さしこうスタッフブログ

さしこうスタッフが日替わりでお届けする日々のおはなし

斉藤宗次郎

2007年02月01日 | 戯言

雨にも負けず、風にも負けず、

雪にも夏の暑さにも負けぬ丈夫な体を持ち、

決して怒らず、いつも静かに笑っている。

一日に玄米四合と味噌と少しの野菜を食べ

あらゆることを自分を勘定に入れずに、よく見聞きし分かり、

そして怒らず 野原の松の林の陰の小さな藁ぶきの小屋にいて、

東に病気の子どもあれば、行って看病してやり、

西に疲れた母あれば、行ってその稲の束を負い、

南に死にそうな人あれば、行ってこわがらなくてもいいと言い、

北に喧嘩
や訴訟があれば、つまらないからやめろと言い、

日照りのときは涙を流し、寒さの夏はおろおろ歩き、

みんなにでくのぼうと呼ばれ、褒められもせず、

苦にもされず そういう者に私はなりたい

    

Kenji_kenji     

    

    

    

    

     

この詩にはモデルとなる人物が居たらしい。

宮沢賢治がなりたかった人物とは 斉藤宗次郎。

この人は小学校教師でクリスチャン。

当時はクリスチャンというだけで迫害を受け、

その迫害がもとで、いじめにあい 9歳の娘を亡くす。

自分自身も肺結核を患う。

しかしどんな困難にもめげることなくこれが自分の使命だと

信仰を貫いた。

そして迫害を受けてもなお 奉仕の心で、皆の助けになろうと

働き続けた。

1968年死去。

   

欲望が優先される事の多い日常生活の中で自分の生まれた意味を

知ることは難しいし、使命に気づいたにしても実行することは容易でない。

地位、名声、金。1、2キログラムの脳が考え出した

人生の付録にはなんの意味もない。

斉藤宗次郎のように

質素で素朴であたたかい生活を送りたいものだ。

平凡という幸せが一番難しいとふと思った。

                              masa

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