明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

ナニワのデカ盛り食堂 梅田『喫茶Y』

2017年08月25日 | 定食、食堂
今年2度目となる、関西方面へのひとり旅。
甲子園での野球観戦以外、観光はほとんどせず、連日ひたすら、関西B級グルメを食べ尽くす。
毎回「さすが」とうならされるのが、食い倒れの街・大阪
どこに入っても名店or迷店ばかりで、ブログのネタに困らない(笑)。
今回はその中でも、際立つ名店(迷店?)だと思われる、大阪市北区の『喫茶Y』を紹介。
私は梅田から向かったのだが、中崎駅、中津駅、天神橋筋六丁目駅からも徒歩圏内だ。

これがお店の外観。


一見、普通の喫茶店のようだが、実はここ、大喰いマニアが垂涎する、デカ盛りの店だったりする。
私が訪れたのは、朝10時を過ぎたところで、まだモーニングセットが頼める時間帯。
こちらが、そのモーニングメニュー。


「モーニング」600円、他はすべて1000円と、一般的なモーニングセットより割高に感じるだろうが、
内容を考えると、実はかなりリーズナブルなのである。
たとえば、以下の写真は、数年前に私がガラケーで撮影したモーニング。


メインは分厚すぎるバタートースト。そのサイズは爪楊枝とほぼ同じ高さ、というか厚さ。
『銀座ルノアール』のモーニングトーストの4倍はあるぞ。

これに、長いベーコン4枚×玉子6個にレタス数枚を添えたベーコンエッグに、バナナ、ミカンに、
飲み放題のコーヒーor紅茶が付いてくる。600円でじゅうぶん腹一杯だ。
しかし、そのモーニングをはるかに凌駕するのが、今回頼んだ「カレーライス」1000円。
以下で、メニューの全容を、くわしく解説していこう。

その前に、訪店時の状況を説明。こちらはほぼ、店主のおばちゃんがひとりで店を回しているのだが、
朝から外国人の客が多数訪れたらしく、接客、調理、会計、洗い物と、かなりてんてこ舞いの様子。
入店した私にも、開口一番「時間かかるけどかまへん?」と聞いてきた。
先客の何人かにも、まだ料理が出ていないようだったので、「大丈夫です」と了承し、カレーライスを注文。
その後も調理中に、何度も「ごめんなー」「もう少し待ってなー」と語りかけてくるので、恐縮してしまった。
しばらくすると、近所の常連らしきおっさんが現れ、モーニングを注文したあと、
料理を運んだり、空いた食器を下げたりと、おばちゃんを助け始めた。
私も何か手伝った方がいいかな…と考えていたところ、いきなりおばちゃんが、写真の皿を目の前に置いた。


ベーコンエッグ!?
「これ、奥のテーブルに持ってってや~」とも言われていないし、先客には料理はほぼ行きわたっている。
すると…どうやら、私の分らしい。ベーコン3×玉子4と、カレーライスの前菜にしてはヘビーだ。

続いて、ひき肉と豆とモヤシの和え物と、肉の割合が高いハンバーグが登場。


どちらも、醤油と砂糖をベースにした、やや濃い目な和風の味付け。
とりあえず、さっきのベーコンエッグから玉子を救い出し、エッグバーグにしてみた。


以前も書いたが、オレはキミ(黄身)が大好きなんだ!

そうしている間に、いよいよメインのカレーライスが完成間近。
炊き立て熱々のご飯を、大きなお皿にシャモジで何度もよそっているおばちゃんに対し、
「あっ、そ、そのへんで結構です」とお願いし、それ以上盛るのをやめてもらった。
にもかかわらず、写真の通り、かなりの大盛りカレーがやって来た。


ライスは推定500グラム、カレーも500グラムかそれ以上。『ココイチ』ならこれだけで1000円超だが、
こちらには、ベーコンエッグ、煮物、ハンバーグも付いている。すごいぞ、喫茶Y!
さらにその直後、ネギ、お揚げ、モヤシと、具だくさんの味噌汁も出てきた。


せっかくなので、すべてを1枚に収めた「カレーライス」一式を撮影。 ※コーヒーor紅茶は辞退した


一部食べかけで、あまり見栄えは良くないが、カンベンして欲しい。
カレー提供時、おばちゃんに「鶏の小骨があるかもしれんから気いつけてや~」と教えてもらった。
なるほど、鶏肉がゴロゴロと入っている。ひと口食べてみると、バナナの味がした。
どうやらここのルーは、鶏肉にたくさんの野菜や果物を加え、じっくり炒めて煮込んだものらしい。
ただ、「カレーは飲み物」byウガンダ氏 とは対照的な、固形物にカレー近いのため、スルスルとは入っていかない。
すでにベーコンエッグやハンバーグも食べており、これは残しちゃうかも…と不安になったところで、
まさかのナポリタン登場!


