のほほんとしててもいいですか

ソプラノ歌手 佐藤容子のブログです。よろしくお願いいたします!

魔王 D.328, Op.1

2006-08-14 | 『音楽のはなし』
今度歌う曲の中に、魔王という曲があります。
魔王はシューベルトの作った歌曲です。
歌詞はドイツ語です。
この曲は中学校の音楽時間に鑑賞で聞いて、すごいな~と思いました。
なにがすごいかというと、まず、ピアノ!
右手がオクターブの連打が続きます。
技術がなかったら腱鞘炎になってしまいそうです。

そして、歌詞の中に4人の登場人物が出てくること。
語り、魔王、お父さん、瀕死の子供。
一人の歌い手が4人の心情を歌い分けるのもすごいと思いました。

この曲は1815年くらい、シューベルトが18歳くらいのときに作られました。
シューベルトは14人兄弟の12番目に生まれたそうですが、9人は早くに死んでしまったそうです。
父親は教師をしていてアマチュアの音楽家で、シューベルトは特別に才能があったのかもしれませんね。
交響曲やピアノ曲といろいろな音楽を作りましたが、歌曲だけでも600曲以上とも言われています。
31歳で亡くなるのですが、梅毒や腸チフスが原因だと言われています。

さてさて、その内容ですが、どんなストーリーでしょうか。
以下は引用ではなく、私が勝手に書くので参考でお願いします。



語り: 風の夜に 馬を急がせ 駆け抜けていく者がいる
    腕に子供を しっかりと抱きかかえて

父: ぼうや なぜ顔を隠すの?

ぼうや:おとうさん  そこに 見えないの? 
     魔王がいる こわいよ

父 :ぼうや それは霧だよ

魔王: かわいいぼうや おいでよ おもしろい遊びをしよう
    川岸に花が咲いて きれいな服もたくさんあるよ

ぼうや:おとうさん おとうさん 聞こえないの?魔王がなにかいうよ

父: あれはね 枯葉のざわめきだよ

魔王 :ぼうやいっしょにおいでよ 用意はもうできている
    娘と踊ってあそびなさい
    歌っておねんねもさせてあげるよ
    いいところだよ、さあおいで

ぼうや:おとうさん おとうさん それ、そこに、魔王の娘が

父 :ぼうや ぼうや ああ、それは
   枯れた柳の幹だよ

魔王: かわいい いい子だねえ ぼうや
    じたばたしてもさらってくぞ

ぼうや: おとうさん おとうさん 魔王がいま
     ぼくをつかんでつれてゆく

語り:父親は気をはやらせつつ あえぐわが子をしっかりと抱きしめ
   やっと宿へ着くものの
   子どもはすでに息絶えていた




東芝EMIから、魔王ばかり、18人の歌手の魔王が聴けるCDもあるらしい。
歌手は、リリー・レーマン(S) ハンス・ドゥーハン(Br) ロッテ・レーマン(S) ゲルハルト・ヒュッシュ(Br) エリザベート・シュワルツコップ(S) 中山梯一(Br) ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br) など。





コメント
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