後手番大山先生の手を考えます。
第1問
作戦負けにならないように、大切な手があります。
A 33角 B 35歩 C 42金
第2問
うまく46歩を利かせたいのですが、その手順です。
A 46歩 B 36歩 C 24飛
第3問
こんな手がありました。
A 67成桂 B 58と C 24桂
第4問
勝負手が来ました。
A 73同桂 B 73同金 C 71銀
第5問
最後は実戦詰将棋、15手です。
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
作戦負けにならないように、大切な手があります。
A 33角 B 35歩 C 42金
第2問
うまく46歩を利かせたいのですが、その手順です。
A 46歩 B 36歩 C 24飛
第3問
こんな手がありました。
A 67成桂 B 58と C 24桂
第4問
勝負手が来ました。
A 73同桂 B 73同金 C 71銀
第5問
最後は実戦詰将棋、15手です。
今日の棋譜20191104
昭和45年5月、桐山清澄先生と第16期棋聖戦です。
大山先生の中飛車で
桐山先生は腰掛銀から右四間飛車を目指します。でも35歩を突かれたら、25歩33角36歩同歩38飛のほうが良いと思います。
桂を使わない仕掛けでは
うまく攻められず、97角はひねった手です。
結局攻め続けられず、4筋に位を取られてしまいました。
持久戦になるのですが、桐山先生は角銀を使って、あくまで攻めようとしています。
77角~86角というのが何度か出てくるのですが、攻めるのにずいぶん苦労しています。47金を強制され
石田流に組まれてしまいました。
2筋は守れないので55銀をねらうのですが
78金が先でした。でも銀は交換してもらえず
36歩は同歩35歩同飛44銀としたかったのでしょう。でも54歩を打たれ
銀を引いて3筋が戦場になるのでは、角を使えないから戦力不足です。
2筋を謝ってしまえばまだ難しいです。
大山先生の決め所ですが、24飛28飛に36歩
46歩48歩を利かせて
34飛38飛に45銀。
35歩から銀金交換で桂をさばきます。
ちょっと重いのですが金を打って
桂を取りました。歩切れが気になりますが駒得です。
33角成には48金ではなくて歩を成り捨ててから。
47同歩としてもらえなかったので、そのあとの形が変わります。桐山先生は銀を打って
飛を取れました。
大山先生は桂を成って
飛を取りに行きます。24同馬同角同飛成は(67成桂同金)45角です。
成桂金と飛の取り合い。トータルではほぼ銀得です。玉の堅さも優り、後手優勢に近いです。
香を取られても角がさばけました。
73桂は桐山先生の勝負手。でも73香のほうだったか。73同桂は81金があり、73同金は35馬同飛成71角です。
71銀81桂成同玉という形がしっかりしているので、73香だったかと。
大山先生は駒得だし、攻める手には困らないので受けておく方が安全です。
これは詰めろではないから67と で勝ちそう(67同馬には44角)ですが
31歩同竜53角の受けでした。
52馬には31角でもよいでしょうが、44角の王手から
31竜とした方が守りが堅いです。
銀でしがみつかれましたが明らかに詰めろではないです。
67と に63馬。後手玉は詰めろですが
さすがに先手玉が詰んでいます。
右四間飛車は昔からある定跡で、対中飛車でも使えます。でも本譜35歩を突かれたときには何か考えねばなりません。仕掛けた後で持久戦にしてうまくいくことは少なく、手待ちをしている間に仕掛けられて悪いです。でもこういうよくわからない将棋を指せるのが桐山先生の特徴でもあります。形勢が悪いと思っていないのでしょうか。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1970/05/19
手合割:平手
先手:桐山清澄6段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5八金(49)
8 5二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 4六歩(47)
16 4三銀(42)
17 4七銀(48)
18 5四歩(53)
19 5六銀(47)
20 3五歩(34)
21 4八飛(28)
22 3三角(22)
23 4五歩(46)
24 4二飛(52)
25 4四歩(45)
26 同 銀(43)
27 9七角(88)
28 4三飛(42)
29 6六歩(67)
30 4五歩打
31 8六角(97)
32 6二銀(71)
33 6八銀(79)
34 5五歩(54)
35 6七銀(56)
36 2二角(33)
37 2五歩(26)
38 1四歩(13)
39 1六歩(17)
40 8二玉(72)
41 6五歩(66)
42 7二金(61)
43 7七角(86)
44 5二金(41)
