名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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大山将棋問題集20191122

2019-11-22 | 大山将棋研究

先手番関根先生の手を考えます。

第1問

 

基本手筋です。

A 35銀  B 24歩  C 24桂

 

第2問

 

ここも矢倉崩しの手筋です。(どれも悪くはないですが。)

A 41銀  B 43桂成  C 23飛成

 

第3問

 

もう一息、間違えると逆転される手もあります。

A 33同金  B 25桂  C 41角

 

 

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大山将棋研究(1415);相矢倉(関根茂)

2019-11-22 | 大山将棋研究

今日の棋譜20191122

昭和45年11月、関根茂先生と連盟杯争奪戦記念対局です。

関根先生の先手番は決まっているのでしょう。当然振り飛車を見越して早くに68玉としたら、大山先生は84歩。後年では珍しいのですが、前局は横歩取りでしたから、大山先生が居飛車でも、そうなのね、という感じです。

今回が初めてか、大山先生は5筋を突き合う新しいタイプの相矢倉です。とはいっても49年前の将棋で、これが主流になったのは当時10年も経っていないはず。

大山先生は兄弟子にならって雀刺しです。端から攻めようというのが当時の新しい感覚でした。

今ならば14歩は突きませんね。棒銀で攻められて面白くないから。

関根先生の47銀37桂は(端が絡まないので)古い指し方です。これならば後手が作戦勝ちになりそうですが

端を突き合っている雀刺しなので、歩を渡さなければ98歩でつぶされることはありません。(よくあるのは先手が86銀と受けて、85歩97銀、後手は6筋から攻めるのですが。)現代風ならば95歩同歩75歩同歩同角と強引に攻めるのでしょう。

大山先生は端を詰めただけに終わりました。関根先生が攻める番です。45同歩に24歩同歩同角同角同飛23歩29飛、角交換は83角があるので先手が指しやすい、というのもありそうです。

桂を跳ねて銀が出るというのは力をためた攻め方です。45銀同銀44歩24歩同歩同角同角同飛23歩34銀24歩23歩で先手よし、というのはご存じでしょうか。

大山先生は攻める手が無いので51銀、これには35歩同歩33歩で

桂を交換して銀もさばき、先手十分です。

普通は44銀か44歩か、先手からの44歩を避けておくものですが、46角が桂に当たるので面白くないのでしょう。大山先生は37歩。これでは先手有利になるでしょう。

と金を作ってもう1枚36歩

後で入玉模様になれば働くのですが、35桂を打たれて44歩では先手よしです。(35桂では44歩が普通ですが。)

41銀には34銀。関根先生が攻め切れるかどうかという将棋です。

金を取って34歩。34同銀ではつぶれそうなので

33歩の受けに関根先生は35金を打って

金を出たら、大山先生は24角。飛の横利きを生かそうと。

駒得で攻めているのですから関根先生が有利です。33銀打の受けに

角を取っても悪くはないですが、33同金同銀43銀。34歩をねらい

34桂なんて打たれたら、喜んで飛を切ります。

32同飛同銀成同玉31飛~51飛成ではつぶれなので23玉しかなさそうです。

35歩に対して、大山先生の42銀引が勝負手。実は先手玉は金銀を持っていれば詰みがあります。

関根先生はだまされず34歩は詰めろ。大山先生の36と は詰めろ逃れで、と金が働いてくれば逆転もあり得ますが。

33歩成同銀41角も詰めろ。

35と27桂34と31馬と進んでほぼ必至(12玉が詰まないか)で投了です。

 

大山先生の相居飛車はいつまで見られるのかよくわかりませんが、攻め勝つのではなくて受けて勝つ方なのでしょう。と金作りなどにそれが現れていますが、さすがに今の目で見ると相矢倉ではおかしな手が目立ちます。

相矢倉の歴史では、

①46歩64歩型

②56歩64歩型

このあたりが古いはずで、その前に中央位取りにするものがあったかどうか。(63銀とするのは中央位取りに対抗するためのものか?)

③5筋を突き合って46角64角型から総矢倉の同型、これは仕掛けが難しい。

④5筋を突き合う47銀37桂型の登場

⑤雀刺しや棒銀での端攻めの登場;46銀37桂型は灘先生が指しているのでこの頃にもありました。

⑥飛先を突かない矢倉の登場、現代的な定跡が作られる

という流れだと思います。(この頃の相矢倉をたくさん見ているわけではないので異同があるかも。)

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1970/11/22
手合割:平手  
先手:関根茂8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 6八玉(59)
8 8四歩(83)
9 2五歩(26)
10 3三銀(42)
11 7八銀(79)
12 3二金(41)
13 5八金(49)
14 5二金(61)
15 7七銀(78)
16 6二銀(71)
17 7八玉(68)
18 5四歩(53)
19 5六歩(57)
20 4三金(52)
21 7九角(88)
22 9四歩(93)
23 9六歩(97)
24 3一角(22)
25 6六歩(67)
26 4一玉(51)
27 6七金(58)
28 7四歩(73)
29 3六歩(37)
30 7三桂(81)
31 8八玉(78)
32 9三香(91)
33 7八金(69)
34 9二飛(82)
35 6八角(79)
36 4二角(31)
37 1六歩(17)
38 1四歩(13)
39 4六歩(47)
40 3一玉(41)
41 4七銀(48)
42 2二玉(31)
43 3七桂(29)
44 9五歩(94)
45 同 歩(96)
46 同 香(93)
47 9八歩打
48 8五歩(84)
49 2九飛(28)
50 9六歩打
51 4五歩(46)
52 同 歩(44)
53 同 桂(37)
54 4四銀(33)
55 4六銀(47)
56 5一銀(62)
57 3五歩(36)
58 同 歩(34)
59 3三歩打
60 同 桂(21)
61 同 桂成(45)
62 同 銀(44)
63 2四歩(25)
64 同 銀(33)
65 3五銀(46)
66 同 銀(24)
67 同 角(68)
68 3七歩打
69 7一角成(35)
70 3八歩成(37)
71 2七飛(29)
72 3六歩打
73 3五桂打
74 3七歩成(36)
75 2六飛(27)
76 4四歩打
77 4一銀打
78 3四銀打
79 4三桂成(35)
80 同 銀(34)
81 3四歩打
82 3三歩打
83 3五金打
84 3四歩(33)
85 4四金(35)
86 2四角(42)
87 3二銀成(41)
88 同 銀(43)
89 3四金(44)
90 3三銀打
91 同 金(34)
92 同 銀(32)
93 4三銀打
94 3四桂打
95 2四飛(26)
96 同 歩(23)
97 5三馬(71)
98 4九飛打
99 3二金打
100 2三玉(22)
101 3五歩打
102 4二銀(33)
103 3四歩(35)
104 3六と(37)
105 3三歩成(34)
106 同 銀(42)
107 4一角打
108 3五と(36)
109 2七桂打
110 3四と(35)
111 3一馬(53)
112 投了
まで111手で先手の勝ち

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