名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集20191102

2019-11-02 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

これで作戦勝ちになります。

A 65歩  B 85歩  C 35歩

 

第2問

 

継続手は?

A 65歩  B 55歩  C 45歩

 

第3問

 

攻めさせる方針です。

A 44角  B 77桂成  C 48角

 

第4問

 

駒は取れるのですが。

A 77桂成  B 66角成  C 64歩

 

 

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大山将棋研究(1395);三間飛車に左美濃(西村一義)

2019-11-02 | 大山将棋研究

今日の棋譜20191102

昭和45年5月、西村一義先生と第16期棋聖戦です。

大山先生の後手三間飛車です。

西村先生は腰掛銀にして

88玉型の左美濃でした。

銀冠にして26飛は、36飛22角45歩という仕掛けでしょうか?

大山先生から動きます。85歩同歩同桂で技あり。86角として45歩98玉で耐えるしかないように見えますが、45歩ではなく42飛~55歩~45歩くらいで作戦負けになります。

66角には55歩同角54銀。角が死んでいます。

西村先生は角銀交換で耐えますが

44歩が入ったのは良いとして、43銀や32銀では55飛同歩44角あるいは35角28飛44角からのさばきがあります。

銀を打ってもだめなので84歩で手を渡しました。

大山先生は銀を追って、77桂成とせずに48角。攻めてこいと催促です。

西村先生は無理矢理でも攻めるしかありません。6,5筋を突き捨てて銀を打ち込み

66歩を払い(でも飛を取ってもらえず)

84歩72玉が入ったのは良いとして、攻めている駒は2枚だけです。

77桂成を催促しても

74銀で受けられて、83銀にも73玉、後手陣は破れません。

56歩~57歩成を受けるために44歩を成り捨て

56歩を払いますが

飛を追われます。25銀なんて大した手ではないのですが、元の形勢が悪いので困るのです。

84歩も払われて

17桂から36飛と使い

85桂を食いちぎって

15桂から34飛、ちょっと攻めの形になってきました。64飛があるので

74金には44銀を打てます。

でも飛を逃げられ、86歩~76歩で

桂を取られました。

33銀成としても後手を引くので、22歩で駒を取りに行きましたが、43銀打で角を取れの催促。

角を取って飛を引いたら

飛打ちに弱くなっていたのでだめです。合駒も角を打つしかないですが

78歩は困りました。

ここまで。

 

88玉型の左美濃は作戦負けになりやすいです。33角の利きに入っていますし、73桂~65歩とか85歩とか、高美濃の桂で攻められてだめな時があります。中盤早々に駒損になっては、いくら頑張ってもだめでした。

