名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190113

2019-01-13 | 大山将棋研究
先手番升田先生の手を考えます。

第1問


ちょっと無理そうに見えるのですが、踏み込みました。
A 46銀 B 44歩 C 24歩

第2問


64角を避けて攻めます。
A 63成桂 B 48飛 C 24歩

第3問


飛車は渡しても良いです。
A 44飛 B 28角 C 49飛

第4問


切れないように攻めます。
A 53銀 B 55角 C 71角

第5問


31角でも勝ちそうですが。
A 61竜 B 98歩 C 69歩

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大山将棋研究(1129);角換わり(升田幸三)

2019-01-13 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190113
昭和38年12月、升田幸三先生と第2期十段戦第6局です。

前局に続いて角換わりです。

升田先生は腰掛銀を目指しますが、大山先生は5筋の歩を突いて

左金を43に上がって定跡外しです。

早繰り銀で7筋の歩を交換すれば

升田先生も4筋から攻めます。

大山先生は2筋が薄いので銀を22へかわすのですが(44銀は46歩、42銀は24歩同歩23歩)

金銀を上にずらされ、桂を成られてしまいました。あれ?64角がありますね。46角同角同銀84角63成桂46角48飛は怖いか。ならば37角~64角成もあるのか。

33銀だったので升田先生は飛車を使い

銀をぶつけ、一気の寄せをねらっています。

銀交換に成功すれば、37角には飛車を切って

攻め駒は4枚、升田先生が有利です。

52金には61角。この角を打たれないように52銀と打っておくほうが長かったか。

22玉の早逃げには角を切って43歩成。

大山先生は反撃に飛車を打ちます。升田先生は金取りを受けても良さそうですが

飛を取って金を打ち

飛車を合わせ、わかりやすく指しています。

大山先生の49飛は疑問手ですが、すでに形勢が悪いので仕方ないのかも。

飛角両取りを打たれるのです。

角を取った升田先生はしっかり受けて(王手に79玉とかわせば)ゼットです。

12玉に33竜同桂22銀ときれいに寄せて投了図です。

升田先生らしい鋭い踏み込みと、ある意味升田先生らしくない確実な終盤で勝ち切りました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/12/27
手合割:平手  
先手:升田幸三9段
後手:大山十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 2六歩(27)
4 8五歩(84)
5 2五歩(26)
6 3二金(41)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 8八銀(79)
10 7七角成(22)
11 同 銀(88)
12 2二銀(31)
13 7八金(69)
14 3三銀(22)
15 4八銀(39)
16 6二銀(71)
17 4六歩(47)
18 5四歩(53)
19 3六歩(37)
20 5三銀(62)
21 4七銀(48)
22 4一玉(51)
23 5八金(49)
24 4四歩(43)
25 6九玉(59)
26 4三金(32)
27 7九玉(69)
28 3二玉(41)
29 1六歩(17)
30 1四歩(13)
31 9六歩(97)
32 9四歩(93)
33 8八玉(79)
34 7四歩(73)
35 6六歩(67)
36 6四銀(53)
37 3七桂(29)
38 7五歩(74)
39 同 歩(76)
40 同 銀(64)
41 7六歩打
42 6四銀(75)
43 4五歩(46)
44 同 歩(44)
45 同 桂(37)
46 2二銀(33)
47 4四歩打
48 同 金(43)
49 6五歩(66)
50 同 銀(64)
51 5三桂成(45)
52 3三銀(22)
53 4八飛(28)
54 4二歩打
55 5六銀(47)
56 同 銀(65)
57 同 歩(57)
58 3七角打
59 4四飛(48)
60 同 銀(33)
61 5四成桂(53)
62 3三銀(44)
63 4四歩打
64 5二金(61)
65 6一角打
66 2二玉(32)
67 5二角成(61)
68 同 飛(82)
69 4三歩成(44)
70 同 歩(42)
71 同 成桂(54)
72 2八飛打
73 5二成桂(43)
74 5八飛成(28)
75 6八金打
76 4九龍(58)
77 4一飛打
78 同 龍(49)
79 同 成桂(52)
80 4九飛打
81 7二飛打
82 4二歩打
83 3八銀打
84 6一金打
85 7四飛成(72)
86 1九飛成(49)
87 3七銀(38)
88 9五歩(94)
89 6三龍(74)
90 9六歩(95)
91 6九歩打
92 1二玉(22)
93 3三龍(63)
94 同 桂(21)
95 2二銀打
96 投了
まで95手で先手の勝ち


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20190113今日の一手(その814);4枚目の攻め駒

2019-01-13 | 今日の一手

20190113今日の一手

9月30日の名南将棋大会から、AさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
角金交換で先手の駒損です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は28飛と持ち駒金銀で3枚。
後手の攻め駒は54角(は微妙なところですが)と持ち駒角銀で3枚。

総合すれば互角です。玉の堅さの差が大きいと見れば先手もちです。

☆ 大局観として
37銀73銀の同型矢倉にでてくる、角金交換でも棒銀(早繰り銀)で銀をさばいてどうかという変化の類型です。駒得よりも玉の堅さのほうが大事で、この場合の先手のほうが指せるとされています。この図では後手も1歩手持ちにしていますが、83角の働きが悪いから先手が指しやすいのだと思います。
さて先手の駒損は簡単に回復しなさそうですが、82飛83角の配置がわるいのでその手段があります。
攻め駒に注目すれば、先手はまだ3枚なのでもう1枚使って4枚で攻めるというのも自然でしょう。
もう一つ玉を固めて待つというのも有力です。
方針がわかれそうですが、どれを考えますか?


