名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190105

2019-01-05 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


33歩は丸田先生のポカでしょう。
A 42飛 B 33桂 C 45飛

第2問


桂を持っているのでこの手の味が良いです。
A 64桂 B 36歩 C 45歩

第3問


いわゆる大山流の駒運びです。
A 43銀 B 35銀 C 47歩

第4問


桂取りなのですが、これで良いというのが思い浮かびません。
A 47歩 B 34飛 C 48銀

第5問


飛車の逃げ方は?
A 35飛 B 34飛 C 23飛

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大山将棋研究(1121);四間飛車に35歩急戦(丸田祐三)

2019-01-05 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190105
昭和38年11月、丸田祐三先生と第13期王将戦です。

大山先生の四間飛車に丸田先生は急戦です。

54歩型ならば山田定跡の端角が普通なのですが、当時はまだ登場していないでしょう。袖飛車にして

間合いをはかって35歩同歩ですが、46銀45歩33角成同銀35銀は64角が厄介です。そのための手待ちをしていたのですが、大山先生は64歩を突きませんでした。

ということで35同飛。角交換には応じにくくて

66歩と止めて右桂を使うのは形なのですが、35歩26飛31飛~36歩をみられています。

桂を跳ねて銀を前に出て、という展開は互角でしょう。

丸田先生は45桂が不安てないのでさばきたいのです。5筋を突いて

63金に65歩同歩67歩。歩の位置が下がりました。

歩の手筋で攻めるのが「小太刀の冴え」の丸田先生の棋風です。

しかし桂馬を取られるのをうっかり。32歩成55角ではだめですし、56銀42飛でもだめです。

桂損でも中央を押さえる感じで指していくのですが

両取りを打たれて、銀で桂を取るのでトータル銀損です。

駒得の大山先生はあわてずに34銀を引きつけて指します。

後手玉が堅くなった(43銀が62へ移動した)のは良いですが、角成を防ぐために33桂は大丈夫でしょうか。

丸田先生はきれいに桂を取れないですが

35桂を打って25桂を取りました。

でも と金つくりを防げず、形勢は好転しません。

33歩成で対抗しますが、銀を打たれて

55銀とかわしつつ、33と を払った飛車を追いかけるのですが23飛がありました。23同桂成57角成同金59飛では負けです。

辛抱の25歩も34歩で催促され

角をさばかれ

64桂を打たれ

ここまで。

山田定跡登場以前は居飛車が苦労していたのだなあということがわかります。大山先生の指し方も(後年は32金型が多いですが)32銀型で45歩から角交換をねらう指し方です。「振り飛車には角交換をねらえ」という古い将棋格言の否定ですね。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/11/15
手合割:平手  
先手:丸田祐三8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 9六歩(97)
4 9四歩(93)
5 2六歩(27)
6 4四歩(43)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 5六歩(57)
10 4二飛(82)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 6八銀(79)
16 5二金(41)
17 5八金(49)
18 8二玉(72)
19 3六歩(37)
20 7二銀(71)
21 5七銀(68)
22 5四歩(53)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 3八飛(28)
26 1四歩(13)
27 1六歩(17)
28 6二金(52)
29 6八金(69)
30 8四歩(83)
31 3五歩(36)
32 同 歩(34)
33 同 飛(38)
34 4五歩(44)
35 6六歩(67)
36 4三銀(32)
37 3七桂(29)
38 4一飛(42)
39 3六飛(35)
40 4四角(33)
41 4五桂(37)
42 3五歩打
43 3九飛(36)
44 3四銀(43)
45 4六銀(57)
46 6四歩(63)
47 5七銀(48)
48 4三飛(41)
49 5五歩(56)
50 6三金(62)
51 6五歩(66)
52 同 歩(64)
53 6七歩打
54 5五歩(54)
55 同 銀(46)
56 2二角(44)
57 3三歩打
58 4五飛(43)
59 2四歩(25)
60 3三角(22)
61 5六銀(57)
62 4一飛(45)
63 2三歩成(24)
64 同 銀(34)
65 5四歩打
66 3四銀(23)
67 4六歩(47)
68 5二歩打
69 4七金(58)
70 2七歩打
71 2九飛(39)
72 3六歩(35)
73 同 金(47)
74 4四桂打
75 同 銀(55)
76 同 角(33)
77 5五銀(56)
78 6二角(44)
79 2七飛(29)
80 2六歩打
81 5七飛(27)
82 4三銀(34)
83 3二歩打
84 4四銀(43)
85 5三歩成(54)
86 同 銀(44)
87 4五歩(46)
88 5一角(62)
89 3一歩成(32)
90 同 飛(41)
91 3五歩打
92 2四角(51)
93 5四歩打
94 6二銀(53)
95 4六銀(55)
96 3三桂(21)
97 3四歩(35)
98 2五桂(33)
99 3五桂打
100 4七歩打
101 2五金(36)
102 1三角(24)
103 2六金(25)
104 4八歩成(47)
105 3三歩成(34)
106 3八銀打
107 5五銀(46)
108 3三飛(31)
109 4四銀(55)
110 2三飛(33)
111 2五歩打
112 3四歩打
113 1五歩(16)
114 4七銀成(38)
115 5五飛(57)
116 3五角(13)
117 同 金(26)
118 同 歩(34)
119 3四角打
120 2二歩打
121 1四歩(15)
122 6四桂打
123 7七金(68)
124 4六成銀(47)
125 8六歩(87)
126 5六成銀(46)
127 投了
まで126手で後手の勝ち




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20190105今日の一手(その810);どこで詰ましにかかるか

