名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集20191114

2019-11-14 | 大山将棋研究

先手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

後手が欲張った指し方をしているのでとがめます。

A 86歩  B 78飛  C 46角

 

第2問

 

手筋の攻めをみています。

A 75歩  B 85歩  C 65歩

 

第3問

 

これこそ大山流です。

A 37銀打  B 49銀打  C 46歩

 

第4問

 

これが詰めろになります。

A 53と  B 75角  C 41金

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(1407);向い飛車に玉頭位取り(米長邦雄)

2019-11-14 | 大山将棋研究

今日の棋譜20191114

昭和45年8月、米長邦雄先生と第11期王位戦第3局です。

大山先生の向い飛車です。

米長先生は53銀から玉を囲います。これは比較的新しい指し方。

玉頭位取りにするのかと思えば74歩、右64銀の急戦か

と思わせて35歩。これは欲張りというものです。

大山先生は68角から86歩、飛をぶつけます。

もちろん飛交換は先手有利。85歩だと77桂からねらわれるので84歩ですが、左翼の形がきれいなので先手十分です。

大山先生は75歩。75同歩には76歩でしょうか、72歩でしょうか、うまい手順が続きます。

63金には銀を出て

7筋を押さえました。

米長先生は3筋の位は突き捨て、銀を使って攻めることを選びました。金銀の連携が悪いのでうまくいかなさそうですが。

85歩の突き出しは85同飛84金86飛85歩76飛72飛、ということでしょう。

85同桂に63金。84歩のねらいが残ります。

大山先生は83歩から35角。こう出るならば71角成が先手になるように83歩同飛は入れない方が手順ですが、72飛を嫌がったということでしょう。ちょっと調子がおかしいですが

角成を受けてもらえたので悪くはないです。

54歩は44金で後手を引くので、これもおかしな調子ですが、54歩が残っているので悪くないと見ています。

米長先生は銀を使い

63歩を無視して57歩で勝負。

これで金銀の取り合いになり

手番を得たのですが、54歩を払うくらいではやはり指しにくいです。

馬の作り合いは香を取っているから得ですが

と金を作られて、やはり苦しいです。

飛を質駒にして

馬を潜りました。48金~86馬同歩39飛くらいのねらいでしょうか。

大山先生の46歩~47金というのがやわらかい受けです。遊んでいる金銀を使います。

香を打たれてちょっと危なさそうですが

37金打~48金で耐えています。

米長先生の64金は75金ねらいと63馬を避けているのですが、手厚く銀を打たれて

86馬と取るのはもったいないです。悪くても47銀成同銀75金しかないところでしょう。

攻める手が無くて55金の手渡しでは効果が見えません。

63馬(41馬同玉22金ねらい)31金52と と金が働きだせば先手優勢です。

74歩~64馬で、41銀か75角か、攻め駒4枚なので難しくない寄せです。

米長先生は54金と捨てて39銀。もっと駒があれば厳しい攻めですが

大山先生の75角は攻防です。後手玉は詰めろになっているようです。

馬を切って53角成32玉43金22玉31馬・・・銀を1枚もらっていなくても詰みです。

 

急戦をみせて玉頭位取りというのはやってはいけない組み合わせです。ある程度位取りの駒組ができてから、けん制のために攻め筋をみせるというのは割とあるのですが。米長先生の序盤は粗削りで、中終盤の腕力で勝っていましたが、逆転したところはなさそうです。

