名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190111

2019-01-11 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


こんな仕掛けでよいのか?とおもうのですが。
A 45同桂 B 24歩 C 35歩

第2問


素直に進めては失敗します。
A 23歩成 B 65歩 C 47銀

第3問


ここが急所です。
A 32馬 B 44歩 C 75歩

ここは後手番升田先生の手を考えます。
第4問


詰めろ逃れの詰めろをかけられました。
A 63同金 B 77銀 C 57銀
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大山将棋研究(1127);陽動三間飛車(升田幸三)

2019-01-11 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190111
昭和38年12月、升田幸三先生と第2期十段戦第5局です。

4筋6筋を突く古いタイプの矢倉の出だしです。

升田先生はツノ銀を作り

陽動三間飛車へ。

今回は美濃囲いに組み替えて待ちます。

大山先生は26飛型なのにシンプルに桂を使い

44角が飛車当たりです。27飛に35歩でさばかれそう。

でも33歩が利くから悪くはないのですね。22飛に23歩成26歩では悪いので

65歩から角交換。

馬を作って指します。

升田先生の反撃は55歩から37歩成。37同飛は28角です。

47角を打って36と28飛37と26飛36と・・・千日手模様でもたれます。強気の升田先生がこの順を選ぶということは少し悪いと思っているのでしょう。

大山先生が手を変えました。

互いに と金で攻めます。

大山先生は銀を取って7筋を攻め

升田先生は7筋を手抜いて18と から29飛成で寄せ合いです。

81銀には95歩が厳しすぎる、ということで大山先生が有利です。

39飛を無視して銀を取りました。一回受けても良さそうですが。

再度の73歩も厳しいのです。82金には94桂があります。

升田先生は85桂を打って、85同銀に73金。桂を捨てて手を稼いだのですが

もう一度74銀と使われては受ける手がなさそうです。69角成で寄せ合いの形を作ります。

78金を取り、73金にひもがついて、挽回したか。でも73銀成同竜74銀ならばまだ悪そうです。

大山先生は83銀打で清算して75桂から追っていきました。

駒をいっぱい渡しましたがとりあえず詰めろ。部分的には受けなしです。54銀が移動したので詰めろ逃れの詰めろにもなっているようです。

升田先生に77銀から66銀打がありました。取れないのでは逆転か。

75桂を外されて

63銀を取られると詰めろ逃れの詰めろ。

68銀を取って詰めろをかけましたが、詰まされて投了です。

大山先生の仕掛けがうまくいくようには思えなかったのですが、タイトル戦だけあってしっかり読んでいるものですね。手が続きました。と金での駒の剥がし合いは、攻めているところが違うので先手よし。7筋攻めが厳しくて、大山先生の快勝かというところでしたが、升田先生がうっちゃりました。2日制のタイトル戦の終盤だとずいぶん疲れているのでしょうね。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/12/17
手合割:平手  
先手:大山十段
後手:升田幸三9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 6二銀(71)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 2六歩(27)
10 6四歩(63)
11 4六歩(47)
12 6三銀(62)
13 3六歩(37)
14 4四歩(43)
15 5八金(49)
16 4三銀(42)
17 4七銀(48)
18 7四歩(73)
19 6八玉(59)
20 5四歩(53)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 9六歩(97)
24 9四歩(93)
25 1六歩(17)
