一般に言われているであろう麺棒の長さについて
延し棒は 80~90cm 巻き棒は 100~110cm となている。
そば打ちの寸法表をエクセルで作成していて、ふと思い至ったことがある。
ある人が、自前の道具でそば打ちをしていて、「巻き棒が短いよ」と言われたという話を思い出した。その方は、700gを延し棒、巻き棒ともに90cmの麺棒で打っていたそうである。
1kg以上のそばを打つ場合、丸出し60cm以上(ここで必然的に延し棒は60cm以上+両側10cmとすれば=80cm以上となる)
四つ出しして四角形になるとその寸法は、最小でも60cmの円に接して、円を内包する四角形になることになるから四角形の1辺の長さは60cmだ。
すると、四つ出しで巻いている辺は四角形の対角線になるから、対角線の長さは2辺が60cmの二等辺三角形の長辺長であり、60cm×ルート2だから、85cmということになる。
85cm以上+両側10cmとすれば、巻き棒の必要長は105cm以上
「巻き棒が短いよ」と言われたのは、実は「丸出しが小さいよ」と言われているのと同じことだ。(単純に短かっただけかもしれないが。)
奇しくも井月庵は「四つ出しの最初から巻き棒を使いなさい」とご指摘いただいたが、これも「ちゃんと四つ出しすると、90cmの延し棒では、持ち手がなくなって作業しずらいよ。」ということが、延し棒が「シブくなる」ことに加えて含まれているのだ。
作業工程に合致した道具を使うということの重要さが解る。
さて、巻き棒を110cmとすると、四つ出しの最大寸法は90cm(t=3mm)となる。
井月庵の寸法表では92cmとしたが、92cmの斜辺長の四角形の一辺は65cm、つまり延し棒も85cm≒90cmとなる。
70cmの丸出しをすると、巻き棒は110~120cmくらい必要ということになるし、なぜ90、110cmが一般的なのか必然性を理解するに至った。(つもりでいるだけかもしれない)
「巻き棒が短い」とか、「四つ出しの初めから巻き棒で」と言われた言葉に、なんと深遠な含蓄があったことか!
もう少し、補足・説明していただけると、すぐに思い至るかもしれないが・・・
井月庵の様にいつまでも細かく考えているのは流行らないのかもしれないが、理系のオヤジはこういう癖がある。