名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190123

2019-01-23 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


どれでも良いようですが大きく違います。
A 72銀 B 22飛 C 43銀

第2問


居飛車から見ると嫌な手です。
A 65銀 B 54歩 C 45歩

第3問


ここは手筋で返します。
A 55歩 B 56歩 C 64金

第4問


と金を作られた代償には?
A 26歩 B 75角 C 64角

第5問


この手で投了となりました。
A 57と B 57飛成 C 56歩

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(1139);三間飛車に急戦(二上達也)

2019-01-23 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190123
昭和39年2月、二上達也先生(王将)と第13期王将戦第3局です。

大山先生の後手三間飛車で

二上先生は急戦です。まだ定跡は確立されていないはずですが、45歩同歩24歩同歩33角成同銀45桂44銀24飛というねらいはわかります。

大山先生は22飛と備えて、二上先生は56歩。54歩の時にすぐに攻める手がなくて、左銀を繰り出して攻めるというのが後の定跡です。この時代に54歩を突かれたら二上先生がどう攻めるつもりだったのか知りたいですが

72銀だったので55歩。中央位取りにスイッチです。

43銀57銀54歩に47金。ちょっと変わった手順ですが

55歩に66銀~55銀で歩を取り返します。

銀交換から大山先生は52飛。二上先生の中央が手薄い感じがします。とりあえず後手から56銀と打たれそうで

55歩と受けたら65銀。これも嫌な筋ですね。

玉頭に銀を潜り込まれて

二上先生も飛車を中央へ。

51飛に45歩は強気ですが怖い感じです。大山先生は55歩を打って「大駒は近づけて受けよ」の手筋。どちらで取っても64金でしょうか。先手が困りそうです。

68金94歩16歩という手渡しから、大山先生は金を出ます。

二上先生は43銀~34銀成ともたれて

22角に24歩。24同歩には56歩なのでしょうか。

大山先生は と金を作らせている間に角を転回します。

金を出て56歩を見せ

57歩を打たせて26歩。

桂は逃げられても と金を寄せていきます。

二上先生は42と と捨てて角金銀を追い払いますが

飛角が働かないので攻める手がないです。22歩~21歩成同飛というのもだめでしょう。3筋の歩を伸ばすくらいしかないとは。

大山先生は47歩49歩を利かせて金をぶつけ

角を移動して56歩、決めに出ました。

56同金に48歩成から47歩

と金を寄って、18飛には

45金同金56歩。これで投了です。単に57と は52歩があるので、飛車の位置を変える手筋ですね。56同歩同飛~57と で寄りです。


攻めの銀の交換は互角だとしても、美濃囲いと舟囲いの差があります。打った銀も76銀と34成銀だと働きが違います。先手の右桂は働いたけれど、後手は と金を活用できた、それぞれの要素が後手のほうが良いのです。二上先生の良さが全くでない将棋でした。
これで王将戦は3連敗。昔は指し込み制です。3番勝ち越したら指し込み(3番手直り)、つまり平手から半香に手合いが変わるのです。次は大山先生が香落ち、その次は平手後手番になるはず。第6局第7局は指されたことがないのですが、多分6局目が振り駒で香落ちか平手か決め、全部負けたら半香から香落ちに手合いが変わるはず。
この時には香落ち1局だけ指すという規定です。つまり第4局は大山先生が香を落とします。王将戦は怖いですね。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/02/11
手合割:平手  
先手:二上達也王将
後手:大山名人
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 4二銀(31)
15 4六歩(47)
16 5二金(41)
17 3六歩(37)
18 8二玉(72)
19 3七桂(29)
20 2二飛(32)
21 5六歩(57)
