名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190121

2019-01-21 | 大山将棋研究
先手番加藤博二先生の手を考えます。

第1問


仕掛けのチャンスです。
A 45歩 B 35歩 C 64歩

第2問


飛車を切った継続手は?
A 22角 B 26角 C 26角打

第3問


こんな攻め筋がありました。
A 22飛 B 61飛 C 64角

第4問


寄せの手筋です。
A 63銀 B 64銀 C 81銀

第5問


これで優勢です。
A 62金 B 71銀 C 42同竜
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大山将棋研究(1137);中飛車に左美濃(加藤博二)

2019-01-21 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190121
昭和39年2月、加藤博二先生と東京新聞杯です。

大山先生の中飛車で

加藤先生は左美濃。左美濃はこの頃にもあったのですね。そういえば天守閣美濃は松浦卓造先生考案で、大山先生よりも年上です。ということは天守閣美濃だって知られていたのでしょう。

88玉型の左美濃は33角の利きに入っているので危険です。77角型が必然で、すると73桂~65歩が来るのです。

加藤先生は天守閣美濃のように86角から銀を77へもっていくのですが、85桂の時には銀を逃げないのかなあ?

大山先生は手堅く62金と備えたので、加藤先生は75歩から

角を右に引いて、もう少し駒組みが続きます。

64歩をねらって加藤先生は45歩。良さそうなタイミングです。

これで手がないようですが

飛車を切って26角打?43飛には53角成同飛64歩52銀44銀ということですね。鋭い。

大山先生は49飛打から竜を作って受けます。

加藤先生は端を工作して64歩同銀左も入れて

角を切って61飛。銀取りで91銀93玉81飛成~94歩同玉92竜のねらいです。

大山先生は85桂、懐を広げますが、銀を取られて受けにくそうです。

46角は良いとして、42竜のほかにも受けがあったか?81銀は厳しいです。

51金にも72銀成が利いて

金2枚はがされてしまいました。端を詰めて42角。詰めろではないですが厳しい筋です。

しかし71銀を取れず、73玉42竜同竜91角~46角成は困ります。93玉だと

端が怖くないので、95金で詰めろ。97歩成同桂で投了です。

加藤先生が気持ちよく攻めを繋げました。快勝譜です。後手を持ってもこれでつぶれているとは思わないでしょうね。大山先生の受けとしては、端を詰めさせて受けるか、74手目42竜で52角とか、76手目51金で63角とか。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/02/04
手合割:平手  
先手:加藤博二8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5八金(49)
8 5四歩(53)
9 2五歩(26)
10 3三角(22)
11 6八玉(59)
12 5二飛(82)
13 5六歩(57)
14 6二玉(51)
15 7八玉(68)
16 7二玉(62)
17 9六歩(97)
18 9四歩(93)
19 5七銀(48)
20 8二玉(72)
21 3六歩(37)
22 4三銀(42)
23 4六歩(47)
24 7二銀(71)
25 7七角(88)
26 6四歩(63)
27 8八玉(78)
28 7四歩(73)
29 7八銀(79)
30 6三銀(72)
31 6六歩(67)
32 7三桂(81)
33 6七金(58)
34 6五歩(64)
35 8六角(77)
36 6六歩(65)
37 同 銀(57)
38 6五歩打
39 7七銀(66)
40 6二金(61)
41 7五歩(76)
42 同 歩(74)
43 同 角(86)
44 7四歩打
45 4八角(75)
46 7二金(62)
47 3七角(48)
48 4二飛(52)
49 4八飛(28)
50 5二銀(43)
51 4五歩(46)
52 5三銀(52)
53 4四歩(45)
54 同 角(33)
55 同 飛(48)
56 同 飛(42)
57 2六角打
58 4九飛打
59 4四角(26)
60 同 飛成(49)
61 9五歩(96)
62 同 歩(94)
63 6四歩打
64 同 銀(63)
65 9二歩打
66 同 香(91)
67 6四角(37)
68 同 銀(53)
69 6一飛打
70 8五桂(73)
71 6四飛成(61)
72 4六角打
73 6一龍(64)
74 4二龍(44)
75 8一銀打
76 5一金(41)
77 7二銀成(81)
78 同 龍(42)
79 5一龍(61)
80 9六歩(95)
81 9八歩打
82 4二角打
83 7一銀打
84 9三玉(82)
85 9五金打
86 9七歩成(96)
87 同 桂(89)
88 投了
まで87手で先手の勝ち
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20190121今日の一手(その818);受けても攻めても良い時

2019-01-21 | 今日の一手

20190121今日の一手

9月30日の名南将棋大会から、SさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の桂歩得で竜を作っていますから駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は81竜と持ち駒角銀桂で4枚。
後手の攻め駒は55角と持ち駒飛銀で3枚。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
先手は玉の堅さだけ劣っていますから、玉を固めるというのが普通の指し方です。駒得なので長引いても構いません。
後手の攻め駒は3枚なので受けずに寄せに出るというのもあります。先手の攻め駒は4枚あるので寄せのセオリーに従って考えていけばよいでしょう。