45 6六銀(67)
46 5三金(52)
47 8六角(77)
48 3三飛(43)
49 4七金(58)
50 3四飛(33)
51 6七銀(68)
52 5二金(53)
53 8八玉(78)
54 3三桂(21)
55 7七角(86)
56 2四歩(23)
57 7八金(69)
58 2五歩(24)
59 5五銀(66)
60 5三銀(44)
61 3六歩(37)
62 5四歩打
63 6六銀(55)
64 1三角(22)
65 3八飛(48)
66 4四銀(53)
67 2七歩打
68 5一金(52)
69 8六角(77)
70 2四飛(34)
71 2八飛(38)
72 3六歩(35)
73 同 金(47)
74 4六歩(45)
75 4八歩打
76 3四飛(24)
77 3八飛(28)
78 4五銀(44)
79 3五歩打
80 4四飛(34)
81 4五金(36)
82 同 桂(33)
83 7七角(86)
84 3七歩打
85 同 桂(29)
86 2六歩(25)
87 同 歩(27)
88 2七金打
89 7五銀(66)
90 4一飛(44)
91 3九飛(38)
92 3七金(27)
93 3三角成(77)
94 4七歩成(46)
95 6四歩(65)
96 同 歩(63)
97 6三歩打
98 同 銀(62)
99 3二銀打
100 4二飛(41)
101 4三銀(32)
102 同 飛(42)
103 同 馬(33)
104 7四歩(73)
105 6六銀(75)
106 4八金(37)
107 3六飛(39)
108 5七桂成(45)
109 2一飛打
110 5二金(51)
111 3四馬(43)
112 3三歩打
113 同 馬(34)
114 2四桂打
115 5七銀(66)
116 3六桂(24)
117 4八銀(57)
118 同 桂成(36)
119 1一飛成(21)
120 3五角(13)
121 3四馬(33)
122 3九飛打
123 7三桂打
124 7一銀打
125 8一桂成(73)
126 同 玉(82)
127 8五桂打
128 8二銀打
129 6一金打
130 5七と(47)
131 7三香打
132 3一歩打
133 同 龍(11)
134 5三角(35)
135 5二馬(34)
136 4四角(53)
137 6六歩打
138 3一飛成(39)
139 7一金(61)
140 同 銀(82)
141 6一銀打
142 6七と(57)
143 6三馬(52)
144 7八と(67)
145 9七玉(88)
146 8八銀打
147 8六玉(97)
148 7五金打
149 同 歩(76)
150 7六金打
151 投了
まで150手で後手の勝ち
20191104今日の一手
10月12日の名南将棋大会から、KさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
角香歩3と飛銀の交換で、竜馬を作り合っています。終盤ですし損得なしと見てよいでしょう。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は32竜73飛と持ち駒金銀で4枚。
後手の攻め駒は69金と持ち駒角金で3枚。
総合すれば先手もちです。
何手で詰めろになるかを数えると、後手玉はいろいろな詰めろがかかりそうです。(即詰みはありません。)現状は2手すき。
先手玉は79金が詰めろで2手すき。
先手番なので先手有利です。
☆ 大局観として
先手玉への詰めろは79金だけなので何か受けておいてもよいのですが、73飛と44銀を取られる手があります。後手の65馬を取る手もあるので構わない気もしますが、攻めれば寄せ合い勝ちになりそうです。
先手玉はゼット、77角の王手に合駒を用意しておけば、何枚渡しても絶対詰まない形です。穴熊の終盤で分かりやすいです。後手玉に王手か詰めろを続けていけばよいでしょう。一昨日のテーマと似ていますが、より勝敗が分かりやすい図です。
後手玉は1段目ですし、上から抑え込めば難しくないはず。横から迫るのもありそうです。
☆ 簡単なまとめ
41竜61角81銀
単に61銀
こういう飛を取られても詰む形が成立しないかと考えるのが良い詰めろのかけ方になります。
△ 桂を取って52竜は
後手に79金とされて
88銀からの詰めろだということはすぐにわかりますね。後手玉が詰むかどうかですが(金を使わせて詰めろを消せれば別です)63桂81玉51竜61金同竜
後手の61への合駒が何であっても詰みます。
つまり52竜は詰めろでした。後手は73銀
何か受けるとすれば飛を取るくらいです。65歩(72金同玉64桂打からの詰めろ)83角41竜61飛
61同竜同角41飛が詰めろで有利なのですが、それが読める人は正解です。(61飛以外の合駒は52角が詰めろ)
○か△ 実戦は72同飛成でした。
