名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190115

2019-01-15 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


47金を使いたいです。
A 17桂 B 38飛 C 56金

第2問


駒損を避けておきます。
A 29飛 B 46飛 C 46角

第3問


44金をさばきます。
A 25桂 B 31角 C 22歩成

第4問


この手が見えれば寄りです。
A 23歩 B 42歩成 C 85歩
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大山将棋研究(1131);陽動向い飛車に玉頭位取り(升田幸三)

2019-01-15 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190115
昭和39年1月、升田幸三先生と第3期棋聖戦第2局です。

矢倉の出だしですが

升田先生は陽動振り飛車、25歩を突かれていないのに向い飛車にしました。

美濃囲いをあきらめてツノ銀の形です。

大山先生は玉頭位取りに。陽動振り飛車相手なので、84歩をとがめることになりそうです。

升田先生は7筋の歩を交換し

3筋から動きます。でも飛車の動きで1手損

一度石田流を目指して

すぐに引いて銀を出るので2手損です。角も引いたのであわせて3手損。

1歩得になりましたが

銀を戻れません。

銀は16まで追われました。

15歩(17銀成同香16歩ねらい)26飛くらいは入れておくほうが良いと思います。作戦負けなので我慢すべきで、銀をぶつけると形勢は悪化します。

大山先生は金を進出して

右辺の後手の駒を抑え込んでいきます。

銀取りに飛車を浮き、攻めを催促します。

升田先生は15に銀を打ちました。これではひどすぎます。せめて17銀不成同香69銀でしょう。

大山先生は飛車を寄って19香を守りました。ちょっと変わった手ですが、1筋の2枚の銀がひどいのでこれで十分すぎます。

升田先生は73歩を打ってから飛車を取り

打ち込んでみますが手がありません。63金左は74歩に備えただけの手で

飛車取りで金をさばかれてしまいました。

ほぼ駒の損得はありませんが、1,2筋の駒が遊んでいます。

大山先生は角取りには角をつないで打ち

銀を使い

竜を捕獲し

65銀を取られても と金で寄せていきます。

71角はハッとする受けですが、飛車を打てば何事もなく

駒損は回復しました。銀を打って粘られても

8筋を攻めれば後手玉が寄るのです。

71玉には竜を入り

竜が消えて46金を取られても、61金を打てれば寄り筋です。

ここまで。

升田先生が手損で動いたというのが敗因なのですが、体力的なものでしょうね。早く戦いを起こしたいのです。ならば84手目15銀を打たないで攻めれば、まだ勝負になったと思うのですが。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/01/12
手合割:平手  
先手:大山棋聖
後手:升田幸三9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 4二銀(31)
7 2六歩(27)
8 4四歩(43)
9 4八銀(39)
10 4三銀(42)
11 5六歩(57)
12 3三角(22)
13 6八玉(59)
14 6四歩(63)
15 7八玉(68)
16 2二飛(82)
17 5七銀(48)
18 7二銀(71)
19 3六歩(37)
20 6三銀(72)
21 5八金(49)
22 6二玉(51)
23 7五歩(76)
24 7四歩(73)
25 同 歩(75)
26 同 銀(63)
27 6六銀(57)
28 5二金(41)
29 7六銀(77)
30 7二金(61)
31 9六歩(97)
32 3二飛(22)
33 7五歩打
34 6三銀(74)
35 4六歩(47)
36 3五歩(34)
37 同 歩(36)
38 2四角(33)
39 4七金(58)
40 1四歩(13)
41 7九角(88)
42 3五飛(32)
43 3六歩打
44 3四飛(35)
45 8八玉(78)
46 3二飛(34)
47 2五歩(26)
48 4二角(24)
49 7八金(69)
50 3四銀(43)
51 3八飛(28)
52 2五銀(34)