よく、定食に付いてくる添え物っぽいスパゲティで、味は正直イマイチ。
しかしここで、おばちゃんからトドメのひと言が→「全部お替わりできるから、遠慮せんといてや」。
そう、ここはカレーもドリンクも、そしてすべてのオカズがお替わりし放題なのだ。
これで1000円なんて…すごすぎるぞ喫茶Y!

「お客さんに喜んでもらいたい、お腹いっぱいになってもらいたい」。それがおばちゃんのポリシーだ。
そんなおばちゃんに報いるためにも、必死に頑張ってはみたものの…さすがに完食は難しい。
やがて10時半になり、モーニングサービスは終了。下の写真がレギュラーメニュー。


休憩を兼ねて、他の客が頼んだ唐揚げ定食の完成を眺めていたところ、そのメニュー構成は、
私にも出したベーコン3×玉子4のベーコンエッグに山盛りのナポリタン、サバの味噌煮、豆腐1/3の冷奴(生姜おろしたて!)、
それにご飯と味噌汁、最後に11個の唐揚げ(若干焦げ気味)が出され、客が明らかにウンザリしていた(笑)
やっぱりすごいぞ、喫茶Y…。

一方の私も、減らない惣菜に閉口していたところ、おばちゃんが「無理せんでもええよ」と、タオルを投げてくれたので、
煮物とカレーソースを少し、ナポリタン半分を残し、申しわけないがギブアップ。
すみません、残しちゃいました…と謝罪する私に、おばちゃんは笑いながら、
「ええよええよ、まさか朝からこんなに出てくると思わなかったやろ?」と許してくれた。
鍛え直して、またチャレンジします、と再訪を約束し店を出た。
この日の大阪の最高気温は36度だったとか。朝から超満腹になったため、本当に倒れそうになった。

喫茶Yに興味を持った方は、ネット検索をしてみてはどうか。いろんな方がブログを書いているはず。
もちろん、実際にお店に行きたいという方もいると思うので、最後に一応、注意事項を。
○私が言うのもなんだが、注文はなるべく残さないように。お替わりしてから残すのは言語道断。
複数で訪れる場合でも、一人一品は注文しよう。「少な目」対応も可。ただし、一般的な少な目よりもだいぶ多い。
○おばちゃんひとりでやってるので、オーダーに時間がかかっても、気長に待とう
○おばちゃんを助けるためにも、食後は自身で食器類を片付けよう
○味については、過度な期待はしないように(おばちゃんゴメン!)。

いかにも「関西の陽気なオバハン」的なおばちゃんと、リーズナブルなデカ盛り料理の数々がお待ちしてまっせ。


喫茶Y(わい) 
大阪府大阪市北区豊崎1-3-1
阪急梅田駅から徒歩約12分、地下鉄中崎駅、中津駅、天神橋筋六丁目駅からは徒歩約10分
営業時間8~18時くらい モーニングの注文は10時半まで
定休日 日曜、祝日
※出てくる惣菜や果物などは、日によって異なるようです
コメント (2)
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私を過ぎていったカルボナーラたち

2017年08月19日 | 洋食屋さん
【見出しのタイトルはインパクト重視で!】
昔うっかり受講した、ライター講座で教わったテクニック(笑)を、今回のブログタイトルに使ってみた。
古い週刊誌でよく見かけた、二流女性タレントの独白記事みたいでいいでしょ。