2019-01-05 | 今日の一手

20190105今日の一手

9月16日の名南将棋大会から、MさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
歩2と飛銀の交換で馬と金VSと金を作り合っています。先手の大きな駒得ですが、終盤なので控えめに評価しておきます。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。守りの桂を跳ねさせたのでその差は小さくなりましたが。
先手の攻め駒は76飛と持ち駒飛金2銀3、7枚ありますが評価としては4枚と同じに考えます。
後手の攻め駒は78銀67と と持ち駒角金で4枚。

総合すれば互角に近いです。

何手で詰めろかを数えたいのですが、先手玉の詰めろはわかりやすいです。実は後手玉にも詰みがあります。読み切れるならば先手有利と言うよりは勝ちです。読み切れないと、詰めろはわかりそうですから(61銀とか74歩とか)手番の後手有利です。


☆ 大局観として
後手玉の詰みを読み切れるかどうかです。読み切れる方には簡単なのですが、私なら詰んでもおかしくないと思いつつも、詰ましに行ったら間違える確率のほうが高いです。
詰まないと思ったら受けを考えるわけですが、しっかり受ける手か攻防の手が欲しいです。


×か○ 73同飛成としてみると

73同金は71銀同玉62銀

まだ持ち駒が豊富なので、読み切れなくても詰ますことができると思います。

73同玉が難しいのですが、76飛

としてみると詰みそうだなあとは思うでしょう。捨て合い(75金同飛74角)もあるので読みきりは難しいかもしれません。やってみれば詰みそうに思えてきました。74歩は64銀同玉65歩同玉56金から上を押さえてしまえば詰みます。75金同飛74角には同飛同玉85金と追っていけば詰みます。


△か○ もう一つは71銀と捨てる詰み筋で

71同玉には62金同金73飛成同玉62銀

金1枚余計に捨てているのですが、ここまで気が付けば詰ませられるでしょう。

71同金は

73飛成同玉76飛

72金と71金の位置の違いで、こちらのほうがわかりやすく思えます。


× 受けるほうを考えてみます。78同飛は

78同と同玉56角67歩28飛68銀57桂成

後手の攻め駒が3枚に減るのですが、45桂が攻め駒になってしまうので受けはなくなります。後手玉に詰み筋がないので、簡単に先手の負けになります。


× 97玉の早逃げは85金

と打たれるのが詰めろ逃れの詰めろ(78銀成同玉76金同玉66飛以下)です。75金と受けても89銀成88銀76金同金78飛

飛車を取られると後手玉の詰み筋がなくなり、一手一手の寄りです。


×か○ 98玉だと

89銀不成同玉77金

で詰めろをかけられて、後手玉を詰ますしかないです。73飛成同玉75飛74角

74飛同玉85銀75玉65金同玉74角

問題図から詰ますよりも難しくなっているのですが、まだ詰みます。

詰み筋に気が付かないと88金

と受けるわけですが、78角98玉76金

詰めろ逃れの詰めろで先手の負けです。


△か○ 実戦は79歩と受けました。

「敵の打ちたいところに打て」ですね。89銀成同玉77金には88金

で78角を打たれないわけですが、88金同玉75歩

取れば66角です。61銀の詰めろに77角同飛同と同玉85桂

とされると詰んでいます。

88金と受けないで73飛成以下詰ましに行けば、98玉の場合と同じ筋で詰みます。

途中の61銀ではなく63銀とすると

77角以下の先手の詰み筋が消えています。「詰めろ逃れの詰めろ」です。63同金に72金同玉61銀

で後手玉を詰ますのは考えやすいかもしれません。

実戦は79歩に77歩

だったのですが、これは先手玉が詰めろになっていません。即詰みが見えなくても、61銀の詰めろで勝ちだったのですが、77同桂79銀不成98玉77と

先手玉が受けなしになり、73飛成同金(同玉のほうが難しいけれど)71銀93玉82銀打84玉

ここでならば85金ならば簡単な詰みです。73銀不成75玉53馬

が敗着で後手玉が捕まりません。53馬では55飛で詰んでいました。
やはり実戦の中で詰ますというのは大変なことですね。


× 97銀も有力な受けですが

89銀成同玉(98玉には55角が攻防の詰めろ、あるいは77金の時に後手玉が詰まなくなっている)77桂

77同飛同と74桂93玉

飛車が消えると桂をもらっても後手玉に詰み筋がなくなっています。


× 69金は非常手段ですが

69同銀不成79金78金98玉79金

金2枚を取られて、88金97玉87金同玉78角86玉85金97玉87角成同玉76金・・・という詰み筋があります。損失が大きいので勝てなさそうです。


○ 59飛は

79角を受けただけのようですが、89銀成同玉78金98玉77と73飛成

73同玉に51飛成以下は難しくないでしょう。73同金には71銀からでも93銀からでも詰みます。
59飛は攻防に働いていたというわけです。

59飛に75歩ならば61銀

で詰めろ。71金打で金銀の打ち替えは長くなりますが、後手に守備の金がなくなるので一手一手の寄り筋です。


☆ まとめ
後手玉の詰み筋に気が付けば多くの局面に先手の勝ちがあるわけですが、気が付きにくいのではないでしょうか。気がついても読み切れない人(時)が多いと思います。

この場合は59飛が攻防の手になります。持ち駒に飛車があるよりも59飛のほうが考えやすいのではないかと思います。
後手玉に詰みがない(見つからない)としたら、攻防の59飛で逆転したと考えることができます。実質は「詰めろ逃れの詰めろ」のようなものです。

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