明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

東京の西側で食べる博多うどん 淵野辺『ウエスト』

2024年09月25日 | そば、うどん
毎年9月になると、1・2年生主体の新チームによる、高校野球秋季東京都大会の予選が始まる。
我が母校日大三は、自校グラウンドで行われた予選を順当に突破し、本大会進出を決めた。
三高野球部の様子は後日語るとして、今回は試合後に立ち寄った、『ウエスト』について記していく。

ウエストというのは、福岡では有名な博多うどんチェーンらしいが、東京都にあるのは町田店のみ。
屋号が「ウエスト」とはいえ、すぐ隣が神奈川という、東京の西側にある町田市に店舗を出したのは偶然か。
お店の場所は、日大三高からだと徒歩で20分ちょい。JR淵野辺駅からも同じぐらいだ。


訪問したのは日曜の昼13時台。店頭には行列があり、入店まで15分かかった。
カウンター席に案内され、メニューを眺めるが、ここで違和感。
こちらは、博多うどんチェーンのはずだが、メニューブックの【そば】コーナーは、表面で3ページも割いているのに、


【うどん】コーナーは、裏面左端のわずか1ページで、隣では「そばの三大栄養素」を紹介。


しかも、「そば3玉まで同一価格」などと、明らかにうどんよりそばを推している


東京の店舗だから、そばをウリにしている可能性もあるが、これではうどんが不憫なので、
拙ブログではあえて、うどんメニューをアップして再掲載。それでも見づらいだろうが…。


基本の「かけうどん」は税込み400円で、「かけそば」550円より安価。ただし、うどんは3玉増量サービスを実施していない。

うどん派の私は当然そばを選ばず、「月見うどん」490円+「かき揚げ」190円をオーダー。
混雑していたためか、提供されたのは注文から約20分後。


黄金色のツユにうどんが泳ぎ、具材はネギと追加の生玉子のみ。


うどんは博多らしく、柔らかめの仕上がりながら、だいぶ前に紹介した『イチカバチカ』とは異なり、麺の中心にコシがある。


モチモチとした歯触りと、噛み応えの双方が楽しめる。さすがは福岡の人気店、素晴らしいうどんである
かき揚げは、なかなかのビッグサイズで、食べ応えがあった。


具材は海老、イカ、玉ねぎ、人参、青菜に、ししゃものようなほろ苦い具材も入っていたが、たまたまか?
味付けは薄口だったので、途中でうどんスープに浸して食べた。


麺とかき揚げを食べ終えお会計…の前に、せっかくなので、お店推奨のそばも食べていくことに。
うどんは「かけ」を注文したので、「盛りそば」600円をオーダー。麺は2玉にしておいた。
店内の客も減ってきたので、待つことなく提供された。


大きな器だったので一瞬ビビったが、そばをひと口つまむと、水切りザルが見えたので、量は一般的な2玉だろう。


さっそく、ツユに浸して啜ってみると…うどんが柔らかい分、そばは硬め…というかボソボソの歯応え。
コシが強いのではなく、茹でが足りないレベルで、こんなそば人生初である。3玉にしないでよかった。
そばを無理矢理たいらげたあと、レジ近くのそば湯をもらいツユを飲み干す。なお、ツユの味は普通だった。


周囲の客も、3玉同額のそばを注文している方が多いが、特に不満なく食べている模様。
帰宅後、ウエストのそばについてネット検索してみたが、硬いという意見は見られず。この日の私だけ、ハズレを引いてしまったようだ。
こちらのお店で、「なんだこのうどん、柔らかすぎるぞ!」などと店員に怒るバカな客がいたら、
「この柔らかさが博多うどんの特徴なんですから、怒鳴るのはやめなさい」などと仲裁するだろうが、
「なんだこのそば、硬くて食えねえぞ!」とわめき散らす客がいたら、私も加勢しちゃうかもしれない。
初訪問時の感想は、「ウエストではやはり、うどんを喰うべし!」だ。

数日後、再び母校グラウンドで試合観戦したあと、ウエストに寄る。到着したのは16時過ぎ。
今回はぶっかけうどんの中から、「豚玉ぶっかけ」690円をチョイス。空いている時間帯だったので、すぐに出てきた。


最初から、濃い口ダシのツユが少し入っており、客が好みで追加する。


うどんは冷水で絞めてあるが、相変わらず表面は柔らかく、ツルツルと軽快に啜ることができる。
豚肉は味も食感もイマイチだったが、ノリ、ネギ、揚げ玉や玉子ちゃんが、いい働きをしていた。


ご飯やトッピングを付けなかったので、あっという間に食べ終えてしまった。

時刻は16時45分くらい。ウエスト町田店は、17時から「居酒屋メニュー」と称するおつまみの提供が始まるため、
少し待って1杯やろうかと悩んだが、既にうどんを食べてしまっているため、あまり飲み食いできそうもない。
この日はあきらめ、空腹のときに改めて飲みに来ようと計画し、おとなしく退散。
ちなみに、私がもっとも惹かれた商品は、下記の「もつ鍋」1人前290円である。


「ご注文は2人前より」だが、それでも580円。私が知る限り、最安レベルのもつ鍋である。

そしてつい先日、もつ鍋で一杯やるために、17時過ぎにウエストへ3度目の訪問。
前の2回はカウンター席だったが、夜はひとり客でもテーブル席に案内される。鍋を頼むので好都合だ。
まずは「瓶ビール」650円を注文。サッポロ黒ラベルの中瓶だった。


おつまみメニューは、カメラに収まらないほど豊富で、価格も200~450円とお手頃。
 

個人的には、一見しいたけ天みたいな、「オレオの天ぷら」300円が気になったが、


注文したのはもつ鍋2人前と、餃子好きゆえ「水餃子」400円だけにしておいた。鍋の量が多かったら困るからね。
前もって仕込んであるのか、数分後にはもつ鍋セットが到着。


横アングルはこちら。鍋の大きさから、じゅうぶん2人前はある。


具材はもつ、キャベツ、ニラ、モヤシ、ゴボウ、ニンニク、鷹の爪など。下に隠れているが、モヤシが結構多い。
加熱している途中で、水餃子が登場。業務用っぽい小さな餃子4個と野菜が、うどんダシに浸かっている。


580円のもつ鍋と並べると、水餃子の400円は高く感じる。4個のうち2個は、皮の一部が異様に硬かったし。


強火で煮たあとアクを取り、その後はガスを弱くして、


ついでに、皮が硬い(解凍ミス?)水餃子も一緒に煮込み、全般に火が通ったところで、


とんすいに取り分けて食べ始める。もつは脂が落ちて小さくなっちゃったね。


鍋のダシもうどんダシと近い味だが、もつの脂やニンニク、野菜の甘味が溶け込んで美味しい。
すぐにビールが空いたので、「ウーロンハイ」350円を追加。ついでに無料のゆず胡椒も持ってきてもらった。


ゆず胡椒や卓上の七味で味変し、どんどん鍋をたいらげていくが、やはり2人前はダテではなく、ウーハイが先になくなる。
次のお酒は、「もつ鍋には焼酎ばい!」とエセ九州弁を心の中で叫び、「黒霧島」330円のそば湯割りを注文。
そば湯割りは、ボトル客限定かつセルフかもしれないが、店員さんが作ってくれた。ありがとうございます。


鍋の具材をほぼ食べ終え、そば湯割りも飲み終えたところで、シメの「うどん麺」200円をオーダーすることに。


シメは「おじやセット」200円もあるが、そばやラーメンはなかった。
すぐにうどんが登場。おそらく、かけうどん1杯分と同量だと思う。


水餃子の残った汁=うどんダシもキープしておいたので、こちらも鍋に注いで再加熱。


ちょっと茹ですぎかなあ…くらいで火を止める。まあ、ヤワヤワのうどんは消化が良さそうだし。


食べてみたら、おお、中心にはやっぱりコシがある! シメのうどんは、鍋の再加熱を計算し、硬めに提供しているのかもしれない。


先述した、鍋の具材やもつの脂分、ゆず胡椒などを含んだダシとも、柔らかうどんはベストマッチ。
繰り返しになるけど、ウエストはやっぱりうどんだ!
鍋が熱く、丼のように直接飲めないためスープは残したが、うどんは食べ終え腹パンパンでお会計。
今回頼んだもつ鍋+うどんだが、友人とふたりで来店し、もつ鍋2人前とシメうどん2杯を頼めば、計980円。
つまり、ひとりあたり490円と、私が初回に頼んだ月見うどんと同額で食べられる計算になる。なんてお得な!
無論、それではお店が気の毒なので、みなさんはぜひ、お酒やおつまみを追加してほしい。

そばや水餃子など、不満の残る商品もあったが、あの柔らかうどんと、激安もつ鍋の魅力は捨てがたい。
西側の町田市だけでなく、ウエストさんが東京のあちこちに出店するのを願ってやまない。
次回は、もつ鍋のシメはうどんだけでなく、「海老天」、「牛肉」、「豚肉」、生玉子に、「ちくわの磯部揚げ」やオレオの天ぷらなども頼み、
豪勢な(というかバカ丸出し)オリジナル鍋焼きうどんを作ってみたい。