26 1四歩(13)
27 6六歩(67)
28 3二飛(82)
29 7八玉(68)
30 6二玉(51)
31 6八銀(77)
32 7三桂(81)
33 6七金(58)
34 7二玉(62)
35 3七桂(29)
36 5二金(41)
37 2六飛(28)
38 8三玉(72)
39 5六銀(47)
40 7二銀(63)
41 4五歩(46)
42 同 歩(44)
43 同 桂(37)
44 4四角(33)
45 2七飛(26)
46 3五歩(34)
47 2四歩(25)
48 3六歩(35)
49 3三歩打
50 2二飛(32)
51 6五歩(66)
52 8八角成(44)
53 同 玉(78)
54 2四歩(23)
55 3一角打
56 2三飛(22)
57 6四角成(31)
58 6三歩打
59 3一馬(64)
60 5五歩(54)
61 同 銀(56)
62 3七歩成(36)
63 2六飛(27)
64 4七角打
65 7八金(69)
66 3六と(37)
67 2八飛(26)
68 3七と(36)
69 2六飛(28)
70 3六と(37)
71 2八飛(26)
72 3七と(36)
73 1八飛(28)
74 2五歩(24)
75 3二歩成(33)
76 2六歩(25)
77 4二と(32)
78 2七歩成(26)
79 4三と(42)
80 同 飛(23)
81 5四銀(55)
82 2三飛(43)
83 7五歩(76)
84 1八と(27)
85 7四歩(75)
86 2九飛成(23)
87 7三歩成(74)
88 同 玉(83)
89 7四歩打
90 同 玉(73)
91 8六桂打
92 8三玉(74)
93 7四銀打
94 9二玉(83)
95 7三歩打
96 3九飛打
97 7二歩成(73)
98 8九飛成(39)
99 7七玉(88)
100 7二金(61)
101 7三歩打
102 8五桂打
103 同 銀(74)
104 7三金(72)
105 7四銀(85)
106 6九角成(47)
107 6六玉(77)
108 2六龍(29)
109 5六歩(57)
110 7八龍(89)
111 8三銀打
112 同 金(73)
113 同 銀成(74)
114 同 玉(92)
115 7五桂打
116 9二玉(83)
117 8三金打
118 8一玉(92)
119 6三銀(54)
120 7七銀打
121 5五玉(66)
122 6六銀打
123 5四玉(55)
124 2四龍(26)
125 4四歩打
126 4三金打
127 6四玉(54)
128 7五銀(66)
129 同 玉(64)
130 6八銀成(77)
131 7七銀打
132 6三金(52)
133 6八金(67)
134 6六銀打
135 8四玉(75)
136 7三銀打
137 投了
まで136手で後手の勝ち



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20190111今日の一手(その813);肉を切らせて骨を断つ

2019-01-11 | 今日の一手

20190111今日の一手

9月30日の名南将棋大会から、KさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。(問題を差し替えました。)

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
桂香と銀歩の交換で(後手に持ち歩がありますから歩を数えませんが)竜を作られています。先手が少し駒損です。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は41飛と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は99竜35桂と持ち駒角香で4枚。

総合すれば後手有利です。

☆ 大局観として
形勢判断の2つの要素で劣っていますから難しいです。駒損を回復することはできる(21飛成)のですが、後手の攻め駒が4枚あるので寄せ合いは不安です。
寄せ合いのほうを主体に考えても攻撃力が足りないので難局なのですが、幸いにして6,7筋に持ち歩を打てるので攻撃手段が多いのです。寄せ合いから考えてみましょう。


