名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

第175回名南将棋大会(壱)速報

2017-07-16 | 名将会
今日は第175回名南将棋大会(壱)を行いました。結果速報です。

A級優勝
村山周平さん


B級優勝
山口仁子梨さん


C級優勝
山口修生さん
杉浦悠斗さん


D級優勝
山口稀良莉さん

神谷拓摩さん


優勝おめでとうございます。
参加いただいた皆様ありがとうございました。


第175回としては 34人+28人=62人 となり、過去最多です。今回から壱の日程はR1600点以上になったので、少し小さい部屋にしたら(1Fのほうが涼しいのです)いっぱいになってしまいました。(また区分を変える必要が出てくるかもしれませんね。)

過去12か月分の優勝者のまとめです。I級まで9クラスになりました。人数が増えればどんどん増やしていきます。
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大山将棋研究(582);中央位取り中飛車(米長邦雄)

2017-07-16 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

後手番大山先生の次の手は?

☆ 今日の棋譜20170716
昭和56年2月、米長邦雄先生と第30期王将戦第4局です。


大山先生の中央位取り中飛車、珍しいですね。最初は落としましたが連勝で余裕ができたから少し違う戦型を、ということでしょう。

78金から68銀は珍しい組み合わせ。角にひもを付けるのは54歩を警戒しているわけですが、77角が普通です。

さらに玉頭位取りも警戒して、玉の囲いは後回しで

やっと玉の移動です。

米長先生は中央から逆襲。

飛車交換は避けられて

互いに中央を目指します。

大山先生もいつもならもう少し中央を厚くするのでしょうが、銀を出て

ここまで進出します。73銀成同金62角があるので

米長先生は82角でしたが、これに大山先生は83角と返します。

85桂には74角成かと思いましたが、銀を捨てます。取れば72角成。

米長先生は金を捨てて45歩~46歩の取り込み。

46同銀に53飛74角成を入れて銀を取り返します。激しいやり取りですが、バランスはとれています。

やや落ち着いてみれば、馬があるので大山先生の駒得。

馬を活用して受けます。

互いに自玉に手を入れて

米長玉も登場です。

先手玉は薄いのですが、馬の利きも大きいので崩れることはなさそうです。

3筋の攻防は銀を打つのが良い受けで、36歩には34歩があります。

米長先生は手がなくて、43銀左くらいでは桂を殺されて

駒損が広がって、角打ちに23銀と持ち駒を投入して受けるのではつらいです。

大山先生の嫌味は3筋くらいでしたが、歩切れにさせて35歩を取れば35同飛に37歩と受けられます。

寄せは馬2枚を使います。

こういうところ、44桂でも十分ですが、馬を逃げて

56の銀を追ってから銀を取ります。

金を埋めさせて銀で絡み、ゆっくり攻めます。

「端玉には端歩」で相手を動かし

両取りをかけさせて

飛車を使います。

カウンターで桂を打って

飛車は取らせて桂を使います。

桂の2段跳ねで好調。

32まで出世しました。

飛銀は捨ててスピードアップしています。味の良い銀打があり

飛を取って寄せました。

大山先生の快勝譜。またケンカ将棋かと思いましたが、駒得になったのでゆっくりした展開にして、自陣の嫌味を消したり飛を活用したり、という準備があっての駒を捨てる会心の寄せでした。米長先生もおかしな手はないのですが、対局が多すぎての疲労からか、怪力は発揮できず。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:米長邦雄9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 3四歩(33)
5 5五歩(56)
6 6二銀(71)
7 5八飛(28)
8 4二玉(51)
9 7八金(69)
10 3二玉(42)
11 6八銀(79)
12 4二銀(31)
13 3六歩(37)
14 6四歩(63)
15 4八銀(39)
16 6三銀(62)
17 4六歩(47)
18 7四歩(73)
19 4七銀(48)
20 7三桂(81)
21 4八玉(59)
22 5二飛(82)
23 3八玉(48)
24 6二金(61)
25 5九飛(58)
26 5四歩(53)
27 同 歩(55)
28 8八角成(22)
29 同 金(78)
30 5四飛(52)
31 5六歩打
32 5一飛(54)
33 7八金(88)
34 5四銀(63)
35 5七銀(68)
36 4四歩(43)
37 6六銀(57)
38 6五歩(64)