ウエスト 町田店
東京都町田市忠生4-8-2
JR淵野辺駅から徒歩約22分、日大三高からは徒歩約23分
営業時間 11時~22時、21時半ラストオーダー
定休日 無休
コメント (2)
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飲んだあとにやさしいお出汁を 荻窪『恵』

2024年07月25日 | そば、うどん
最近、「飲んだあとのラーメン」が復活しつつある私だが、同様に欲していたのが、「飲んだあとのうどん」である。
以前も語ったように、うどん屋さんはお昼のみ営業のお店が多く、夜営業をしているお店も、だいたい21時くらいには閉まってしまう。
数少ない例外が、荻窪にある『恵』で、ネット情報によると、深夜0時まで営業しているらしい。
荻窪では飲む機会も多いので、今から5年前くらいに行ってみたところ、非定休日の19時台だったのに閉まっている(泣)。
以降は訪問していなかったのだが、つい最近、阿佐ヶ谷のうどん店『和田』について調べていたところ、
お店は既に閉店し、店主さんは引退したようだが、奥様と息子さんが別の場所で、うどん店を営んでいることが判明。
そのお店こそが、もうおわかりだろうが、荻窪の恵であった。

5年前の記憶がよみがえり、今度こそうどんを食べさせてもらおうと思い、さっそく中央線に乗り荻窪へ。
お店は北口の教会通りにあり、すぐ近くには、立ち飲み客は焼酎700円で飲み放題の『チューハイ倶楽部C』がある。
到着したのは19時少し前。今回はちゃんと開いていたので、入店させていただく。
店内はカウンター席と、小さなテーブル席がひとつ。厨房にいるのは、先述の奥様と思われる女性。
壁のメニューを見て、「たぬきうどん」950円+「玉子」100円をオーダー。冷やしもできるようだが、まずは温かいのを選択。
「玉子は生ではなく、火を通しますがよろしいですか」と、お母さんが私に確認したのち、調理を開始する。
うどんを茹で、たぬき=揚げ玉を作成し、温めた出汁を注ぎ、茹でた玉子など具材を盛り付けていき、予想より早くうどんが完成。


揚げ玉と玉子の他、ほうれん草とカマボコに、薬味のネギも乗る。丼はお盆に載せられて提供される。


まずはお出汁をレンゲでひと口。透明で薄口かと思いきや、しっかり旨味があり、めちゃくちゃウマい!
東日本のうどんスープは醤油色、西日本は黄金色という印象があったが、こんなに透明なうどんスープは初めて。


店内壁の貼紙には、「自家製麺 やさしい煮干だし」と記載されていたが、まさにやさしい味わいで、グイグイ飲める。
煮干しの香りは強くなく、ふわっと感じる程度。2軒隣にケバブ屋があり、そこの匂いが漂ってくるのが残念(苦笑)。

もうひとつの特徴である自家製麺は、やや不揃いで太く角ばっており、噛みしめると小麦の味がする。


武蔵野風ほど硬くなく、讃岐風のようにムチムチでもなく、他では食べたことのないうどんである。
生玉子をお湯に落とし茹でる、三鷹の中華そば店『みたか』と同タイプの玉子は、ほどよい半熟。


食事中、体格のいい男性が入店し、私に「いらっしゃいませ」と小声で告げ、厨房に入っていく。この方が、現店主の息子さんのようだ。
口数は少なく、一見ぶっきらぼうだが、厨房にいるお母さんに、無言でヨーグルトらしきデザートを渡しているのを目撃。
お母さんに頼まれたのか、気を利かせて買ってきたのかは不明だが、なんとなく後者のような気がする。
怖そうな見た目(失礼!)に反し、親孝行な好人物だとわかり、人見知りの私にしては珍しく、食後に、
うどんが美味しかったこと、特に出汁が気に入ったことを店主に告げると、「ありがとうございます」と喜んでくれた。
最後に、下記貼り紙に、食べログなどのネット情報と同じ営業時間が記してあったので、本当にこの時間なのかたずねたところ、


「一応(夜)12時までですが、最近は11時頃に閉めることが多いです」とのこと。
続けて、「あと、打ったうどんがなくなったときは、もっと早い時間に閉めることもあります」とも教えてくれた。
つまり、5年前の訪問時に閉まっていたのは、麺切れによる早じまいだったようだ。
「次回は、どこかで飲んだあとに寄るかもしれません」と告げて、お会計を済ませ退店した。

それから約3時間後、荻窪で飲んだあと、その日のうちに再訪問。
時刻は22時20分くらい。売り切れも覚悟で来てみたら…おお、まだノレンが出ている!


というわけで、この日2度目の入店。数時間前に来た客が再訪したため、店主さんも驚いた様子。
訪問初日とはいえ2度目なので、図々しくも店内壁のメニューを撮影。こちらはうどん類。


基本の「恵うどん」850円~「天ぷらうどん」1900円まで全18種類。以前+100円だった冷やしは、現在は同額になった模様。
この他、さっきの玉子のような追加具材や、


各種おつまみ、お酒類も用意している。


2度目は、酩酊しているときにチャーシューメンが食べたくなる(?)のと同理由で、「肉うどん」1100円を選択。
遅い時間帯は、店主ひとり回しになるようだが、手際よく調理していき、数分後には肉うどんが完成。


例のやさしいお出汁は、ほろ酔いで啜るとさらに美味しい
具材は豚肉と、斜め切りされたネギのみ。お肉は出汁で煮込んだのか、淡白なテイスト。
七味をかけてみたけれど、透明スープの邪魔になってしまう気がした。


私が食べ終えた頃は、もう23時直前だったが、そんな時間帯にも、常連らしき客が入店してきた。
店じまいはもう少しあとになりそうなので、厨房の店主と少しだけ会話した。
阿佐ヶ谷の和田を経営していたお父様は、新中野の『四国屋』でうどん作りを学んだこと、
息子の自分は、父からだけでなく、名古屋などでうどんの修業をしたこと、
ラーメン店のオーナーと同様、小麦粉や煮干しの価格高騰に頭を抱えていることなどを語ってくれた。
透明なお出汁と同じくらい、うどん作りに情熱を燃やす店主にも好感を抱いた私は、
その後も2度、ここ恵さんに足を運んだ。初訪問から1ヶ月以内に4度も通ったうどん店は、久しぶりである。

ただし、3度目の訪問時は、荻窪『グレートスコット!』で、濃い焼酎割りを飲み過ぎて、酩酊どころか泥酔状態での入店。
「かきあげうどん」1250円の冷やしを注文し、最初に出てきた揚げたての海老入りかきあげが、熱々で美味しかったのは覚えているが、


そのあとのうどんは、申しわけないが、あまり覚えていない。


上記画像によると、おろし生姜と一緒に、大根おろしがたっぷり入っていたようだ。大根苦手の私は、ちゃんと食べたのだろうか。
冷やしの場合は、醤油ベースのかえしが加わるようで、色が透明ではない。


最後は、かきあげも丼内に投入し、ツユに浸して食べたようだ…と、さっきから「ようだ」「ようで」ばかりでスマン!


上記4枚以外にも撮影画像が残っていたが、ほとんどピンボケで使い物にならず(苦笑)。だいぶ酔ってたみたいね。

4度目の訪問では、「前回は酔っ払っててすみません」と店主に謝罪したら、「そのようでしたねえ(笑)」だって。ああ恥ずかしい。
この日は、たぬきときつねの「合わせうどん」1100円+玉子を、前回記憶のない冷やしで注文。

最初の訪問時もそうだったが、揚げ玉は、注文ごとにフライヤーで作られる。


たぬきうどんのときと同じ具材に、刻んだお揚げが加わった、合わせうどんが完成。


冷やしのおつゆ画像を再び撮影。かえしが入ることで塩分が濃くなるが、元の出汁がやさしいので、高血圧の私も大丈夫(←本当か?)。


おつまみメニューに、「甘いあげ」450円と「油あげ」500円があったのだが、合わせうどんに入るのは甘口タイプ。

※この日の玉子は、固めの仕上がり

過去に何度も書いてきたように、私はもうおっさんなのに、ケーキや洋菓子が大好きな甘党なので、甘いお揚げも大歓迎である。
お揚げだけでなく、カリカリ&しっとりの揚げ玉も、カマボコなどの脇役も、冷水で締めて噛み応えが増した自家製うどんも、
そして、さきほどから何度も絶賛しているお出汁も、すべて美味しいのでハシもレンゲも止まらず、
気付けばツユまで完食していた。しまった、また主治医に怒られる…。


店主に「いつもありがとうございます」と挨拶されたので、「今度はこちらで一杯やってから、うどんで締めます」と返答し退散。
おつまみは、かきあげ単品か、甘いおあげか。例の透明スープだけでも酒が飲めそうだが、さすがにお出汁だけの注文は不可だろう。

恵さんに最後に寄ったのは、つい先日のこと。ここ数日、母校野球部の応援に気合が入りすぎて、
関係者でもないのに、少々ピリピリしていた私だったが、やさしいお出汁のおかげで、心が落ち着いたような。
精神安定剤も含まれている(ウソ)、こちらのお出汁とうどんを、皆さんもぜひ一度、お試しあれ。
あと、母校野球部よ、明日の準決勝はもちろん、28日の決勝戦も、絶対勝てよ!



