名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190109

2019-01-09 | 大山将棋研究
後手番松田先生の手を考えます。

第1問


形勢が悪いので勝負手です。
A 13桂 B 24歩 C 75歩

第2問


25竜とする前に。
A 77歩 B 83桂 C 86歩

第3問


当然に75同竜ではありませんでした。
A 74歩 B 87歩 C 77歩

第4問


攻め駒が足りないので。
A 76同歩 B 74金 C 81香

第5問


そこに目をつけるとは。
A 85香 B 26竜 C 21歩

第6問


飛車を手に入れたら、この手から寄せていくのです。
A 99桂成 B 98歩 C 99飛
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大山将棋研究(1125);中飛車に左美濃(松田茂行)

2019-01-09 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190109
昭和38年12月、松田茂行先生(後に松田茂役と改名)と第13期王将戦です。

松田先生といえばツノ銀中飛車が代名詞です。ムチャ茂というあだ名の由来はこの記事を。

大山先生の66歩は持久戦志向ですが、升田先生のように6筋の位取りをねらったものでしょうか。松田先生は64歩と突いたので

端角に63玉を強いられました。

なので右のツノ銀が作れません。

大山先生は角を右に転回し

左美濃へ。左美濃ってこのころからあったのですね。

松田先生は玉の囲いもそこそこに2筋を逆襲しました。

大山先生は飛車交換を挑みます。

普通は先手がだめなのですが、27飛には25飛と合わせて

29飛には22飛が王手で入るので

角を逃げれば先手よしです。

松田先生は何か主張せねばなりません。竜を7段目に置いて75歩。大山先生は68銀76歩同金と受けるのかと思ったら

桂馬の取り合いでした。松田先生は21桂がさばけたことになるので少し差が詰まりました。

さらに守りの桂を使って攻めるのは、豪快な攻め将棋なのでしょうね。

大山先生はあっさり11香を取り

桂香を打って受けるのでは、形勢互角くらいです。

85桂を取れば駒得だというのですが

松田先生の85桂同香74歩というのがなるほどという手です。

75歩が拠点になり、76桂があるのがうるさいのです。

大山先生は駒得でもきれいに受けにくいのです。

金を使われて、76桂を避けるために79玉では怪しい感じです。

86歩~87桂が入るとかなり危険です。

99香は逃げられたのですが、81香は攻防に利きそうです。

11竜が死にそうですね。

24同角に15歩同歩14歩で、どうにか角と刺し違えくらいはできそうですが

松田先生はあっさり竜の取り合いにして99桂成。

99同玉に96歩同香97飛

と金ができて優勢です。

87同銀同飛成78金に85香同桂と捨ててから飛車を取り

85桂を取り返せば攻め駒が4枚です。

85金が使えるので攻めは切れることはありません。

78銀から

飛車を打って詰めろで受けなしです。

ここまで。

松田先生の剛腕が発揮された一局でした。大山先生のほうから見ると、少し駒得になるところで77桂を渡さないように欲張って受けるべきで、77桂を取られた後に25桂まで渡したので受けにくくしてしまったのでしょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/12/11
手合割:平手  
先手:大山名人
後手:松田茂行8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5四歩(53)
9 5八金(49)
10 4三銀(32)
11 6八玉(59)
12 5二飛(82)
13 7八玉(68)
14 6二玉(51)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 6六歩(67)
18 6四歩(63)
19 2五歩(26)
20 3三角(22)
21 9七角(88)
22 6三玉(62)
23 8六角(97)
24 6二銀(71)
25 6七金(58)
26 7四歩(73)
27 5七銀(48)
28 7三銀(62)
29 3六歩(37)
30 3二飛(52)
31 5九角(86)
32 7二玉(63)
33 7七桂(89)
34 5二金(41)
35 8八玉(78)
36 5一角(33)
37 2六角(59)
38 1四歩(13)
39 7八銀(79)
40 6三金(52)
41 8六歩(87)
42 8四歩(83)
43 4六歩(47)
44 2二飛(32)
45 3七桂(29)
46 2四歩(23)
47 同 歩(25)
48 同 角(51)
49 1六歩(17)
50 5一角(24)
51 1七角(26)
52 2八飛成(22)
53 同 角(17)
54 2七飛打
55 2五飛打
56 同 飛成(27)
57 同 桂(37)
58 2九飛打
59 2二飛打
60 5二銀(43)
61 3七角(28)
62 2七飛成(29)
63 5九角(37)
64 7五歩(74)
65 同 歩(76)
66 7六歩打
67 2一飛成(22)
68 7七歩成(76)
69 同 角(59)
70 8五歩(84)
71 同 歩(86)
72 9三桂(81)
73 6八角(77)
74 2九龍(27)
75 1一龍(21)
76 8五桂(93)
77 5九桂打
78 8三桂打
79 7六香打
80 2五龍(29)
81 8六歩打
82 7五桂(83)
83 同 香(76)
84 7四歩打
85 8五歩(86)
86 7五歩(74)
87 2六歩打
88 2三龍(25)
89 7六歩打
90 7四金(63)
91 7五歩(76)
92 8五金(74)
93 7九玉(88)
94 8六歩打
95 7七桂打
96 7五金(85)
97 7六歩打
98 8七桂打
99 8八玉(79)
100 7四金(75)
101 9七香(99)
102 8一香打
103 8五歩打
104 9五歩(94)
105 同 歩(96)
106 2一歩打
107 2五歩(26)
108 3三角(51)
109 2四歩(25)
110 1一角(33)
111 2三歩成(24)
112 9九桂成(87)
113 同 玉(88)
114 9六歩打
115 同 香(97)
116 9七飛打
117 9八飛打
118 8七歩成(86)
119 同 銀(78)
120 同 飛成(97)
121 7八金(69)
122 8五香(81)
123 同 桂(77)
124 9八龍(87)
125 同 玉(99)
126 8五金(74)
127 8七金(78)
128 8六歩打
129 同 金(87)
130 同 金(85)
131 同 角(68)
132 7八銀打
133 8九香打
134 7九飛打
135 8三金打
136 同 玉(72)
137 6八角(86)
138 8九飛成(79)
139 投了
まで138手で後手の勝ち
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20190109今日の一手(その812);先に受けるほうが手堅い