22 7二銀(71)
23 5五歩(56)
24 4三銀(42)
25 5七銀(48)
26 5四歩(53)
27 4七金(58)
28 5五歩(54)
29 6六銀(57)
30 5四銀(43)
31 5五銀(66)
32 同 銀(54)
33 同 角(88)
34 4三金(52)
35 8八角(55)
36 5二飛(22)
37 5五歩打
38 6五銀打
39 7五歩(76)
40 5四歩打
41 同 歩(55)
42 7六銀(65)
43 5三歩成(54)
44 同 金(43)
45 5八飛(28)
46 5一飛(52)
47 4五歩(46)
48 5五歩打
49 6八金(69)
50 9四歩(93)
51 1六歩(17)
52 5四金(53)
53 4三銀打
54 4五歩(44)
55 7四歩(75)
56 同 歩(73)
57 3四銀成(43)
58 2二角(33)
59 2四歩(25)
60 3一角(22)
61 2三歩成(24)
62 7五角(31)
63 3二と(23)
64 6五金(54)
65 5七歩打
66 2六歩打
67 4四成銀(34)
68 4六歩(45)
69 同 金(47)
70 2七歩成(26)
71 4五桂(37)
72 3七と(27)
73 4二と(32)
74 同 角(75)
75 6六歩(67)
76 6四金(65)
77 7七歩打
78 8五銀(76)
79 3五歩(36)
80 4七歩打
81 4九歩打
82 5四金(64)
83 4三成銀(44)
84 6四角(42)
85 3四歩(35)
86 5六歩(55)
87 同 金(46)
88 4八歩成(47)
89 同 歩(49)
90 4七歩打
91 同 歩(48)
92 同 と(37)
93 1八飛(58)
94 4五金(54)
95 同 金(56)
96 5六歩打
97 投了
まで96手で後手の勝ち

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20190123今日の一手(その819);駒を渡さない、使わせる

2019-01-23 | 今日の一手

20190123今日の一手

9月30日の名南将棋大会から、HさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
飛金桂と角銀歩4の交換で馬を作っています。後手が歩切れなので歩も(1枚分で)カウントします。トータルでは損得なしに近いです。
玉の堅さは後手のほうが堅いですが、63馬の守備力まで考えると同じくらいです。
先手の攻め駒は63馬と持ち駒角銀3で5枚。後手の攻め駒は26金と持ち駒飛金桂で4枚。

総合すれば互角です。

何手で詰めろかを見てみると、後手玉は23銀で詰めろ、現状は2手すきです。
先手玉は35桂で詰めろ、現状は2手すきです。
先手番ですから先手有利です。


☆ 大局観として
互いの玉が薄く、攻め駒は多いです。よって受けて勝つのは難しそうですが、素直な寄せ合いで勝てるかどうか。というのは27金打から清算して攻められるかもしれないからです。その筋が詰まないことを確認して、駒を渡さずに詰めろをかけられるならば先手が勝てるのでしょうが。

素直な寄せ合いが負けだとすれば、とん死筋を消して受けておくのが良いでしょう。でも持ち駒が減ると後手玉への詰めろが無くなるかもしれません。その時は先手不利に変わっているので、しっかり受ける(2手すきを4手すきにする)か、攻防の手が必要だということになります。
言葉で書くと結構難しそうですね。図面で説明していきます。


× 23銀は詰めろです。

64角と打った時に合駒が悪くて詰むのですが、64角53桂同角成同銀同馬42飛打43桂41玉32銀成・・・という手順で長いです。
後手は23同金と取って、23同歩成に27銀同馬同金同玉35桂

銀を渡すと先手玉が詰んでしまうのです。23銀が詰めろ、後手の23同金が詰めろ逃れの詰めろ、ということになります。


△か○ 受ける方から考えてみます。受けとしては37銀が最善です。

後手としては27金打の清算では早すぎますから、16金しかないところ。17歩には26桂

26同銀では条件が悪くなるので、28玉27歩39玉69飛49銀17金同桂47歩

後手の攻めも続きます。(実はこの図ならば64角に後手は合駒しにくくて、22玉なら23金以下追いかけて先手の勝ち筋です。)

