20170708今日の一手
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/15/5a593837b451c2e73bb1348c9d06bd8c.png)
2014年4月の名南将棋大会から、私とAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
少し前から見ると
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/cc/fb178e2e079865484ed6ec98f846dc27.png)
角換わりで右玉にされました。右辺での銀と桂の総交換は良いのですが、持ち歩が少なくてかなり攻めにくくなっています。42に角を打ち込んで、ちょっともたれて指したのですが、後手が53に銀を打って角取りにしたのは悪手。同角成同金45桂52金53銀
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角銀交換でも攻め駒が増えました。これでかなり盛り返した感じです。これで持ち歩があれば優勢なのですが。51金64銀打41桂63銀成同玉64銀打72玉75歩
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83銀76銀46角と進んで問題図です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/67/3d144cfae69e25d9a757616e5f475d4c.png)
☆ 形勢判断をします。
角歩3と銀の交換で先手の駒損です。持ち歩がないので歩もカウントします。1枚損でも3枚損でも同じようなものです(後手はすべての筋に歩を使っているのて歩を打つ手が出現しにくいです)。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
相手玉に向かっているものだけ数えて
先手の攻め駒は53銀64銀で2枚。(将来45桂や76銀が攻め駒になる可能性はあります。)
後手の攻め駒は46角と持ち駒角で2枚。
総合すれば互角です。
☆大局観として
駒損を回復しつつ攻めるというのがあれば理想ですが、攻め駒を増やすほうが優先です。。
46の角打ちは攻防の手で、次に53桂同銀成という進行は、本来は53同桂成と取りたい(これは攻め駒が3枚になる)ところなので、避けたいです。
その前にどうやって攻めを続けるか、という問題です。
△ 77桂は左桂を攻め駒に加えようという手ですが、53桂
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と取られると、同銀成ではつまらないし、73銀成同角53桂成
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とする方が(攻めるなら)よさそうですが、37角成74歩同銀65銀75銀74銀66歩
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くらいの進行で、先手の攻め駒は4枚になったものの、寄せ合いです。先手玉は67歩成同金66歩が詰めろで現状2手すき、後手玉は63成桂82玉73桂でも詰めろではなく、現状3手すきでの先手番です。よって後手有利。ここまで進むと逆転は難しそうです。
疑問手を指してはいないけれど、駒損が広がると余計に攻めにくくなる感じです。
△ 実戦は74歩と取り込みました。
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歩切れを解消して、一番自然な攻め方です。74同銀75銀上同銀同銀
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ここは77歩同桂76歩同金57銀
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/ae/b0e13d46fb30477dee3e96707b924041.png)
で後手もちだったかと思うのですが。あるいは一つ前の図で、38角とか(56角成が遠く83まで利く)76銀とかもわからないです。
さて実戦では66銀
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/8c/bbe591396bd0a3d371d9776e48016d5b.png)
と打ったのは駒を渡す悪手です。66同金同歩74歩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/ad/b8989bdab696ff8d78571bc0757ff9e3.png)
53桂73歩成同玉74銀打82玉53桂成
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/c8/9a565ae67945d7b024977c26dd440dda.png)
は後手玉は詰めろではないですが、駒を渡せません。それでも67銀から同金同歩成同玉61飛62歩66歩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/b6/71c387a0f880e087693a85d81bfb4486.png)
これは勝ちだと思っていたのですが、76玉がここせで頓死(正確には67角に77玉ならば詰まないけれど76金から75銀で負け筋)です。逃げる時には読んで大丈夫だと思っていたのですが。66同銀が一番で、66同玉や77玉でもなんとか勝っていました。
△ 1回57金上として37角成を誘い
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74歩同銀75銀上同銀同銀
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/e9/8b9c0d2f774136d47e0a3aaf1601ba3f.png)
とすると、馬ができて後手の守備力が上がっていますが、反撃が弱くなっています。単に74歩から攻めるよりも優っている可能性があります。
66歩同金右65歩76金寄47角79飛66銀74歩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/4a/a438ef079b3c79844a43e13904d212e7.png)
これが一例ですが、やや先手もちかも。
△ 55歩は角筋を止める手で
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/95/ae5c394817b39ebe95683273907b1bd7.png)
37歩成に次が難しいです。56金35角25飛に24角打
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/c4/0f801265528445a4e939ad871f80ac57.png)
角を追っても反撃があります。24同飛同角63角
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/cc/5441af21b41ff031c1e7aed46d085097.png)
と打つのは、角を追った理由なのですが、82玉81角成同玉73銀成69角
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は詰みです。飛角まで渡してはいけません。
角を渡さず74歩と取り込んで79飛
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はかなり危ないですが、67玉72歩73歩成同歩65銀
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は何とも言えません。
○ 47金がちょっと気がつかない好手で
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これは見えにくいです。35角と逃げても36金24角24飛、とちぎって63角の筋です。
当然38角ですが、46金29角成
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のときが前と違って24角のラインがないのです。63角82玉81角成同飛73銀成
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これで後手玉は詰めろ。受けにくいので先手優勢です。
× 他に49飛は28角打
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で少し損していると思います。46飛同角成は後手の条件が良いですし、55歩に同角同銀同角成
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だとしても自信なし。
☆ まとめ
攻防の角を打たれて、少しせかされていました。
77桂と力をためるのは好手になりやすい感じなのですが、53桂で駒損、駒損自体は構わなくても攻撃力が下がります。
ということはこの瞬間に攻めるか、角を追うことを考えるか。
すぐ攻めるなら74歩同銀75銀上で難解。
角を追うなら、57金上か、55歩~56金か、というのが普通ですが、47金が最強でした。飛車を捨てるのは盲点に入りやすいです。38角~29角成がそっぽになる、というのが終盤の感覚です。飛を捨てても(角と斬り違えても)角を取って寄せに行くのが速い寄せでした。