今から誕生する、ふたごの赤ちゃんの一人、Bが、そろそろ先に続いて生まれようか、と産道を下って行くと、先に出発していた一人、Aが、外界への出口あたりでモジモジしていた。
B『なんで出ないのさ?』
A『いやぁ、ここに来るまで考えたけど、果たしてこの両親が望んでいるのは自分なのか、単に赤ちゃんなら誰でもいいのかわからないんだ…。もし、自分以外でも赤ちゃんならいいって言うなら、出たくないんだよ』
B『そんなことは両親だってわからないよ。出てきた赤ちゃんが、自分の赤ちゃんになるんだもん。でも誕生すれば、喜んでくれるのが常だよ』
A『そんな曖昧な歓迎なら気が進まないな。この誕生は止めてもいいの?』
B『自分では一応選べないよ。強引な手段で自分を断つことはできるけど、自然の流れを塞き止めるって言うのは、自然に終われないものだよ』
A『仕方ないな、じゃあ出るか。B、お前先に行けよ。人間て、何かと順番にこだわりそうじゃん。先にでた方が重責なもんだよ。』
B『えっ、そうなの?なんかやだね。どっちが先に出るかちゃんと決めようよ。』
A『今日は出るの止めて戻るか…』
B『うん、疲れたし戻って寝よう。出たら出たで騒がしいからさ。』
そういうと、ふたごの赤ちゃんは、お腹の奥へ戻って行った。
あれから2週間、もめてる二人はまだ生まれない。
B『なんで出ないのさ?』
A『いやぁ、ここに来るまで考えたけど、果たしてこの両親が望んでいるのは自分なのか、単に赤ちゃんなら誰でもいいのかわからないんだ…。もし、自分以外でも赤ちゃんならいいって言うなら、出たくないんだよ』
B『そんなことは両親だってわからないよ。出てきた赤ちゃんが、自分の赤ちゃんになるんだもん。でも誕生すれば、喜んでくれるのが常だよ』
A『そんな曖昧な歓迎なら気が進まないな。この誕生は止めてもいいの?』
B『自分では一応選べないよ。強引な手段で自分を断つことはできるけど、自然の流れを塞き止めるって言うのは、自然に終われないものだよ』
A『仕方ないな、じゃあ出るか。B、お前先に行けよ。人間て、何かと順番にこだわりそうじゃん。先にでた方が重責なもんだよ。』
B『えっ、そうなの?なんかやだね。どっちが先に出るかちゃんと決めようよ。』
A『今日は出るの止めて戻るか…』
B『うん、疲れたし戻って寝よう。出たら出たで騒がしいからさ。』
そういうと、ふたごの赤ちゃんは、お腹の奥へ戻って行った。
あれから2週間、もめてる二人はまだ生まれない。