名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190103

2019-01-03 | 大山将棋研究
先手番升田先生の手を考えます。

第1問


飛車を使いたいです。
A 59金引 B 17桂 C 26歩

第2問


応手に悩みそうなところですが。
A 75同飛 B 75同角 C 36飛

第3問


優勢と見ればこういう手が良いのです。
A 74歩 B 72歩 C 87銀

第4問


両取りですが。
A 94角 B 72歩 C 21飛
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大山将棋研究(1119);四間飛車に位取り(升田幸三)

2019-01-03 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190103
昭和38年11月、升田幸三先生と第2期十段戦第2局です。

大山先生は5筋を突いてからの四間飛車で

升田先生は6筋の位取りです。後手が54銀や64歩としにくので位を取りやすい形でした。

大山先生は旧式の二枚銀の形に構え

3筋の位を取り

向い飛車で動きます。

升田先生は中央を目指し

銀をぶつけて交換になります。

73銀と使わせて7筋を攻める、かなり良さそうな調子です。

ここからどう指すかというのは難しいところですが

26歩と合わせて

飛車は中段で横に使いました。

3筋にも手を付けて、飛角を使っていきます。

大山先生は手にのって7筋のへこみを解消します。

角を追って、ずいぶん挽回したようですが

桂取りは困ったのか

と思ったら、これは升田先生のほうが桂損しそうです。

33歩成は利かないので桂損です。

75桂や45桂を利かされて、おかしな感じもするのですが

91角成というのが大きな手なのです。一見は大山先生が好調なのですが

7筋から攻められそうです。ここで73桂が利けばよいですが

清算されて

桂を取られたところでは角と桂桂香の3枚換えです。やはり7筋が危なくて

77歩同桂61玉でうまく返したようなのですが歩切れになっています。

升田先生としては早く85桂などと攻めたいところですが、87銀~57歩と自陣に手を入れて

角も打ってしっかり守ります。

大山先生の飛車切りからの両取りは半分形つくりです。

7筋に歩を連打されて

詰まされて終わりでした。

升田先生は序盤感覚が優れていました。早い54歩を見て6筋の位取りで作戦勝ち、銀交換から大きく飛角をさばいて、反撃させてその反動を利用して優勢になりました。優勢になった後で自陣に手を入れると、よくあるポカが出にくくなります。完勝でした。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/11/08
手合割:平手  
先手:升田幸三9段
後手:大山十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5四歩(53)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 6六歩(67)
16 7二玉(62)
17 6五歩(66)
18 6二銀(71)
19 5七銀(48)
20 5三銀(62)
21 5八金(49)
22 4三銀(32)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 6八銀(79)
26 3五歩(34)
27 6七銀(68)
28 3四銀(43)
29 7五歩(76)
30 6二金(61)
31 8六歩(87)
32 2二飛(42)
33 6六銀(57)
34 5二金(41)
35 8七玉(78)
36 2四歩(23)
37 同 歩(25)
38 同 角(33)
39 5五歩(56)
40 2五歩打
41 5四歩(55)
42 同 銀(53)
43 7四歩(75)
44 同 歩(73)
45 5五銀(66)
46 同 銀(54)
47 同 角(88)
48 7三銀打
49 7五歩打
50 同 歩(74)
51 7四歩打
52 8二銀(73)
53 4四角(55)
54 3三桂(21)
55 6六角(44)
56 5三歩打
57 1六歩(17)
58 1四歩(13)
59 2六歩打
60 同 歩(25)
61 同 飛(28)
62 2五歩打
63 4六飛(26)
64 4三歩打
65 3六歩(37)
66 2一飛(22)
67 2二歩打
68 7一飛(21)
69 7五角(66)
70 7三歩打
71 3五歩(36)
72 7四歩(73)
73 4八角(75)
74 4五銀(34)
75 7六飛(46)
76 7三銀(82)
77 3七桂(29)
78 5四銀(45)
79 3四歩(35)
80 7五歩(74)
81 同 飛(76)
82 3六歩打
83 7四歩打
84 8四銀(73)
85 7八飛(75)
86 3七歩成(36)
87 同 角(48)
88 7五桂打
89 8八玉(87)
90 4五桂(33)
91 9一角成(37)
92 5七桂成(45)
93 7六銀(67)
94 5八成桂(57)
95 同 金(69)
96 7三桂(81)
97 同 歩成(74)
98 同 金(62)
99 同 馬(91)
100 同 銀(84)
101 7五銀(76)
102 7七歩打
103 同 桂(89)
104 6一玉(72)
105 8七銀打
106 6九角打
107 5七歩打
108 7八角成(69)
109 同 銀(87)
110 3八飛打
111 6七角打
112 5八飛成(38)
113 同 角(67)
114 5七角成(24)
115 7二歩打
116 同 飛(71)
117 7四歩打
118 同 銀(73)
119 7三歩打
120 同 飛(72)
121 8五桂打
122 同 銀(74)
123 同 桂(77)
124 7五飛(73)
125 7三桂打
126 投了
まで125手で先手の勝ち

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20190103今日の一手(その809);玉の早逃げ

2019-01-03 | 今日の一手

20190103今日の一手

9月16日の名南将棋大会から、NさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
金銀と飛角歩3の交換で先手の駒得です。終盤なので評価は控えめにしておきます。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒飛角角で3枚。
後手の攻め駒は75桂と持ち駒金銀で3枚。

