名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190131

2019-01-31 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


後手のねらいを避けます。
A 65同歩 B 55歩 C 48飛

第2問


駒得ですが67歩成があるのでどうしたものか。
A 66同角 B 68飛 C 47飛

第3問


飛角取りが残っています。
A 68飛 B 77角 C 75角

第4問


57歩成に気をつけねばなりません。
A 58歩 B 64歩 C 61角

第5問


気持ちの良い手です。
A 64角 B 54金 C 48飛

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大山将棋研究(1147);三間飛車に65歩急戦(二上達也)

2019-01-31 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190131
昭和39年6月、二上達也先生と第23期名人戦第6局です。

大山先生は先手三間飛車です。二上先生は早々と端の位を取りました。受けなかったから気合いなのでしょうが、作戦を練ってきた可能性もあります。

端の位を取ったのに急戦を目指すというのはちぐはぐです。

大山先生は67金~46銀で急戦に対応します。65歩の攻めには55歩もあります。棒銀ならできるかもしれませんが

二上先生は歩越し銀には歩で対抗、44歩と止めて

45歩の位取り、大山先生はすぐに反発して

65歩の急戦になりました。とりあえず角交換すると69角があるので

大山先生の48飛は自然な対応です。二上先生は7筋も突いて

55歩に86歩。4つ歩がぶつかるというのは珍しい図です。

二上先生は角をさばきますが

44歩を打つのは55角を引けなくなりますから良い感じがしません。

銀を追って、43歩を取るのは損なので

一度金を逃げてから、角取りにも構わず(逃げても仕方ないですが)43歩を払っておきました。でも67歩成(あるいは37角成~67歩成)はあったのかも。

角金交換で自陣に金を打つのは、駒損で粘っている感じで形勢は悪いです。

大山先生は弱気に付け込んで飛車をぶつけました。66飛81飛成は35桂もあるので先手よしか。二上先生としては88同飛成同角87飛から粘るのが最善だという気がします。

87歩に75角が利いて

8筋を押さえられてははっきり不利になりました。

大山先生が角を打つのがいかにも好手です。

6筋攻めを絡めつつ、角を切って

玉を引っ張り出して48飛。きれいに決まりそうです。46角の受けに

角飛を切って71角。詰めろ飛車取りです。

二上先生が勝てるのは入玉したときくらいですが

77金を打たれて望みはなく、と金を寄るのは形つくりです。

大山先生は45飛から金を取り

ここまで。

二上先生の序盤作戦がまずいのですが、こういう指し方がまずいと皆が理論的に気が付いたのはもう少しあとの時代だと思います。やってみれば難しい中盤で、少し悪いけれど粘ってみれば難しいのではないかと思ったのでしょう。大山先生は二上先生の心理を読んで派手に決めてしまった感じです。これで名人を防衛しました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/06/09
手合割:平手  
先手:大山名人
後手:二上達也8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 5四歩(53)
11 5六歩(57)
12 1四歩(13)
13 4八玉(59)
14 1五歩(14)
15 3八玉(48)
16 4二玉(51)
17 5七銀(68)
18 3二玉(42)
19 5八金(69)
20 4二銀(31)
21 2八玉(38)
22 5二金(61)
23 3八銀(39)
24 5三銀(42)
25 9六歩(97)
26 6四歩(63)
27 6七金(58)
28 7四歩(73)
29 4六銀(57)
30 4二金(41)
31 3六歩(37)
32 9四歩(93)
33 2六歩(27)
34 4四歩(43)
35 3七銀(46)
36 4五歩(44)
37 4六歩(47)
38 同 歩(45)
39 同 銀(37)
40 6五歩(64)
41 4八飛(78)
42 7五歩(74)
43 5五歩(56)
44 8六歩(85)
45 同 歩(87)
46 4五歩打
47 同 銀(46)
48 5五角(22)
49 3七桂(29)
50 4四歩打
51 3四銀(45)
52 7六歩(75)
53 同 金(67)
54 3三歩打
55 4三歩打
56 4一金(42)
57 2五銀(34)
58 6六歩(65)
59 6五金(76)
60 4三金(52)
61 5五金(65)
62 同 歩(54)
63 4五歩打
64 5四金打
65 6六角(77)
66 8六飛(82)
67 8八飛(48)
68 8七歩打
69 7五角(66)
70 8二飛(86)
71 6八飛(88)
72 6四歩打
73 8四歩打
74 4五歩(44)
75 6五歩打
76 5六歩(55)
77 6一角打
78 6三銀(62)
79 6四歩(65)
80 同 銀(53)
81 5五歩打
82 5三金(54)
83 4三角成(61)
84 同 玉(32)
85 4四歩打
86 同 玉(43)
87 4八飛(68)
88 4六角打
89 6四角(75)
90 同 銀(63)
91 4六飛(48)
92 同 歩(45)
93 7一角打
94 5五玉(44)
95 8二角成(71)
96 5七歩成(56)
97 7七金打
98 4七と(57)
99 4五飛打
100 5六玉(55)
101 4一飛成(45)
102 3八と(47)
103 同 金(49)
104 4九角打
105 4七金打
106 投了
まで105手で先手の勝ち

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20190131今日の一手(その823);玉頭戦の戦い方

2019-01-31 | 今日の一手

20190131今日の一手

10月6日の名南将棋大会から、HさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるので損得なしと見ます。
玉の堅さは少し後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角金で2枚。
後手の攻め駒は持ち駒角銀銀で3枚。

総合すれば後手もちです。

☆ 大局観として
ほぼ互角の局面で、後手に45歩を打たれたところです。47飛をさばかせないように打ったのですが、取ってよいでしょうか。飛車をさばけば3枚目の攻め駒になります。
玉頭位取りの将棋としてみると、持ち歩が4枚もあるというのが心強いです。飛車をさばき合って横からの寄せ合いにするのではなく、歩の手筋で後手玉を乱すという順が実現できれば良くなります。その前に金銀3枚が離れているので、何か対応策を考えたいのですが。


△ 45同飛と取ってみると

54角を打とうということは(両取りの見えない)私でもわかりそうです。でも53金45角62金同金42飛

両取りで返すことができ(こういうのは見えませんが)、72金打45飛成59飛

また両取りで飛車を打たれるというのは少し後手が良いのでしょう。

であれば41飛成

素直に飛車を成り込んで76角63金61歩62金同歩

31飛71金打66金58角成54角61銀

飛と銀銀の二枚換えは駒損ですが、21飛成か61竜か(これは寄せ合いで怪しい)で駒損は回復できます。
派手な変化が待っていますが、形勢としては互角に近いです。


△ 実戦は31角

後手の飛車をさばかせない角打でした。46銀同金58角

手筋で攻められましたが、これならば67銀打で有利のはず。それを67飛と逃げて同角成同銀46歩

飛角交換で駒損でもないのですが、31角の働きが悪くて、飛車を持った後手の攻めのほうがわかりやすいので後手有利です。

後手としては46銀同金に58角ではなく46同歩

46同飛には69銀79金打(79金には35角がある)78銀成同金86金

87銀打76金同銀69銀79金打・・・というのは金銀交換の繰り返しで千日手です。

先手は46同歩に67飛

と逃げるかもしれません。66歩同飛57銀という感じでこれも互角くらい。


○ 31角では角の働きが弱いので、53角のほうが普通です。

52飛44角成

というのは馬が守りに使えますし、63金も残っています。

53角に後手は61歩

など守ったほうが良さそうで、67金33桂48飛

歩を打ってもらえば66歩がないのでちょっとゆっくり指して模様が良いです。玉の堅さは逆転しています。


△ 55角は

同じように64歩を支えていて、11角成もねらえます。反面では45飛と取りにくくなっています。46歩同飛35角47飛38銀41飛成57角成

これは57金を取られても38銀が遊んでいるので難しいです。


△ 単に67金だと66歩

を打たれるのでちょっと嫌な感じです。66同金46歩67飛58銀53角

飛車を取られても先手玉が堅くなるのならば反撃してまあまあの形勢です。


○ 67金打のほうが堅くて

45飛をねらえるので守りだけの手ではないのです。33桂44角64飛33角成

というのは先手有利です。


△ 49飛と引くと

1手パスのようでも後手の64飛~69飛成を消しています(64飛に55角が利きます)。35角46歩同歩36歩26角46飛64飛

65歩に44飛で飛車交換か?形勢不明です。

△か○ 65角は

後手の54角を消しています。33桂に63金同金同歩成同飛83角成同玉65銀打

こういうのが玉頭戦ならではの戦い方です。少し駒損でも玉の堅さが大差で、74金をねらいます。(金銀と飛の交換ねらいですが、飛車を取って打ち込めば桂を取り返せそう。)実戦的な指し方です。


△ 54角も似ています。

64飛に72角成同銀65金

でもまだ後手玉は裸ではありません。44飛64歩62歩85歩46歩

これだとまだ難しいです。


△ 43角だと

33桂ならば54角成でまあまあ。65飛65歩44飛21角成46銀

は難しいです。


△ 65銀では

ちょっと薄い感じですが、後手の64飛を防ぎ、45飛をねらっています。後手からは86銀76金87銀打同金同銀成同玉69角

飛車を取ってしまう強襲か、

46歩同飛35角

と攻めるか。いずれにせよ先手玉がさらに薄くなるので好ましいとは思いません。


○ 85歩と打つのが

いかにも玉頭位取りらしい手です。85同歩84歩同銀63金同金同歩成同飛83歩同玉65角

一番きれいに決まるとこういう感じです。

後手としては85歩に64飛

で8筋を守るのですが、65歩44飛55角46歩49飛45飛84歩同銀83歩同金85歩93銀11角成

香を取ると84香と使えます。


△ 俗に63金と打ち込んで

後手玉を薄くするのもありそうです。63同金同歩成同飛64歩同飛65歩44飛55角41飛

11角成とするくらいで互角です。筋としては85歩同歩74歩同銀85銀

と攻めたいのですが、先手の玉頭も薄くなるので善悪不明です。


☆ まとめ
対抗型で玉頭戦になると価値観が変わります。互いの玉のまわりや玉頭にある盤上の駒の価値が高くなります。よって駒の損得の判断が変わってきます。
筋悪でも63金と打ち込んで相手の守りの金をはがすのが有効になります。すぐに決行してもあまり得ではないのですが、65角~63金~83角成という派手な手が有効でした。
先手は玉頭位取りで、76銀や77桂はそのための配置です。85歩同歩84歩と攻めていくのがねらいの順で、そのために持ち歩がたくさん欲しいのです。問題図では4歩もあるのですから強力でした。
守りのほうに重点を置いて、角を打って馬を作るとか、67金打とか、玉頭方面を手厚く指すのも良い手です。その後で玉頭から攻めれば良いのです。


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