39 5五銀(66)
40 4三銀(54)
41 6四銀(55)
42 8二角打
43 8三角打
44 8五桂(73)
45 6三銀成(64)
46 4五歩(44)
47 6二成銀(63)
48 4六歩(45)
49 同 銀(47)
50 5三飛(51)
51 7四角成(83)
52 4六角(82)
53 3七金打
54 2四角(46)
55 4六歩打
56 7七歩打
57 7九金(78)
58 4五歩打
59 5五歩(56)
60 4六歩(45)
61 6五馬(74)
62 2二玉(32)
63 2八玉(38)
64 3二銀(43)
65 5四歩(55)
66 3三飛(53)
67 6六馬(65)
68 1二玉(22)
69 3八金(49)
70 4七銀打
71 4八歩打
72 5八歩打
73 3九飛(59)
74 3八銀成(47)
75 同 金(37)
76 3五歩(34)
77 2五銀打
78 4三銀(32)
79 8六歩(87)
80 5四銀(43)
81 8五歩(86)
82 5九歩成(58)
83 2四銀(25)
84 同 歩(23)
85 5六角打
86 4五銀打
87 7四角(56)
88 3二金(41)
89 5九飛(39)
90 5五歩打
91 3五歩(36)
92 同 飛(33)
93 3七歩打
94 5三銀(42)
95 5二角成(74)
96 4四銀(53)
97 7五馬(66)
98 5六銀(45)
99 3六桂打
100 4三銀(54)
101 4一馬(52)
102 3四飛(35)
103 5七歩打
104 4五銀(56)
105 4四桂(36)
106 同 銀(43)
107 4二馬(75)
108 2二金打
109 5二馬(42)
110 3三飛(34)
111 4二銀打
112 3五飛(33)
113 5三銀(42)
114 3三銀(44)
115 6三馬(52)
116 2五歩(24)
117 1六歩(17)
118 6六歩打
119 同 歩(67)
120 6七桂打
121 6九飛(59)
122 7九桂成(67)
123 同 飛(69)
124 5六歩(55)
125 同 歩(57)
126 同 銀(45)
127 7七飛(79)
128 5七歩打
129 7四馬(63)
130 5五金打
131 6八桂打
132 4七歩成(46)
133 同 歩(48)
134 6六金(55)
135 5六桂(68)
136 7七金(66)
137 4四桂(56)
138 4三金(32)
139 5六馬(74)
140 3四歩打
141 3二桂成(44)
142 5三金(43)
143 2四銀打
144 2三銀打
145 2二成桂(32)
146 同 銀(33)
147 3五銀(24)
148 同 歩(34)
149 4二飛打
150 投了
まで149手で先手の勝ち

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20170716今日の一手(その540);寄せのセオリーを準用する

2017-07-16 | 今日の一手
20170716今日の一手

6月の東海団体リーグから、私の将棋です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
桂歩と金の交換で と金を作られています。持ち歩があるので歩は数えなくて、損得としてはほぼありません。(中盤ならば と金が金銀と交換になりそうで駒損に見ておくものかもしれませんが。)
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角金香で3枚。
後手の攻め駒は97と と持ち駒角銀桂桂香で6枚。十分です。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
実際は先後逆です。
終盤の入り口で、後手の私は銀を取らせる間に端を破りました。悪くはないと思っていたのですが、流れが急になって、先手が先に攻める展開になりました。
先手はまだ玉が堅いのですが、76歩から攻められると後手の攻め駒が豊富なので受けきりにはできません。後手の76歩~77歩成でも詰めろにならないので、その2手分の間に後手玉を寄せてしまえば勝ちが見えてきます。
攻め駒が3枚しかないので、もう一枚増やしたいところです。37桂か48飛を使うのが普通、角を打って合駒を取るというのも考えられます。

寄せの前段階でも、寄せのセオリーに準じて考えるとよいです。
厳しい手から考える
小さな駒から使う

というのが寄せのセオリーですが、これに加えて
4枚目の攻め駒を作る、そのためにも盤上の駒を使う
というのを意識しておきます。


× 小さな駒は歩ですが、直前に34金の形を35歩打24金としたところですし、34歩と突きだすのでは1歩損、後続の手もありません。
26歩や45歩は中盤の手で、ここでは遅いです。