私がガキの頃、スパゲティはナポリタンとミートソースの二択で、カルボナーラは未知の料理だった。
18歳のとき、初めて食べたカルボナーラは、特にウマいとは思えなかった。値段もラーメンやうどんより割高だったし。
その後、他の店でも食べてみたけど、感想は同じ。まだ、カルボナーラが今ほどメジャーではなかったためか、
「よくわかんねえけど、玉子とベーコン入れときゃいいんだろ?」的な、いい加減な調理もよく見かけた。
今でも営業しているのかは知らないが、渋谷の井の頭線駅近くに、ちょっと珍しい屋台のスパゲティ店があった。
そこでカルボナーラを頼んだところ、麺と一緒に玉子とハムと玉ねぎを炒め、特に味付けもしないまま皿に盛られ、
「ヘイお待ち! お好みでそこの醤油や塩をかけて喰ってくれ」と提供された(苦笑)。
バッチリ固まった炒り玉子と、やや焦げたパスタに、醤油を垂らし…あれこそ、人生最悪のカルボナーラだったな。

初めてカルボナーラを「ウマい!」と思ったのは、今から20年ほど前、友人に連れていかれた吉祥寺駅近くのバー。
ずいぶん前に閉店したため、もはや店名すら覚えていないが、そこのカルボナーラは、とにかく濃厚だった。
クリームソースはもちろん、ベーコンやチーズの風味も、それまで食べたものとは全然違っていた。
それからは、カルボナーラだけを目当てに、何度かその店に通った。
バーなのでウーロンハイは置いてなく、ソフトドリンクを頼むのも、なんだかカッコ悪いかな、と思い、
「すいません、カルボナーラと…マティーニ」などと、酒に無知だったゆえ、謎の注文をしたこともあった。
念のため記しておくが、カルボナーラとジンは合わないから気をつけよう。

以後、カルボナーラ愛好家になった私は、専門店や洋食店に喫茶店など、いろんなお店で食べ回っている。
以下で、今年「私を過ぎていったカルボナーラ」…要するに今年食べた分を紹介していく。
まずは、新宿紀伊國屋書店の地下食堂街にある、生パスタの店『JINJIN』


生パスタならではのモチモチ食感が特徴で、ドリンク付きで760円と、価格もリーズナブル。
ただ、皆さんもお気づきだろうが、脇のトマトソースがジャマなんだ
昔は、メニュー表示も「カルボナーラ(トマトソース)」となっており、
カッコ・トマトソース・カッコトジルの記載が気になり、いまいち食欲をそそらなかった。

続いても、生パスタの店で、兵庫県三宮でみつけた『POTA PASTA』

※追記 現在は閉店した模様

ここは駅近くなのに、値段は380円~とさらに安く、写真の「究極カルボナーラ」はなんと500円!
他には「奇跡のボロネーゼ」550円、「伝説のミートソース」460円など。ネーミングはともかく、安いのは間違いない。
その分、厨房の店員の態度は、あまり良くなかったが、この値段なら文句は言えない。
調べたら、東京の渋谷や大森、北千住にも支店があった。北千住も、店員のガラが悪そうだな(←偏見)。

こちらは、私が学生時代に数度通った、下高井戸にある専門店の某。


昔は違う店名だったが、当時のオーナーから現オーナーが引き継いだらしく、店の場所やメニューは同じ。
若く金がない頃は「ちょっと高いよなあ」と思ったメニューは、その後もしっかり値上げされており、
カルボナーラ並で1300円。トシとった今でも高いと感じてしまった
それより気になったのは、厨房の男性店員(現オーナーか?)の態度。客が来ても挨拶はせず、ムスッとしているくせに、
調理が終わるたびに、フライパンなどの調理器具を洗い場にバターンとぶん投げ、皿を拭く時はガチャガチャ音を出し、
洗い終わったスプーンやフォークは、置き場にガシャーンと、わざわざ叩きつける。
コイツは、大きな音を出さなきゃ気が済まない下等動物なのか?
味は普通だが、高く量少なく、調理人がバカでは、残念ながら二度と行かない店リスト入り決定。
一応、店名は出さないでおくが…あっ、しまった、皿の上の方に書いてあったか(←わざと)。
追記 ネットでも「男性店主の態度が悪い」と批判されていた、上記店舗『虫の巣』は、2023年1月で閉店した模様。
別のオーナーが営んでいた、『ソープオペラ』という屋号の頃は、いい雰囲気のお店だったのに…。


