昨日の話の続きで、後手が角交換四間飛車から向い飛車に転じて、銀で3筋の歩を交換した変化です。
38飛32飛というのは面白くありませんでしたから、常用手段である66角が最善のようです。44角に36歩と打って
単に36歩を打つよりも1手得を主張してみます。66角同歩44銀75歩
先手は玉頭位取りに移行します。少し駒組を進めて
そろそろ76銀と位を確保したいのですが、駒が上ずってくるので、54角の筋(35歩同歩同銀36歩同銀54角、ただし大したことはない)、あるいは68金右と固めると38歩同飛49角の筋でねらわれてしまいます。気をつけながら駒組を進めても
この図の評価値は0近辺の互角です。手得が生きていません。角歩を持たれているので、金銀が片寄ってくると隙が生じやすいのです。
困ったときにはAIに聞いてみます。この図から
66角同歩44銀には96歩94歩65歩
75よりも65の位を取るほうが良いと。52金左37桂84歩
先手は75の位も取るのもあるようですが、68金上74歩45歩
33銀56銀83銀66角
35歩~34歩の筋もみせておきます。後手も73角を打って、47金54歩35歩44歩
44同歩には42飛でなんとか受けています。先手からすぐに44同歩と取る必要はありません。86歩72金29飛62金左として
今度は85歩同歩97桂と揺さぶります。
93桂には89飛から攻めていきます。地下鉄飛車はAIの好きな指し方なのです。84角と受けても、同角同銀89飛73桂66角
83玉には44歩~86歩同歩同銀が見えるので、83金と受けるのですが、やはり44歩と取り込むと
42飛には84角同金51銀から と金ができそうです。なのでこの図は先手有利、評価値は+454です。
他の変化でも取り上げましたが、玉頭位取りはあまり有効ではないようです。手得を生かしにくいからでしょうか。