○ とすれば香を使う手で34香

の王手が一番厳しいですね。取ってもらえるならありがたいです。42玉に43歩同玉61角

合駒は詰んでしまいます。42玉に83金62飛72角成52飛61馬

34香が生きているので飛車を取れば速いです。ただし角金と飛の交換ではもったいなくて、角1枚と飛の交換ならばよいです。83金も左右挟撃になっています。

ということで途中43歩に52玉

と逃げ出します。33香成62玉42歩成

小駒だけなので早逃げされると遅くなるのですが、まだ角を持っていますし、後手は攻めて桂を渡すと74桂が痛い、ということでかなり先手が勝ちやすいです。


△ 36香と下から打つ方が筋は良いのですが

42玉34歩32歩

形勢を損ねたわけではないですが、少し寄せにくくなりました。


△ 他には26香

と守りの金を狙うのはやや厳しさが劣ります。35金に25桂42玉38飛

と飛を使えるので魅力的なのですが。37歩同飛36歩同金59角

飛が動き出すと後手からの反撃筋もあって、難しい戦いです。

なお26香に76歩

と攻められるのは嫌なのですが、24香と取った形はもう一枚もらえば後手玉が51角からの詰み筋に入ります。なので少し受けにまわることになりますが先手有望です。


○ 次は金を使う手を考えます。34金

が一番厳しくて、清算してもらうのは攻めやすくなります。42玉に43歩52玉44金

として53の地点を狙います。つまり76歩に71角83飛45桂

4枚目の攻め駒ができたので寄り筋、後手の受けもなさそうです。


× 25金は42玉

と早逃げされて捕まえにくいです。


× 実戦は71角と打って早逃げをけん制し

52飛に25金を決行したのですが76歩

で寄せ合いです。34歩22玉24金同歩25桂

桂を捨てられて後手の私は負けたかと思いましたが、25同歩24香13玉33歩成24玉34金14玉

端の位が生きて、詰めろが続きません。68銀が少しおかしくて(76銀だったか)77桂同金88銀

69玉77歩成23と78金59玉68と49玉58金39玉48金同飛28銀

どんどん追いかけて詰み筋です。もっとも最後の詰みを見落として飛車を打って34の金を抜くことになってしまいましたが。


○ 角を打つなら51角の王手のほうが厳しい手で、先に考えるべきです。

合駒を打っても、42銀34香43玉33金

で取られてしまうので

後手としては43玉とかわします。これに45桂同歩44香

というのが格好いい寄せ方です。取れば24角成ですね。52玉42香成61玉74歩

歩を使って4枚目の攻め駒にします。これがかなり受けにくいので先手優勢でしょう。


△ 31角も好手に見えます。

53の地点をどう受けるかが難しくて、42銀34香43玉22角成

後手は銀を使うと76歩からの攻めが弱くなる(76歩同銀77歩同金に88銀と打ちたい)ので勝ちにくくなります。

61桂

が正しい受け方。(41桂は42歩がありました。)次の手がわかりません。


△ 36金は力をためた手で

飛が攻め駒になるのと、25桂や25金と使うことができます。中盤ならばとても良い手です。
76歩同銀77歩68金(77同金には88銀)59銀

51角42桂34香22玉44飛43歩33金

という難しい寄せ合いです。


○ 他には68玉85桂

の交換を入れておくと受けやすくなっているかもしれません。銀は逃げないで桂をもらって攻めに役立てる感じです。97と から早逃げしているわけです。


☆ まとめ
まだ攻め駒が4枚になっていないと、寄せの前段階だと言えるのですが、相手玉が薄くなっていたり、攻め合いで駒の入手が期待できるとか、やむを得ずの寄せ合いだという場合もあるでしょう。そういう時は寄せのセオリーを準用します。

まだ寄せではない、と36金として攻め駒を増やしておく、あるいは26歩とか45歩とか、「力をためる」と表現されますが、攻め駒を増やしておくというのは終盤の入り口ならば好手です。もっと進んで終盤も終わりにさしかかる(寄せの段階に入る)と少し甘い手になります。
先に厳しい手を指しておいて、後手玉を弱体化させたところで4枚目の攻め駒を作るほうが実戦的かもしれません。(後手玉が極端に薄くなれば3枚でも寄せきれる可能性はありますし。)

歩を使った攻めは遅く
香を使うなら34香が一番。
金を使う34金は思考の優先度は下がりますが、42玉に(43歩52玉を決めて)44金と使うことができます。すると37桂が跳ねられる仕組みです。
角を使うなら51角から考えます。合駒は取れそう(4枚目の攻め駒になるかも)ですが。43玉の後が見えていないと失敗します。

これらが厳しい手ですが、厳しい手は息切れしてしまうことがあります。そういう時は少し緩めて
36香や26香
25金
31角
などを考えるのですが、あくまで厳しい手がうまくいかないときだけです。


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