× 実戦は46歩でした。

55歩に45歩として、45同歩ならば37桂

と4枚目の攻め駒にしようという意味だと思います。

しかし45歩を取ってもらえなくて56歩35歩57歩成同金寄39角

先手玉が薄くなり、後手の83角が働き出したので後手もちです。この後の攻防は後手リードで進み、先手が互角に持ち込めそうなところもあったのですが、そのまま後手Aさんが押し切りました。
46歩~45歩と2手かけたのに取ってもらえないのでは緩手なのです。


× 先に37桂というのも

32金46歩36銀

ともたれられてもわかりませんし、

すぐに59角

とされるのも嫌なところです。48銀には27銀ですね。26銀か46銀では先手よしに見えません。


○ 15歩と端を攻めると

19香が4枚目の攻め駒になります。後手は手抜きにくく、15同歩13歩24銀12銀

銀を使って受けると、先手も銀を打ちこんで強襲です。12同香同歩成同玉84香

香を持てば田楽刺しがあります。22玉83香成同飛25歩13銀61角

角を持てば馬を作れる(殺されないように気をつけねばなりませんが)ので駒得になるのです。


○ 24歩と合わせると

24同歩に25歩同歩同飛24歩85飛

という筋が見えるかもしれません。これで71銀ねらい。しかし73桂84飛93銀

か93角か、後手に選択権がありますが、83飛成と切ることになります。83同飛61角82飛34角成33金23歩

飛車を切ったのに攻め駒が3枚のままでは今一つなのですが、形勢は互角くらいです。

手順が前後するかもしれませんが、24歩同歩15歩同歩25歩同歩15香

端も絡めて攻めることもできます。15同香25飛23歩15飛14歩同飛13歩18飛92角

やはり84香をねらって、角をかわされても先手の手番になり攻め駒が4枚です。12歩とか24歩同歩25歩同歩24歩とか、25銀とか、攻撃手段が増えて形勢は良くなっています。

2つ前の図で後手が15同香としないで14歩同香13歩としたら、24歩同歩25歩同歩24歩

32玉か33玉に12歩同香23銀としていく要領で攻め続けることができます。


○ 25銀と打つと

さばいた銀をもう一回打っても効果のないことが多いですが、後手は1,2筋が薄いのです。33銀ならば15歩同歩13歩

端を攻めます。

33金ならば24歩

で銀金の交換をねらうくらいでしょうか。すこしはっきりしないところがありますが、切れないようにゆっくり攻めていきます。


○ 25金でも

同じような意味ですが、33金には35歩同歩34歩43金35金

3筋を攻めやすいというのが利点です。

もっとも35歩には43銀

と埋められると34歩と取り込んでも効果が薄く、15歩と攻めるのでしょう。


△か○ 35歩もありそうで

今なら手抜きにくく、35同歩15歩同歩同香同香14金

24銀34銀33金24飛

飛車を切って強襲です。24同歩23銀打31玉33銀成同桂43金

この銀取りは受けにくく、41玉53金59飛34歩79銀98玉45桂71銀

というような寄せ合いが考えられます。この寄せ合いに自信があれば選ぶのですがどうでしょうか。


△ 71銀はいわゆるB面攻撃です。

52飛82金72角

というのがしぶとくて、角を取ってもだめなので91金に55歩

27銀をねらわれ、27香32金24歩同歩81金・・・というような展開です。


○ 78金と固めておくのは悪い手にはなりません。

まだ後手から早い手はないのです。24銀など補強されたら71銀

52飛82金72角91金86歩82銀成

今度は後手の55歩は怖くないから、角をいじめつつ駒得をねらえます。

後手は待つ手が難しくて、例えば61角でも71銀

が成立します。72飛には63金71飛53金同金62銀

があります。


☆ まとめ
問題図での形勢は互角に近いはずですが、少し動かしてみると先手のほうがよくなりやすいのです。相矢倉だと(攻めている側の)駒の損得の評価が小さく、攻め駒の数や玉の堅さの評価を大きく考えるべきなのでしょう。こういうのはその戦型ごとの違いだと思います。

王道の考え方は4枚目の攻め駒を作ることです。
29桂を使いたいですが、棒銀や早繰り銀と右桂の活用を両立させるのは結構難しいです。銀をさばくと右桂を跳ねても不安定になりやすいのでしょう。棒銀系の攻めには右香を使う、つまり端を絡めて攻めるのが継続手になりやすいです。

後手の82飛83角の悪形をねらうならば、十字飛車で85に飛車をもってくるか、香を手に入れて84香をねらうか、金銀を持っているので71銀をねらうか、というのが考えられます。こういうのは場合の好手ですね。










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