結果速報です。
A級優勝
青木一さん

前川海里さん

花井進さん

B級優勝
荒島栄一さん

本郷聰弘さん

瀧本洋満さん

C級優勝
吉田和史さん

D級優勝
山村信太郎さん

優勝おめでとうございます。
参加いただいた皆様ありがとうございました。
過去12回分の優勝記録です。

20190127今日の一手
9月30日の名南将棋大会から、KさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の2歩損ですが持ち歩があるので損得なしと見ます。
玉の堅さは同程度なのですが、48金上を省略して5筋を攻められているので、先手玉のほうが薄いのです。19香と94香の違いは互いに28銀82銀が壁なので小さな違いです。互いにほぼ同じ囲いを選択している場合は小さな差が大きな差になることがあります。
先手の攻め駒は76飛55角85桂で3枚。後手の攻め駒は54飛24角56銀で3枚。
総合すれば互角か後手もちです。
☆ 大局観として
先手は48金上を省略して先攻したのですが、後手から中央を攻められて、少し苦しくなりました。ここで互角以上にもっていければよいのですが。
自分から攻めたのに自陣に手を戻すというのは危ないです。しっかり守れれば良いですが、中途半端にしかならないならば受けずに攻めるほうを考えます。(攻める前に守っておくべきです。)
ということで攻めるほうを勧めますが、どの筋でしょうか。
△か× 受けの代表としては48金上です。
57歩68金46歩同歩47歩
しかし当たりが強くなったという意味もあり、一手の価値としては小さそうです。
他に84歩
で攻めを催促したときに困っているのではないかと思うのです。
他の守りの手、39銀、26歩、なども84歩の時にどうしたものか。
× 46角とぶつけると
46同角同歩57歩68金67角
角を渡すので後手に攻めの手段が増えます。
○ 実戦は57歩でした。受けというか攻めを催促したというか。これに後手は65銀としたのですが
ちょっとびっくりしますね。これにだまされました。65同銀55飛56銀54飛65銀87角
飛車を取り合って銀取りが残り、先手の敗勢です。怪しく追い上げましたが足りませんでした。
65銀には82角成
で二枚換えにしてしまえばよかったのです。疑問手(65銀)に疑問手(65同銀)で返すと最初の疑問手が絶好手になる、という例でした。
さて先手は57歩を打ったのですから45銀と引いてもらえる
と考えていたはず。これならしっかりした受けです。64歩(十字飛車ねらい)84歩74飛83玉
を攻めきれるか。75銀55飛84飛72玉74銀
角を捨てていますが、94香を取ることができますし、83歩、73歩、63歩成、攻める筋がいっぱいありますから先手が有利になるのだろうと思います。
もう少しわかりやすいのは(思いつきにくいですが)63歩成
74飛52と同金75歩
飛金交換でも先手玉が手つかず、攻めさえ続けば先手有利なのです。後手が85桂を取り切る余裕がありません。
ただし57歩には同銀不成(か57同銀成か55飛からか)
この銀を取ると駒損になります。82角成同玉57銀同角成同金同飛成
手順前後がいろいろあるのですが、この図に合流します。一目は46角で、同竜同飛67角41飛成51歩
先手玉の薄さが目立ちます。85桂取りと49角成の筋があって後手有利なのです。
戻って46角ではなく74飛
が正しく、後手玉は詰めろです。73歩91銀同玉94飛82玉58香
田楽刺しで先手が少し指せそうです。
○ 57歩に対する後手の応手があれこれあるので、単に64歩のほうがシンプルです。
84歩74飛83玉63歩成
74飛52と同金75歩が
先手よしだというのはほぼ同じです。
後手から57歩というのが悩ましいところで
48金寄46歩同歩47歩
47同金同銀成同玉55飛同銀65角
と攻められると厄介です。
46歩を同角と取って
46同角の時に74飛61玉94飛64角55香
55同角は54飛ですから、55同飛同銀同角53歩
先手の駒損ですが、5筋に拠点を作って92飛成とできるのでまずまず指せそうです。
× 他の手としては73歩61玉
は十字飛車の筋が消えてしまいます。
×か△ 53歩同金直
というのも効果が見えません。
× 86飛84歩
ゆっくり攻めの形を作ろうとするのもだめでしょう。
△ 93歩は有力ですが
やはり57歩48金寄46歩同歩47歩
は嫌な攻め筋です。王手飛車(65角)はないですが、47同金同銀成同玉55飛同銀67角
飛金両取りの筋があります。
先ほどの応用で46歩に同角として92歩成とするのは
角を逃げられて悪いです。
金を68に逃げて
46歩同歩93桂同桂成同銀86飛82銀
後手から43桂があり、それ以上の手が難しいです。
☆ まとめ
攻める手段としては74飛をねらうしかなさそうです。これはそれまでの攻めにかけた手が74飛~94飛の十字飛車をねらっているからでした。前に指した手を生かさないと形勢を損ねます。
問題図の少し前は
74飛をねらい、45銀55角64飛66銀56歩同歩同銀という進行だったのです。問題図だけ見てもわかると思います。