大山先生の指し方は、最善かなあ?と思わせるところはあるのですが、それでも有利優勢を築いてしまいます。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1970/08/24
手合割:平手  
先手:大山王位
後手:米長邦雄7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 8八飛(28)
8 3四歩(33)
9 6八銀(79)
10 6二銀(71)
11 4八玉(59)
12 5三銀(62)
13 3八玉(48)
14 4二玉(51)
15 6六歩(67)
16 3二玉(42)
17 2八玉(38)
18 1四歩(13)
19 1六歩(17)
20 4二銀(31)
21 3八銀(39)
22 5二金(61)
23 5八金(69)
24 7四歩(73)
25 6七銀(68)
26 3五歩(34)
27 6八角(77)
28 4四銀(53)
29 8六歩(87)
30 同 歩(85)
31 同 飛(88)
32 8四歩打
33 7七桂(89)
34 6四歩(63)
35 7五歩(76)
36 6三金(52)
37 7六銀(67)
38 5五歩(54)
39 7四歩(75)
40 同 金(63)
41 7五歩打
42 7三金(74)
43 5五歩(56)
44 3六歩(35)
45 同 歩(37)
46 5五銀(44)
47 6七銀(76)
48 8五歩(84)
49 同 桂(77)
50 6三金(73)
51 8三歩打
52 同 飛(82)
53 3五角(68)
54 5七歩打
55 4八金(58)
56 5三金(63)
57 5四歩打
58 4四金(53)
59 2六角(35)
60 7六歩打
61 同 銀(67)
62 6六銀(55)
63 6三歩打
64 5八歩成(57)
65 同 金(48)
66 5六歩打
67 6七銀(76)
68 5七歩成(56)
69 6六銀(67)
70 5八と(57)
71 同 金(49)
72 5四金(44)
73 6二角成(26)
74 6五歩(64)
75 5七銀(66)
76 9九角成(22)
77 7二馬(62)
78 8四飛(83)
79 6二歩成(63)
80 5六歩打
81 同 銀(57)
82 7七馬(99)
83 8七歩打
84 5七歩打
85 同 金(58)
86 5九馬(77)
87 4六歩(47)
88 4八金打
89 4七金(57)
90 3八金(48)
91 同 玉(28)
92 4九銀打
93 3九玉(38)
94 2四香打
95 3七金打
96 5八銀(49)
97 4八金(47)
98 6四金(54)
99 4七銀打
100 8六馬(59)
101 同 歩(87)
102 8九飛打
103 3八玉(39)
104 4七銀成(58)
105 同 銀(56)
106 5五金(64)
107 6三馬(72)
108 3一金(41)
109 5二と(62)
110 3三銀(42)
111 7四歩(75)
112 9四飛(84)
113 6四馬(63)
114 5四金(55)
115 同 馬(64)
116 3九銀打
117 7五角打
118 4八銀成(39)
119 同 玉(38)
120 9七飛成(94)
121 4三馬(54)
122 投了
まで121手で先手の勝ち

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20191114今日の一手(その948);強い手とやわらかい手

2019-11-14 | 今日の一手

20191114今日の一手

 10月27日の名南将棋大会から、私とMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

駒の損得はありません。

玉の堅さはほぼ同じですが、右銀の位置を考えて後手のほうが少し堅いような気はします。

先手の攻め駒は88角1枚。

後手の攻め駒は86飛1枚。

総合すれば互角です。

 

☆ 大局観として

実際は私が後手です。手数的にはまだまだ始まったばかりですが、後手(実際は先手)Aさんの33桂に主張を感じます。33桂のままでは使えませんから、45桂と跳ねるか、85飛~25飛同飛同桂という攻め筋をねらっています。それがどれだけ怖い手か、33桂への違和感はあるので私のほうが良くなる手はないかと考えました。

強く動きたいですか?局面を収めたいですか?それによって指し手は変わります。

2つのねらいを両方防ぐか(それによって別の弱点が出ますが)、片方は防いで、もう一つのほうで攻めてもらうか、どちらも受けないで相手に任せるか。戦術は3通りです。少なくとも方針は決めて一貫した対応をせねばなりません。

 

☆ 簡単なまとめ

一番強い手順は35歩同歩46銀

34歩があるので84飛に35銀

棋風によりますが、後手の33桂に違和感を感じたら、一番強い手でとがめに行きます。これで有利ではないですが、後手番としてはまずまず。

 

 

△か× 87歩は打ちたくなるかもしれませんが

打てば歩切れですし、打たないで76飛には82歩も場合によってはありうるのですからちょっと妥協で面白くないです。相手に76飛か85飛かを決めさせる効果はあるのですが。

ここでは76飛のほうが嫌かなあという感じはします。85飛はどれかの変化と同じになるかもしれませんし、(87歩を打たない変化にはならないので)まったく変わるかもしれません。

 

 

× 24歩から飛車先交換するのは

当然のようでもかなり怖い手です。(これにより85飛~25飛で1歩かすめ取られることはなくなりますが。)24同歩同飛45桂

46銀は88角成同飛15角ですね。48銀でも57桂成同銀88角成同銀15角

どうやっても駒損になります。

 

それ以外に88角成同銀33角

88角成で二枚換えの詰めろの筋も生じます。(48銀が邪魔な駒です。)

 

 

○ 一番強いのは35歩

パッと見えたけれど、あまりに怖そうなので読みませんでした。もちろん35同歩が入っても24歩同歩同飛45桂

とされてまずいのは同じです。

 

ですから35同歩(はまずこの一手)に46銀

34歩があるので84飛に87歩ではなく35銀

これは互角で、後手もいろいろありますが、62玉34歩45桂46銀13角24歩同角58玉

こんな調子です。86歩と垂らされても66角から返せます。34飛には11角成があります。

 

 

○ 単に46銀だと

これはやや守備的で、45桂のほうは防いでいます。でも85飛~25飛はより強力になっているので、85飛には37桂しかありません。86歩が来るでしょう。

77桂82飛85歩74歩

77桂しかなくなって、桂頭をねらわれます。24歩同歩同飛75歩35歩

互いに桂頭を攻め合い、23歩26飛76歩34歩77歩成同角85飛33歩成同角

パッと見は互角です。この図ならば33同角成同金77桂83飛84歩

角の両取り筋をねらって先手よしか。まあこれも変化の一例でしかありません。(読んでみて少しでも良くなる変化があれば、まあまあ悪くない手を指しているのだろうと推測できます。)