53 4五歩(46)
54 同 歩(44)
55 2八飛(38)
56 2四歩(23)
57 3五歩(36)
58 3六歩打
59 1六歩(17)
60 2二飛(32)
61 5五歩(56)
62 7一玉(62)
63 8六歩(87)
64 5一角(42)
65 1七桂(29)
66 1六銀(25)
67 3六金(47)
68 7四歩打
69 同 歩(75)
70 同 銀(63)
71 7五歩打
72 6五銀(74)
73 同 銀(66)
74 同 歩(64)
75 4五金(36)
76 4四歩打
77 2三歩打
78 4二飛(22)
79 3四金(45)
80 7三角(51)
81 2六飛(28)
82 5五角(73)
83 7七銀打
84 1五銀打
85 4三歩打
86 1二飛(42)
87 4六飛(26)
88 7三歩打
89 4四金(34)
90 4六角(55)
91 同 角(79)
92 4九飛打
93 5五角(46)
94 6三金(52)
95 2二歩成(23)
96 同 飛(12)
97 5三金(44)
98 3三歩打
99 5四歩打
100 4五飛成(49)
101 4四角打
102 8二玉(71)
103 6五銀(76)
104 6四歩打
105 6三金(53)
106 同 金(72)
107 4六金打
108 4四龍(45)
109 同 角(55)
110 6五歩(64)
111 5三歩成(54)
112 7一角打
113 5一飛打
114 5三金(63)
115 同 角成(44)
116 同 角(71)
117 同 飛成(51)
118 6二銀打
119 5六龍(53)
120 2八角打
121 6一角打
122 7二金打
123 8五歩(86)
124 7一玉(82)
125 5二龍(56)
126 同 飛(22)
127 同 角成(61)
128 4六角成(28)
129 6一金打
130 8二玉(71)
131 6二金(61)
132 同 金(72)
133 同 馬(52)
134 7二金打
135 8三銀打
136 投了
まで135手で先手の勝ち
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20190115今日の一手(その815);浮き駒を解消する

2019-01-15 | 今日の一手

20190115今日の一手

9月30日の名南将棋大会から、YさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損ですが、持ち歩があるので損得なしと見ます。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は68飛88角(55歩で止められているので働きが弱いが)で2枚。
後手の攻め駒は76飛65桂で2枚。

総合すれば互角か先手もちです。

☆ 大局観として
先手は美濃囲いの分だけ指しやすいのですが、直前に後手の52金を63に離れさせた(歩がぶつかっていて63歩成同金とした)のが利いています。
後手陣を乱したところで、先手の攻め駒となるべき78銀89桂がまだ前面に出ていないのが気がかりです。左の銀桂さらには飛角をさばくというのが大きな方針です。まあ全部さばききるのは難しいものなのですが、攻め駒が増えれば先手が有利になるでしょう。
駒得を目指すならば、今は後手にだけ右桂を使われているので、これを取ることができればよくなりそうですが、うまくいくでしょうか?ただ取りできなくても89桂と交換になるだけでも手得です。


△ 「桂の高飛び歩の餌食」で66歩を打ちたいところですが

56歩と取り込まれると65歩とはできません。歩切れなので56同金に75飛

飛車をかわされた(77歩~65歩を防がれた)として、55歩は同角同金57桂成

とされて面白くないです。

55歩ではなく67銀として

桂を取ろうとするわけですが、86歩65金同銀同歩88角成同飛79飛成66角

金と銀桂の交換でも竜を作られています。88飛にひもをつけて角を打ちますが、後手は22角か33角か、角を合わされて交換して再度66角と打つくらい。後手の手番ということもあり形勢互角くらいですがちょっと不安です。


× 実戦は77桂とぶつけたのですが56歩

77同桂成としてもらえば先手有利でしたが、「勝手読み」でした。88角にひもをつける手がうまくいかない(67銀には77飛成か57歩成)のでどうしようもありません。やむなく65飛と切ったのですが、65同銀68桂75飛

