名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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SS1-13 角道オープン四間飛車(8)

2023-08-12 | 基本定跡の研究

角交換四間飛車から少しだけ離れますが

後手が角交換しないで44歩も突かないのが角道オープン四間飛車です。角交換四間飛車はその一分野ということになるのでしょう。とりあえず78玉82玉25歩72銀

ここは24歩同歩同飛88角成同銀33桂・・・というのあります。先手が悪くはないですが、それほど得でもないようです。58金右と様子を見た時に、後手が33角とすることもできます。

このタイミングで上がるのは知らなかったのですが(76歩34歩26歩33角は知っていましたが)、調べてみると小森悠太先生が、ひとつ前の72銀のところで33角と上がる形の本を出しているみたいですね。33角成同桂24歩同歩同飛に22飛とぶつけてしまえば、、先ほど書いた1つ前の図で24歩同歩同飛88角成同銀33桂よりは得でしょう。まあそんな違いはあるのですが、先手が突っ込んで指さなければ、33角成同桂88玉22飛78銀

左美濃にすることはできます。先手の手損はなく、後手は向い飛車に振り直したので1手損です。ダイレクト向い飛車だと飛の動きは手損ではないけれど、後手から角を交換するので1手損という関係があり、ならばこの形にするのは後手に利点もありそうです。ただAIの評価値では+160ほどなので、先手に不満はありません。従来の指し方だと

先手は47銀型から腰掛け銀、後手は53銀~21飛~42金というのが良く見られる形でしょうか。さらに駒組を進めて

後手は片銀冠、先手は銀冠に変形します。後手はそろそろ動き出したい頃で、64銀67銀55銀

先に腰掛け銀をかわされても左銀を進出させ、56歩に66銀同銀39角48飛

48角成同金69飛45歩29飛成(66飛成のほうが有力)46角64桂

これで互角とされていました。でも評価値では+418の先手有利です。75歩45桂67銀39龍58金・・・が第1候補です。85歩や57金や58金や47角や47銀、どれも先手が指せるようです。なので後手は29飛成よりも66飛成なのか、となるのですが、戻って

この図の評価値は+12と低いのです。後手が左銀を繰り出すのは間違いだったようで、

後手にとって一番良い手段は25桂。「25桂ポン」と呼ばれます。こんな序盤が終わろうかという頃に出現するのは珍しいのですが(もっと早くに指されることはあった)、ここが一番良いようです。25同飛24歩28飛25歩37桂26歩

先手は歩切れだし、39桂49角もまずいでしょう。ここで45桂と25桂打に岐れます。45桂は64銀29飛27歩成

65銀28と89飛19と

この図の評価値は+67、互角です。先手てしては、というか、対振り飛車の終盤としては不満でしょう。

ということで戻って

ここは25桂打のほうが正解です。35歩にも(26飛15角27飛36歩ではなく)同歩36歩

先に桂をもらっているので損はしていません。45桂25飛53桂成同金

ほぼ必然で駒を取り返して、65桂52金61銀

62金左72銀成同金とはがして、34角24飛29飛37歩成

25歩34飛同歩36と

この辺りでは評価値は+100を超えて回復しています。52飛46と62金44角・・・という進行ですが、他の順もあるでしょう。先手もちの終盤ではあります。

対応は出来ましたが、先手は「25桂ポン」に対して不用意な駒組なのでした。

 

コメント
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