続いては、ちゃんとしたお店を。西荻窪南口のバー『エピグラム』


店内はいわゆるオシャレなバーで、私のような薄汚い男は明らかにアウェイだったが、
店主が陽気な方で、いろいろと話しかけてくれたので助かった。
そんな店主が作るカルボナーラは写真の通り、横長の皿に盛り付けられた、クリーム多めのまろやかな仕上がり。
価格は1000円だが、雰囲気の良いバーで、しかも深夜の時間帯にしては破格。
先述の吉祥寺のもそうだったが、バーのパスタ料理は意外とおいしい!
私が自宅で作るのも、同級生が昔やっていたバーで出していた、カルボナーラの調理方を教わったものだ。

そんな私が、今年最も気に入ったカルボナーラもやはり、西荻窪のバー『最後に笑え』のもの。


以前、当ブログでも紹介したが、こちらは、カウンターとテーブルひとつだけの小さなバーにもかかわらず、
店主の吉田さんの人柄と手製の料理を目当てに、連日、入れ替わりでお客さんが訪れる。
フードメニューは定番・限定いろいろあるが、このカルボナーラ1000円は、すぐに完売した人気商品。
たくさんのベーコンとチーズ、そして濃厚なソースとの組み合わせが最高!
ただし、注文が入ってからベーコンをじっくり炒め、ソースを作り始めるため、提供までにやや時間がかかり、
店主自身も「メンドくさいから当分やらない(笑)」とのこと。それは残念…。
現在ではこのカルボナーラが、日本一ウマいと個人的には思っている。
最近の店主は、メニューに油そばを入れることが多く、実際こちらも絶品なのだが、
年に1度くらいは、カルボをやって欲しいなあ…と切望している。
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衝撃の博多うどん! 吉祥寺『イチカバチカ』

2017年08月16日 | そば、うどん
以前紹介した、吉祥寺の『うどん白石』は、今もほぼ週イチで通っている。
下の写真は、先日食べた、季節限定メニューの「穴子ぶっかけうどん」。


揚げたてサクサクの大きな穴子と、冷たいうどんとの組み合わせが素晴らしい。
ただ、最近はお客さんが増え、閉店時間前にうどんが売り切れてしまうことも多い。
先日も、吉祥寺駅に着いたところでSNSを確認したところ、「今日は完売」のお知らせが。残念!

うどんを食べる気マンマンだったため、代わりに、駅近くのうどん店に入ることに。
ここは長崎うどんの店らしいが、「ちゃんぽんうどん」や「カルボナーラうどん」などの変わり種もあるらしい。
カウンター席に座り、まずはびんビールとツマミを注文。
ビールを飲みながら、ふと壁の貼紙を見たところ、「当店は7月27日で閉店します」とのお知らせが。
あら、それは残念。確かに客が入っている割には、店員はふたりしかいないし、人手不足なのかな…
などと想像していたところ、上司らしい店員が、部下らしき店員を厨房の奥に連れて行き、
いきなり、腹にパンチをくらわした!
苦しそうにお腹を押さえている、部下の顔をよく見れば、左側が腫れているではないか。
どうやら、日常的に暴力行為がまかり通っている様子。今どき珍しいぞ、こんな店。
なるほど、これでは潰れるのもやむなし、だな。

こんなところで飲んでても気分悪いので、うどんは喰わずに退散。
ちなみに、店の名前は『ふじのや』。もう閉店しちゃったから、名前出しても構わないでしょ。
あ、まだ市ヶ谷に支店があるみたいだけど…まあいいか。

さて、ここからが今回の本題(←前置きが長えんだよ)。
しょーもない店を出て、今度こそうどんを食べよう、と選んだお店が、
今回の日記タイトルにある、博多うどん居酒屋『イチカバチカ』だ。
変わった店名の理由は、博多で人気のラーメン店『風堂』と『焼とりの兵衛』がコラボしたお店だから。
ラーメンは出さないけど、うどんと焼きとり(実際は豚バラ肉)に、博多でおなじみの一品料理を提供している。
ホール担当の接客は丁寧で、いかにも「一風堂スタイル」。
びんビールを注文したら、「今の時間はタイムサービスで、レモンサワーが180円ですよ」と教えてくれたので、


うっかり両方頼んでしまった
つまみには、お店自慢の「国産豚バラ串」と「一八煮込み」の小サイズをオーダー。


豚バラは1本200円。味付けはタレ、塩、味噌の3種で、写真は左がタレで右が味噌。
煮込み小は380円。塩ベースの出汁でもつを煮込んでいて、柚子胡椒を溶くと風味が変わって面白い。
以下は別の日に頼んだつまみ。豚バラの塩と「テリマヨミートボール」。