76歩も同銀でだめ、96歩と待った(97角ねらい)のですが67歩

を取れずにぼろぼろになりました。


△ 55歩と取るのは自然な手です。

55同銀に65飛で成功、ではありません。78飛成

銀を取られます。63飛成88竜とするよりは、55角と銀を取るほうが得で、55同角同飛76角85角

と角を打ちあうのでしょうか。角を交換してもらって85飛~82飛成が王手になるので、このさばき合いはまあまあ指せそうです。

後手としては55歩を取らなくてもよいので56歩

と打っておくことができます。67銀57歩成76銀68と

駒がぶつかったままですが、先手から銀を取りにくいので何とも言えません。形勢互角くらいなのでしょう。


○ 67銀と出ると

飛車取りで88角に飛車のひもがつきます。75飛66銀85飛

67飛56歩では不満なので、55歩87飛成54歩67歩58飛57歩48飛

銀得でも竜を作られて67歩57歩を利かされています。まだ難しいですが、駒得が大きいと見ます。

65銀として

桂を取ってしまうほうがさばく感じです。65同銀77桂87飛成65飛62歩85飛

桂得で飛車をさばきました。でも88角が負担なのでそれほど形勢が良いわけでもないです。


△ 64歩を利かすと

多分64同金で、これが得になるかどうか。歩切れなので動かねばなりません。先ほどと同じように67銀75飛66銀85飛

55歩や65銀に備えさせた感じで、これは得にならなさそうな変化です。ただし形勢は互角くらい。


× 69歩は渋い手です。

後の79飛成に備えているわけですが、歩切れになるのが不安です。56歩22角成同銀67銀57桂成

後手は79飛成が先手にならないので57桂成(57歩成よりも得)としてどうか。76銀には47成桂

から57歩成を見て、後手が指せるようです。


× 何か待つならば36歩

が一番有効でしょう。高美濃の弱点が減り、玉が広くなります。56歩22角成同銀77歩に57歩成

先手玉が堅くなっても、飛車の取り合いで78銀も取られるので後手が指しやすいです。

58歩として57歩成のほうを受けても88歩

があるのでこれもだめです。

となれば56歩に67銀がどうか。

88角成76銀55馬

後手は飛角交換でも馬を使い、65桂にひもをつけて57歩成ねらい。これが手厚くて後手有利です。


× 最初に77歩でも56歩

歩切れで58歩を打てずに困っています。


△か× 77銀とすると

77同桂成同角66歩

くらいでしょうか。最後の66歩では64歩か65歩かという比較は悩むところです。左銀をさばいたとはいえ、後手の右桂をさばかれたとみるのでしょう。駒損で、残った89桂と54銀を比較すれば、54銀のほうが働きが良いですね。後手が指しやすい図です。


× 66角も角にひもをつけているのですが67歩

が痛いです。67同銀しかないので79飛成~89竜で駒損になります。


× 79歩は先ほどの67歩を消した手(68飛を動きやすくした手)ですが56歩

こうなると79歩の意味はなくなります。


× 58飛56歩

これも苦しそうです。


☆ まとめ
結局は後手からの56歩の取り込みにどう対応するかという感じでした。
少しぬるい手で(36歩とか69歩とか79歩とか58飛とか)は56歩とされて困っています。先手の88角にひもがついていないと、さばき合いで後手の65桂が働き出します。
実戦の77桂は取ってもらえば先手よし(77同桂成同銀は理想)ですが、後手の56歩の破壊力が増してしまいました。
先手から55歩と取っても、次に54歩と銀を取りにくいので形勢互角に近いです(がちょっと指せるか)。
66歩と打って後手の56歩を甘くさせるのはあり得ます。

ということで67銀と使うのが良い手でしょう。88角にひもがつき、75飛に66銀と前進して、左銀を攻めに使っていきます。
先手の左翼の戦いでは、左の銀桂が戦いに参加していないのが課題でした。後手の65桂54銀はしっかり前に出ているのでこれに対抗しておく必要があります。

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