17歩ではなく27銀と受けると

27同金同馬35桂81馬72銀54角

という攻防です。これも難しい。

あるいは28玉とすると

27金打同馬同金同玉35桂28玉27飛38玉47歩49金

先手玉は割と安全ですが、24飛成とされて長くなりそうです。


△か× 27銀と受けると

27同金同馬(同玉も同じようなもの)35桂54馬(81馬もあるが)27銀

27同馬同桂成同玉35銀38玉24銀

後手に24歩を払われて長い戦いです。この時に後手玉への手がかりが無くなっているので、実戦的には後手もちです。


× 17銀の受けは36桂

で受けになっていません。


× 28銀36桂

というのもだめです。


× 28玉36桂

もだめです。


△か○ 攻めるほうを考える(攻防の手が欲しい)と、寄せのセオリーに従います。銀の王手は無効ですから、53角の王手

私はこういうのが見えないのですが、53同銀同馬42飛26馬

部分的に二枚換えの取引で先手玉が安全になるのです。トータルでは銀銀歩4と飛桂の交換で馬を作っています。まだ駒得だとも言い切れないですが、先手玉は安定してきました。46飛37銀26飛同銀36桂・・・と攻められるか、35金同馬同歩37銀36歩53銀か。金を抜けるけれど実はまだ難しいのかもしれませんね。

蛇足かもしれませんが、後手が53角を取らないと、22玉44角成

ならば先手優勢です。

42飛の移動合は

42同角成同玉72飛33玉32飛成

後手玉が詰みます。

42飛打だと

後手玉は詰まず、42同角成同飛71飛41桂

で先手の攻めはここまで。後手の持ち駒が減った(攻め駒が3枚になった)ので37銀から受ければ先手有利です。


○ 64角だと

53に合駒は(歩切れなので)同角成以下先手の持ち駒が増えます。42桂などどれか持ち駒を使えば37銀

やはり合駒を使わせて受けやすくなっています。

42飛の移動合が同角成以下詰むというのは前にやりました。42金は43銀

あるいは23歩成でも詰めろです。駒を渡さずに詰めろをかける順が実現しています。

22玉と逃げると41銀

が詰めろ。33金には23銀で、13玉14銀成同玉15銀

26金を取れば先手の勝ちでしょう。

23銀を同金と取ると、同歩成同玉32銀打

24玉25歩同玉36金

この金を取れば詰み、24玉に26金で先手の勝ちです。

後は41銀に33金打

です。(31金打ならば同角成以下詰みです。)32銀成同金43銀

31銀も41銀も無効なので後手に受けが無くなっています(12銀などでもう少し続きますが)。


△か× 王手の次は32金を攻める手を考える番です。実戦は23歩成

歩で攻める手から考えますが、23同金に24歩

では遅すぎました。36桂(詰めろ)同馬同金

43桂から追いかけても後手玉が詰みませんでした。

でも23同金に53角

ならば難しいです(歩を渡したので64角42歩は面白くない)。成り捨てないほうが良いのだろうと思いますが。


△か× 23銀は最初に書きました。銀を渡しては駄目でしたね。41銀だと詰めろではないです。

しかし36桂や35桂など、桂を打ってもらえば64角の時に合駒が悪くて後手玉が詰みます。
ですから27金打から清算して、27同馬同金同玉63角38玉41角

41玉と取るよりも、63角の王手で銀を取るほうが後手玉が堅く、この図は後手もちです。


☆ まとめ
互いに2手すきでしたから、先手有利の問題図です。しかし銀を渡すと逆転してしまうのでした。

銀を渡さずに詰めろをかける問題だと理解したら
1 実戦の23歩成は同金の時にどうしたものか。
2 であれば有効なのは41銀か。これは詰めろではないけれど、後手が桂を使わずにに詰めろをかけねばならない形になっていました。だけど27で清算して馬が消えると難しくなります。
合駒請求で受けるテクニックがあり、64角の王手が好手です。合駒を使えば(後手の攻め駒が3枚になったので)受けておきます。合駒を使わないと、駒を渡さずに詰めろをかけるという課題が実現できます。
4 53角は攻防の手で後手の26金が抜けるのですが、実は難しいです。

日本の将棋は持ち駒が使えるので終盤が面白いですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする