名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190107

2019-01-07 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


ちょっと指しにくい手なのですが、後手陣のほうが手厚いと思えば考えやすいかも。
A 87歩成 B 74歩 C 94歩

第2問


ここは安全第一です。
A 77同角成 B 71歩 C 66歩

第3問


ちょっとうっかりしそうですが。
A 68と B 67歩成 C 53銀

第4問


攻防の手がありました。
A 26桂 B 36歩 C 55角
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大山将棋研究(1123);ひねり飛車(広津久雄)

2019-01-07 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190107
昭和38年4月、広津久雄先生と最強者決定戦記念対局です。優勝すると名人と記念対局があったようです。ということは優勝した広津先生の先手番は決まっていたのかも。

相掛かりで

縦歩取りですね。実際に歩を取らないのですが、金を上がらせて角筋を止めさせます。

76歩41玉には77角として飛車先を切らせないというのが先手の得です(と思われていました)。でも広津先生はひねり飛車にしたかったのですね、8筋の歩を交換されていないのに75歩と突くと、36飛の途中下車とは合っていないのですが、まあ33金も良い形ではないから悪くはないでしょう。

ひねり飛車で玉を移動する前に早くもぶつかりましたが

銀2枚で守られたので後続の攻めはないです。

囲い合った後で、広津先生は86歩から仕掛けたのですが、思い切って86同歩同飛同飛同角99飛ではだめなんでしょうね。だからと言って85歩と打つのも良い感じがしません。

大山先生は強気に74歩同歩72飛。86角74銀75歩63銀はまだまだのはず。86角に75歩同角74銀は後手よしかも。

広津先生は73歩成から飛車交換をして、74歩は手筋ですが

73桂を取れないのでは少し悪いです。

香を取っても76歩のほうが痛そうで

角交換はしてもらえません。

24歩同歩は良いとして(ひねり飛車の攻め手筋です)、23歩44角では効果なしか。23香同玉21竜、25歩31桂というのもパッとしませんが、95角というのはねらいがよくわかりません。

77歩を誘ったということでしたか。もっとも77歩では16歩同歩26桂とか、後手からの有力手もあるところです。さて77歩を誘って76香なら勝負にはなります。ただ後手玉が広いので寄せ合いは自信なしです。

金銀を取り合って、41銀を避けて大山先生は42金が必要です。ただ先に逃げているので寄せ合いの速度は変わらないでしょう。

73香成に68と 良さそうな手がありました。広津先生としては68同角73銀では負けそうで、62成香58と も負けでしょう。

69銀と捨てるのは と金の活用を防ぐ手筋です。

これで寄せ合い勝ちもあるのかというところですが、大山先生の55角が攻防です。竜を逃げると28銀が取れないので

広津先生は23銀から桂香を拾いましたが、やはり28銀は取れません。48玉に78飛か67歩成くらい。ということで投了です。

縦歩取りのひねり飛車が出現したころだったのでしょう。そのあとの指し方も今の目で見ると無理な感じで指しています。86歩同歩85歩とするよりは、左金を前に出して戦うほうが良いと思います。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/11/26
手合割:平手  
先手:広津久雄8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7八金(69)
6 3二金(41)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 2三歩打
11 2六飛(24)
12 3四歩(33)
13 9六歩(97)
14 6二銀(71)
15 3八銀(39)
16 5四歩(53)
17 3六飛(26)
18 3三金(32)
19 7六歩(77)
20 4一玉(51)
21 7五歩(76)
22 3二玉(41)
23 7七桂(89)
24 6四歩(63)
25 9七角(88)
26 4二銀(31)
27 7六飛(36)
28 6三銀(62)
29 6六歩(67)
30 5二金(61)
31 6五歩(66)
32 5三銀(42)
33 6四歩(65)
34 同 銀(53)
35 6八銀(79)
36 4四歩(43)
37 4八玉(59)
38 4三金(33)
39 6五歩打
40 5三銀(64)
41 6七銀(68)
42 1四歩(13)
43 3九玉(48)
44 4五歩(44)
45 5八銀(67)
46 1五歩(14)
47 9八香(99)
48 3五歩(34)
49 8六歩(87)
50 同 歩(85)
51 8五歩打
52 7四歩(73)
53 同 歩(75)
54 7二飛(82)
55 7三歩成(74)
56 同 飛(72)
57 同 飛成(76)
58 同 桂(81)
59 7四歩打
60 同 銀(63)
61 7一飛打
62 6二銀(53)
63 9一飛成(71)
64 7六歩打
65 8六角(97)
66 7七歩成(76)
67 同 角(86)
68 6六歩打
69 2四歩打
70 同 歩(23)
71 9五角(77)
72 7七歩打
73 7六香打
74 7八歩成(77)
75 7四香(76)
76 4二金(52)
77 7三香成(74)
78 6八と(78)
79 6九銀(58)
80 同 と(68)
81 6二成香(73)
82 5五角(22)
83 2三銀打
84 同 玉(32)
85 2一龍(91)
86 2二金打
87 1一龍(21)
88 2八銀打
89 投了
まで88手で後手の勝ち