48金上を省略して攻めたのですから、攻め足が止まってはいけません。64歩が本線で、その前に57歩が利くかどうか。素直に引いてはもらえないだろうと、打つならばその先の変化をよく読まねばなりません。
57歩を打たないで攻める手を考えて、後手からの57歩が厳しすぎると感じた時だけ、仕方なく打つものなのだろうと思います。
20190125今日の一手
9月30日の名南将棋大会から、YさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
銀角交換で先手の駒得です。ただし穴熊では金銀の価値が高くなっているということもあり、評価は控えめに。
玉の堅さは同じくらいとみる(金銀3枚で守っている)のですが、遠さでは後手が優ります。
先手の攻め駒は71飛97角と持ち駒角で3枚。
後手の攻め駒は78飛は微妙ですが数えておきましょう。68銀45桂と合わせて3枚です。
総合すれば互角です。
何手で詰めろかを数えてみると、後手玉は42角成~41飛成で詰めろ、現状は3手すきです。
先手玉は69銀不成~58銀成で詰めろ。現状は3手すきです。
先手番なので先手有利です。
☆ 大局観として
形勢は互角に近く、寄せ合いは先手の1手勝ちかというところです。ただ後手の穴熊は遠いというか深いので、金銀を打って守る粘りが利くかもしれません。寄せ合いは慎重に読んだ方が良いです。
先手玉は舟囲いのようになっていますが、横から攻められるのには案外に堅いです。
受けを考えるのもありそうです。先手は駒得、後手の攻め駒は3枚、78飛の利きが止まっている瞬間ですから。
△ 72飛成は自然な駒得です。
69銀不成(2手すき)59金引57歩成
69金とする余裕はないです。42角成48と同金左56桂
後手玉に詰み筋がないですね。先手玉は詰めろなので寄せ合い負けです。
先手の工夫は42角成ではなく89角
受けに回ってどうか。48飛成同金左56歩
歩切れなので58歩と受けられません。銀を埋めるのではじり貧、42角成48と同金57歩成
これも先手玉が詰めろです。
であれば56歩を同角
と取って角を使います。56同と42角成同金同竜31銀打
この図が結構難しくて、駒を渡すと後手の57桂成が47と からの詰めろになるかもしれないのです。駒を渡さずに詰めろというのも難しく、形勢不明です。
○ 42角成から
攻めると次の41飛成が詰めろになります。つまり2手すき。後手は取るしかなく、42同金31角
32金22角成同金72飛成ではだめ(次の31銀が詰めろ)なので、31同銀同飛成33角と受けるくらいです。32銀
(これ以外にも寄せ方はありそうですが)32同金同竜22銀72竜
次の32金が詰めろなので後手玉は2手すきのままです。駒を取って(攻め駒は4枚)、後手玉は2手すき先手玉は3手すきなので先手が勝てるでしょう。
○ 実戦は55角でした。
後手は守る手が見当たりません。69銀不成に42角成(詰めろ)同金31金(詰めろ)61角
これで難しいのです。72飛成同銀32銀同金同金44銀
詰めろが続かなくなって先手Hさんの寄せ合い負けに終わりました。
途中31金がまずく、22角成
角2枚を切ってしまう(どちらから切っても良いです)のが実戦的です。22同玉31銀33玉42銀不成同玉72飛成
合駒か33玉か変化は多いですが、これならば詰めろが続くでしょう。難しくないです。
○ 受けるほうを考えてみます。56歩は
後手の57歩成の攻め筋を避けた手です、69銀不成59金引57桂打
というくらいか。69金は少し怖いので、39金58銀成同金同飛成76角
69竜に53銀
というのが良いのでしょう。(72飛成52歩は今一つです。)76角がよく受けに働いています。
△か○ 68同金は
68同飛成に58銀と埋めるのですが67金
67同銀57歩成ではつぶされます。42角成同金59金打
金を取って埋めれば受けきれている感じがします。
× 67金は
69銀不成に56金
金をかわして56歩を取ってしまいます。これならばまあまあですが、
67金に57歩成
57同桂同銀成に89角
という粘りが利くかどうか。48成銀同金同飛成同玉57歩59歩28銀
強襲をくらって危ないです。
○ 67角は
後手の飛車を逃げるところがありません。69銀不成78角同銀成72飛成
角桂と飛銀を交換したというやりとりです。78成銀が働かないので、先手の攻めのほうが明らかに速いです。
○ 89角でも
同じことです。
☆ まとめ
寄せ合いを考えるならば
72飛成と銀を取るのでは1手パスのようなものです。後手に61に駒を埋められることがなければ必要がないのでした。
42角成(41飛成が詰めろ)42同金31角と攻めて、61角などの受けが間に合わないのです。穴熊の粘りがあるのでしっかり読まねばなりませんが、後手に金を渡さないので寄せやすいはずです。
実戦の55角も良い手でしたが、角2枚を切って寄せてしまえばよかったのです。
受けるのならば、駒を打つ方が手堅い原則で、67角か89角から考えます。ちょうど後手の飛車が逃げられないのでした。
先に受けるほうが手堅いというのももう一つの原則で、72飛成と攻めてから受けるよりも簡単です。
他にも56歩や68同金から受ける手もありました。