恵(けい)
東京都杉並区天沼3-6-21
JR荻窪駅北口から徒歩約4分
営業時間 11時半~15時、18時~23時くらいまで 麺切れ早じまいあり
定休日 月曜、月末の日曜

8月21日追記 
現住所での営業は8月23日くらいまでで、東京都杉並区天沼2-3-7に移転します。
営業再開は12月10日予定です。
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人懐っこい店員がいるお蕎麦屋さん 立川『みさき湾』

2024年05月21日 | そば、うどん
自宅周辺のウォーキングを始めたところ、歩行距離がどんどん伸びていき、立川市の地理が詳しくなった。
自分で書くのもナンだが、市内の飲食店で、20世紀から営業しているお店だったら、だいたいわかる気がする。
例外は、徒歩60分圏外の市北西エリア(西武拝島線沿線)と、スナック・おしゃれカフェや高級店など、興味のないお店。
居酒屋はともかく、食堂やラーメン店は、だいたい訪問しているはずだが、長年、存在を知りながら未訪問のお店が、2軒存在する。
1軒は、ラーメン屋なのに、店内から人生の先輩らしき方々の歌声が聞こえてきる、カラオケスナックのような怪しい店(苦笑)。
常連ばかりで一見客はツラく、衛生面にも問題があるそうで、訪問経験のある女性に「絶対行かない方がいい」と忠告された。

そしてもう1軒が、市街地から離れた住宅街にある、お蕎麦屋さんの『みさき湾』
正式名はみさき湾本店。「本店」が付く理由は、かつて西国立の方にも支店があったから。
お蕎麦屋さんといっても、調べたところ、うどんやラーメンもあるし、天丼などのご飯ものも提供。
さらには、もつ煮や餃子などのつまみもあり、通し営業なので昼間から飲めて、しかも値段が安い。
要するに、昔はあちこちにあった、食堂を兼ねたお蕎麦屋さんという、私好みのお店なのだが、入る勇気がなかった。

入店を拒んだ理由のひとつは、安すぎる価格。こちらはお店入口だが、


午後2~5時はタイムサービスで、「ら~めん」「たぬきそば・うどん」が各300円に!


金欠ゆえ、安価な店は大好きな私だが、安すぎるのも、ちょっと怖い。
そして、もうひとつの懸念材料が、飲食店では珍しい下記の貼り紙。


店内に「馴れ馴れしいワンコが2匹」いて、「犬の駄目なお客様はご遠慮ください」と告知しており、
犬だけでなく、動物自体が苦手な私は、入店を遠慮しなくてはならないのであった。
さっき書いたように、お店は住宅街にあり、「誰でもウエルカム」という姿勢ではなく、長年通っている常連を優遇していると思われ、
店内で犬を飼っている近隣住民向けのお店に、動物嫌いでヨソ者の私が行くのは、リスクが大きい。

…と、思っていたのが、ブログのネタにもなりそうだし、一度は行ってみるかと決心したのが今年の2月。
お店に到着し、思い切って入口ドアを開けると、2匹のワンちゃんが私に駆け寄ってきた!

※着席後に撮影

吠えられビビる私に、すぐさま男性店員が「犬は苦手ですか!?」と声をかける。
ここでハイと告げたら、中に入れてもらえないので、「だ、大丈夫です…」と返答し、入口近くの席に案内される。
すぐに冷水ポットとおしぼりを出され、しばらくすると「ご注文はお決まりで?」とたずねられる。


メニューを眺めて考える余裕もなく、とりあえず目についた「なべやき」うどんをオーダー。
こちらがメニュー表。タイムサービスで300円の「ラーメン」と「たぬき」は、通常でも450円と安い。


他の商品も全体的に安価で、私が頼んだなべやきうどんも、いまどき750円で提供している店は少ないはず。
左下に「一品での配達はご容赦下さい」と記されているように、現在も出前をやっているようだ。
酒類もあるようだが、初回ゆえ自重。なお、下記メニュー表は、最新訪問時にはなくなっていた。


吠えていたワンちゃんたちは静かになったが、それでも、見知らぬ客に興味があるのか、足元に寄ってくる。


さすがに嚙まれはしなかったが、何度かヒザを鼻で突かれ(舐められ?)、そのたびに「ひゃー」と情けない声を漏らしてしまった。
店頭の貼り紙どおり、本当に馴れ馴れしいワンコである(笑)。
店員はふたりいたが、彼らは終始無言で、店主らしき男性は客席に座り、ずーっとタブレットの動画を視聴しており、
もうひとりの男性店員も、調理前も調理後も客席に座って、やはりスマホを眺めている。
店員ふたりの関係は謎。親子や兄弟ではなさそうだし、師匠と弟子(?)なのかな。
先客に、ひとり酒をたしなむ初老の女性がいたが、店員たちとは会話せず、黙って飲み続けている。
3人とも無言で、妙に重苦しい雰囲気だったが、陽気なホール担当=ワンちゃんたちがいて助かった。
弟子(仮)店員が調理した、なべやきがこちら。グツグツ煮えたぎっている土鍋の中に、豊富な具材が盛られている。


「熱いのでお気を付けください」のような掛け声がなかったのは残念だが、これだけ具だくさんで750円はお得だよ。
海老天、ナルト、しいたけ、ワカメ、ネギの他、かまぼこ、竹の子、玉子焼きまで入っている。


うどんは柔らかいタイプだったが、土鍋の熱が加わる前は、もっとコシがあったのかも。
出汁は醤油ベースの関東風で、やや薄口。麺もツユも、昔から食べている昭和時代のお蕎麦屋さんのテイストだ。
麺と具をたいらげ、お会計を済ませ、弟子店員の「ありがとうございましたー」の声と、ワンちゃん店員に見送られて、お店を出る。
店員さんたちの愛想はなかったが、さっき書いたように、近隣住民向けのお店だろうから、一見客には仕方ない。
私も通い続ければ、そのうち愛想よくしてくれるはずだ。ちなみに、これまで3度訪問したが、まだその兆しはない(苦笑)。
その分、人懐っこい店員さんがふたりいるので、ヨシとしよう。

帰宅後、改めてネット情報を検索。店内で犬を放し飼いしていることは、やはり賛否両論あるようだ。
動物嫌いではなくても、衛生面で気にする方もいるのは仕方がないが、
入口ドアには、「食品衛生巡回指導実施店」のステッカーが貼ってあるので、たぶん大丈夫だ(?)。

※最近、24年度のステッカーに更新されていた

食べログの「メニュー」欄を確認してみたところ(レビューは当然見ない)、「肉じゃが」など現在提供していない商品はあるが、
価格は13年くらい据え置き。300円のタイムサービスも、10年前から続けている模様。すげえ!
せっかくなので、私もタイムサービスの恩恵を受けるべく、再訪時は16時台に到着。

前回同様、ワンちゃん店員たちに挨拶され(注:吠えられただけ)、着席&オーダー。
サービス価格のラーメン300円と、それだけでは申し訳ないので、「天カツ重」700円も注文。
2度目なので落ち着いて店内を見回すと、「みさき湾本店 創業昭和四十年」と記された、屏風のようなもの(?)があった。
1965年創業ということは、来年で60周年。立派な老舗である。
あと、厨房近くのタンスには、「ゴルゴ13」や「こち亀」などの漫画本が置いてあり、手に取って読んでいいのか迷っていたら、
本に混ざり、なぜかAVのパッケージ(しかもVHS)も並んでいた(苦笑)。店主の私物か?

しょーもない情報はさておき、例のごとく弟子店員が調理した、料理2品が完成。


ラーメンは、サービス価格とはいえ、チャーシュー、ナルト、メンマなど標準的な具は入っており、


横アングルを見ても、ちゃんと量があり、定価450円でも安い!


