名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190125

2019-01-25 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


一番おとなしく受けました。
A 67歩 B 65歩 C 63歩

第2問


6筋は我慢したので、他に主張を作ります。
A 56歩 B 55歩 C 75歩

第3問


駒得なので手堅く受けます。
A 33桂 B 33銀 C 43銀

第4問


駒得を広げていきます。
A 66桂 B 55桂 C 65桂

第5問


これはどう指すか聞いた感じの手です。
A 49銀 B 98飛成 C 55馬
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大山将棋研究(1141);向い飛車に持久戦(花村元司)

2019-01-25 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190125
昭和39年4月、花村元司先生と第12回王座戦です。

花村先生の向い飛車で

大山先生は端の位を取ります。

花村先生は四間飛車にして

素早く動きます。

大山先生は角を換えずに受けるのですが、花村先生は攻め続けます。

53歩を打って銀をぶつける、花村先生らしい派手な動きです。大山先生はいろいろな受け方ができますが

銀を取って63歩はおとなしい感じです。

6筋はしっかり守っておいて、5筋に歩を垂らしました。

端に角を出ると受けにくいのですね。

馬を作って大山先生が指しやすいです。

45歩をねらわれたら銀を埋めます。

花村先生は45歩同歩と突き捨てて金を使っていきます。

42飛の反撃に最後の歩を使うのでは少し苦しくて

銀を打って、持ち歩があればまだまだくらいではありますが、歩切れは痛いです。

金を使って46歩を取りました。

でも両取りがあるのでなかなか楽になりません。

角を打ち込めば駒損は回復できるのですが

今度は金をねらわれます。

馬を使いたくても、逆に桂を使われて

金を取られ

両取りで飛車を渡すことになり

飛車を打たれ

桂を成られ、だんだんに駒損が広がっていくのです。馬は使えましたが

銀を取られて55馬。46香に56銀というのもうるさいのでしょう

58歩を打ったら46歩。こういう拠点を作られると受けにくくなります。

香を取られ、その香を打ち込まれて、受ける手段がなくなっていきます。

反撃というか形つくりというか、26香から

もう一本重ねて

切り込んで

後手玉を引っ張り出したもののここまで。

花村先生のような自分から動きたいタイプは、ちょっと無理でも動いてくるので、大山先生は楽に勝っている感じがします。自玉は安全に、駒得を拡大していきました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/04/06
手合割:平手  
先手:花村元司8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 8八飛(28)
8 3四歩(33)
9 6八銀(79)
10 6二銀(71)
11 4八玉(59)
12 6四歩(63)
13 3八玉(48)
14 4二玉(51)
15 2八玉(38)
16 3二玉(42)
17 3八銀(39)
18 7四歩(73)
19 5八金(69)
20 5二金(61)
21 6六歩(67)
22 1四歩(13)
23 5七銀(68)
24 1五歩(14)
25 4六銀(57)
26 5三銀(62)
27 6八飛(88)
28 6二飛(82)
29 9八香(99)
30 4二銀(31)
31 6五歩(66)
32 4四歩(43)
33 6四歩(65)
34 同 銀(53)
35 5五歩(56)
36 4三銀(42)
37 5四歩(55)
38 同 銀(43)
39 5三歩打
40 同 金(52)
41 5五銀(46)
42 同 銀(54)
43 同 角(77)
44 6三歩打
45 7七角(55)
46 5六歩打
47 6五歩打
48 7三銀(64)
49 6七金(58)
50 1三角(22)
51 5八飛(68)
52 7九角成(13)
53 5六飛(58)
54 5四歩打
55 5九飛(56)
56 7八馬(79)
57 6八金(67)
58 8七馬(78)
59 4六歩(47)
60 3三銀打
61 4五歩(46)
62 同 歩(44)
63 6七金(68)
64 4二飛(62)
65 3六歩(37)
66 4六歩(45)
67 4五歩打
68 同 飛(42)
69 3七桂(29)
70 4二飛(45)
71 5六銀打
72 4四金(53)
73 5七金(67)
74 6二銀(73)
75 4六金(57)
76 7七馬(87)
77 同 桂(89)
78 6八角打
79 4五歩打
80 4三金(44)
81 4七銀(56)
82 7七角成(68)
83 8二角打
84 7三桂(81)
85 9一角成(82)
86 4八歩打
87 5八金(49)
88 6六桂打
89 6四歩(65)
90 同 歩(63)
91 9二馬(91)
92 6五桂(73)
93 5六金(46)
94 5八桂成(66)
95 同 飛(59)
96 4九歩成(48)
97 同 銀(38)
98 4六歩打
99 同 金(56)
100 5九金打
101 3八銀(49)
102 5八金(59)
103 同 銀(47)
104 8八飛打
105 4七銀(58)
106 5七桂成(65)
107 7四馬(92)
108 7三歩打
109 7五馬(74)
110 4七成桂(57)
111 同 金(46)
112 5五馬(77)
113 5八歩打
114 4六歩打
115 5七金(47)
116 9八飛成(88)
117 2九金打
118 5六香打
119 6七桂打
120 7七馬(55)
121 2六香打
122 5七香成(56)
123 同 馬(75)
124 6八馬(77)
125 6六馬(57)
126 5八馬(68)
127 2五香打
128 1四銀打
129 8八歩打
130 4七歩成(46)
131 2三香成(25)
132 同 銀(14)
133 4七銀(38)
134 同 馬(58)
135 2三香成(26)
136 同 玉(32)
137 4八銀打
138 3六馬(47)
139 投了
まで138手で後手の勝ち