豚バラは味噌で焼くのが好みだが、ここのはタレと塩もウマい。個人的には、塩に軍配を上げたい。
テリマヨ~(160円)は、まあ予想通りの味。わざわざここで食べなくてもよかったかな。
豚バラが気に入ったので、「豚バラ串カツ」もオーダー。こちらは2本で420円。

※写真がブレているのは、かなり酔ってたから

他にも、博多らしい明太子料理や、酢もつ、ごぼう天、山芋の鉄板焼きなどもあるが、
ここに来たらまずは豚バラを頼むべし! 串焼きにはキャベツも付いてくるよ。

そして、この日一番楽しみにしていたのは、シメの博多うどん。
店のメニューには、「やわらかい麺と、美味い出汁。それが博多のうどんやろ!!」と記してあり、
うどん白石の店主からも「博多のうどんは柔らかいよ」と聞いていたが、
柔らかすぎるのは苦手なので、冷水で締めたうどんなら大丈夫だろうと、
冷やしタイプでは一番シンプルな、「ざるうどん」600円をオーダー。
店員さんが冷凍庫からうどんを取り出し、タイマーで時間を計測し、ゆでて締めて…出てきたのがこちら。


少なそうに見えるけど、うどんを盛る器がでかすぎるだけで、そんなに少なくはない。
そして、こちらが麺のアップ。


光沢は悪くないが、こうして見ると、うどんの量、やっぱり少ないね
いざ食べてみたところ…おっ、確かにダシは美味しいな。
ただ…うどんが想像以上に柔らかい!
先述の通り、「博多うどんは柔らかい」のは承知していたが、まさかこれほどとは。
例えるなら、あんみつの白玉…イヤ、細長くした杏仁豆腐と言うべきか。
このうどん玉に、シロップやアイスクリームをかけたら、スイーツとして成立するのではないか

別の日に、温かいダシの「肉うどん」800円を食べてみた。


こちらも確かに柔らかかったけど、「博多うどんとは、こういうモノなんだろう」と納得できるレベル。
繰り返しになるけど、別に茹ですぎて伸びきったわけでもなく、冷水で締めたのに柔らかい、
ここのざるうどんは、バリ衝撃的だったですたい(←エセ九州弁)。
無論、これは批判ではなく、純粋にビックリしただけで、口に合わなかったわけでもないので、
近いうちにまた足を運び、豚バラで一杯やってから、冷たいうどんを頼むつもりだ。
全体的には、屋号のような「一か八か」ではなく、
うどんも料理も接客も衛生面も、水準以上のレベルに達している、いいお店だと思うよ。
可能ならば、本場の味を知ってる方に、ここのざるうどんを食べた感想を聞きたいね。


※吉祥寺店は、2019年3月で閉店になったようです


博多うどん酒場 イチカバチカ 吉祥寺店
東京都武蔵野市吉祥寺南町2-8-7
吉祥寺駅から徒歩約2分
営業時間 平日11時~15時半、17時~24時 土日祝12時~23時
定休日 無休
※恵比寿にも支店あり
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私が一番好きな餃子店 高円寺『赤天』

2017年08月06日 | 餃子
4ヶ月ほど前、「私が一番ウマいと思う餃子」というタイトルで紹介した、
国分寺『ぴぐもん』が、なんと、先月の中旬に閉店していたことが判明。
残念ではあるが、同じオーナーが『ヤマタニ餃子店』というお店を、世田谷区の千歳船橋で営んでいるので、
その、わたくし正田が認定する(←価値ナシ)世界一ウマい餃子は、今後も食べられるのが幸い。
なお、ヤマタニ餃子店は、ぴぐもん閉店の1ヶ月前に、隣駅の経堂にも支店を出しており、
昨日、その経堂店に行ってみたところ、予想どおりオーナーがいた。

「どうもお久しぶりです」と挨拶し、さっそく餃子&ホッピーセットを注文。
久々にオーナー自らが焼いた餃子を食べたが、やっぱりおいしい。

※写真は撮り忘れたので、以前の流用

さらに、ホッピーの中外を数回お替わりしたあと、ぴぐもんにはなかった「旨辛水餃子」を追加注文。


ピリ辛スープでさらに酒がススム。ただ、この日のヤマタニ餃子・経堂店は、私以外は女性客ばかり。
17時に早くも酩酊(開店は15時)している男に対し、世田谷マダムの視線は冷ややかだった気がする。