人生で初めて食べる天カツ重は、その名のとおり海老天1本とかつ煮半分を、玉子でとじたもの。あと、たくわんが付いてくる。


人間店員たちは、相変わらずタブレットなどに夢中で、誰も私を見ていないので、麺リフトも堂々とできる。


蕎麦屋のラーメンは、そばツユを合わせる和風タイプが多い印象だが、ここのは、純粋な中華風ラーメンであった。
なべやきにも入っていた海老天は、コロモ厚めの私好みなヤツ。とじた玉子や煮玉ねぎとも好相性だ。


ラーメンスープとたくわんだけ残してお会計。ちょうど千円だった。
帰り際、人懐っこい店員さんたちを撮影。前回訪問日より気温が上がってきたので服を脱ぎ、体毛もカットされて涼しげだ。


そして一昨日、軽く飲んでから食事をしようと思い、3度目の訪問。
日曜日だったので、常連客が何組かやってきて、ボトル焼酎などで飲み食いしている。
出前の注文も入っており、まさに犬の手も借りたい忙しさ。さすがの店主も、この日は厨房で働いていた。
手が空いたときを見計らい、「ビール」500円に「餃子」400円と「つくね」250円を1本オーダー。
ビールはアサヒの中瓶で、豆菓子がふたつ付いてきた。


先に大ぶりサイズのつくねが登場。軽い塩味で、付属の辛味噌を付けて食べる。


続いて餃子が焼き上がった。1人前6個で、1個あたり20グラムくらいだろうか。


どちらも味は悪くないが、たぶん自家製ではないと思う。違ったらゴメン。
ビールを飲み終え、常連客が頼んでいた、メニュー表にはない焼酎のウーロン茶割りを追加。価格は会計時に400円と判明。
ついでに、「モツ煮込み」400円と「もり」400円が一緒になった、「もつ煮込みセット」750円も注文。「モツ」と「もつ」は表記ママだ。
セットは、もりうどんやかけそばなども選べるようだが、みさき湾さんはお蕎麦屋さんなので、もりそばにした。
数分後、仕切りのある容器に盛り付けられた、もつ煮込みセットが完成。


セットには、ミニサイズだけど玉子焼き、サラダ、たくわんが付いてくるようだ。もっとも、私の希望は玉子焼きだけだが。


もりそば&蕎麦湯もアップ。容器面積が狭いため少なく見えたが、一般的なお店と同量くらいのはず。


もつ煮は、いろんな部位が入っており、煮込まれ柔らかくなった大根や人参も入っているが、これも自家製ではなさそう。
やや甘口に感じたので、さっきのつくねの辛味噌や七味を入れて、ビリ辛状態にすると、ウーハイが進む。
そばも、煮込みに浸して食べてみたが、以前、神楽坂の『翁庵』で試みたときと同様、あまりウマくなかった。


一方、もりそば自体は、麺は細くコシがあり、ツユは濃すぎず甘すぎず、「さすがは専門店!」とうなる美味しさ。
いつまでなのか不明だが、もりそばは現在、開店58周年セールで350円(※壁の貼り紙より)なので、一気に3枚くらい食べたいよ。
せっかくのそばツユだったが、もつ煮をつまんだハシでそばも手繰ったため、ツユに脂が浮いてしまった(嘆)。
それでも、蕎麦湯を注ぎ、ゴクゴクと飲み干し「ごちそうさまです」。
この日のワンちゃんコンビは、終始常連客に遊んでもらっており、私のところにはあまり寄ってこなかった。
動物は苦手だったくせに、相手にされないと、なんだかさみしいのが不思議(苦笑)。

ツッコミどころも多いお店だが、老舗蕎麦店、大衆食堂、居酒屋、そしてドッグカフェと、
多彩な顔を持ち、値段の安さは立川でも屈指だと思う、みさき湾さんに興味を持った方は、ぜひ一度足を運んでいただきたい。
私も、好物の「カツカレー」700円や「五目中華」650円を食べるため、またお店に行くつもりである。



みさき湾本店
東京都立川市富士見町2-10-9
JR立川駅から徒歩約14分、西立川駅からは16分くらいか
営業時間 11時~20時
定休日 木曜
HPがあったので、詳細はそちらで
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新宿御苑前でうどんを食す

2024年03月24日 | そば、うどん
「新.東京うどん」のお店『切麦や 甚六』の回で、「このエリアは、なぜかうどんの名店が多く」と記した、新宿御苑前。

※甚六の「ぶっかけうどん」

「他のお店については、また改めて」と書いておきながら、9ヶ月たってしまったが、今回ようやく、他のうどん店も紹介させていただく。

まずは、甚六で友人と飲んだあと、二軒目として立ち寄った『功刀屋』。


本店は旗の台にあり、最初は釜玉うどん専門店だったが、モチモチとした歯触りの「餅うどん」を掲げたお店に変更。
店頭には、餅つき用の臼が置いてあり、 ※実際には使用していないと思われる


商品名も牛肉うどん、カレーうどんではなく、「牛肉餅」、「カレー餅」と呼ぶ徹底ぶり。


こちらがメニュー表。1年以上前に撮影したものなので、現在とは一部商品や価格が異なる。


前の店で結構飲み食いしたので、酒や天ぷらなどは注文せず、私はかけタイプの「豚肉餅」、


友人は冷やしタイプの「豚肉ぶっかけ餅」を選択。


出汁は黄金色の西日本風。ちなみに店主は、神保町の超人気店『丸香』の出身らしい。
うどんは、表面は確かにモチモチだが、ちゃんとコシもある。よく考えれば、餅もコシというか弾力があるからね。


最近は、丼を臼型に変更し、営業時間も10~16時までになった模様。
だいぶご無沙汰しているが、次回は空腹の状態で、こちらのうどん…ではなく餅を味わいたいと思う。

甚六、功刀屋でうどんを食べたのに、この日はさらに、3軒目の『萬田次郎』へ。


福岡の人気店『萬田うどん』の東京支店にあたるらしいが、こちらのお店も人気があり、店頭には行列ができていた。
ただし、何組かの客が退店したので、すぐに入れそうだ、と待っていたが、いつまでたっても列が進まない。
結局、先客数組が帰ってから数分後に、ようやく我々も入店できた。
私はもう満腹だったので、うどんは断念し、酒だけ飲むことに。ツマミとして「牛肉しぐれ煮」450円を少し食べた。


友人はぶっかけうどんの「梅おろし」750円をオーダー。


写真ではわかりづらいが、萬田うどんの特徴は、歯応えのある「透き通った麺」らしい。
店員さんは3人いて、接客担当ふたりの応対は良かったが、やはり退店客の後片付けが遅い。
ひょっとして、店頭に行列を作るため、わざと遅らせている…? さすがにそれは考えすぎか。
現在はさらに行列が長くなり、開店数時間前から、店外のQRコードで受付をする「整理券システム」を採用しているとか。
功刀屋と同様、空腹時に再訪問したかったのだが、整理券はメンドーだなあ。

3軒目は、神宮球場の帰りにひとりで訪問した、『全粒粉生うどん 手練れ』。


3種の小麦粉を使用した、全粒粉生うどんで作る創作メニューが特徴のようで、
つけうどん、油うどん、ざるうどんの3種が主要メニューで、その他に追加トッピングがある。


つけうどんと油うどんは、ラーメン店みたいで面白い。私は「温玉つけうどん」890円を選択した。

店頭で食券を購入するも、店員さんから「いらっしゃいませ」の声もかからず放置される。
しばらくすると、あまり元気のない店員さんがやってきて、無言で食券を受け取り去っていく。
着席すると、開店直後なのにテーブルがベタベタする(たぶん、前日のまま)。コロナ後は、客が退席するたびに殺菌・消毒する店もあるのに。
天井を見上げれば、蜘蛛の糸のようなものが見えるし、清掃はだいぶ手を抜いているようだ。
接客も衛生もアカン、今どき珍しい店だなあ…嘆いていたところに、温玉つけうどんの一式が登場。


うどんの上には、ネギ、メンマ、海苔、追加の温玉に、韓国風に味付けされた鶏肉と、レモンも添えてある。


醤油ベースのつけダレには、豚肉とネギ、さらに背油の粒も入っている。


さらに、少量ではあるが麦飯も付いてくる。W炭水化物歓迎の私には、嬉しいサービスだよ。


先ほど載せた食べ方マニュアル「手慣れた食べ方」の推奨に従い、まずは麺だけ数本食べてみたところ、
薄茶色いうどんは、歯応え・旨味ともに上々。力強い麺なので、濃厚タレに浸しても負けない。


私のように、ラーメン店の濃厚つけ麺が好きな方なら、絶対喜ぶテイストのはず。
途中でレモンを絞って酸味を加え、うどんも具材も、余すことなく食べ切った。
麦飯には、最初は具材の豚肉と温玉を加えて食べ、


最後はつけダレをぶっかけて、レンゲで一気にたいらげた。


近年は、かん水を使わず、うどんのような太い中華麺を用いるラーメン店もあるが、
こちらのお店では、ラーメン店のようなメニューを、うどんで提供している。
私は食べたことないが、「爆盛りチャーシュー油うどん」という、チャーシューメンを意識した“映え商品”もあった。

