講評は、とても丁寧で細やかでした。
良くない点や気になった箇所をただ指摘するだけに止まらず、
なぜそうなってしまうのか、どうしたら改善されるのか、原因や方法を示してくださいました。
とても勉強になったと思います。
講評の最後に、
「それから、私は、あなたが調弦をしている時から見ているのですが、
あなたが使っている弓はとっても良い弓だと思うんですね。
それは作者は誰ですか?」
とおっしゃったのです。
さあ、大変です!
この質問は、フェイントでした。
娘はなんて答えるでしょう。
私は確信していました。
娘が弓の作者を知らないであろうことを。
案の定、しどろもどろし始めました。
弓のフロッグ部分をしきりに見て何かを読み取ろうとしています。
確かにその場所に、たいていは作者名なりサインなり彫られています。
娘の弓にも彫られてはいたようですが、相当小さいらしく、なかなか判読できない様子。
かなり時間が経ちました。
先生によっては、自分が使っている弓の作者がわからないなんてとんでもないことと、
呆れられることでしょう。
が、大御所的存在のその先生は辛抱強く待ってくださっていました。
娘がついに降参したところで、
「じゃあ、もし時間があったら、後で弓を見せてください。とっても良い弓だと思うんで。」
とおっしゃいました。
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