名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190119

2019-01-19 | 大山将棋研究
先手番升田先生の手を考えます。

第1問


問題で出しても当たらないでしょうが、こう指すのが升田先生の感覚なのですね。
A 47金 B 47銀 C 95歩

第2問


45歩同歩79角成をねらわれています。
A 68角 B 69飛 C 87飛

第3問


これで間に合うと読みました。
A 74歩 B 84歩 C 77桂

第4問


少し読めばわかります。
A 52と B 26飛 C 48桂

第5問


先手玉は詰めろです。
A 39桂 B 59飛 C 25桂
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大山将棋研究(1135);向い飛車に持久戦(升田幸三)

2019-01-19 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190119
昭和39年1月、升田幸三先生と第3期棋聖戦第3局です。

升田先生の向かい飛車で

後手は64歩を突いてから囲うのが用心深いところです。

ですが64歩を突いてあるので、後の作戦選択が狭くなっています。大山先生は53銀左で急戦なんてしませんから、右銀を上がって

44歩から位取りを目指したのでしょうが、位取りは拒否されました。

7筋から動くしかないでしょう。

互いに飛車先の歩を交換して

升田先生は銀を前に出して高く受けます。

大山先生は右桂を使えたのでまずまず。

飛車は8筋にまわり

角は24へ。これで45歩同歩79角成が見えているのですが

升田先生の87飛が良い手なのですね。馬を作られても

歩を突き出して

と金を作ります。大山先生は46歩を利かし、5筋の歩を取り込んでいるのですが

飛車はいじめきれません。

57歩成から桂銀を交換し、89桂を取れば銀得ですが

と金で飛車を攻められては逃げる余裕がありません。24桂から反撃します。

36桂と跳ねるチャンスはあったのですが、跳ねても効果がないのでしょうか。(アマチュアならば跳ねてから考えますが。)48桂で守られて

飛車を追いかけて捕獲するほうを選びました。

升田先生のほうは と金を寄せていくだけです。大山先生は飛車を取って桂を跳ね

交換して48桂に馬を切りました。

25桂は厳しそうです。升田先生は銀取りを歩で受けて

17銀から攻められました。王手金取りは痛そうですが

25桂が詰めろ逃れの詰めろです。大山先生は42金寄か21桂でまだまだ長いかと思いましたが、ここで投了です。先手玉を寄せにくいからということなのでしょう。

升田先生は玉を囲うよりも局面を支配することを好みます。勝った将棋では、薄い玉でもこう受けるから大丈夫、というのをずいぶん前に知っているような感じがあります。大山先生の将棋を並べ終わったら升田先生の将棋を並べようかなあと思うのですが、何年先になることやら。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/01/23
手合割:平手  
先手:升田幸三9段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 8八飛(28)
8 3四歩(33)
9 6八銀(79)
10 6二銀(71)
11 4八玉(59)
12 6四歩(63)
13 3八玉(48)
14 4二玉(51)
15 6六歩(67)
16 3二玉(42)
17 2八玉(38)
18 4二銀(31)
19 3八銀(39)
20 1四歩(13)
21 1六歩(17)
22 7四歩(73)
23 5八金(69)
24 5二金(61)
25 5七銀(68)
26 9四歩(93)
27 9六歩(97)
28 5三銀(62)
29 6八飛(88)
30 4四歩(43)
31 4六歩(47)
32 4三銀(42)
33 3六歩(37)
34 7五歩(74)
35 同 歩(76)
36 7二飛(82)
37 6五歩(66)
38 同 歩(64)
39 同 飛(68)
40 6四歩打
41 6九飛(65)
42 7五飛(72)
43 6六銀(57)
44 7一飛(75)
45 7五歩打
46 7三桂(81)
47 5九角(77)
48 6五桂(73)
49 4七銀(38)
50 7四歩打
51 同 歩(75)
52 同 飛(71)
53 7五歩打
54 8四飛(74)
55 9七香(99)
56 8六歩(85)
57 同 歩(87)
58 3三角(22)
59 6七飛(69)
60 2四角(33)
61 8七飛(67)
62 4五歩(44)
63 同 歩(46)
64 7九角成(24)
65 8五歩(86)
66 8一飛(84)
67 7四歩(75)
68 7一飛(81)
69 8四歩(85)
70 4六歩打
71 3八銀(47)
72 5五歩(54)
73 8三歩成(84)
74 5六歩(55)
75 7三歩成(74)
76 8六歩打
77 同 角(59)
78 7八馬(79)
79 8八歩打
80 5七歩成(56)
81 同 銀(66)
82 同 桂成(65)
83 同 飛(87)
84 8九馬(78)
85 7二と(83)
86 2四桂打
87 7一と(72)
88 4五馬(89)
89 7七角(86)
90 4四銀(53)
91 4八桂打
92 5六歩打
93 3七飛(57)
94 3三桂(21)
95 6一と(71)
96 2五桂(33)
97 6二と(73)
98 3七桂成(25)
99 同 桂(29)
100 3六桂(24)
101 同 桂(48)
102 同 馬(45)
103 4八桂打
104 3七馬(36)
105 同 銀(38)
106 2五桂打
107 3八歩打
108 1七銀打
109 同 香(19)
110 同 桂成(25)
111 同 玉(28)
112 1九飛打
113 2八玉(17)
114 4九飛成(19)
115 2五桂打
116 投了
まで115手で先手の勝ち