○ 実戦は46銀で

角取りになるので一番強い受け方です。しかし37歩成の時に同桂が悪手です。77角成

で困りました。落ち着いて45銀とか36歩とか36桂とか、後手の36桂を受けておけばまだ先は長かったのですが、45桂は攻防に見えたのです。けれど36桂に37玉48桂成では自信がなく、18玉39飛

で寄せ合いになります。53桂成に44馬

実は44馬では19飛成から詰んでいました。後手玉は馬を引いて詰めろが消えた、と思ったら42成桂同銀に24桂を打てば詰み筋が残っていたようです。しかし31金から追いかけても後手玉が詰まず、ドラマがありましたが、後手Aさんの勝ちで終わりました。


○ 先手有利なので強い受けでも大丈夫でしたが、49銀打とか


○ 39銀とか

銀を打っておく受けでも良いです。37歩成同銀36歩46銀が角当たりになりますから。


○ 角筋を受ける46歩

「は大駒は近づけて受けよ」ですし


○ 46角

と打つのでも良いでしょう。


△ 46桂は

打った桂が働かないのでやや劣ります。先手玉が堅くなったとは言いにくいです。


× 角筋をかわす18玉は15歩

後手の攻め駒が増えています。


○ 寄せ合いを考えてみましょう。直接王手の24桂や44桂は無効、33銀をねらって45桂

は両取りというか、53金もねらっています。37歩成同銀36歩46銀37銀

強攻されるのは気になるところですが、後手の攻め駒は3枚なので受けに余裕があります。37同桂同歩成同玉39飛38金19飛成53桂成

こうなれば33桂成よりは金を取ったほうが簡単です。後手玉は詰めろ、53同金でも詰みます。金を入手できれば詰みやすいですね。

後手は52金引と逃げても53歩

を打たれるので受けにくいのです。62金には51銀で間に合います。

44金とかわせば

ゼロ手で33銀をはがす計算です。33桂成同金ならば(いろいろありますが)72竜42桂53銀31銀51角

数の攻めが利きます。41飛にも52銀打で寄ります。

33桂成に同桂は21銀

22玉31角で簡単です。

33同玉だと31竜32飛22角24玉46銀

攻防で銀を打てば勝ちです。


△ 25桂と打つと

両取りではないので銀を逃げられるかもしれませんが、24銀には31銀

が厳しいです。

であれば24銀打33桂成同銀

桂と銀を交換して駒得の取引ですが、後手から37歩成同銀36桂という攻め筋ができてしまいました。46銀から受けるのでしょう。


× 42金を攻めるならば31銀

が手筋なのですが、41金と引かれると次の攻めが難しいです。65桂52金53歩62金

では厳しくなさそうですし

先ほどの45桂は44銀打

で粘られます。


○ この場合は51銀のほうが良さそうです。

やはり41金が気になりますが、72竜

52金引にも53歩が利きます。どう応じても51銀を活用できるので、42銀打ならば同銀成同銀65桂52金引53歩51金引52銀

しっかり守られても65桂の応援があるので大丈夫です。


△か○ 31角は

41金には53角成があるので金をかわす受けはできません。41銀と埋めるくらいで、42角成同銀引65桂

角を渡しても(少し損ですが)攻めが続けば問題ない局面です。

31角に69飛は怖いですが65桂

と寄せ合って1手勝ちになりそうです。53桂成が詰めろで、後手からの39銀18玉48銀成が詰めろではありませんから。


△ 51角と打っても同じようですが69飛に65桂

次の53桂成が詰めろにならないのです。なので69飛には49銀打とか受けて互角くらい。


○ 次は53金を攻める手で65桂

5枚目の攻め駒なので必然ではありませんが、左桂を使えるのは気持ちよいです。52金引には53歩がありますし、44金には53銀

と攻めればよいです。


△ 62銀として52金引

では銀当たりで忙しくしています。51銀成でまだ悪くもないのですが。


△ 角を使う86角は75銀で

わざわざ角銀交換する意味はないでしょう。交換して攻めても悪くはないですが。


△ 26角44金

角を打ったのが攻防になっている気もします。角切りでは早いので53歩~52歩成同金41銀ねらいか。


☆ まとめ

駒得で自玉が薄いのですから、何か守りの手を指しておけば無難です。形勢が良いので強い受け、角取りの46銀が良いのでしょう。ただし37歩成から乱されるので少し読んでおいた方が良いです。(実戦ではうっかり37同桂と取って負けにしてしまいました。)
他の受けでも良いです。

寄せ合いならば寄せのセオリーで考えればよいです。
王手が無効ならば、玉の近くの守備駒、33銀か42金取りになる手を考えます。小さい駒からということで45桂から考えるのでしょう。桂を渡すのが少し不安なので、詰めろくらいになる手を考えて寄せていきます。

受けて良し攻めて良しという局面だと、かえって悩んでしまうかもしれません。方針を決めて読みましょう。読みに自信がない時は受けてしまうほうが易しいですが、このあたりはあなたの棋風次第です。

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