さて、ここからが今回の本題。
私が一番ウマいと思う餃子店は「ぴぐもん=ヤマタニ餃子店」なのだが、
私が一番好きな餃子店は、もう何年も前から、高円寺の『赤天』だったりする。
好きになった理由はいろいろあるのだが、まずは、お店の外観を見ていただこう。
 (C)高円寺庚申通り商店街

庚申通りの終わり、早稲田通りに出るちょっと手前に店舗がある。
営業時間は、基本的には夜の2時間半だけ、そして、店内席数はカウンターの5席のみ
上着などの荷物が多い冬場や、デブの客がいれば、さらに席数は減る。
なので、お客の大半はお持ち帰りを利用するため、地元民でも店に入ったことがある人は少ないとか。
気になるメニューは、さすがは「餃子専門店」と掲げているだけあって、品数を絞っており、


餃子とビールのみ。ストイックだ。
1人前7個250円で、店内・持ち帰り問わず、2人前以上からの注文。
消費税や野菜の高騰のため、ここ数年で30円ほど値上げしたが、創業から36年間で、50円しか値上げしてないそう。
個人店なのに、大手チェーンの『餃子の王将』より安い(東日本の王将は6個で259円)のはすごいね。
価格は安いが、店主は一切手抜きなく、早朝から閉店後の深夜まで、ほぼ一日を仕込みに費やしている。
国産の肉と野菜を使用した具材はもちろん、皮までもが自家製だ。

先述の通り、席数が少ないにもかかわらず、入店できる幸運に恵まれた際は、
店主渾身の餃子を、ビールとともに(※お酒がダメな方はお水で)食べさせていただこう。
ビールは中瓶のみで1本500円。以前はキリンラガーだったが、最近はサッポロの赤星が多い。
卓上には、醤油と酢と自家製ラー油の他、自家製の黄色い味噌ダレが。


味噌多めが私の好みだが、酢をたっぷり使うのが店主のおススメらしい。
いずれにしても、赤天オリジナルの味噌ダレは必須だと思う。タレだけ売って欲しいくらいだ。
私はだいたい、餃子が焼けるまでは、各種調味料を混ぜて味噌主体のタレを作り、
それをハシにつけ、ツマミ代わりに舐めながら、ビールを飲む。セコイだろうけど、ウマいぜ。

しばらくすると、餃子が焼きあがる。2人前で14個だ。


こちらは3人前の21個。


他にも写真はあるが、いかんせんメニューは餃子だけだし、ほぼ同じアングルなので、掲載は控えておく。
パリッと焼けた薄皮の中には、野菜多めの具が詰まっている。軽い歯触りとあっさりした味付けなので、
冗談ではなく、何個でも食べられる
実際、いっぺんに10人前食べた猛者もいるそうだし、私自身も、5人前たいらげる女性客を、この目で見たことがある。
普段の私はだいたい、2×2の4人前にビールが2~3本。最高記録は6人前。
席数が限られているので、食べたらさっさとお会計し、退店するのがマナーだ

赤天の魅力は、餃子自体の安さや美味しさもさることながら、
外から店内が見えないゆえの神秘さ(?)や、運よく座れたことへの優越感(??)なども含まれるのかもしれない。
無論、ここは席さえ空いていれば気軽に入れるし、タチの悪い常連客なども、見たことはない。
店主も、一見頑固そうな印象を受けるが、実は気さくな方で、いろいろと話しかけてくれる。
そう、この店主のキャラこそが赤天最大の魅力であり、私を長年、惹きつけている理由でもある。

ただ、さっき「一見頑固そう」と書いた店主は、実際に頑固というか、ちょっと怖い面もあったりする。
そのひとつが「マスコミ関係の取材は一切お断り」。
私が尊敬している某著名ライターが、こちらの店に何度か通ったあげく、雑誌への掲載をお願いしたら、
「取材のために来ていたのか!」と烈火のごとく怒鳴り散らし、追い払われたらしい。
店主が怒鳴ったのを見たことがないので、その逸話を聞いたときは、エライ驚いたもんだよ。
取材禁止の理由は「イヤだから」だって。店主はほとんど、質問には答えてくれないんだ。
私も今まで、下記のような質問をしてきたが、すべて「イヤイヤ…」と手を振り、回答を拒否されてしまった。
○一日にどれくらい餃子を作るんですか?
○餃子の作り方は? せめて原材料だけでも。ダメなら味噌ダレの作り方だけでも…(←しつこい)。
○餃子とビール以外は置かないんですか?
○赤天という店名の由来は?
○そもそも、店主のお名前は?
○神戸に『赤萬』というよく似たお店がありますが、関係はあるのですか?

