天然石標本～桜色のカルサイト～（追記有り）

今日から師走です。
早いもので今年も残すところ一ヶ月。
実は昨日からブログをクリスマス仕様にしてみましたが
お気づきいただけたでしょうか？


今週二つ目にご紹介する天然石は
ピンクカルサイト――桜色をした方解石です。
とても素敵な画像が撮れたので
どうしても先にこちらを紹介したくなりました。
昨日予告しましたラブラドライトの方は
明日改めてアップしたいと思います。
楽しみにしていただいた方には申し訳ありません。


『Calcite』
　産出地不明
（この間、参加した池袋のミネラルショーにて
　どうやらこの手の桜色の方解石（カルサイト）は
　メキシコ産に多いことが判明しました）





まるで桜寒天と見紛うばかりの
淡く透明なピンク色の菱形結晶です。
さりげなくお茶請けで出されたら
うっかり口にしてしまいそうですね（笑）


以前からずっと欲しかった石だったのですが
手の平に乗るぐらいの好みのサイズに
なかなか出逢えなくて
ようやく10月のジェムアート展にて
見つけることができました。





光の加減を変えて撮影してみました。
透明感が一層際立ち
桜寒天というよりは
むしろ桜色のゼリーのようです。


「どこまでも、マッチ箱を
押し潰したような形に割れる」
と称される劈開性の性質が強い方解石は
衝撃に弱く
また、複屈折が大きいので
『ダブル・リフラクティング・スパー』とも呼ばれ
文字の上に乗せると二つにダブって見えるという
ダブリング効果があります。


以前ブログで『コバルトカルサイト』について
ご紹介したと思いますが
本来、方解石の一般的な形状はむしろこちらの菱形の方。
同質異像（＝化学組成が同じで、
結晶構造が異なること）の関係にある
アラゴナイト（霰石）といい
何故かお菓子によく似た美味しそうな石が多いです。


それでは次回更新は明日
今度こそラブライドライトをご紹介したいと思います。