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20190107今日の一手(その811);攻め駒を責める

2019-01-07 | 今日の一手

20190107今日の一手

9月16日の名南将棋大会から、SさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
桂と香歩の交換で後手に持ち歩がありますからほぼ損得なしです。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は88角と持ち駒銀香香で4枚。
後手の攻め駒は22飛と持ち駒銀桂で3枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
先手は玉の堅さで劣っています。後手玉を薄くするか、先手玉を固めるか。
駒得を図って長い戦いにするというのもありそうなのですが、食いつかれないようにしなければなりません。
左翼に使えていない(攻め駒にしたかった)駒があります。働かせる余裕がなさそうなので、右翼に利を求めなければなりません。


× 実戦は19香で端を守ったわけですが、緊急性はないところでした。45歩と突かれて

角交換は玉の堅い後手の望むところです。44銀46歩同金44角同角42飛

駒得になっても金銀がバラバラで角をピンされました。43歩同飛35銀に18歩同香26桂

うまいところに桂を打たれて形勢を悪くしました。32角44飛同銀52歩21角成49角

駒得だからという場合ではありません。後手玉は手つかず、四枚で攻められて劣勢です。


○ 守るならば37金寄

としておけば45歩~46歩が金取りになりませんし、26銀にひもがつき、2筋の守りも強化されています。後手は45歩が無効なのです。

とすれば12飛24銀51角13歩

くらいのところで後手の飛角を押さえつつ、もたれて指すことができます。


× 普通は駒を打つ方が手堅い守りなのですが、27銀は34桂

銀を逃げても26歩があるので駒損になるやり取りです。


× 37銀打のほうがましですが

45歩の時に44銀を打てません。33同角成同桂44角69角48飛46歩同銀34桂

金銀4枚あっても先手玉が堅く見えないので難局です。


× 55銀は抑え込もうという手ですが

45歩同歩66桂

という筋があるので45歩は取れません。

64香

で攻め合うのですが、46歩48金引64銀同銀34桂37銀26香

いろいろ利かされて後手の寄せが速そうです。


△ 55香ならば52歩

利かしで角交換を避けているのですが、先手の角も働かないので得をしていない感じもします。


△ 59香は58歩同香52歩

飛車の横利きが止まるのです。


△ 57香52歩

の利かしならば少し得だという気がしますが、この後の手がどうか。(ここから後に述べる34銀が有力です。)


○ 35香は攻撃防御で

角交換を避けています。42角に31銀だと14桂

から25飛~15角で逃げられてしまうので

53銀のほうが正しいです。

清算してもらうと後手玉が薄くできます。14桂37銀25飛39玉15角64香

角をかわされても後手玉を薄くできるので十分に指せそうです。


○ 34銀も有効で

先手玉の囲いとしての堅さが上がっているわけでもないのですが、25歩をしっかり守れます。51角44角42飛53角成

52歩64香53歩63香成

食いついてしまえば大駒を捨てても良いのです。


× 24銀でも同じように見えるかもしれませんが

24同角同歩25歩37銀26桂

逆に角を切られて攻められてしまいます。後手の22飛が働くようになれば4枚の攻めで受けきれなくなります。


△ 74歩同歩

は飛車を攻め駒にしたことにはなりますが、7筋を継続して攻められないならば損をしているかもしれません。


△ 94歩同歩93歩同香

利かしは入りますが端を攻め続けられないので得なのかどうか。


× 他には76飛45歩

序盤のように石田流に組むのは間に合いません。後手ペースです。


☆ まとめ
相振り飛車は相居飛車に近い感覚なので、駒得でも攻められて劣勢になる場合が出現しやすいです。相手に攻められたら、受けきりをねらうか、攻め合いにするか、という方針(大局観ですね)を決めます。
問題図では寄せ合いの形になっていないのです。88角は使えそうですが、78飛89桂が攻撃に参加できていませんね。縦に攻め合って勝負するわけにいかないのです。後手のほうは左銀と香を攻め駒にしています。後は33角を攻めに使えれば十分な態勢になりそうでした。

35香や34銀は、攻撃防御というかB面攻撃というか、相手の攻め駒を攻める感じで、33角(や22飛)を責めることができました。

もう一つは45歩を先受けして37金寄というのが良い感じです。

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