※現在は見られない、お店HPより拝借

富士見台にある吉田のうどんのお店『力丸』には、「肉汁背油うどん」というメニューがあるし、
今後も、うどんとラーメンのハイブリッド商品が、生まれてきそうな予感がある。
ただ、こちらのお店手練れは、再訪時はラストオーダー10分前(閉店1時間10分前)なのに、入店を断られるなど、
相変わらずの客対応に不満を抱いていたところ、気付けば閉店していた。残念!
うどんの味自体は悪くなかったので、優秀な人材を確保していれば、現在も営業は続いていたかもしれない。

以上、新宿御苑前のうどんを3軒紹介してきたが、最後の手練れは既にないので、もう1軒追加する。
手練れのすぐ隣には『丸亀製麺』があるが、私が訪問したのは、ちょっと歩いた場所にある『そば処 更科』。


こちらはお蕎麦屋さんだが、うどんも用意しており、しかもラーメンとカレーもウマい、と評判のお店である。
「カレーライス」は650円で、350円の「ミニカレー」は、「もり」や「ラーメン」とのセットもある。
私は「たぬき・ミニカレー」のBセット1100円をうどんでオーダー。「たぬき」は800円なので、セットだと50円お得。
しばらくすると、たぬきうどん、ミニカレー、薬味ネギのセットが登場。


たぬきうどんは、真っ黒いツユに柔らかめのうどんが入る、いかにも関東風の味わい。今回はうどんがテーマなので、カレーのアップは省略。


具材は揚げ玉、縦切りされたネギ、青菜とシンプル。濃い口のスープには、七味が合う。
揚げ玉は、もっとパリっとした食感の方が好みだが、ツユを吸って柔らかくなったのも、嫌いではない。


いわゆる「蕎麦屋のカレー」とは一線を画す、ちょっと手間をかけている(と思われる)カレーライスにも、
お行儀悪くうどんを乗せ、カレーうどんにしたりして、最後まで美味しく味わった。


今回はうどんを食べたが、近いうちに再訪し、人気のラーメンやお店自慢のおそばも食べてみたい。

私の地元立川には、非チェーンのうどん専門店はほとんどないのに、
新旧合わせて、うどんの名店が4軒もある、新宿御苑前エリアはうらやましい限り。
今年の夏も、母校野球部を応援するため、神宮球場に足を運ぶ予定なので、帰りにはまた、この界隈で食事をしたいものである。
金欠の私は無論、タクシーなど利用せず徒歩で向かうので、どうか猛暑はカンベンしてほしい(笑)。
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本当に硬い、けれどもウマい「吉田のうどん」 富士見台『手打ちうどん力丸』 

2023年12月19日 | そば、うどん
ちょっと前に、「メンドくさいコメントは送ってこないでくれ」と記したのに、
つい先日、よりによって私が蛇蝎のごとく嫌っている、食べロガーがコメントをよこしやがった。
該当記事にも、食べログの不満が連ねてあるのに、わざわざ「食べログをやっている○○です」なんて名乗ってやがる。
飲食店の迷惑を考慮せず、空気を読まず、読解力もない、バカで無礼で非常識な食べロガーらしい投稿である。
私よりだいぶ年長のようだが、会ったこともない人間にこんな自己紹介をするなんて、いいトシして恥ずかしくねえのか。
私の感覚では、「闇バイトの指示役やってる○○です」や、「痴漢・盗撮マニアの○○です」と同レベルだけどなあ。
無視してもよかったが、今後一切かかわりたくないので、「2度と来ないでください」と返信した。

不愉快な書き出しで申しわけなかったが、今回のテーマは西武線富士見台駅にある、『手打ちうどん力丸』である。
山梨県の富士吉田市の名物で、“日本一硬いうどん”と称される、「吉田のうどん」を提供しているそうで、
以前からお店の存在は知っていたが、富士見台はそこそこ遠いので、なかなか訪問の機会がなかった。
ところが先日、お店のとある方針を知り、熱烈に応援したくなり、その日の夜にさっそく訪問。


店内はカウンター席とテーブル席がふたつ。気さくなご夫婦に、カウンター席へ案内される。
うどんの前に軽く飲みたくて、「ビール」550円と、「かき揚げ」200円に「牛すじこんにゃく煮込み」500円を注文。
こちらが卓上のメニュー。冷たいうどんに、ドリンク&おつまみ類。


裏側は温かいうどん。「かつカレーうどん」のような珍しい商品もある。


さらに壁には、限定メニューや新商品などが掲示されている。


まずはサッポロの中瓶が、きんぴらのお通しと一緒にやってきた。


女将さんから「よろしかったら、すりだねをお使いください」の説明を受けたので、そのとおりにしてみた。


すりだねとは、吉田のうどんの辛口薬味で、こちらのお店では唐辛子、山椒、魚粉などを混ぜて作っているそうだ。
『ホープ軒』の唐華のようなモノかと思ったが、口にしてみると、辛さの中にも旨味、そして柑橘系のような爽やかさがある。
後日、女将さんにたずねたら、「陳皮も入っています」とのことで、うどん以外にも合いそうだ。
「麺が硬い」と「すりだね使用」以外に、吉田のうどんの特徴を簡単に挙げると、
○椎茸や煮干しで出汁をとる ○調味料は醤油ベースで、味噌も使う ○具材は茹でキャベツや馬肉
もちろん、出汁や具材はお店によって異なるし、ここ力丸さんでは、馬肉は使っていない。
あともうひとつ、○吉田うどんではなく、吉田「の」うどんが正しいらしい。

ハナシは戻って。ビールを飲んでいたら、「お好みで出汁醤油もお使いください」という説明とともに、かき揚げが到着。


女将さんの丁寧な説明に感謝しつつ、まずはそのまま食べて、あとから醤油を少しだけ垂らして食べた。
続いて、うどんのおツユで炊いた、牛すじこんにゃく煮込みも登場。


ネギの下には、牛すじ肉やこんにゃくに野菜も。こんにゃくは薄切りで、ちょっと尖っていた。


とにかく、ベースのうどん出汁に牛すじの旨味が溶け込んだツユがウマくて、かき揚げも浸してしまった。
ビールを2本飲み終え、シメのお食事を頼むことに。壁の注意書きによると、


「硬い麺が苦手な方は温かいメニューや熱盛をお勧め」らしいので、「かけうどん」200g600円をオーダー。
茹で時間はそれほど長くなく、予想より早くかけうどんが登場。


ツユは吉田のうどんベースで、味噌を使用しているようだが、塩分はきつくない。
そしてうどんは、太く四角く、そして硬い、評判どおりのゴツゴツ麺!


いざ噛みしめると、小麦の甘味が口の中に広がり、甘じょっばいツユと合わさり、めちゃくちゃウマい。
途中で、卓上のすりだねと揚げ玉を投入し、麺を食べ終えツユを飲み干す…直前でストップ。
理由は、満腹になる前にもう一杯食べたくなったからである。

今度は壁のメニューから、「肉汁背油うどん」300g1150円を選択。冷たい麺は硬そうなので、熱盛でお願いした。
完成品がこちら。“背油の海にダイブ! ほぼラーメン!”というキャッチコピーどおり、確かにラーメン店のつけ麺みたいだ。


つけダレは、味噌を使わない武蔵野うどんベースらしいが、背油が多すぎてよくわからない(笑)。


麺には海苔とネギの他、私の大好きな味玉と角煮も盛られていた。すりだねも振りかけ、食べ始める。


熱盛とはいえ、やっぱり硬いうどんを、つけダレにドボンと投入。救い上げると背油がたっぷり絡んでいた。


背油独特のワイルドな味わいと、小麦のやさしい甘味が対照的で、なかなか面白いテイストである。
味玉はしっかり煮込まれた半熟で、豚角煮もとろけるタイプではなく歯応えあり。麺と同様、具材も硬めである。


満腹中枢が働く前に食べ終えたいのだが、いかんせん麺が硬く太いため、咀嚼に時間がかかる。
それでも、具材も300グラムの麺もしっかりたいらげた。食後の達成感は相当なもので、心の中でガッツポーズ。
蕎麦湯代わりに、女将さんが出汁入りのやかんを持ってきてくれたが、背油ツユを飲み干すのは、さすがの私もためらってしまった。


ここまで触れなかった、私がこちらのお店を応援したくなった方針とは、さっきの壁メニュー画像でお気づきかもしれないが、
力丸さんは、食べログへの投稿を一切禁止している、【食べログお断りのお店】なのである!


