後手番大山先生の手を考えます。
第1問
これが結構良い手です。
A 32金 B 33桂 C 32銀
第2問
やわらかい発想です。
A 84角 B 75歩 C 73銀引
第3問
穴熊の感覚です。
A 45歩 B 34歩 C 65歩
第4問
こういう手も筋です。
A 75角 B 66歩 C 57歩成
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
これが結構良い手です。
A 32金 B 33桂 C 32銀
第2問
やわらかい発想です。
A 84角 B 75歩 C 73銀引
第3問
穴熊の感覚です。
A 45歩 B 34歩 C 65歩
第4問
こういう手も筋です。
A 75角 B 66歩 C 57歩成
今日の棋譜20191125
昭和45年12月、内藤国雄先生と最強者決定戦記念対局です。
大山先生の後手三間飛車ですが、25歩を突かなかったので
石田流です。内藤先生の37金は石田崩し。タイミングはかなり早いです。36歩同歩同銀35歩47銀と1歩持つのを先にしてしまおうということか。
大山先生の32金は36歩に45歩の決戦の意味です。内藤先生は38飛で3筋をねらいます。こうなれば36歩45歩も少しは怖くないので
大山先生は43金。3筋は先手が制しますが
位を取られても右金なので先手玉が薄く、後手に不満があるわけでもないです。
大山先生は5筋に位を取り
金は54へ、左銀は73へ。こういう金銀の繰り替えは得意です。
さらに穴熊にしてしまいました。
これくらいで駒組が完了です。後手玉が堅いというか遠いというか、後手の作戦勝ちでしょう。大山先生は飛を22へ移動して
27歩を利かし
24歩を取り返して飛は4筋へ。
内藤先生は駒がぶつかっているのに27歩を払うのでは危なさそうです。
65同歩は84角~66歩、65同桂は64歩、嫌なところに手を付けられました。
飛車を押さえたら66歩。銀を取られて38銀も嫌なので取り合いにはできず
先手陣がかなり乱れています。端に手を付けるのは勝負手ですが、苦しいほうから動くと負けを早めます。
飛を67に移動して(3歩損で歩切れというのも痛い)
桂を跳ねれば少し勝負になったようにも見えるのですが。
大山先生は左桂が使えていないものの、飛角金銀は働いています。先手陣は右の金銀(桂)の働きが悪いのでこれでは後手有利というのが良くわかります。強く6筋から反撃して
57歩成は軽いです。飛では取れず、角で取れば65金同飛56銀、金で取るのも薄いし、銀で取るくらいですが
66歩同飛55金で飛取り。
内藤先生は香を取って56香で返すのですが、穴熊相手にこういう手は利かないです。
66金を取るしかないです。
大山先生は飛を切って76桂。88飛があるので十分成立しています。
金を取って76香。77桂でも大差ないですが
67玉には69飛
香を取り合って58歩
66角が竜取りなので58歩は払われますが、上に逃がさないように62香を打って
角をぶつければ優勢か勝勢か
まだ続きそうですが、ここで内藤先生は投了でした。66金を受けにくいし、後手玉は遠すぎます。
石田崩しとしては27金のタイミングが早すぎるのでしょう。13角を見てから棒金を考えるくらいが良く、33桂が早ければ成立しやすいです。本譜27金に13角38飛13角を予定していたのだけれど32金でそれが狂ったということなのかも。
大山先生の穴熊がうまいというよりは、作戦勝ちでの駒の繰り替えがうまいのだと思います。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1970/12/08
手合割:平手
先手:内藤国雄8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二飛(82)
7 6八玉(59)
8 6二玉(51)
9 7八玉(68)
10 3五歩(34)
11 4六歩(47)
12 7二玉(62)
13 4七銀(48)
14 3四飛(32)
15 6八銀(79)
16 8二玉(72)
17 3八金(49)
18 7二銀(71)
19 2七金(38)
20 3二金(41)
21 3八飛(28)
22 4三金(32)
23 3六歩(37)
24 同 歩(35)
25 同 金(27)
26 3二飛(34)
