信をもって胸を張った結果は、すぐにあらわれた。
「いつでもいいわよ。期日を指定してくれれば、2人とも合コンに顔を出すわ」
ちひろのラインに、先輩からのコメントが届いたのは翌朝の事だった。
さすがにやることが早い。
「尼さんと言うのは、暇な職業なのですか?」と書き送ると、
「わたしと同じです。A5ランクの魅力に負けて、生き方を変えたのよ」と
返事が返ってきた。
祐三のほうも、素早い反応をみせる。
「明日の晩でもいいぞ」と、こちらもおおいに乗り気の返事がかえってきた。
「ただし。頼みが有る」とひそめた声で、追加注文が出た。
「2人とも、尼さんの正装で来てくれないか。
普段着で来られたんじゃ、どこの誰だかわからない。
俺たちは尼さんのあの姿と合コンすることで、精神的な満足を得るんだ。
頼んだぜ。そのあたりのところを、抜かりなく手配してくれ」
じゃ任せたぜ、と通話が切れる。
尼さん姿の合コンはさすがにまずいだろうと思いながら、ちひろがささやかな
可能性を信じて先輩へメールを送る。
「先方は尼さん姿が所望だそうです。大丈夫でしょうか? あの2人から
反感などを買いませんか?」今度も、返事が返って来るのが早かった。
「そちらの件も了解を取り付けました。
A5ランクの焼き肉、プラスしゃぶしゃぶで、2人とも了解しました」
見かけによらず2人とも、どうやら肉食系の女子らしい。
ただし。松坂牛のA5ランクなどは、滅多なことでは口に出来ない。
しゃぶしゃぶまで食べられるというのなら、禁断の衣装くらいお安いご用らしい。
ともあれ。焼き肉プラスしゃぶしゃぶで、簡単に話がついた。
祐三へ電話を入れると、こちらも快諾の声が響いてくる。
「焼き肉に、しゃぶしゃぶの追加か、お安いもんだ。
ついでだ。お前と先輩にも同じように、しゃぶしゃぶを食わせてやろう。
明日の6時。隣町の松坂亭の個室を予約しておく。
尼さん2人と、お前と先輩の合計4人だから、男どもも4人用意しょう。
いまから楽しみだな、明日の合コンが。
松坂のA5ランクの肉は口に入れただけで、あっというまに、とろけるぞ」
(36)へつづく
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