× 一番厳しいのは王手で、72歩同銀では後手玉を固めさせるから、82角を最初に考えます。

82同玉61飛成27歩

持ち駒金では後手玉に迫りづらく、何か受けねばなりませんが、69歩同竜59金打同竜同金引51金打

後手からは竜を捕獲して28飛をねらうこともできるのですから、かなり先手が勝ちにくいです。


寄せのセオリー通りに考えていきます。61金をねらって62歩(詰めろ)同金寄

の利かしは得かどうかよくわかりません。


× 64歩ならば

一路離れた63銀をねらうとやや厳しさが劣ると言っても手抜けないでしょう。64同銀なら得な利かしです。72銀と引かれたらお手伝いのようでも、21飛成28歩63桂

と攻めることができます。82玉71角92玉11竜82香

桂香を入手して攻めに使っているのですが、後手に先回りして受けられている感じです。この寄せ合いは負けなのでしょう。


× 45角と攻めれば54香

後手に持ち駒を使わせても、先手の戦力ダウンのほうが大きいか。


△ 21飛成では(中盤ならば自然ですが)終盤ではぬるい感じです。

28歩に75桂

がねらいの攻めです。72銀ならば62歩同金寄63歩52金寄35銀29歩成64桂

72桂成同玉61竜同玉62金と追っていく詰み筋があります。

ということで後手は75桂に74銀

35銀に75銀

75桂を取り払い、64桂を消しておけば形勢不明です。

また、75桂に銀を逃げず29歩成

もあります。63桂不成同金52銀51桂

63銀成に28と同玉49竜

詰めろをかけられて72金同金51竜61香72成銀同玉52竜62桂64桂・・・と追いかけていくのが詰まなくて、後手の寄せ合い勝ちのようです。

ということで63銀成は負けなので51同銀成としてみます。

72金61成銀82玉71角同金同成銀

これで後手玉は詰めろ。74角は詰めろ逃れの詰めろになっていて、81成銀93玉59桂

とか受けるのですが、後手から46桂があるので形勢不明です。


△ 35銀と桂を取ってみると

28歩75桂29歩成63桂成同金52銀51桂63銀成

同じように進んだとして(35銀と21飛成の違い)、28と同玉49竜が詰めろにならないから、後手は成銀を取るしかありません。63同桂52金51香同金72金61金82玉42飛成

後手玉のほうが先に詰めろになるので先手の勝ち筋です。

つまり35銀に後手は同歩

と取らざるを得ないのでしょう。銀を手持ちにしたので受けやすくなり、75桂には74銀

とかわして後手が良いのかもしれません。先手の戦力不足で、21飛成75銀では勝てなさそうです。


×か○ 実戦は59金引と受けました。

28歩同玉27香

と打たれて困ったのです。27同銀同桂成同玉45角

が王手銀取りです。(実は困っていなくて、後に別の変化で書きます。)

実戦は27香を取れず、38玉29香成

72歩同銀21飛成27桂打29玉39角

以下寄せられて先手Kさんの負けになりました。


×か○ 59金寄でも

28歩同玉27香同銀同桂成同玉45角

から67角成同金59竜という筋があるので受かっていません。


×か○ 48金寄

ならば一番堅そうですが、やはり28歩同玉27香同銀同桂成同玉45角の筋にはまります。

さて同じような図がでてきますが、あきらめずにこの図の先を考えてみます。(実戦の59金引や59金寄でも似ています。)36角67角成72歩

62玉には64歩が厳しいから、72同銀同角成同玉64桂62玉63歩

63同玉61竜62金72銀74玉76歩

詰めろ以上の手で返せるので先手有利なのです。(48金49金の形が変わると後の変化に影響があるかもしれません。)
28歩同玉27香同銀同桂成と攻められると銀と桂香の交換で、関係ない67銀を取られても先手の攻め駒が4枚になっていた、というのがからくりです。


× 受けとしては79歩

「大駒は近づけて受けよ」の手筋で、単に79同竜は68銀と使えるのですが、28歩同玉79竜だと両取りを避けて59角

を打つのでは形勢が好転しません。27歩38玉28角

くらいでじり貧です。


× 69歩でも

28歩同玉69竜59金寄27歩

38玉99竜21飛成28角

やはり苦しいです。


× 88角89竜79歩

というのも粘りの手ですが、元が悪いので逆転する手ではないです。


☆ まとめ
寄せ合いとしては64歩~63桂か75桂(~64桂)の筋をねらいます。
桂を入手するために21飛成では寄せ合い負け。35銀は有力でも、後手に35同歩と取られたら少し悪いです。

一度は自玉に手を入れるほうが良さそうで、49金にひもをつけておきます。59金引、59金寄、48金寄のどれかを指して、28歩に同玉と取れるようにしておきます。
後手の28歩同玉27香というのが良さそうに見えるのですが、清算して45角の王手銀取りをかけさせるのが罠なのです。遊んでいる67銀を取られるのならばチャンスあり、と思いつくのは難しいのですが、桂香をもらったらなにか反撃がないかと考えてみれば良かったのでした。




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