今日の棋譜20190110
昭和38年12月、芹沢博文先生と第13期王将戦です。
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相矢倉模様で
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理論家の芹沢先生は新型の5筋を突く矢倉、大山先生の矢倉は少し古い64歩を突く矢倉です。
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新型は角を使いやすいというのが主張なのですが、46歩を突いて角筋を止めるのは
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47銀~58飛で5筋の位を取り
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中央を制圧しようという構想でした。4筋の歩を交換し
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角を46に据えてしまえば作戦勝ちでしょう。
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大山先生は四手角で攻めたいのですが
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飛で6筋を守られると手を出せません。
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中央の歩を交換して
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63銀型から金矢倉に組み替えて7筋の歩を交換します。
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74銀~65歩というのが大山先生の理想です。芹沢先生は攻め合いを選び
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右桂を使うところまでは良いでしょう。29飛くらいが無難だと思うのですが
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継ぎ歩に垂れ歩というのは攻めの手筋です。これで自信があったのでしょうが、2筋に飛車がいないので少しぬるいのです。
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攻め合いならば先手十分なのですが、33桂同桂成同玉というのが大山先生らしい指し方です。芹沢先生は歩切れなので困っています。
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57桂は45桂や65歩をねらって工夫した手なのですが、大山先生も74桂と据えて力をためます。先手に持ち歩があれば76歩で良い勝負ですが
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65歩では寄せ合いになりません。大山先生の8筋攻めが厳しくて
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芹沢先生はどうにか攻めをかわす感じなのですが
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角取りに構わず85同桂~77桂成で困っています。
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と金を作られ66桂と活用されては受けがありません。
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あっさり終わりました。
今の目で見ると、飛が2筋にいないのに2筋を攻めて歩切れになるというのがおかしいです。芹沢先生は攻め合いばかり考えてしまったのでしょう。
大山先生は相居飛車でも自玉のまわりに手が行く感じです。
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# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/12/14
手合割:平手
先手:芹沢博文8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 6八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(68)
6 4二銀(31)
7 2六歩(27)
8 6二銀(71)
9 4八銀(39)
10 3二金(41)
11 7八金(69)
12 5二金(61)
13 5六歩(57)
14 6四歩(63)
15 6九玉(59)
16 6三銀(62)
17 3六歩(37)
18 4一玉(51)
19 2五歩(26)
20 3三銀(42)
21 7九角(88)
22 5四銀(63)
23 4六歩(47)
24 7四歩(73)
25 4七銀(48)
26 8五歩(84)
27 5八飛(28)
28 4四歩(43)
29 5五歩(56)
30 4三銀(54)
31 3七桂(29)
32 3一角(22)
33 5六銀(47)
34 4二角(31)
35 4五歩(46)
36 同 歩(44)
37 同 銀(56)
38 3一玉(41)
39 5六銀(45)
40 4四歩打
41 4六角(79)
42 2二玉(31)
43 7九玉(69)
44 5一角(42)
45 8八玉(79)
46 8四角(51)
47 6六歩(67)
48 7三桂(81)
49 6八飛(58)
50 9四歩(93)
51 9六歩(97)
52 8一飛(82)
53 6九飛(68)
54 5四歩(53)
55 同 歩(55)
56 同 銀(43)
57 5五歩打
58 6三銀(54)
59 5八金(49)
60 4三金(52)
61 1六歩(17)
62 7五歩(74)
63 同 歩(76)
64 同 角(84)
65 4五歩打
66 同 歩(44)
67 同 桂(37)
68 4四銀(33)
69 2四歩(25)
70 同 歩(23)
71 2五歩打
72 同 歩(24)
73 2四歩打
74 3三桂(21)
75 同 桂成(45)
76 同 玉(22)
77 5七桂打
78 7四桂打
79 6五歩(66)
80 8六歩(85)
81 同 歩(87)
82 8七歩打
83 同 金(78)
84 8五歩打
85 7六金(87)
86 8六歩(85)
87 8五歩打
88 同 桂(73)
89 7五金(76)
90 7七桂成(85)
91 同 玉(88)
92 8七歩成(86)
93 6八玉(77)
94 6六桂(74)
95 2三歩成(24)
96 同 金(32)
97 4五桂打
98 同 銀(44)
99 同 銀(56)
100 7八と(87)
101 6七玉(68)
102 5八桂成(66)
103 投了
まで102手で後手の勝ち