反食べロガーの私としては、拍手喝采したいが、飲食店の立場でこのような貼り紙を掲示するのは、抵抗もあったはず。
お店に掲載拒否権がなく、投稿する食べロガーの大半が、無知で無責任な素人、という現状のシステムは絶対におかしいが、
月間19億7868万PV(23年9月、食べログ調べ)という巨大サイトに逆らうのは、勇気が必要だったことだろう。
お店のツイッター(現X)では、「飲食店が匿名投稿で苦しむ現状を何とかしたい」と訴えており、
自店だけでなく、他店への批判にも心を痛めているようだ。
会計時、店主とは話せなかったが、女将さんに「食べログお断り、大賛成です。これからも頑張ってください」と伝えて退店した。

なお、お店が食べログ投稿を禁止したのは、22年の1月だが、以降もクズどもの投稿は続いており、
冒頭で触れた、私に「食べログをやっている○○です」と自己紹介したヤツも、しっかり力丸さんに投稿していた。
お店のルールを守れないヤツらが、偉そうに批評・点数評価をするなんて、笑止千万である。
どうせ、「自分以外も投稿してるから」と無視しているのだろうが、そのような「他人もやってる」という甘えた考えは、
うっかり闇バイトに手を出したり、痴漢や盗撮をする犯罪者と同等で…これ、さっきも書いたな。
とにかく、食べロガーは犯罪予備軍であり、今すぐ抹殺すべき危険な存在である! って、この思想も危険だね。

閑話休題、初訪問から数日後、再び力丸さんのうどんを食べに富士見台へ。
この日はビールと「ちくわ天」150円に、おつまみにもなりそうな、平日限定の「プルプルホルモンうどん」200グラム1000円を注文。
まずはビール、そして青海苔の模様が美しい竹輪天が登場。


数分後にはホルモンうどんも完成。壁に貼ってある見本の写真よりツユだくであった。


前回撮り忘れた、横アングルも撮影。右側の容器は、「追いニンニク用」のおろしニンニクである。


具材はモツ、キャベツ、ニラ、ネギ、ニンニクチップ、鷹の爪など。“ほぼもつ鍋!”というキャッチコピーが秀逸だ。


竹輪天やモツでビールを飲んでいくが、太くて四角くて硬いうどんも、意外とツマミになる。
噛みしめると広がる小麦の甘味が、だんだんクセになってきたようだ。
2本目のビールを飲み終え、ホルモンうどんも食べ終えたが、この日も2杯目に挑む。
選択したのは、お店メニューに“吉田のうどん定番”と記されており、もっとも硬いらしい「冷やしうどん」の200g700円。
数分後、最初から冷たい出汁がかかっている、ぶっかけスタイルのうどんが登場。


茹で上げ後に冷水で絞められたうどんは、いざ噛みしめると、
硬い! と最大フォントで表示したくなる、今まで食べた温かいうどんとは、ケタ違いのハードさ。
硬さを例えるならば、雪印の「さけるチーズ」か。ただし、チーズは裂けば細くなり食べやすくなるが、
うどんを裂くのは難しい。というか、裂き始めたら店主夫妻や周囲から怪しまれる。
すりだねをかけてみたが、もちろん、麺が柔らかくなる効用はない。


具材のキャベツやわかめと一緒に、気合を入れてうどんを噛み、時間はかかったが、どうにかたいらげた。
会計時、女将さんと少し会話し(すりだねの陳皮のこととか)、「また来ます」と告げて退散。

入口ドアにも、食べログお断りのステッカーが貼ってあった。投稿した食べロガーよ、「気づかなかった」なんてウソつくなよ。


このステッカーが、自家製なのかは聞きそびれたが、他の店舗でも掲示されるようになってほしい。

反食べログという主義だけでなく、女将さんの素晴らしい接客や、店主が作る個性的でウマいうどんに、すっかり魅了されてしまった私。
これからも、うどんを全力で噛みしめると同時に、力丸さんを全力で応援していくつもりである。



手打ちうどん力丸
東京都練馬区富士見台2-18-9
西武池袋線富士見台駅から徒歩約3分、中村橋駅や、西武新宿線下井草駅からも歩ける
営業時間 11時~15時、17時~21時 20時ラストオーダー
定休日 木曜、年末年始など
※詳細はお店のHPでご確認を
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大量の麺を噛みしめる快感 国分寺『甚五郎』

2023年11月02日 | そば、うどん
今から10年ほど前のこと。
高血圧及び食生活を主治医に叱られたことで、とりあえず「飲んだあとのラーメン」を自粛することにした。
さすがに自分でも、深夜のラーメン・つけ麺・油そばには、後ろめたさがあったのは事実だし。
決意表明した当日、飲んだあとのシメに選んだのが、国分寺のうどん・そば店『甚五郎』
同名のお店が、地元立川を含め各地にあるが、私が食べたことがあるのは、ここ国分寺店だけ。
渋い屋号に反し、外観は意外と派手。写真上部の「キンチョール」と同様、


店内にもレトロ看板や、古時計などが設置してある。 ※店主の趣味らしい


お店HPによると創業は昭和63(1988)年。看板ほど古くはないが、35年の歴史を誇る実力店だ。

そばは滅多に食べず、当時はうどんにも興味がなかった私が、甚五郎さんを選んだ理由は、ズバリである。
お店のモットーは「旨いものを安く腹いっぱいに」だそうで、それがメニューに反映されている。


うどんは普通盛りで約600グラム、大が800で特が1K。小盛りでも400で、半分盛りが、一般的なお店と同量の300だ。
上記、冷たい麺のもり=「つけ麺」だけでなく、温かい麺のかけ=「丼ぶり」も用意されており、
量はそれぞれ、もりタイプより100グラム少ないが、それでも並うどんは約500と、結構多い。


種類も豊富な甚五郎さんで私が選んだのは、「肉づけ・うどんそば合盛」960円。私が食べたときは700円台だったはず。
ガラケー映像、しかも下記の1枚しかないので、盛り具合の良さが伝わらなそうで残念。


いわゆる武蔵野タイプのうどんだけでなく、そばも通常のお店より太めで、どちらも噛み応えがある。
計600グラムのうどん・そばだが、美味しかったのでペロリとたいらげ、大満足で「ごちそうさまです」。
ただ、普段の背脂ぎっとりラーメンよりはマシだろうが、麺を600グラムも食べたら、やっぱり医者に怒られるね。

その後は、締めラーメンをとっとと復活させ、さらに讃岐風のむっちりとしたうどんのファンになったため、
ゴツゴツとしたうどんの甚五郎さんは、ちょっと足が遠のいてしまった。
今年に入り、お店の存在を思い出し、先述したHPにたどり着いたところ、
【ちょい飲みのススメ】というカテゴリーにて、豊富なお酒と肴を紹介しており、
うどん&そばだけでなく、飲みにも興味を惹かれ、久々に訪問。
お店の場所は、国分寺駅北口から徒歩数分。以前紹介した、老舗食堂『えどっこ』の近くだ。

さっき、麺類を紹介したので、今度は他のメニューを掲載。こちらがドリンク類。


ビールやサワーなどの定番や、飲み比べができる日本酒など、居酒屋なみに揃っている。
こちらがおつまみ類。天ぷらなどの揚げ物はないが、「カレイの煮付」など煮物が多い。


店内脇のカウンター席に案内され、まずは「キリンビール(中瓶)」600円と、「すきやき皿」650円を注文。
すぐに冷えたビールとグラスが提供され、続いて平たいお皿に盛られたすき焼きが登場。


牛肉と玉ねぎだけでなく、糸こんにゃく、ほうれん草、シメジ、人参など具だくさん。
そしてすき焼きといえば、最高のお供「生玉子」を注文。価格は、牛丼屋よりもお得な50円。


さっそく溶き玉子にして、具材と絡めて頬張っていたら、すぐにビールがなくなってしまい、


うどん・そば店ならではの「焼酎・そば湯割り・温」350円を追加。
しばらくすると、白く濁ったそば湯割りのホットが、ジョッキで出てきた。


見た目は普通のジョッキだったので、熱で割れないかビビりながら飲んだ。

すき焼きをほぼ食べ終え、まだお腹に余裕がある段階で、シメのお食事に。
注文したのは初訪問時と同じ、肉づけ・うどんそば合盛の並。並でも麺が計600グラムあるのは既述した。
量が多いので茹で時間もかかり、約10分後、お盆に乗せられた麺一式がやってきた。


こちらがうどん&そば。デジカメなので、前回のガラケー画像よりはマシ…だと思う。


店員さんが毎日打っている自家製のうどん&そばは、不揃いで武骨ながら、いかにも腰が強そう。
つけダレは、関東風らしい醤油ベースの濃口で、中には豚肉とネギがどっさり。


まずはうどん、続いてそば、時には双方を箸でつかみ、ツユに放り込んでは口に運ぶ。
肉と一緒に大量の麺を、噛みしめて飲み込むこの快感!
途中で刻み海苔と白ネギを追加し、たっぷりの麺を浸し続けても、ツユの味は最後まで薄まることはなかった。
あと、少しだけ残っていた、溶き玉子とすき焼きにもうどんを絡めてみたが、やっぱり肉汁の方がウマいね。


ツユは残しちゃったけど、麺と具材はすべて食べ切り、お腹パンパンでお会計。


満腹感以上に満足感がある、素晴らしいうどん・そばであった。

そして先日、再びひとり酒とうどんを楽しむべく、甚五郎さんを訪問。
ここで耳寄りな(?)情報。カウンター席は5つあるが、現在も席の間に衝立があって狭いので、
料理をたくさん頼む方は、一番幅が広い、入口近くの席を確保すべし!
入口ドアは換気のため、常に開いているが、それでも卓上が広々と使えて快適なはずだ。

※冬場も開けっ放しなのかな?