秒読みだと直接の手から考えるでしょう。72同玉52竜79金
この後手玉が詰みません。63銀83玉74金93玉88銀
後手玉を端に追いかけてみましたが駒が足りず、銀を打って受けることになりました。後手に飛を渡しているので89金同玉69飛79金77桂同銀99金78玉
どうやら詰みを逃れていたようですが、87馬同玉79飛成
後手玉は詰まないですから先手Oさんの負けです。63銀や74金を後回しにしていたら形勢不明でしたが。
さて52竜は詰めろではありませんでした。馬を取る65歩ならば
79金に73金同玉74銀72玉64桂
桂を捨てれば63角を打てます。81玉72角92玉の時に81銀を打ちたいので、角銀を残しておけば詰むのです。
○ 41竜(あるいは31竜21竜)の王手は
合駒を請求できます。61角81金同玉61竜同銀
これは詰みませんね。61金合ならば詰んでいたのですが。
ということは81金ではなくて81銀
「玉の腹から銀を打て」で詰めろです。81同玉61飛成は詰み。83馬も72で清算して81銀から詰みます。つまり必至です。
81銀ではなく72飛成から追いかけると
72同玉81銀83玉61竜
86桂の存在が大きく、72角からの詰めろはすぐにわかります。早逃げの93玉に65歩
83金からの詰めろです。もう後手に有効な受けはなさそうです。(まだ必至ではないですが。)
○か△ 61銀はやはり「玉の腹から銀を打て」です。
詰めろで飛を取られることもありません。61同玉は52竜同玉53銀成61玉52金
この詰みも(時間をかければ)見えるでしょう。
後手の強い受けは83馬です。
72銀成同馬同飛成同玉64桂(好手)同桂63金
これがぴったり詰みます。(詰みが読めれば正解です。)
○か△ 61金の王手は
61同玉は52竜同玉64桂打
詰まないですが上から押しつぶすだけなので簡単に寄せられます。
61金81玉には
72飛成同玉52竜しかなさそうです。
これが詰めろになっているかどうか。79金62竜83玉63竜
角金銀の合駒は72銀92玉81銀打以下の詰み、73飛合いは同竜同玉62銀から詰みます。
○ 63金あるいは63銀でもほぼ同じですが
飛は取れず、63同歩72飛成(52飛成も有力)同玉52竜62金61銀
後手玉がどこに逃げても62竜です。それが詰めろになるのは簡単にわかりますね。
後手は63金を取らずに61金と抵抗すれば
72飛成同金41竜61角52金
これもやさしい詰めろが続きそうです。
52金ではなく72同金同玉81銀
から角を取ってもよいです。
○か△ 74銀はちょっと変な手ですが
詰めろだというのはわかりやすいです。74同馬があるのでおかしな感じがするのですが、74同飛成79金の時に72竜同玉64桂同桂63金
この詰み筋(前にも出ましたが)が見えていれば。
後手が詰み筋に気が付いて63銀打など守れば75竜
79銀にひもがつくので負けが無くなります。
と言って飛を取る73銀同銀成
というのは先手の注文通りです。83馬には41竜61金83成銀同香73銀
上に駒を置いておけばよいです。
△ 馬を取る65歩は
79金の時に72飛成同玉73金同玉74銀72玉64桂
前にも出た詰み筋です。
後手は飛を取る73銀、52竜として
これは79金に72金同玉64桂打
金から捨てれば詰みます。
後手は79金の余裕がなく、83角43竜
後手は83角の61への利きを止めずに銀取りを受けるのが難しいので、先手の勝ち筋なのですがちょっと難しい手順です。
○ 43竜はわかりやすい詰めろでしょう。
73銀同竜72金
これは72同竜同玉65歩が詰めろ、79金に73歩
から押していけば詰みます。(ここだけ詰みを読めばよいのでわかりやすいほうです。)
× 43飛成だと
後手玉は詰めろではないです。79金88銀78銀
79銀同銀成88金78金31竜61角68金
穴熊らしい粘りがあるのでまだ難しいのですが、先手の勝ちだとは言い切れません。
△ 88銀と逃げてみます。
73銀65歩78飛41竜61金77銀打
後手からの詰めろを受けておけば悪くはないです。
△ 78金(や88銀打)と打つ方が手堅くて
73銀65歩44桂43竜
両取りで桂を取ればほぼ損得なし、先手玉のほうが堅い分だけ有利です。
☆ まとめ
先手の勝ち筋がいろいろありましたが、どれがわかりやすいでしょうか。詰将棋が苦手な人には
41竜61角81銀
単に61銀
これらはわかりやすいほうだと思います。「玉の腹から銀を打て」は、明らかに王手ではないですが、詰めろになっている場合も多いです。金で王手するよりも金を残しておいた方が詰みやすい「金はとどめに使え」も割と当てはまりやすい将棋格言です。(ここでは銀を残す方が正解という詰み筋がありましたが。)
それから63金あるいは63銀
上から迫り、飛を取られても詰むという手は優先して考えるべきです。63同歩以下が悩みますが。
どれも詰めろが続きやすい形でした。