十年前の9月9日、つまり1999年9月9日にモーニング娘。の「LOVEマシーン」が発売されました。あなたは十年前、何をしていましたか?
LOVEマシーン(モーニング娘。)
私は十年前はヲタやっていませんでした。やっていなかったのですが、ASAYANなどでモーニング娘。の歌は知っていました。福田明日香の卒業で安倍なつみ1TOPにしたはいいが、セールス的に落ち込んでいたのも知っていました。
ASAYANで企画されたチャート対決で、プロデューサー小室哲哉氏の在籍していたグループTMNの曲をカバーした鈴木あみの「BE TOGETHER」に完敗したモーニング娘。の「ふるさと」は、なっちのソロ曲と言ってもいい構成。このままモーニング娘。はエース安倍なつみと共に沈んでいくのかと思われた矢先、「金髪中学生」後藤真希が加入し、そして「LOVEマシーン」で一気に息を吹き返したモーニング娘。でした。売上20万枚を切った「ふるさと」から、170万枚を超える大ヒットを記録した「LOVEマシーン」。この辺りのストーリーは、出来すぎなくらいにドラマチックだったと今は思います。もうこんな凄いドラマはモーニング娘。にやって来ないのでしょうか?
女性アイドル史上空前の大ヒットとなった「LOVEマシーン」。おそらく、街を歩く人に知っているか?と聞いたら9割くらいの人は知っていると答えるであろう有名曲。まだ、国民的大ヒットというものが存在していた時代。20世紀の出来事です。
この大ヒットでモーニング娘。にはOL層のファンが多く付き、新曲が発表されると女性週刊誌に振り付け講座のページが用意されるような状態が2002年くらいまで続きました。
しかし、大人気沸騰中な中で新加入した四期メンバーが四人中三人が中学生であったため、OL層が徐々に離れ始めました。やはり、高校生ならまだなんとか見ていられるが、女子中学生はちょっと応援しづらいという大人の心理が理由でしょうか。ここ数年のハロプロしか知らない人には驚きの現象かと思いますが、それだけ当時のモーニング娘。は一般的な人気者だったのです。中学生以下メンバーが大勢いて、しかもその子達がヲタ人気を得ている今のハロプロとは別世界。
しかし、事務所が巧かったのはそこから。OL層人気を低下させたメンバーを使って、今度は違う層にアピールした。結果、全国の小学生を中心とした女の子達に大ヒットした「ミニモニ。」です。
LOVEマシーン~ミニモニ。で企業体力を増強した事務所は、更に攻勢とばかりに松浦亜弥を世に送り出しました。ハロプロでモーニング娘。ではない人気者が現れた事によって、ハロプロの層の厚みが増したのでした。
、つまり、今のハロプロがあるのは「LOVEマシーン」のおかげと言っても過言ではありません。冗談ではなく、大真面目にそう思います。
ハロプロのこういう歴史を語れる面白さ、モーニング娘。のドラマの連続性などは、アイドル界に他に類を見ない面白さです。それを理解した上で敢えて書きます。
「LOVEマシーンは無かった事にしよう!」
LOVEマシーンイラネという話ではありません。確かに、現場で一番多く観た曲かもしれません。娘。だけでなく、エッグまでカバーしてライブで歌ってますからね。ハッキリ言って飽きたのは事実ですが(苦笑)。
でも、そういう意味ではなくて、今のハロプロにとってLOVEマシーンという国民的大ヒットナンバーは無かった事にしようという提案です。
これは、当時のメンバーがハロプロに現在居ないからという意味だけではなく、「LOVEマシーンのモーニング娘。」という看板やプライドを、メンバーもスタッフも捨て去れ!という提案です。
確かに、LOVEマシーンは空前の大ヒットだった。1999年の忘年会は、あちこちのカラオケでLOVEマシーンが歌われた時代。大衆音楽に関わる者として関係者には、こんな嬉しい事はなかった事でしょう。
しかし、今のハロプロはそんな大きな大衆性はなく、ほとんどのメンバーが世間的には無名。だから、歌番組やバラエティに出演するためにモーニング娘。が元モーニング娘。の知名度を借りて出演している状態。これはハッキリ言って芸能界的には新人が使う手段です。ドラマで、人気女優の主演作に同じ事務所の新人が出演するのと同じです。
事務所が開き直って(?)新人的な売り込み方で、名より実を採る戦略なのは、それ自体は良い事だと思います。まさに、昔の名声にすがったりせず、今の娘。に出来る事を模索した結果の戦略なのでしょう。
だからこそ、次のステップは、まっさらな新しいモーニング娘。で勝負すべきです。世間は今のメンバーの顔と名前はわからずとも、今のメンバーがLOVEマシーンを歌っていた時代には在籍していなかった事は知っています。
今のモーニング娘。のデビュー曲は「女に幸あれ」です。通算40枚もシングル出していません。そういう気持ちで。
モーニング娘。の歴史は素晴らしい。ここ最近のテレビ出演時での中澤姐さんの現メンへの気遣いは素晴らしかった。だからこそ、過去から過去を学んでも、過去から過去は振り返らない。今のモーニング娘。は今一度気持ちをリセットしてみたら、何か次への道が開ける。そんな気がしています。
そして、これはモーニング娘。だけの問題じゃない。今のハロプロは物事を上から見下ろしていては、何も生み出せないと思っています。
<今回の一曲> モーニング娘。 21世紀 (LOVEマシーンのC/W曲)