クラシックな音楽的生活

日々、家の中にヴァイオリンとピアノの音が流れています。

悔し涙

2014-12-08 | 上の娘ごと

日曜日は、K先生門下発表会でした。

上の娘は、付属高校時代の友達で現在アメリカ留学準備中のAちゃんと、

ブラームスのヴァイオリンソナタ第2番 第1楽章を演奏しました。

Aちゃんとは付属高校時代、文化祭で、

チャールダッシュやディズニーメドレー等を一緒に楽しく弾いたことがあります。

今回は発表会ということで、お互い真剣に練習し、何度も合わせ練習をし、

K先生、Y先生にも数回に渡って見ていただき、作り上げてきました。

当日も朝8時ごろ、Aちゃんのお宅(お兄ちゃんと二人暮らし)にお邪魔して、

最終合わせ練習をし、午前中のリハーサルに参加、本番に備えました。

出番は、18番目。

2人揃って舞台に出てきた時、なんとも良い雰囲気が漂っていました。

2人とも、付属高校には2年生から編入で入学しました。

その時からずっと親しくしています。

楽器は違うけど、お互い刺激を受け合いながら、確実にレベルアップして、

良い関係を築いてきました。

そうした仲の良さや信頼感のようなものが雰囲気に表れていたのだと思います。

ブラームスのソナタ2番は、決して派手な曲ではありませんが、

穏やかで優雅、綺麗な旋律の曲です。

最初は面白みに欠けるような気がしましたが、

聴けば聴くほど、その深い味わいがわかってきます。

このところ、K先生が出される課題が超絶技巧曲にばかり偏っていたのですが、

久しぶりの技巧に走らないゆったりとした曲。

だからこそ、音の美しさや、音楽性がより問われます。

冒頭、ピアノの旋律にヴァイオリンが相槌を何度か打つ感じで始まります。

会話しているみたいにね。

Aちゃんはピアノ演奏家コース出身、音楽性も素晴らしいです。

娘も美しい音が出ています。

2人、とても素敵です。

心地よい音楽が続き、終わりに近づいた頃、それは突然起こりました。

これまでに何十回とこなしてきた発表会やコンクール、試験の本番で、

一度もやったことがないことを今回初めてやりました。

音楽が完全に止まりました。

暗譜が飛んだのです。

本番に強い上の娘の初めての大きなミス。

何小節飛んだでしょう。

後で本人に聞いたところ、「初めて頭が真っ白になるという経験をした。」

と言っていました。

でも、その後は何事もなかったように立ち直りました。

これも本人が後で言ったことですが、「失敗はその場できっちり忘れた。」

だから、引きずらずにそれまでの音楽に戻って来れたみたいです。

その後は、最後まで最初と同じレベルでしっかり弾ききることができました。

しっかりお辞儀をして舞台を降りましたが、

その後はワーッと先輩に抱き着いて大泣きしたようです。

私も、泣いているかもしれないなと思いましたが、

そのまま留まり、次の2人の演奏を聴いてから出ました。

結果的にとても良い経験をしたと思います。

これまで、大きな失敗をしたことがないことの方が不思議なくらい。

試験ではなく、発表会でやっておいて良かったとも思うし。

娘のために、付け加えておきますが、

通常、ソナタでは楽譜を置きます。

ピアノはもちろん置いています。

コンチェルトなど、ピアノに伴奏してもらうような曲は必ず暗譜ですが、

ピアノとヴァイオリンが同等で、掛け合いのようなソナタでは、

ヴァイオリンも楽譜を置くのが通常です。

が、K先生は暗譜でやりなさいとおっしゃいました。

それを聞いて私もびっくりしましたが、

暗譜でできるくらい練習していないとダメだということなのです。

この場合、自分の楽譜だけではなく、ピアノ楽譜もということです。

ピアノ楽譜も暗譜していないと、ソナタは弾けないということです。

K先生は音がすべて頭に入っていらっしゃる恐るべき方。

ピアノが一音間違えると、すかさず、「そこ、ディスでしょ!」

と指摘できてしまうのです。

K先生は、コンチェルトを課題に出すとき、ヴァイオリン譜だけでなく、

スコアも必ず買いなさいとおっしゃいます。

全体がわかっていなければ、ヴァイオリンだけ弾いていても意味がないからです。

娘は暗譜は早い方ですが、

今回の曲は似たようなフレーズが何度も繰り返し出てくるので、

ほんの一瞬魔がさしてしまったのでしょうね。

楽譜が目の前にあれば、何ら問題はなかったと思うのですが、

それを言い訳にしてはいけませんね。

良い経験ができたと思って、次に生かしてほしいと思います。


「La Terre」のシュークリーム。





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