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20190119今日の一手(その817);角筋を受ける

2019-01-19 | 今日の一手

20190119今日の一手

9月30日の名南将棋大会から、HさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の香歩歩得で成香と と金を作っていますから駒得です。
玉の堅さは(相手の駒を考慮しないで)先手玉のほうが堅いです。
先手の攻め駒は83と と持ち駒銀桂桂香で5枚。十分にあります。
後手の攻め駒は64角が入るかどうかで1枚。

総合すれば先手優勢です。

☆ 大局観として
先手が3つの要素で上回っているので次の手も簡単なように思うのですが、後手からの46歩~47歩成というのが厳しいねらいです。
これに対応するか、寄せ合いを目指すかというのが最初の分岐点です。
先手の攻め駒は多いのですが、小駒だけなので66角や89飛が働かないと(早くは)寄せにくいです。
常識的には後手の攻め筋を防ぐのでしょう。駒得なので受けに回っても良いのです。


○ 角取りにするのが強い受け方で56桂

を最初に考えたいです。角が消えれば(移動してもらえば)先手優勢です。後手は角を逃げずに46歩48金引までは良いとして、37歩成同銀36歩とするのが最善です。そこで64桂

37歩成同金98飛成38銀

89竜には72角51玉33角成42金24馬

飛車を取られても24桂を外せるのが大きくて寄せ合い勝ちです。

後手としては飛車を取らずに36歩

これで先手玉は詰めろです。72と同金同桂成同玉83角

後手玉を追っていきます。83同玉86飛というのは詰みます。62玉61金53玉45桂42玉33角成31玉24馬

やはり24桂を外してしまえば先手玉が詰まず、詰めろも難しいです。

今の変化が難しい(王手飛車取りが嫌だ)と思えば銀を取られた時に37同玉

と取ります。36銀28玉47歩成に72と同金同桂成同玉86飛

後手玉は詰めろで、持ち駒が豊富ですから一手一手でしょう。

戻って最初の37歩成を同玉だと

47歩成同玉19角成と角を逃げられて、86飛45香58玉98飛成88歩48香成同金36桂

まだ先手が良さそうですが、少しまぎれています。

こちらを先に書くべきかもしれませんでしたが、後手としては46歩48金引に37歩成ではなく47歩成の王手のほうが普通の手で

64桂48と同金98飛成

これは先手玉が詰みにくいのです。72と同金(51玉ならば詰まないけれど)同桂成同玉83角

今度は銀1枚余計に持っている(38銀の合駒に使わなかった)ので後手玉が詰みます。

ややこしい変化はあるのですが、いずれも先手が勝てそうな変化でした。


○ 48金引と先に逃げて46歩

の時に56桂と打つならば同じ図になります。


× 48香と数を足して受けてみると

46歩同金45歩には56桂

しかないでしょう。46歩64桂同歩86飛45桂

先手玉は詰めろですが、72銀51玉33角成42金24馬

24桂を抜けるので先手の勝ち筋です。

後手としては56桂に46角として

46同香98飛成86飛37金

18玉38金72と同金81飛成71銀88歩37歩成