ちなみに、女性ひとり客は、だいたいテーブル席に案内されるのでご安心を。

3度目の訪問時は、まずは「ウーロンハイ」450円を注文したのち、鍋メニューがあるのを発見。


「豚モツのお鍋」も気になったが、「もつ鍋うどん」1100円というレギュラーメニューがあるので、
レギュラーでは見かけない、「豚キムチのお鍋」をチョイス。 ※「肉みそキムチうどん」という商品はある
「1人前950円、2人前よりご注文お願いします」とのことなので、2人前をオーダーしたが、
店員さんが「1人前もできますよ」と教えてくれたので、素直に1人前に訂正。
この日は、たまたま空いていたのだが、鍋メニューには「混雑時は注文をお断りする」と記載してあるし、
普段はたぶん、1人前のオーダーは不可だと思う。私は運が良かったのだ。
最初に、ウーロンハイとガスコンロが来て、続いて豚キムチ鍋が登場。


横アングルがこちら。ひとり飲みにはじゅうぶん過ぎる量であり、2人前にしなくてよかった。


具材は、豚肉、キムチ、ニラ、豆腐、ネギといった、豚キムチ鍋ならではの食材以外にも、
キャベツ、シメジ、エノキ、舞茸など具だくさん。低カロリーのキノコ類が多くてヘルシーだね。


途中で食べ進めていったら、鍋の底からさらに、人参、紫キャベツ、オクラなども入っていた。


そういえば、豚キムチ鍋のタレって、市販でも売っているオレンジ色のヤツが定番だと思うけど、
こちらのタレは、お店自慢の醤油色したうどんツユだけ…のはず。もし違ったらゴメン。

個人的に、豚キムチ鍋に必須だと思うのが、すきやき皿にも追加した生玉子。


とんすいで提供されたので、鍋スプーンを置く場所ができてよかった。
ある程度、黄身ちゃんが育ったところで回収。鍋底をすくったら、サツマイモもあったよ。


書き忘れていたけれど、ウーロンハイの次に、焼酎・そば湯割り350円を、今度は冷たいバージョンで注文。


割れる心配がないので、今回はその後もお替わりした。

さて、具材の大半を食べ終えたので、旨味がたくさん溶けこんだこのツユで、うどんを食べることにする。


「〆のうどん」は1玉300円。ついでに、生玉子もさらに追加。50円だしね。


再びツユを温め、沸騰したところにうどんを投入。ご覧のとおり、1玉でも満ち足りる量だ。


さらに熱を加え、溶き玉子ちゃんを加えたのだが…失敗。


本当は、もっと玉子ちゃんの固まりを感じたかったのだが、タイミングが悪かったようだ。


それでも、豚キムチ鍋うどんはメチャクチャ美味しく、さらに焼酎そば割りを飲んでしまった。
前回と同様、大量のうどんをガツガツと噛みしめ、そば割りもゴクゴク飲み干し、
ツユを少しだけ残した状態まで食べ切り、ほろ酔い気分&腹十一分状態になったところでお会計。


このお鍋が950円では申しわけないな…と恐縮していたら、会計時に「1人前の場合は+200円です」と告げられる。
まあ、1150円でも全然安いと思うし、鍋類を味わうときは、数名で訪問し2人前を頼むのがベストかな。

私は入ったことはないが、ここ甚五郎さんは二階席もあり、大勢の場合は貸切も可能。
しかも、客自らが冷蔵庫から酒を出して注ぐ、お得な飲み放題コースもあるらしい。
ひとり飲みにも団体飲みにも対応する、懐の深いうどん・そば店であった。



国分寺 甚五郎
東京都国分寺市本町3-12-2
JR、西武線国分寺駅から徒歩約4分
営業時間 10時半~23時(ラストオーダーは22時40分)、月曜のみ16時半~
定休日 基本無休
※うどんのテイクアウトもあり
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新宿御苑前の「新.東京うどん」『切麦や 甚六』

2023年06月23日 | そば、うどん
年に数度、母校野球部の試合を観戦するため、神宮球場へ足を運んでいる。
通算では百回以上入場しているが、球場近辺の飲食店は混むし詳しくないしで、滅多に利用せず、
試合後の食事&祝杯は、JR千駄ヶ谷駅から中央線沿線の別エリアに移動することが多い。 ※祝杯ではない場合もあり
代々木や新宿くらいなら、徒歩で移動することもあるが、意外な穴場が新宿御苑前駅界隈
球場からは徒歩25分くらいで、秋大会の時期は問題ないが、クソ暑い夏大会は、死なないよう慎重に歩いている。

このエリアは、なぜかうどんの名店が多く、野球のない日に、わざわざ食べに行ったこともあった。
中でもオススメなのが、今回紹介する『切麦や 甚六』
店の外観は、正直客を選ぶというか、私のような薄汚い男を寄せ付けないオーラがある。


上記画像をアップにすると、白いノレンの右端に「甚六」の文字が刻まれている。


屋号の切麦とはうどんの古称であり、現代でも冷やしたもの=冷や麦として名を残している。
お店HPによると、日本全国の厳選した素材を一杯のどんぶりに集約した「新.東京うどん」を目指しております。とのこと。
今回タイトルにも引用した、その新ドット東京うどんを目当てに、恐る恐る入店したところ、
外観同様、モダンでトレンディ(←書いてて恥ずかしい)な内装だったため、個人的にはやや居心地悪し。

間接照明が灯されたカウンター席に案内されたが、接客は可もなく不可もなく、といった印象。
まずは蕎麦前ならぬうどん前として、「瓶ビール」650円を注文。
価格はHPを参照した(以下同)が、食べログによると、現在はもう少し値上げしている模様。
ビールは「サッポロ黒ラベル」と「キリン一番搾り」が選べ、私はキリンを選択。無料お通しとして、揚げたうどんも付いてきた。


おつまみとして、かしわと玉子の「親子天」400円+「キス天」200円に、


うどんトッピングの「塩鶏(大山地鶏)」をオーダー。


お店の方針として、うどんの「打ちたて」「切りたて」、天ぷらの「揚げたて」を掲げており、
揚げ立ての天ぷらは、玉子ちゃんは半熟で、鶏はほどよい味付け、塩鶏は塩分控えめで、さっぱりとした味わい。
アルコール類は、日本酒や焼酎は揃っているようだが、私の好きなウーロンハイなどはないので、
早くもシメのお食事を注文することに。なんか、すぐ近くの客が店員と揉めててうるさいし。
注文したのは、お店イチ推しの商品だと思われる、「ぶっかけうどん」650円。
数分後には、打ち立て・切り立てで、綺麗に盛られたうどんがやって来た。


麺だけアップ。中央には薬味のネギと鰹節に、ジュレ状になった出汁も乗っている。


ぶっかけにだけ付くジュレは、他のうどん店では見かけない、面白いアイディアである。
残ったおつまみたちも仲間入りさせ、付属のツユをぶっかけ、いよいようどんを啜っていく。


ツユをかけたあとなので、ジュレ出汁の風味はあまりしなかったのは残念が、
うどんは讃岐よりも硬くなく、のど越しがいいため、スルスルと胃に収まっていき、あっという間に食べ終えた。
お会計をお願いしようとレジに立ったが、さっき書いた、客と店員の揉め事はまだ続いている。
どうも「会計を間違ったのに謝罪がなかった」のが原因のようだが、さすがに客がしつこすぎる(苦笑)。
外観から受けた第一印象に反し、料理はそんなに高くもなく、接客もお高く留まっておらず普通だったので、
これなら庶民の私でもまた来られそうだ、と再訪を決意して退散。

初訪問の直後にコロナ禍となり、神宮球場に行く機会がなく、新宿御苑前もご無沙汰してしまった。
昨夏にようやく、うどんに詳しい友人と一緒に、甚六さんに2度目の訪問を果たした。
前回同様、うどんを食べる前に瓶ビールとおつまみを注文。
その前に、こちらのメニューを紹介したいが、レギュラーメニューはさっきのHPで確認できるので、
当日撮影した日替わりメニュー、《お薦めの一品料理》を以下で掲載。まずは表面。


こちらは裏面。繰り返すが撮影したのは昨年なので、現在では料理は同じでも価格は異なるかも。


つまみメニューも豊富なので、我々のような飲み客も多いようだ。
この日注文したのは、大山地鶏の「かしわ天」350円と「キス天W」350円、


前回私が食べた鶏塩に合鴨も合わせた、その名も「鶏塩&合鴨」700円。


これは、友人が頼んだのでよく覚えていないが、左側は日替わりの「大山地鶏の鶏皮ポン酢」450円で、


ゲソ天みたいな右側は…「イイダコの唐揚げ」650円かなあ?
どの料理も、さほど個性はないが、「ちゃんと調理してる」のがわかるテイストであった。
個性的といえば、下記の「うにクリームコロッケ」550円。現在ではレギュラーメニューになっており、表記はHPどおり。