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20190125今日の一手(その820);穴熊に粘らせない

2019-01-25 | 今日の一手

20190125今日の一手

9月30日の名南将棋大会から、YさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀角交換で先手の駒得です。ただし穴熊では金銀の価値が高くなっているということもあり、評価は控えめに。
玉の堅さは同じくらいとみる(金銀3枚で守っている)のですが、遠さでは後手が優ります。
先手の攻め駒は71飛97角と持ち駒角で3枚。
後手の攻め駒は78飛は微妙ですが数えておきましょう。68銀45桂と合わせて3枚です。

総合すれば互角です。

何手で詰めろかを数えてみると、後手玉は42角成~41飛成で詰めろ、現状は3手すきです。
先手玉は69銀不成~58銀成で詰めろ。現状は3手すきです。
先手番なので先手有利です。

☆ 大局観として
形勢は互角に近く、寄せ合いは先手の1手勝ちかというところです。ただ後手の穴熊は遠いというか深いので、金銀を打って守る粘りが利くかもしれません。寄せ合いは慎重に読んだ方が良いです。
先手玉は舟囲いのようになっていますが、横から攻められるのには案外に堅いです。

受けを考えるのもありそうです。先手は駒得、後手の攻め駒は3枚、78飛の利きが止まっている瞬間ですから。


△ 72飛成は自然な駒得です。

69銀不成(2手すき)59金引57歩成

69金とする余裕はないです。42角成48と同金左56桂

後手玉に詰み筋がないですね。先手玉は詰めろなので寄せ合い負けです。

先手の工夫は42角成ではなく89角

受けに回ってどうか。48飛成同金左56歩

歩切れなので58歩と受けられません。銀を埋めるのではじり貧、42角成48と同金57歩成

これも先手玉が詰めろです。

であれば56歩を同角

と取って角を使います。56同と42角成同金同竜31銀打

この図が結構難しくて、駒を渡すと後手の57桂成が47と からの詰めろになるかもしれないのです。駒を渡さずに詰めろというのも難しく、形勢不明です。


○ 42角成から

攻めると次の41飛成が詰めろになります。つまり2手すき。後手は取るしかなく、42同金31角

32金22角成同金72飛成ではだめ(次の31銀が詰めろ)なので、31同銀同飛成33角と受けるくらいです。32銀

(これ以外にも寄せ方はありそうですが)32同金同竜22銀72竜

次の32金が詰めろなので後手玉は2手すきのままです。駒を取って(攻め駒は4枚)、後手玉は2手すき先手玉は3手すきなので先手が勝てるでしょう。


○ 実戦は55角でした。

後手は守る手が見当たりません。69銀不成に42角成(詰めろ)同金31金(詰めろ)61角

これで難しいのです。72飛成同銀32銀同金同金44銀

詰めろが続かなくなって先手Hさんの寄せ合い負けに終わりました。

途中31金がまずく、22角成

角2枚を切ってしまう(どちらから切っても良いです)のが実戦的です。22同玉31銀33玉42銀不成同玉72飛成

合駒か33玉か変化は多いですが、これならば詰めろが続くでしょう。難しくないです。


○ 受けるほうを考えてみます。56歩は

後手の57歩成の攻め筋を避けた手です、69銀不成59金引57桂打

というくらいか。69金は少し怖いので、39金58銀成同金同飛成76角

69竜に53銀

というのが良いのでしょう。(72飛成52歩は今一つです。)76角がよく受けに働いています。


△か○ 68同金は

68同飛成に58銀と埋めるのですが67金

67同銀57歩成ではつぶされます。42角成同金59金打

金を取って埋めれば受けきれている感じがします。


× 67金は

69銀不成に56金

金をかわして56歩を取ってしまいます。これならばまあまあですが、

67金に57歩成

57同桂同銀成に89角

という粘りが利くかどうか。48成銀同金同飛成同玉57歩59歩28銀

強襲をくらって危ないです。


○ 67角は

後手の飛車を逃げるところがありません。69銀不成78角同銀成72飛成

角桂と飛銀を交換したというやりとりです。78成銀が働かないので、先手の攻めのほうが明らかに速いです。


○ 89角でも

同じことです。


☆ まとめ
寄せ合いを考えるならば
72飛成と銀を取るのでは1手パスのようなものです。後手に61に駒を埋められることがなければ必要がないのでした。
42角成(41飛成が詰めろ)42同金31角と攻めて、61角などの受けが間に合わないのです。穴熊の粘りがあるのでしっかり読まねばなりませんが、後手に金を渡さないので寄せやすいはずです。
実戦の55角も良い手でしたが、角2枚を切って寄せてしまえばよかったのです。

受けるのならば、駒を打つ方が手堅い原則で、67角か89角から考えます。ちょうど後手の飛車が逃げられないのでした。
先に受けるほうが手堅いというのももう一つの原則で、72飛成と攻めてから受けるよりも簡単です。
他にも56歩や68同金から受ける手もありました。






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