第7ステージ 【伊豆】
6/4(土)9:30
日本サイクルスポーツセンター周回コース
12.2㎞ x 10周 = 122.0km
獲得標高 = 3,750m
2016年ツアー・オブ・ジャパン最終日前日の7日目は、静岡県伊豆市の自転車のテーマパーク「日本サイクルスポーツセンター」が舞台。12.2kmの周回コースは、アップダウンとコーナーが連続して現れる難コースで、10周のレースで獲得標高が3750mにも達する。総合優勝争いも白熱しており、リーダージャージを守りたいチーム右京と逆転を狙う他チームとの間で激しいレースが展開されそうだ。
ここ伊豆は野寺秀徳監督の地元でもあり、シマノレーシングにとっても第2のホームレース。大勢のファンが詰めかける中、総合で35位につける湊諒をUCI(国際自転車競技連合)ポイント圏内である25位内に入れることを目指すとともに、ステージ優勝にもチャレンジしていく。
レース日和のさわやかな天候の中、2万200人の観客が応援につめかけたレースは、スタート直後からアタック合戦が勃発。シマノレーシングの秋丸湧哉もいきなり反応を見せる。しかし、決定的な逃げが決まらないまま、1周目後半にイラン勢のペースアップで集団が2つに分裂。シマノレーシングからは好調の湊と木村圭佑が前の集団に残るが、ここで木村が後輪のパンクに見舞われ、最後尾付近まで後退してしまう。
30人ほどの先頭集団には湊のみ残ったが、山岳賞の上りでミルサマ・ポルセイェディゴラコール(タブリーズシャハルダリ)、キャメロン・バイリー(アタック・チームガスト)がアタックをかける。
ポルセイェディゴラコールはツアー・オブ・ジャパン総合2連覇中だが、現在はリーダージャージのオスカル・プジョル(チーム右京)に対して1分24秒遅れの総合3位。2年前にもここ伊豆ステージで逃げ切って逆転総合優勝を飾っているだけに、今年も序盤から積極的な走りを見せる。この先頭2人にダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)が合流したことで、さらに逃げはペースアップする。
湊は2周目の山岳賞の上りで一時遅れるも、再び追いつきメイン集団に合流。しかし、3週目の同じ上りで再び脱落し、単独での走りを余儀なくされた。
メイン集団からは総合首位のプジョル、そして総合2位のマルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)ら多くの選手が追走に飛び出すが、残り5周時点でタイム差は3分17秒まで拡大。これで、ポルセイェディゴラコールがヴァーチャルで総合首位に立つことに。
一方、先頭集団から遅れた湊はレース中盤に第2集団に合流。パンクで遅れた木村もここに追いつき、シマノレーシングは6人すべてが第2集団の中で周回を重ねることになった。
プジョルらのメイン集団はアタックを繰り返しながらが、前のポルセイェディゴラコールらを懸命に追い、徐々にタイム差は縮まっていく。
ついに残り1周でタイム差が33秒にまで縮まり、このラップで逃げの3人は吸収。ポルセイェディゴラコールの3連覇は難しくなった。先頭は20人弱の集団になり、ここからはステージ優勝争いに向けたアタック合戦が勃発。ラスト1㎞を切ってから、ずっとこの集団の中で息をひそめていた新城幸也(ランプレ・メリダ)が飛び出し、日本のファンの前で左大腿骨骨折からの見事な復活勝利を飾った。
2位は2秒差で序盤から逃げていたバイリー、3位は5秒差でダニエルアレクサンデル・ハラミリョ(ユナイテッドヘルスケア)。
プジョルは、ライバルと同タイムの8秒差の13位でゴールし、総合優勝を確実なものにした。
シマノレーシングは17分51秒遅れの集団でほぼ全員がゴールし、総合順位アップはならなかった。しかし、明日6月5日の東京ステージに向けて6人全員がここまで完走しており、ステージ優勝に向けて最後の戦いに挑む。
<コメント>
湊諒
「ちょうど2周目のKOM(山岳賞)の手前でプジョルやイラン勢がガンガン行って、後ろがポロポロと千切れ、中切れや自分の疲れや実力もあって切れてしまった。離れた後も追走して追いついたけど、同じ激坂で千切れてしまって、そこは自分の実力だなと思いました」
※他のコメントは動画で
<第7ステージ伊豆 リザルト>
1 新城 幸也(ランプレ・メリダ)3:27'00"
2 キャメロン・バイリー(アタック・チームガスト)+2"
3 ダニエル アレクサンデル・ハラミリョ(ユナイテッドヘルスケア プロフェッショナルCT)+5"
4 ロビー・ハッカー(アヴァンティ アイソウェイ スポーツ)+5"
5 トマ・ルバ(ブリヂストン アンカー サイクリングチーム)+5"
6 マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)+8"
7 アミール・コラドゥーズハグ(ピシュガマン サイクリング チーム)+8"
8 増田 成幸(宇都宮ブリッツェン)+8"
9 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(タブリーズ シャハルダリ)+8"
10 ラヒーム・エマミ(ピシュガマン サイクリング チーム)+8"
34 入部 正太朗(シマノレーシング)+17'51"
49 木村 圭佑(シマノレーシング)+17'51"
50 横山 航太(シマノレーシング)+17'51"
59 秋丸 湧哉(シマノレーシング)+17'51"
61 湊 諒(シマノレーシング)+17'51"
67 小橋 勇利(シマノレーシング)+21'19"
<総合順位 第7ステージ>
1 オスカル・プジョル(チーム右京)17:04'49"
2 マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)+1'05"
3 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(タブリーズ シャハルダリ)+1'08"
4 ダニエル・ホワイトハウス(トレンガヌ サイクリングチーム)+1'23"
5 ラヒーム・エマミ(ピシュガマン サイクリング チーム)+1'24"
6 ガーデル・ミズバニ・イラナグ(タブリーズ シャハルダリ)+1'43"
7 キャメロン・バイリー(アタック・チームガスト)+2'00"
8 アミール・コラドゥーズハグ(ピシュガマン サイクリング チーム)+2'27"
9 トマ・ルバ(ブリヂストン アンカー サイクリングチーム)+2'52"
10 増田 成幸(宇都宮ブリッツェン)+2'58"
35 湊 諒(シマノレーシング)+25'47"
38 木村 圭佑(シマノレーシング)+27'35"
39 横山 航太(シマノレーシング)+30'44"
64 小橋 勇利(シマノレーシング)+1:05'25"
66 秋丸 湧哉(シマノレーシング)+1:07'19"
70 入部 正太朗(シマノレーシング)+1:40'39"
■第19回ツアー・オブ・ジャパン第7ステージ伊豆 インタビュー
https://youtu.be/EQ5E33EqicM
text&photo: Mitsuishi OCN