MOMENT

レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、店舗型レンタル店の残日録。

地平線がぎらぎらっ

2023-04-11 20:08:33 | 邦画
新東宝が潰れる直前に世に出した傑作作品
そう大蔵貢を社長の椅子からひっぺがして起死回生って言うことで1961年に製作した作品のようですが
これで息を吹き返すことなく当時の日本映画界は六社から五社になってしまったんですね(現在では4社ですが東宝さんは一切映画製作せずに配給のみですから三社って言うことかなぁ)
って言うことでいつものとんでも新東宝映画とはひと味も二味も違った作風で
他社のプログラムピクチャーに引けを取らない作風の映画に仕上がっているのは多々良純さんとジェリー藤尾のおかげでしょうね
 
90分の尺の映画ですが前半は刑務所脱出のサスペンス
後半はダイヤを探して欲望のまま自滅していく6人の脱獄囚の姿を見つめていく映画
現在新東宝の作品がコンスタントに毎月DVDリリースされている<新東宝キネマノスタルジア>レーベルの記念すべき第一弾としてセレクトされた作品
それまでは名画座で新東宝映画特集が組まれないと簡単に見ることが出来なかった作品
私も前職場ですが定年間近の映画好きな先輩から衛星放送の録画VHSをもらった記憶があるが
そのVHSがどこかに行方不明であり
これは個人的に衛星放送からBlu-rayにエアチェックしておいたものの試聴です
何回めかの視聴ですが、今見ても色あせない面白い作品ですよね
 
先に多々良純さんで持ってる映画って言う書いたんですが
この映画ジェリー藤尾さんの破天荒なキャラが多々良さんと天知さんによってかなり生かされていた作品と言える
若くして亡くなられた土井通芳監督の切れの良いカットと脱獄してからのロードムービー的な移動撮影が映画に緊張感を醸し出させており
さらに随所に挿入されるジェリー藤尾の”ぎらぎら“って歌う主題歌がさらに音楽って言うだけでなく映画にテンポも与えているだけならともかく、和太鼓をドラム風に叩いて見せたり
半鐘の使い方も見事だし、当時タイアップして居たと思われる宣伝カーの音楽も見事、
ただ惜しむらくはラストの太陽が何故かぎらぎらってならなかったとこだけが惜しまれる
 
とても心地よく最後まで見てられるのは上に書いた要素のほかに
こっちにはハナからオチが想像できておりそこに向かって破滅していく途上人物たちの死に様殺され方にカタルシスを感じるからでしょうね。
 
1961年製作、日本映画、新東宝作品
土居通芳共同脚本・監督作品
出演:ジェリー藤尾、多々良純、天知茂、沖竜次、晴海勇三、星輝美、万里昌代、中岡慎太郎、三宅実、小野彰子、鈴木信二、林寛、津路清子
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人質 韓国トップスター誘拐事件

2023-04-11 05:05:38 | 韓国映画
国民性から来てるのでしょうか、韓国映画独特のエグさに惹かれてDVDになってる作品は必ず見るようにしている韓国映画。
最近私の好きだったあのエグさが薄れてきてるなって感じるものの、それだけインターナショナルに垢抜けてきたとも言えるものの
その映画作法においては一筋縄ではいかない作品の多いこと
 
って言うことでこの作品もその例にもれない作品となっています。
見終わって調べたら一応事実を元にして作られた中国映画「誘拐捜査」のリメイクだそうですが
韓国版はなんとファン・ジョンミンが本人役で誘拐される役を演じると言うサスペンスアクション作品
まず本人が本人役で出演してる関係からなんとプロットの随所に楽屋オチのネタが転がっていたりするんですね
なんと明日のスケジュールの件でバレるとあかんやろって
マネージャーに電話かけますが、マネージャーは電話に出ないから。友人の俳優パク・ソンウンに電話します
ってことでなんとこれまた本人役でパク・ソンウンがご出演
さらにマネージャーに連絡してくれと言うほかに、記者のチェ・チョルギとソ・ドチョルの2人にも謝るように伝えて欲しいと名前を繰り返します
この二人実は過去にファン・ジョンミンが前者は「生き残るための3つの取引」で、後者は「ベテラン」で演じた役名だったのです。
パク・ソンウンからその名を聞いたマネージャーは事件を知るきっかけに・・・
まぁ韓国映画通ならば泣いて喜ぶ楽屋オチ
さらに事件解決した2年後にはこの誘拐事件の映画化作品にパク・ソンウンがファン・ジョンミン役で主演してる現場に慰労で現れるジョンミンと言った塩梅です
 
っていうか、いつもならおバカ韓国警察もこの映画では完全におバカ返上で
女刑事は実に勘も鋭くちゃんと警察機能が働いているんですが
誘拐犯の首謀者がちょっと頭がキレるのと、かなりなサイコパスで
この人ありきでかなり面白く見られた作品でもあったような気がする
彼の存在によって警察が翻弄されるって言ったプロットにもなっており
十分いや十二分に楽しめた作品でした。
94分って言う尺も緊張感が途切れずに丁度良い長さだった。最近ダラダラと二時間も尺を伸ばして作られる映画よりスッキリと緊張感が途切れずにみてられる尺だったかなぁ
 
2021年製作、韓国映画(日本公開作品)
ピル・カムソン脚本・監督作品
出演:ファン・ジョンミン、イ・ユミ、リュ・ギョンス、キム・ジェボム、イ・ギュウォン、パク・ソンウン
コメント (2)
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