新東宝が潰れる直前に世に出した傑作作品
そう大蔵貢を社長の椅子からひっぺがして起死回生って言うことで1961年に製作した作品のようですが
これで息を吹き返すことなく当時の日本映画界は六社から五社になってしまったんですね(現在では4社ですが東宝さんは一切映画製作せずに配給のみですから三社って言うことかなぁ)
って言うことでいつものとんでも新東宝映画とはひと味も二味も違った作風で
他社のプログラムピクチャーに引けを取らない作風の映画に仕上がっているのは多々良純さんとジェリー藤尾のおかげでしょうね
90分の尺の映画ですが前半は刑務所脱出のサスペンス
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後半はダイヤを探して欲望のまま自滅していく6人の脱獄囚の姿を見つめていく映画
現在新東宝の作品がコンスタントに毎月DVDリリースされている<新東宝キネマノスタルジア>レーベルの記念すべき第一弾としてセレクトされた作品
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それまでは名画座で新東宝映画特集が組まれないと簡単に見ることが出来なかった作品
私も前職場ですが定年間近の映画好きな先輩から衛星放送の録画VHSをもらった記憶があるが
そのVHSがどこかに行方不明であり
これは個人的に衛星放送からBlu-rayにエアチェックしておいたものの試聴です
何回めかの視聴ですが、今見ても色あせない面白い作品ですよね
先に多々良純さんで持ってる映画って言う書いたんですが
この映画ジェリー藤尾さんの破天荒なキャラが多々良さんと天知さんによってかなり生かされていた作品と言える
若くして亡くなられた土井通芳監督の切れの良いカットと脱獄してからのロードムービー的な移動撮影が映画に緊張感を醸し出させており
若くして亡くなられた土井通芳監督の切れの良いカットと脱獄してからのロードムービー的な移動撮影が映画に緊張感を醸し出させており
さらに随所に挿入されるジェリー藤尾の”ぎらぎら“って歌う主題歌がさらに音楽って言うだけでなく映画にテンポも与えているだけならともかく、和太鼓をドラム風に叩いて見せたり
半鐘の使い方も見事だし、当時タイアップして居たと思われる宣伝カーの音楽も見事、
ただ惜しむらくはラストの太陽が何故かぎらぎらってならなかったとこだけが惜しまれる
とても心地よく最後まで見てられるのは上に書いた要素のほかに
こっちにはハナからオチが想像できておりそこに向かって破滅していく途上人物たちの死に様殺され方にカタルシスを感じるからでしょうね。
こっちにはハナからオチが想像できておりそこに向かって破滅していく途上人物たちの死に様殺され方にカタルシスを感じるからでしょうね。
1961年製作、日本映画、新東宝作品
土居通芳共同脚本・監督作品
出演:ジェリー藤尾、多々良純、天知茂、沖竜次、晴海勇三、星輝美、万里昌代、中岡慎太郎、三宅実、小野彰子、鈴木信二、林寛、津路清子