大山先生はすでに駒得なので、桂銀交換や角飛交換をしないというのがポイントです。相手の攻め駒を増やさないのが良い指し方です。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1970/05/07
手合割:平手  
先手:西村一義5段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二飛(82)
7 2五歩(26)
8 3三角(22)
9 6八玉(59)
10 4二銀(31)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 5八金(49)
16 7二銀(71)
17 4六歩(47)
18 7一玉(62)
19 4七銀(48)
20 5四歩(53)
21 5六銀(47)
22 5三銀(42)
23 7七角(88)
24 8二玉(71)
25 8八玉(78)
26 5二金(41)
27 7八銀(79)
28 6四歩(63)
29 8六歩(87)
30 7四歩(73)
31 8七銀(78)
32 6三金(52)
33 7八金(69)
34 7三桂(81)
35 6八金(58)
36 8四歩(83)
37 2六飛(28)
38 8五歩(84)
39 同 歩(86)
40 同 桂(73)
41 6六角(77)
42 5五歩(54)
43 同 角(66)
44 5四銀(53)
45 4五歩(46)
46 5五銀(54)
47 同 銀(56)
48 4五歩(44)
49 4四歩打
50 5二飛(32)
51 5六歩(57)
52 5三飛(52)
53 2四歩(25)
54 同 歩(23)
55 8四歩打
56 5四歩打
57 6六銀(55)
58 6五歩(64)
59 7七銀(66)
60 4八角打
61 6六歩(67)
62 同 歩(65)
63 5五歩(56)
64 同 歩(54)
65 8三銀打
66 同 銀(72)
67 同 歩成(84)
68 同 玉(82)
69 6六飛(26)
70 6四歩打
71 8四歩打
72 7二玉(83)
73 7五歩(76)
74 同 歩(74)
75 8六飛(66)
76 7四銀打
77 8三銀打
78 7三玉(72)
79 3六飛(86)
80 5六歩(55)
81 4三歩成(44)
82 同 飛(53)
83 7四銀成(83)
84 同 金(63)
85 5六飛(36)
86 5五歩打
87 3六飛(56)
88 2五銀打
89 8六飛(36)
90 8四金(74)
91 1六歩(17)
92 5三飛(43)
93 5七歩打
94 3九角成(48)
95 1七桂(29)
96 1四銀(25)
97 3六飛(86)
98 2三銀(14)
99 9八玉(88)
100 2九馬(39)
101 8六銀(77)
102 6二玉(73)
103 8五銀(86)
104 同 金(84)
105 7七桂(89)
106 8四金(85)
107 1五桂打
108 3二銀(23)
109 3四飛(36)
110 7四金(84)
111 4四銀打
112 8三飛(53)
113 8五歩打
114 8六歩打
115 同 銀(87)
116 7六歩(75)
117 7五歩打
118 7七歩成(76)
119 同 金(68)
120 7三金(74)
121 8七金(78)
122 9五歩(94)
123 同 歩(96)
124 9六歩打
125 6六歩打
126 4七馬(29)
127 2二歩打
128 4三銀打
129 3三銀成(44)
130 同 銀(32)
131 3六飛(34)
132 同 馬(47)
133 同 歩(37)
134 2八飛打
135 8八角打
136 7八歩打
137 7六角打
138 7九歩成(78)
139 9六金(87)
140 5二銀(43)
141 投了
まで140手で後手の勝ち

 

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20191102今日の一手(その942);わかりやすい詰めろ

2019-11-02 | 今日の一手

20191102今日の一手

10月12日の名南将棋大会から、OさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

角と飛桂の交換で先手の駒得です。終盤なので評価は控えめに。

玉の堅さは先手のほうが少し堅いです。広さで優るのでプラス評価。

先手の攻め駒は持ち駒飛銀桂で3枚。場合によっては25金も加わります。

後手の攻め駒は67角93角と持ち駒金銀銀で5枚、十分です。

総合すれば先手もちです。

 

☆ 大局観として

玉の広さでだいぶ差がありますから、先手有利と見てよいでしょう。上に逃げだして詰みにくい形です。それでも後手の攻め駒が多いので、受けるのは大変です。どこかで見切って攻めを考えるのでしょう。

先手は攻め駒が少ないですから、持ち駒を打って守ると攻撃力が下がります。駒得なので構わないところではありますが。

 

☆ 簡単なまとめ

53飛成

あるいは35桂

23の地点をねらうのがわかりやすい詰めろです。後手玉を固めさせるようでも、ぴったりした受けが難しいです。

 

 

× 後手のねらいを見てみましょう。85桂で角取り。

取られそうなので跳ねてみました。後手は構わず49角成同飛48銀

角を取る余裕はありません。

 

 

× 受ける手から見ると、38金は角切りを避けていますが49銀を打たれると

より受けにくくなっています。

 

 

× 58銀打は48銀で失敗です。

 

 

 

△ 受けとしては48銀が一番手堅いです。

56歩85桂75角58歩

駒を取られなければまあまあです。

 

 

× 37銀では57金が受けにくいです。

 

 

△ 57歩ならば

57同角成はあるのですが33歩成

王手馬取りの筋で対抗します。

 

57同角成がないのならば、78角成58金77馬

駒得は消えてしまうのですが、39飛と使えますし、反撃を見てまあまあ指せそうです。

 

桂を惜しんで85桂とすると

68馬93桂不成39銀

39同玉37銀は受けにくいです。

 

 