総合すれば後手もちです。

何手で詰めろかをみてみると、後手玉が41角で詰めろなので2手すき。
先手玉は76銀などで詰めろの2手すき。先手番なので先手有利です。

☆ 大局観として
単純に詰めろをかければよいようなのですが、互いに何か渡すと自玉が詰めろになってしまう形なのです。先手は飛角を渡せないし、後手は金銀桂どれも渡せないです。だから難しい問題になっています。
駒を渡すと危ないならば、(駒を渡さない詰めろがないとして)自玉に手を入れて2手すきを4手すき以上にできればよいことになります。
まずは攻めの手(詰み筋や詰めろになる手)を考え、受けの手も見てみましょう。


× 29飛は

残念ながら後手玉は詰めろになっていません。87銀97玉95歩85歩76銀成

とされて必至です。


× 62飛としても

87銀97玉95歩で先手玉は詰めろ、32飛成同玉23角42玉41金52玉63角同銀同歩成同玉65飛64角

有力な王手は続きますが、詰みはなくて負けです。


× 41角ならば

32角成同玉23角以下の詰めろです。しかし87銀97玉42金引

角を渡すと先手玉は詰めろになってしまいます。後手玉は詰まず、負け筋です。


○ 実戦は78玉でした。

これで詰めろはかかりにくくなっています。66金29飛56金同歩67銀

ここまでしかわからないのですが、ここで逃げ方を間違って詰まされたか(88玉としたら詰みません)、23歩成からの詰み筋を間違えたか。Hさん残念でした。
後手は66金~56金で詰めろをかけたのですが、56同歩としたところで詰めろ逃れの詰めろになっていました。
29飛がなくても詰みますが、76銀成だとして23金31玉61飛41銀32金同玉23角

22玉に32金同銀31角です。

後手の変化としては56金ではなく67桂成として

67同銀77金69玉67金という詰めろですが、

23歩成同金同飛成同玉41角

15桂を打つ詰み筋です。桂をもらっても詰むのです。

蛇足ですが29飛ではなく68玉

もう一つ逃げるのも良い手で、67銀59玉56金同歩78銀成に41角

あるいは41角ではなく23金から清算して41角32金31飛からの詰めろでも良いですが、先手の勝ち筋です。

後手としては87銀から

68玉78金58玉69金

飛車を取られるのも嫌な筋ではありますが、先手玉は詰めろではありません。63歩成(63同銀に41角42金引63角成を用意した)24銀47玉

という感じで長くはなりますが、先手玉が安全になるので勝てるでしょう。


○ 77玉と逃げ出しても

同じになる変化が多いです。違いは66銀や66金が王手なので29飛とできないのですが、それ以外は前とほぼ同じです。


○か△ 76角と受けると

66金同飛同歩41角

これで詰めろ。24銀に23歩同玉31飛

42金引21飛成と進めば寄せきれるでしょう。先手玉は少し駒を渡しても詰みにくいです。

後手は単に24銀として

87歩もねらうと手が広いですが、23歩同玉25歩33銀41飛12玉77玉

入玉も視野に入れつつ、上のほうに玉を逃げ出せば有利です。


○か△ 98角だと

76角と似ているのですが、66金とされても角取りになりません。どちらでも同じなので66銀だとして29飛

から41角をねらえば勝ち筋です。

後手としては98角に24銀

と受けておくほうが難しいですが、23歩同玉25歩33銀41飛12玉91飛成

79香の受けや77玉~76玉の入玉ルートが早いので(角が邪魔にならない)76角よりも少し優っています。


△ 78角だと

76金29飛77銀79玉

という図が難しいです。先手玉が不安定なので他の場所から角を打つ方が良さそうです。
それでも24銀23歩同玉24飛同玉25玉33玉21飛成

の時に先手玉は詰まないので、踏み込めば勝ちになっています。

78角に24銀だと29飛

33金寄に76飛

面倒そうな図ですが、これならば先手有利か。


△ 68飛と盤上の駒で受けると

76銀79玉77銀成

形勢としてはまだまだなのですが、上から寄せられているので嫌な感じです。


○ 77飛と受けると

66銀同飛同歩75飛

飛車を渡しても75桂を取り切れば先手玉が詰みにくいです。68飛77玉48飛成にも23銀

清算して41角~15桂の詰み筋が生じています。

24銀と受けられたら

23歩12玉16桂

23歩に同金ならば41角

23歩に同玉ならば25歩33金41角

どれも2手すき以上の寄せがあります。


× 97飛の受けは

24銀77玉66金68玉(66同飛は負け筋)88銀98飛76歩

受けた飛車を取られるのが嫌な筋になります。途中66金を同飛と取って入玉をねらうときにも飛車を持ち駒にしていたほうが上部開拓しやすいのです。


☆ まとめ
互いに駒を渡すと危ないということはわかってもらえたと思います。

後手が大駒を持っていない時には玉を移動するのが有力です。小駒は足が遅いので「玉の早逃げ八手の得あり」が当てはまりやすいのです。
さらには69飛を移動して69玉と逃げられるようにできるから、29飛が攻防の手になります。

大駒しか持っていないので受けの手は難しいのですが、比較的には76角か98角がしっかりした受けです。76、87、両方を受けていますから。
77飛は桂取りなので「強い受け」です。

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