27 3五歩打
28 4二銀(31)
29 2五歩(26)
30 5四歩(53)
31 2八飛(38)
32 3三角(22)
33 9六歩(97)
34 5三銀(42)
35 9五歩(96)
36 6四銀(53)
37 6六歩(67)
38 5五歩(54)
39 6七銀(68)
40 5一角(33)
41 3八飛(28)
42 5四金(43)
43 7七角(88)
44 7四歩(73)
45 5九角(77)
46 7三銀(64)
47 1六歩(17)
48 6四歩(63)
49 1五角(59)
50 6二角(51)
51 6八金(69)
52 1四歩(13)
53 2六角(15)
54 9二香(91)
55 7七桂(89)
56 9一玉(82)
57 8六歩(87)
58 8二銀(73)
59 3九飛(38)
60 2二飛(32)
61 4八角(26)
62 2四歩(23)
63 同 歩(25)
64 2七歩打
65 3八飛(39)
66 2四飛(22)
67 2五歩打
68 2三飛(24)
69 3九角(48)
70 4三飛(23)
71 3七飛(38)
72 4五歩(44)
73 2七飛(37)
74 4六歩(45)
75 同 銀(47)
76 6五歩(64)
77 4四歩打
78 同 飛(43)
79 4五歩打
80 6六歩(65)
81 同 銀(67)
82 4一飛(44)
83 9四歩(95)
84 同 歩(93)
85 9三歩打
86 同 香(92)
87 5六歩(57)
88 同 歩(55)
89 6七飛(27)
90 5一飛(41)
91 8五桂(77)
92 8四角(62)
93 7五歩(76)
94 6五歩打
95 同 銀(66)
96 5七歩成(56)
97 同 銀(46)
98 6六歩打
99 同 飛(67)
100 5五金(54)
101 9三桂成(85)
102 同 桂(81)
103 5六香打
104 6六金(55)
105 9二歩打
106 同 玉(91)
107 6六銀(57)
108 5六飛(51)
109 同 銀(65)
110 7六桂打
111 7七銀(66)
112 6八桂成(76)
113 同 銀(77)
114 7六香打
115 6七玉(78)
116 6九飛打
117 5九金打
118 9九飛成(69)
119 7六玉(67)
120 5八歩打
121 6六角(39)
122 8九龍(99)
123 5八金(59)
124 6二香打
125 6四歩打
126 7五角(84)
127 同 角(66)
128 同 歩(74)
129 6七玉(76)
130 8六龍(89)
131 投了
まで130手で後手の勝ち
20191125今日の一手
4月の東海団体リーグ戦から、私の将棋です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角と45銀を入れるかどうか。1枚か2枚です。
後手の攻め駒は持ち駒角銀で2枚。
総合すれば後手もちです。
☆ 大局観として
居飛車の急戦(鳥刺しでした)は玉が薄いけれど、右翼の戦いでは戦っている駒の数が違うので優位に立ちやすいものです。問題図では後手に角銀をさばかれて少し失敗しています。右翼の戦いで優位に立っていないというわけです。持ち駒の銀を手放して抑え込もうとしたけれど、角を64で交換した問題図は抑え込みが破れそうで、方針を継続するか転換するかという分かれ目でもあります。
後手から大した手があるわけではないので、先手に選択肢がたくさんああります。方針を決めて、それを間違えないように選びたいです。
☆ 簡単なまとめ
24歩を突いて
24同歩ならば31角から馬を作る、46角や15角~24角に対応する、というのが普通の考え方です。
実は48飛とか68金上とか、待っているのも有力です。
△ 30分切れ負けということもあり、実戦では安易に31角を打ったのですが42飛
当然馬は作らせてもらえません。飛を取る気にならなくて24歩に33桂
これは後手の飛桂が働いてきました。42角成同金54銀36角
桂はさばかれていないけれど、右銀を目標に動かれて嫌な感じです。43歩成ならばまだこれからだったのですが、22飛が悪手。41飛55歩に46角