これは後手の1手勝ちです。


×か△ 58桂としても

ほぼ同じです。46歩に同桂45歩

というのは46歩が桂に替わっただけで桂馬を損しています。(ここで56桂ならばまだ先手有利かも。)

よって46歩に同金45歩56桂46角

46同桂98飛成86飛37金18玉38金72と同金81飛成71銀88歩37歩成

46にあるのが桂か香かの違いだけです。


× 35銀としても

46歩に同金は35飛と取られます。46歩に同銀45歩

は46歩が銀に替わって大損です。


△ 55桂と捨てると

捨てる駒としては銀取りでもあるし、2枚ある桂を捨てるのが正しいです。
55同歩84銀97飛成(98飛成は99飛がある)65香

先手が少し有利くらいですが、先手玉が比較的に安全なので考えやすいかもしれません。


△ 65香だと

65同飛56桂

というのは98飛成がないので受けやすいのです。46歩48金引37歩成同銀36歩64桂37歩成同金

となればわかりますね。

ということで65香にも46歩

48金引37歩成同銀36歩64香

というのは64にあるのが香か桂かの違いです。64桂のほうが(最初に56桂のほうが)攻めに働いていますね。しかし形勢は先手よしでしょう。


× 実戦は39玉と

角筋から玉をかわしたのですが、46歩48金引37歩成同銀36歩26銀47歩成同金98飛成

飛車取り詰めろをかけられて負けになってしまいました。


× 99香は98飛成のほうを受けた手ですが

46歩48金引47歩成には55桂

しかないでしょう。38と同金上37銀同金直同歩成同金に55角

36桂打を見て後手の勝ち筋です。


× 99飛も

交換してもらえば、あるいは98歩を打ってもらえば得かもしれませんが、99香の時と同じで

後手が勝つでしょう。


△か○ 攻め合いで86飛として銀を取れば

86同角ならば84角85飛87香

先手玉が堅いままなので楽勝です。

やはり46歩と取り込まれて

72と(72銀もあるか)同金81飛成62玉48金引47歩成55桂

48と61銀(48同金71金打は互角)38と同金37銀18玉

先手玉は詰まず、後手玉は詰めろです。後手は詰めろ逃れで55飛か55角か55歩か。後手玉は詰まなくても上に追っていって詰めろ逃れの詰めろがかかりそうで、ちゃんと指せば先手の勝ちになるようです。


☆ まとめ

角筋は止めにくいものです。(飛車の縦の筋は止めやすいけれど、横の筋は止めにくいかもしれません。)
受け方としては
間に小さな駒を打つあるいは移動する ;普通の受け
攻撃対象にされた駒(玉とか飛とか)を移動する ;かわす受け
角取りで返す(この時に近づけて受ける手筋が出てきやすい) ;強い受け
の3通りでしょうか。この場合は終盤戦ですから、強い受け、角取りで返すことから考えます。65香もあるのですが、56桂ならば角を取ると金取りあるいは72と があるので有力です。

実戦のかわす受けも良さそうに思えましたが、98飛成が詰めろになるので失敗です。
55に駒を捨てるのは非常手段ですが、後手の角筋が止まれば考えやすくなるかもしれません。







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