2019-01-09 | 今日の一手

20190109今日の一手

9月30日の名南将棋大会から、SさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは(相手の駒を考えないで)先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は21竜と持ち駒銀桂で3枚。
後手の攻め駒は38竜49角で2枚。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
何手で詰めろか数えてみると、後手玉は53桂~61桂成~62成桂までは必要で現状は4手すき。
先手玉は58角成~で詰めろの2手すきです。
寄せ合いとみれば後手のほうが速いので有利ですから、先手はどこかで受けなければならないです。後手の49角が厳しい手だということはわかるでしょう。ただし後手の攻め駒は2枚しかないので、受けることは難しくないです。


× 攻める手を考えてみると、63銀は

63同銀61竜72銀打とかもよくわからないですが、58角成とされたら同金同竜67角

と詰めろを受けるしかないでしょう。68竜同玉57金77玉67金86玉31金打

詰めろは続かなくなるのですが、竜取りで金を打たれると、銀の質駒があるので後手の攻め駒が減りません。


× 63桂のほうが厳しそうですが

58角成同金同竜67銀打

銀で済むというのも利点です。68竜同玉57金77玉67金同玉57歩成77玉31金打ち

やはり竜取りに金を受けられて、63桂を取られるかもしれません。


△ 53桂ならば

先ほどの変化と同じように進んで

31金打にも61桂成が利きます。85銀の詰めろには79角

と受ければ大丈夫でしょう。(寄せ合いの勝負手と見れば成功です。)

ということで53桂には71金

を利かすことができます。これが有効な利かしになる変化があるかもしれません。


△ 32竜として金を取るのが自然な攻め方ですが

後手玉への寄せの速度には関係していなさそうです。反面では31金打を避けています。
58角成同金同竜67銀打

68竜同玉57金77玉85銀79角の時に68銀

後手玉が安全そうなので銀を打って攻められるかもしれません。68同角67金88玉68と98玉78と41飛

でも先手玉は詰めろではなく、後手玉は銀をもらったので41飛が詰めろになっています。

ということで寄せ合いでは先手が勝ちそうですが、竜を切らずに49竜

とか逃げられるとまだまだ形勢不明です。


△ 実戦では47銀と打ちました。

竜取りになる「強い受け」です。28竜32竜37銀成

でも後手は遊んでいた26銀を攻め駒として使うことができました。これで受ける手段がほぼなくなったのですが、63金47成銀に72金同金63銀・・・と金銀の打ち替えですが千日手になったはず。それでは不満だと75桂を打ったら58成銀

75桂は2手すきのままの手(72金同銀63桂成が受けにくくはなった)で、58成銀が詰めろ。寄せ合い負けにしてしまいました。


○ 受けるならば59歩と打つのが

「しっかりとした受け」です。58角成同歩の時に歩の壁(受けるための壁、防御壁というべきか)ができるのです。後手は戦力不足ですから、取れる駒が歩では攻めが切れてしまいます。
受けるしかないのですが、金取りなので42金くらい。ここで11竜が良い手で4枚目の攻め駒です。すなわち37銀成には63香

52金寄には55香

うまい使い道があるので、香を取るのが良い手なのです。


○ 59銀打も「しっかりした受け」で

この場合は戦力が低下するので59歩よりも劣りますが、42金に11竜以下有利を保てます。


△ 67銀打

でも悪くはないです。攻めて来れば37銀成32竜47成銀59金打

しっかり守れます。


× 48銀では

58角成同金37銀成

の時に受けにくいです。


△ 48桂ならば

58角成とか37銀成とか攻められても59銀打と受けることができます。48桂で受けの壁を作っている感じです。


△ 59金引は

角切りを避けているのですが、38竜の利きをさえぎるのが68銀1枚だけです。「薄い受け」という感じがします。後手から57歩成があって(これがなければ角取りの「強い受け」ですが)、49金68と同金49竜

32竜とすると56桂

では寄せ合い負けです。

32金を取らないで53桂71金62銀と攻めたいですが31金打

でややこしいです。


☆ まとめ
先手玉が2手すきなので先に受けるほうが手堅い原則で、受けるほうがわかりやすいです。
「しっかりした受け」が59歩か59銀打か。どちらも先手優勢に近いでしょう。寄せ合いで2手は稼いでいて、さらに受けることもできます。
実戦の「強い受け」47銀は寄せ合いで2手稼いだ(4手すきにした)ことになるのですが、戦力が低下してしまうので後手玉も4手すきです。先手番なので先手有利ですが、千日手の受けを回避できませんでした。
それ以外の受けも一応は見ておいてください。

先手玉の2手すきを受けないで、何か攻めの手を指して、58角成の詰めろの時に受けるのは難しくなります。


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