22飛はあまり効果がなく、まだ21飛成とするべきだったのでしょうが、55歩ではぬるいです。角を打たれて38歩が仕方ないですが、飛の横利きが止まったので58角成同金79金88玉78銀
あっという間に寄せられてしまいました。
22飛を打たずに43歩成46角47飛
これならばまだ難しかったのですが、苦戦している流れです。
対局後に指摘されたのは42同角成。
後手の飛をさばかせるので指したくなかったのですが。42同飛22飛65歩57銀64角38歩
32銀には43歩成があるので、桂を取る手が楽しみで、自信はないけれどこれならば互角だったでしょう。
手筋としては42角成ではなく43歩成
43同飛64角成で馬ができます。33桂44歩41飛55馬
馬はできたけれど銀を取られる(左桂をさばかれる)ので少し悪いです。
× 工夫としては43歩成を先にして
43同金31角とすれば42飛には44歩
41角42飛43歩成を同金と取らせた図になり、攻めが決まります。
後手は31角に62飛、44歩42金22角成
これも馬ができて、桂香を拾えそうな気がします。でも33桂54銀15角
持ち駒が無いと桂取りを防ぎにくいのです。これは後手有利。「さばけばさばかれる」図です。
× 32歩でも46銀
歩切れで遅い攻めでは、やはり桂取りで困ります。
○か△ 24歩は突き捨てておきたいです。
24同歩ならば31角23飛(42飛ならば24飛とできる、実戦のように31角42飛24歩を同歩と取ってもらえたころになる)64角成
ここに馬ができればまずまずです。
後手は24歩を同歩と取らないとすれば、15角55角
23歩成37角成から飛の取り合いは後手有利ですが、55角はぴったり。43歩成と23歩成が残ります。
ならば46角ですがこれも55角
55同角同銀(同歩24角もある)24歩までは仕方なく、31角23飛64角成
55銀の形なので、後手も39角から馬を作って互角です。先手の馬のほうが働きそうだけれど、後手は銀が手持ちですから。
○ 55角も打ってみたいところです。
33銀を打ってもらえば互角だけれど文句なし。42飛24歩33桂
23歩成45桂同桂27歩同飛49角
これは互角のやり取りですが、玉の堅さの差で勝ちにくいか。
33桂に54銀とかわして
24歩同飛36角
43銀成同金同歩成同飛53飛34飛(か22飛成か)
これならば後手玉も薄くなっているので戦えます。
△ 76角は変わった位置ですが
54角でも同じか。42歩くらいしかなく24歩
24同歩は23歩があります。46角47金24角34銀
後手にも生角を打たせて互角です。先手陣の金銀が乱れているので有利ではありませんが、43歩成は残ります。
× 角を打たないとしたら、34銀36歩
歩を取ると桂頭を攻められて悪いです。
△ 54銀ならば
後手は42歩ならば55角で指しやすそう。
42飛を選んで
55角を打てば互角です。(55角42飛に54銀でも同じです。)派手にやるならば43歩成同金48飛36角
43銀成47歩同飛同角成42成銀
この寄せ合いは形勢不明です。
○ おとなしく48飛
後手は42飛からさばきたいわけですから、先に飛を回っておくのは落ち着いています。これで抑え込むものかという気がしてきました。後手から大した手が無いので、例えば65歩67銀35歩55角
後手から派手な手はないです。プレッシャーをかけておけば、後手が守り切れなくてどこからか破れるはず。
○か△ 68金上などとして
少しでも玉を固めて待っておくというのも同じ意味です。後手から動いてもらう方が対応しやすいと。
☆ まとめ
攻め合いを選ぶならば24歩か31角か55角か。24歩が一番リスクが小さく、24同歩が利かしだとすれば、後手からの無理な動きを引き出しやすいです。
46角や15角はあるにしても、後手が窮屈な指し方をしているのはわかるでしょう。24同歩ならば31角や55角が成立しやすくなります。
それでも玉の堅さが違うので、48飛とか68金上とか、55角を打っても42飛に24歩なんてせずに待っているとか、じっとしているというか、抑え込もうとする方がリスクが小さいのです。リスクが小さいだけリターンも小さいですが、後手が無理に動いてもらえばチャンスができます。
検討していて不思議な結論でしたが、「動けば動かれる」カウンター攻撃は強力なものです。自分から無理な動きは避ける方が良いです。ここでは玉が薄いマイナスがありますから。