 

 

△ 実戦は69玉としました。

これ以外の待ち方、16歩、96歩、68玉などありますが、多分これが一番良い待ち方かと思います。左の金銀での守りが強くなり少し玉が堅くなったかという感じです。(後手玉ならば41玉よりも62玉のほうが堅い場合があります。)

24歩同歩同飛の時の王手飛車の筋は回避できました。

後手が76飛なら77角のつもりでした。

歩切れなので82歩とするのはちょっと危ないです。

 

実戦は85飛で、これに24歩同歩同飛としたら、45桂46銀

角交換から15角は王手になりませんし、33角は28飛で耐えています。

 

ですが86歩

玉が近づいたので86歩のほうが嫌な手です。77桂25飛同飛同桂28銀55角27飛24歩

自陣飛車を打つのでこの局面では少し悪く感じますが、(ちょっと自陣を整備してから)26歩や82歩のねらいは残ります。

 

実戦では上の図の形が悪いのでと、ろくに考えず87歩25飛と進みました。

69玉と寄るところでは、33角成があるからやってこないものだと(見えていなければ楽勝かと期待していた)思っていたのですが、実際は大変です。

とはいえ25同飛同桂28銀88角成同銀55角27飛24歩

この図は歩切れで楽しみがありません。(27飛ではなく39金では26飛や28角成同金49飛も気になるところ。)

 

ということで最初の予定というか、やってこないだろうと安易に考えていた33角成

というのは消去法で選んだようなものです。でも33同角25飛99角成77桂

この図が歩切れで馬を作られて悪いというのは33角成を決行する前にわかっていました。どこで悪くしたのかと考えつつ、24香85飛。そこでの後手の最善手は83歩

であったようです。歩切れで指す手が見えません。

 

また74角

を打たれる方は、45飛29香成で悪いけれど、実戦的には指しにくい(筋の良いAさんを信用して)と思いつつ。

 

そして実戦では84歩、84同飛に95角

というのは相手の考慮中に考えておりました。82飛成77角成84桂

この単純な攻めは案外に厳しくて、78馬同銀71金打しかありませんが、72桂成82金61成桂同玉は何とかなるだろうと。41飛ではなく41角

とするのが正しいだろうというのは、ここまでくれば思いついたはずです。82飛の受けは結構厄介ですが。

 

さて脇道が多いのですが、84同飛に83歩と打たれて

これでほっとしました。34飛として十分です。77馬同金65桂

乱暴されましたが、21飛77桂不成58玉

これは優勢です。でも大事を取った(62玉に31飛成を決行しなかった)ので結構怪しくなったのですが。

 

さて後手の緩手に助けられましたが、33角成自体は悪い手です。利かされでも26銀が正解。

85飛に58金(45桂に備えておく)74歩66角

77桂から飛を追って35歩と攻める手が残ります。45桂77桂66角同歩82飛46角73桂25銀

桂を逃げられても棒銀で使えればまあまあでしょう。

 

さてもう少し戻って、おとなしく87歩よりは、77桂として25飛

を誘うのも考えられました。25同飛同桂28銀もあるけれど、26銀55飛68銀

これは1歩持っているのでちょっと違う変化です。77桂もよい形ではないのですが。

33角成とする前に、87歩が面白くない(実は25飛26銀は案外に指せた)とすれば打たないほうが良かったかなあ、と対局中に考えない方が良い、過去の局面のボヤキでした。

 

 

× それ以外の手としては26銀は少し考えました(25飛のぶつけが無くなる)が45桂

いかにもはまりそうです。

 

 

× 48銀と戻っても45桂

これもつぶされそうです。相掛りの48銀は悪い形になる時があります。

 

☆ まとめ

相手の攻めに対応して形勢を良くしたいと思えば、強い手で対応するのが一番良い(例外はある)です。最強の手順でとがめられないかと考えます。それが35歩同歩46銀

45桂を先受けして34歩をねらうのが一番強いです。ここまでは少し考えましたが84飛に35銀

ここまで考えられたかどうか。この局面自体は全くの互角ですが、かなり怖く感じます。これが「強い手」の組み合わせです。

 

やわらかいのは69玉85飛87歩25飛26銀

こんな利かされでも、33桂自体が良い形ではないから、あとで攻めることができるだろうという構想力です。

その中間、中途半端なところには悪くなる変化がいっぱいあります。相掛りは序盤から激しいことになる場合があり、桂が参加するときに生じやすいです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする