何かと重宝な、黒いパンプスを購入しました。
(このときの靴屋の若者は、『おぬし、やるのう』と
言いたくなるほど売り込みや接客が上手だった。
気がつくと消臭スプレーまで買っていました。
プロフェッショナルですのう…)
こういうリクルート系の靴を履くのは、数年ぶり。
思い出すのは絶望的だった就職活動時代。
グレーの一張羅のスーツを着て、説明会に行きまくったなぁ…
などと苦い回想にふけるのです。
内気で人見知りで、確固とした目標もなく生きていた
世間知らずの大学生が、ふらふら面接を受けに行ってたんだもの、
そりゃ落ちるわなあ、と今では思うけれど。
当時は受ける会社、受ける会社、全部断られて辛かった…。
自分には価値が全く無いんだ…という気がしたのです。
あの頃は風呂場でよく泣きました。
次から次へ不採用の通知が来ると、
もうこの際、どこでもいいから入れてくれ、
といういい加減な姿勢になるものです。
本当に節操無く、色んな業種の会社に行きました。
卒業してからは実家に戻って、職探し。
貴重な人生経験と言えなくも無いけれど、
恨み骨髄…なところも沢山あるなぁ。
何しろ切羽詰ってたから。
そう。わたし自身が未熟だった…ということで断られて、
単純にしょぼんとする時もあったけど。
どうしようもない理由ではねられた時は、
しばらく怒りが収まらなかったものでした。
もういいよね、今なら言っちゃっても。
(おそらく、時代が変わってもヒドイ所は同じだと思うけど)
京都の某社では、交通費・住宅費が出せないので
女子は地元の方以外お帰り下さい、と言われた。
実家から自分で通えるひとのみ、ということです。
じゃあ最初から大々的に募集するなよ!
とある土木事務所では、いきなり
「キミ、身内に公務員いる?」と質問された。
しかも、コネ優先をごまかすために、
「公務員が身近にいれば、守秘義務というものが
分かっていると思って…」などという詭弁を聞かされた。
あまりに堂々としすぎていて、呆れましたよ。
その後、紹介してくれた職安でぽろっと愚痴ったら、
「そんな…。本当はいけないことなのに…」
と係りのお姉さんにまで同情されてしまいました。
やむを得ずアルバイトを探していたら、
「こんな立派な資格があるんだから、別のところに就職したらいいよ」
と面接官に言われたこともあった。
(いや~、他があったらアナタのとこに来て無いです)
勿論自分から蹴ったこともある。
さびれたコンビニのバイトの面接に行ったら、
はなから採用する気の無い店長が、
風邪でも休ませないとか、茶髪は無理やりでも
止めさせることにしているなどと
(注:当時わたしは黒髪だったので関係はなかったです。
多分うんざりさせたかっただけでしょう)、
「断ってくれ」と言わんばかりに延々延々方針を語りだしたので、
その場で自分から「無理です」と言わざるを得なかった。
こんなくだらんオヤジのところでもうまく行かないんだ…と、
いたく傷つき、涙を堪えた帰り道でした。
そんなこんなで、遠距離恋愛中の彼氏(現在の夫)とも、
些細なことからぎくしゃくしたものです。
俺が好きな映画だよと『就職戦線異状なし』を
見せられた時は本当に逆上した。
(↑今では考えられないほど売り手市場だった時代の話。
そもそも就職口が無くて悩んでいる彼女に見せるかフツー)
物怖じしないで喋くるヤツの場合、片っ端から内定をもらい、
当時はバブリーなくらい好景気だった某社を選んで入社し、
人の痛みが分からない状態だったのです。
過剰反応するほど傷ついていたわたしも、
相当打たれ弱かったのだけれど…。
卒業後のカップルにありがちな試練でしたねえ。
今の学生さんたちも、きっと大変な苦労をしていることでしょう。
日本社会の本音と建前。
社員は「生かさず殺さず」程度に飼っていて、
まして学生なんぞ虫ぐらいにしか思っていない会社。
そんなものと日々戦っているんだね。
(良い所が大半だとしても、現実にそういうとこもあるのさ)
政府もニート対策が目下の課題らしいけど、
この腐った世の中そのものをどうにかして欲しいものだわ。
「勝ち組」しか生き残れない世界なんて、
文化的に非常に貧しいと思うの。わたしはね。
まあ、様々な連想が働きつつ、
あの頃持っていた靴は、結局履きつぶしたんだよなぁ…、
と遠い目になる、桜雪なのでした。( ゜ー゜)。o0○
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会社には会社の論理があるのだと分かってはいますが…。そういう無駄な説明会の時間があれば、さっさと次のトコに行けるのにと思うと、むかっ腹が立つ話。「くっそー!こんなとこ潰れてしまえ~!」と心の中でよく叫びました(笑)。
資本主義社会はいつも競争で、騙しあいだけれど、学生相手だからとなめきった対応をする会社なんて、まあ、結局入らなくて良かったのかもしれませんね。たとえ無理やり入ったとして、それが満足できる人生だったかどうか?(実は社員にも優しくない会社だった!とか、あり得る話だし)
就職は結婚と同じ。全てはご縁次第だもの。否定されたからって、自分の価値は低いのか…なんて、思う必要ないですよね。(と、30になったわたしは思う)
ははーん。きゆさんの旦那さまも、すんなり決まった方なんですね?
ウチもですよ。思い出に差がありすぎて共感が得られないんですよね。就活当時自信を無くしていたら、「なんでそんな卑屈になるの~?」とか言われましたよ。そりゃ卑屈にもなるわさ~。
説明会の案内すらもらえないとかも多かったし、やっと行けたら、「理系の人しか採らないので、文系の方はお帰り下さい」とか言われたり。
集める段階であからさまな差別すると役所関係からクレームつくから、とりあえず・・・なんだろうけど、
貴重な時間と労力使ってんだよ!!
・・・と思うと、本当に腹が立ったなー。
しかもそんなヒドイコトするのがあの『丸善ブックセンター』だって言うんだから、
もう空いた口がふさがらないよね
すっかり熱く昔の愚痴を語ってしまった、ごめん
でもウチのオットも”国立理系組”だから、一般的な就活は未経験☆
あの理不尽な苦労は、経験した者にしか解らない痛みだよねえ
でもあの痛みを知って、且つ今現在望む専業主婦の立場にいられるわけだから、経験も無駄ではないかな~・・とか思ったりもしますが。
わあ!nanaさん、来て下さってありがとうございます♪
いよいよ来月からフラメンコ教室なんですよ~。今度ぜひ“お宅訪問”させてくださいね。
本当に、今となれば懐かしい思い出だけれど。バブル崩壊後に育ったわたしたちの世代は、就職戦線かなり厳しい空気でしたね~。この際思い切ってサーカスに入ろうかしら…と考えて、夫に笑われたのもこの頃です。(だって…学校にサーカスの巡業付き事務員の募集が来ていたんですもの!)
そうした経験で、自分自身が少しでも豊かになっていたらいいですよね。(↑まあ、とりあえずブログネタにはなってくれました)
☆neko76さんへ☆
はじめまして♪
この度はコメントを残して下さり、どうもありがとうございます!
気がつくと文字ばっかり…のブログになってしまいましたが、これからもひとつ、その、よろしくお願いします。
今でもそうかもしれませんが、就職活動中はみんな、無個性なリクルートファッションでかためたものですよね。スーツの群れが続々一箇所に向かって行くと、「あ、同じ説明会に行く仲間だ…」と思ったものでした。
その“似たりよったり”スタイルの中で、できる感じを醸し出さなければいけないのに、緊張すると口下手で内気な性格という人間は、やはり不利でしたよねぇ。わたしは母から「長ーく働けば周りに良さが分かってもらえる人間」だと評されたことがありますが、もしかしてneko76さんも…?噛めば噛むほど味わい深い、するめのような仕事人タイプ?(あらっ、変な表現になってしまった…)
難しいもんですよね、面接という限られた場で、自分をアピールするのって…。
あ、わたしも同じ立場ですよ。たま~にどこかから「働けば?」攻撃(笑)。周りにいくら勧められても、こればかりは結婚と同じく相性とタイミングの問題ですもんね~。何にしても、飛び込むのには勇気が必要ですわ!
実は前から拝見させていただいてます(笑)。
リクルートスーツに黒のパンプス。バッグと資料の詰まったファイル。懐かしいですね。
私も内気で、うまく話せなかったりなどで、就職活動は新卒時も再就職時も苦労しました。
こんなんで私の価値って決まっちゃうの?とよく思ったものでした。
今は専業主婦ですが、まだ子供がいないので、周りから「働けば?」攻撃が痛いです…。
長々と失礼しました。
ブログいつも楽しく読ませていただいてましたが、
久々のカキコです(笑)
就職活動。。。
高校卒の私にとって、しかも就職氷河期によく就職できたなと思います(^-^;A
おきらく主婦になり、そういえば社会人やってた時もあったなと思い出し、ちょっぴり懐かしかったですw