餃子の作り方を聞くのは我ながら図々しいが、名前すら教えてくれないとは…。
店主は、自身のことを僕でも私でもなく、なぜか「餃子屋」と呼ぶ。これは、餃子職人であることの誇りかもしれない。
あと、最後の神戸赤萬との関係をたずねたら、ちょっと不機嫌になった。他店のことはあまり話さない方がいいみたい。
ちなみに、こちらが赤萬餃子の写真。


メニューは餃子とビールのみ、注文は2人前からで1人前7個、自家製味噌ダレなどの共通点の他、
皮の三ヶ所をつまんで三角状に具を包んでから二辺を併せる、という餃子の形成方法も一緒だった
赤萬は赤天より16年早い1965年創業だが、かつて名古屋に赤天という餃子店があり、店主はそこで修行したという噂もある。

いろいろ謎の多い赤天だが、これからもせっせと通い、すべての謎を店主から聞き出してみたいものだ。


赤天 
東京都杉並区高円寺北2-41-16
高円寺駅から徒歩約8分
営業時間 18時半~21時 売り切れによる早じまいもあり
定休日 水曜、年末年始
※一応、電話予約もできますが、大人数で訪れるのは控えましょう
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元競輪選手が営むうどん店 高円寺『めんこや』

2017年08月03日 | そば、うどん
最近、うどんに興味を持ち、いろんなお店を食べて回っている。
今回紹介するのは、都内を中心に支店を広げているうどん店『めんこや』さん。
こちらは、元競輪選手の小林正治(まさはる)さんがオーナーを務めており、他にも何人かの元選手が働いている。
競輪ファン&にわかうどんファンとしては、行かなくてはならないお店だった。
なお、前回まであれだけ騒いできた母校野球部については、諸事情により、しばらく触れないことなにする。
昔から、ツラいことは避けて通る人生を送ってきたのでね。

閑話休題。めんこやさんは幡ヶ谷本店の他、五反田、亀有、京王閣競輪場内などに支店があるが、
私は、普段よく飲み歩いている街・高円寺のお店に行ってみることにした。
場所は環七通り沿い、写真の「手抜きうどん」の看板が目印だ。


さぬきでもなく、手打ちでもなく、なぜ「手抜き」?
ちなみにこちらは、メインのうどんは武蔵野風で、麺はちゃんと手打ちしているらしい。
うどんの主なメニューはこちら。


基本の「釜あげ」や「ざるつけ」から「サラダうどん」などの創作系まで、うどんの種類は結構豊富。
この他にも「カメリアラードうどん」なんてのもあった。あと、替玉があるのもラーメンみたいで面白い。
お酒は生ビール450円、サワー類は340円~、他にも焼酎や日本酒もそろっている。

私はまず、びんビール(540円)と、おツマミとして「手づくりつくね温玉のせ」450円と、


「カニクリームコロッケ」320円をオーダー。


つくねは、ちょいと盛り付けがよろしくないけど、味自体も、柔らかすぎて正直イマイチ。
カニクリームコロッケは、自家製ではなさそうで、可も不可もなし。
シメに頼んだのは、こちらの一番人気らしい「ぶったまうどん」。


腰のあるうどんを、肉などの具が入ったつけ汁に浸して食べる、先述の武蔵野スタイルだ。
こちらはうどんのアップ。純白の麺の光沢が美しいね。カニコロッケを乗せたのが、我ながら余計だが。


そして、こちらがつけ汁のアップ。チャーシュー、玉子、ネギ、そして大量のモヤシが沈んでいる。


出汁はうどんだけど、具はラーメンという、ユニークなうどんだ。
歯応えのあるうどんに負けない、やや濃い味付けのチャーシューとダシ汁がマッチしている。
写真ではわかりづらいが、ちょっとモヤシが多すぎる気もしたが、野菜不足の私にはちょうどいいかも?
他にも食べたいうどん&ツマミがあったので、「また来ます」と店員さんに告げ、この日は退散。