△か○ 38飛は攻防の自陣飛車です。

21玉には53飛成が詰めろ。

21玉ではなく42銀なら54桂

後手は結構受けにくいのです。

 

 

△か○ 実戦は33歩成でした。

33同歩の時にいろいろありそうですが、52飛打42金打

51飛成49角成同飛48銀

ここで飛の逃げ場所を間違えました。89飛37銀打17玉47角成

47銀を取られると詰めろです。89飛では29飛ならば形勢不明でした。ここでは後手玉に詰めろがかからず(14金としましたが詰めろではありません)寄せ合い負けです。

 

52飛打では後手を引いてしまいましたから、62飛ならば

52飛の中合いは同飛行成です。金か銀を合駒に打たせて、さらに攻めることもできます。受けるのもあるでしょう。

 

また84銀同角82飛

両取りで角を取る受けもあります。84飛成の位置が81竜や44竜とできるので遊ばなければ有利です。

 

また52飛成として

42金打59竜

竜で受けるのもあるかと思えば、49角成同竜48金

これは失敗です。

 

 

○ 33歩成を入れずに52飛成は

ちょっと難しいのですが、49角成の時に33銀(33歩成からでも詰むようです)から詰みがあります。変化がいくつかありますが、21玉32銀成同金33桂

22玉21飛13玉11飛成12合14金・・・というのがその一つです。先手玉も詰めろになっているので1手違いですが。

 

後手は何か受けるのですが、42金打

竜取りが厄介でしょう。33銀同歩同歩成同玉53飛

先手玉は2手すきなので強く攻めていって寄りそうです。

 

63竜とかわすのもあって

23竜からの詰めろ。53歩58歩

48銀38金49銀打35桂

こういう攻防で先手もちです。

 

 

△ 51飛成は

49角成の時に33歩成同歩52飛

合駒が金銀だけなので詰むようです。

 

別の詰み筋として、31竜同玉43桂

これも詰むのですが、どちらも読みにくい詰み筋です。

 

でも42銀と受けられたときに

52竜42金の形よりも33銀と打ち込むのが甘いので難しくなっています。63竜もありませんし。

 

 

○ 53飛成は

23竜からの分かりやすい詰めろで、竜取りで受ける手もありません。13銀には42銀

42同金同竜12玉には33歩成

詰めろを続けていくのは難しくないです。

 

42銀ではなく、一度38金と守るのもよいでしょう。

 

 

△か○ 61飛だと

詰めろではないのですが、49角成同飛48銀の時に33銀

12玉24桂同歩21角・・・角をもらえば後手玉が詰みます。

 

後手は何か受けるわけですが、41金打38金49銀43桂

1枚使わせれば先手は少し遅い寄せでもよくなります。

 

 

○ 35桂も詰めろです。

12銀43桂成

これも持ち駒を使わせて確実な寄せを見ます。

 

駒を打たないで21玉ならば23桂不成

結局駒を打って受けることになります。

 

 

△か○ 43桂だと

どう見ても詰めろではありませんね、2手すきです。でも49角成同飛48銀31桂成

この先手玉が詰めろではないので寄せ合い勝ちです。

43桂に金を逃げるのならば飛の打ち込みが厳しくなるというわけです。

 

☆ まとめ

終盤では受けるか攻めるかの選択を迫られる場面に良く出くわすわけですが、どちらから考えるかは棋風次第です。

この場合はぴったりした受けが見つかりにくく、後手の攻め駒が5枚もあるということに関係しているのでしょう。48銀と打つのが手堅いですが(2つの受けの原則通り)、戦力が下がります。

それが嫌ならば攻防の手で(変化の含みで)受けるしかありません。57歩か38飛です。

後手玉が薄いので攻める方が簡単です。詰めろになる手がいくつかあるのですが、23の地点をねらうほうが読みやすいでしょう。53飛成か35桂か。先手で駒を使わせて受けに回るというのも受けのテクニックです。

受けずに攻め続けることもできます。53飛成~42銀、35桂~43桂成、別の攻め筋もある手でした。先手玉はしっかりした受けが難しいけれど、詰めろを続けられることも難しい形なので攻めやすいのです。

 

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