数日後、約束通り再訪。この日は、「乾杯ビール30円」の貼紙に気付いたので、さっそく注文。


出てきたのは、かわいらしいグラスサイズの生ビールだった。ま、30円だしね(確か、ひとり1杯限りのはず)。
すぐに飲み干し、びんビールとツマミを2品追加。今回は「だし巻玉子」450円(写真なし)と、
私の好物でもある「豚の角煮」550円をオーダー。


だし巻は普通だったが、角煮の方は、前回食べたうどんのチャーシューと同様、味が染みてて美味しかった。
今後、ここで飲むときは、豚の角煮は必須かもしれないな。

この日のシメは、玉子と鶏ひき肉が入った、「親子カレーうどん」にした。


左の小皿は、桜エビの揚げ玉…だったかな? やや臭みがあって、個人的には不要だった。
うどんの方は、スパイスが効いたカレーダシが美味しかった。いろんな雑誌やテレビで称賛されたのがうなずける。
ただ、具のつくねがやっぱり柔らかすぎるかな…文句ばっかり言ってすまん!

手が空いたタイミングを見計らって、店員さんにいろいろ聞いてみた。以下はその要約。
「元競輪選手は各支店で働いているが、ここ高円寺店だけいない」
あら、それは残念。いろいろ昔話を聞きたかったのに。
「その代わり、プロレスラーの藤波辰爾さんの息子さんが、一時期バイトしていた」
へえ、藤波ジュニアがねえ。そういえば、父親のサイン色紙が飾ってあるな。
「オーナーの小林さんは、各支店を巡回しているが、高円寺店には滅多に来ない」
なかなか忙しいみたいだなあ。幡ヶ谷本店に行けば会えるかな?

小林正治さんを知らない方のため、簡単に説明。
彼は競輪学校77期生をトップで卒業。デビューから白星を重ね、新人王戦などの大レースにも出場。
競輪界ではトップのS級1班にまで出世したが、その後はケガなどの影響もあり、成績が伸び悩み、
選手生活15年目を迎えた2011年に、惜しまれつつも引退。
その後はうどん店『めんこや』を経営する「(株)ドリームハーバー」を設立。
支店を増やし、うどんの美味しさを広めるとともに、競輪選手の引退後の活躍場も提供している。

競輪だけでなく、スポーツ選手の引退後の受け皿は、我々が想像する以上に少ない。
コーチなどの指導者、あるいは解説者・タレントなどで食べていけるのはごく一部で、
大部分の選手は、過去の栄光を捨て、未知の業界で不慣れな仕事に就いているケースが多い。
小林さんも、まったくの異業種だったうどん屋に挑戦し、苦労と努力を重ねた結果、成功を収めた。
そんな小林さんの素晴らしいところは、自身の成功に満足することなく、
過去の仲間である、引退した競輪選手たちに手を差し伸べ、自らの職場に受け入れたことだ。
その中には、年上の先輩選手もいる。これは、なかなかできないことだよ。
なお、こちらのうどんは、粉と水を混ぜたのち、念入りに足で踏むらしいが、
元選手がぶっとい脚で踏み続ければ、短時間でいいコシが出そうだ。
うどん打ちは競輪選手に、意外と向いてるのかもしれない。

具材については不満も述べたが、こちらのうどん自体は、おススメできる商品だと断言できる。
未食のメニューもたくさんあるし、小林さんや元選手たちを応援するためにも、
今後もせっせと通い、飲んで食べて、シメにうどんを啜ろうと思う。
最後にひとこと。オーナーの小林さん、
現役時代は何度かヤジってごめんなさい
あの頃のことは反省していますので、どうか出禁にしないでください。



めんこや 高円寺店 東京都杉並区高円寺南5-21-7
高円寺駅南口から徒歩約7分 地下鉄東高円寺駅から約13分
営業時間 11時半~14時半 18時~23時
定休日 日曜
※くわしくはHPを→http://www.dreamharbor.co.jp/


※2017年11月、高円寺パル商店街内に移転しました。
新住所は東京都杉並区高円寺南3-46-10です

※高円寺店はすでに閉店、
他店舗も、2020年1月で閉店、ワタミ傘下になった模様です
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