中身の写真も撮ったのだが、先日の『トヨチカ』のエビマヨと同様に画像を消してしまい、
デジカメから復元を試みたものの、取り込むのは有料になるので、またまたスクショ画像を掲載。


肝心の味は、私はうにが苦手なので「カニコロッケの方がいい」であった。ゴメン。
友人は日本酒も飲み、互いに酩酊してきたところでシメのうどんをオーダー。
友人は「かけうどん」の冷や、いわゆるひやかけで、


私は温かいかけうどん。料金はどちらも650円。


出汁はいりこベースのようだが、うどんのコシはそれほど強くないので、関西風のうどんみたい。
ぶっかけのジュレのような、「新.東京うどん」を思わせる要素はなかったが、美味しかったことは間違いない。
会計後、友人とはさらに近所のうどん店をハシゴ。他のお店については、また改めて。

その後はまたご無沙汰してしまったので、つい先日、ひとりで甚六さんに3度目の訪問。
HPによると、ミシュランガイド東京2023にビブグルマンとして掲載されたそうで、以前よりも客が増え、
土日祝日のランチタイムは、整理券を配布しているらしい。面倒でイヤだな、そういうの。
私が訪問したのは平日夜だったが、やっぱり夜も行列ができている!
並んでいるのは8人ほどだったので、私も最後尾で並んでみたのだが、店内も満席で、大半の客にうどんが出ていない。
これは相当待ちそうだと思い、列から離脱。一応、行列の画像を撮影したら、激しくブレてしまった。


判別不可のひどい写真だが、並んでいる方々のプライバシーは守られたのでヨシとしよう。
せっかく新宿に来たので、その後は某店で、最近凝っているハヤシライスを食べた…この頃つづく。
※つづきはこちら

「釜たまうどん」など未食の商品もあるので、甚六さんにもまた行くつもりである。
平日のランチタイムなら空いてそうなので、母校野球部が今夏、神宮球場で試合をした帰りにでも寄りたいね。
ただ、西東京大会のベスト8に進出しないと、神宮球場では試合ができない。
今年の母校は、初戦からいきなり強敵と当たったので、ベスト8まで行けるかは怪しい(嘆)…この項もつづく。
※高校野球のつづきはこちら



切麦や 甚六
東京都新宿区新宿1-17-1
地下鉄新宿御苑前駅2番出口から徒歩1分ちょい、JR新宿駅からは徒歩約18分
営業時間 11時半~16時、17時~23時半
定休日 年末年始
※支店の西新宿成子店は、東京都新宿区西新宿8-11-1-B1
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青空の下、南風に吹かれて 武蔵小金井『白樺』

2023年05月10日 | そば、うどん
唐突ではあるが、昭和生まれの私にとっては今でも、ドラえもんの声は大山のぶ代さんで、のび太君は小原乃梨子さんで、
ジャイアンはたてかべ和也さんなのである。 ※現声優さんたちを否定しているのではありません
規格外の音痴という設定のジャイアンは、原作での歌声は下記のように、「ホゲ~」などと表現されるが、
  (C)小学館 (C)藤子・F・不二雄
※「ドラえもん プラス」第2巻p39より

アニメでは、たてかべさんが作詞した「♪おれはジャイアン ガキ大将~」という、番組オリジナル曲に差し替えられる。
ただ、その歌が発表される以前、期間こそ短かったが、ジャイアンがよく歌っていたのは、
千昌夫「北国の春」の歌い出し部分、「♪しらかば~ あおぞ~ら みなぁみか~ぜ~」であった。
当時、元の曲は知らなかった我々ガキんちょも、ジャイアンの真似をして、学校や遊び場で歌いまくったものだった。
北国の春はミリオンセラーを記録したそうだが、高視聴率アニメ・ドラえもんの宣伝効果もあったはず。
この選曲については、【元々の台本にはなく、たてかべさんのアドリブだった】説もある。
それが事実だとしたら、売上に貢献をしたと思われる、たてかべさんにも印税の一部を支払うべきではないか(笑)。

とまあ、いつものようにダラダラと長く、しかも本題とはまったく無関係な前置きで申しわけないが(反省)、
今回のテーマは、武蔵小金井の立ち食いそば店『白樺』である。
「ジャイアンといえば、たてかべ和也さん」という持論に同意してくれる方はいるだろうが、
「白樺といえば、青空・南風、ジャイアンの歌」と連想してくれる方は…少ないだろうね、たぶん。

白樺さんの外観はこちら。「近江屋」は隣接する質屋の屋号なのだが、こっちが店名だと思っている人もいそうだ。


お店の場所は、駅前ドン・キホーテの脇道。少し進めば、数日前に紹介した、大衆酒場『百薬の長』がある。
ある日、百薬の長をほろ酔い気分で退店したところ、ついつい出汁の匂いに吸い寄せられて、初入店。

こちらも、西荻窪の『笠置そば』と同様、立ち食い風の店舗だけど、ちゃんとイスがある。
入口の券売機で、「かき揚げ」そば460円+生玉子の券を購入したいのだが、玉子のボタンが見つからず、
厨房のおじちゃんに直接お願いしたら、「100円いただきます」と告げられたので、現金で支払う。
数秒後には、かき揚げ+玉子、通称天玉そばが完成。なんだか、妙に具だくさんである。


ネギとワカメはともかく、明らかにかき揚げとは別の天ぷらも盛られている。


不思議そうに丼を見つめる私に、厨房のおじちゃんが、その謎を解き明かしてくれた。
「玉子が高くなったからさ、さつまいもサービスしといたよ」。おお、それは嬉しい!
あとで調べたところ、以前の白樺さんは生玉子60円、さらに月曜日は無料で提供していたようだ。
そんな生玉子が100円になり、お店側も心苦しかったのか、その分オマケしてくれたのだろう。
ラーメンを値上げした分、チャーシューの量を倍にした、立川『パワー軒』の店主もそうだけど、
こういう心遣いは、客としては大変ありがたく、この時点で私は、白樺さんの支持者になった。
さつまいも天1個(150円)で心をつかまれるとは、我ながら安上がりな男である。

味の方は、茹で置きのソバ、濃いカツオ出汁のツユ、時間がたちフニャッとした歯触りの天ぷらと、
想像以上でも以下でもない、昔から食べ慣れている立ち食いそば屋の味である。
柔らかな麺と天ぷらは胃にやさしく(?)、温かいツユは酩酊状態の身体に浸透していくようで、抜群にウマい。
途中で七味を投入し黄身ちゃんを崩し、ツユまで残さず啜ってしまった。


「ごちそうさまです、天ぷらサービスありがとうございました!」とおじちゃんに告げ、爽快な気分で店を出た。

数日後、またまた百薬の長で飲んだ帰りに、白樺さんへ。
2度目の訪問では、メニューもいくつか撮影した。こちらは壁メニュー。


さらに券売機の画像。ブレブレで判読困難だろうが、前回見つからなかった「生たまご」ボタンは、2段目の左にあった。


こちらは、券売機上にある、写真見本付きのおすすめメニュー。


以前はラーメンや豚丼なども扱っていたようだが、最近はオーソドックスな品揃えとなっている。
この日は、「ミニカレー丼セット」650円をうどんで注文。「かけ」360円+「ミニカレー丼」380円より90円お得だ。


かけうどんは、たぬき(揚げ玉)の有無がたずねられる。私はもちろん「入れてください」。


こちらはミニカレー丼。普通の立ち食いソバ店は平皿だが、こちらは文字どおり丼に盛られている。


業務用カレーに具材を追加したのかな? 最近食べた飲食店のカレーでは、群を抜いて人参がデカい


うどんはそばと同様にやわらかく、カレーは辛さこそ控えめだが、意外とコクがある。
このカレーならば、カツオ出汁のツユにも負けないので、「カレーうどん」も美味しそうだ。

3度目の訪問は、別の場所で飲んだ帰りに、わざわざ武蔵小金井で下車して訪問。
地元にも立ち食いソバ店はあるけれど、私はここ白樺と、働いているおじちゃんのファンなので。
この日は「ミニ天丼セット」650円のそばに、コロッケ150円も追加。
まずはコロッケそばが完成。たぬきだけでなく、またまたサービス天ぷらも!


サービス天の具材はピーマンだった。今回もありがとうございます。


直後にミニ天丼(単品は380円)が登場。前回のカレー丼と同様、福神漬け付き。


天タネはかき揚げ、さつまいも、ナス。ミニだからなのか、海老ちゃんが不在で残念。


写真はないが、コロッケは普通のいもコロッケ。素朴な味でそばツユとも好相性。
コロッケ半分を天丼に、さらにかき揚げをそばに移動して食べてみた。ツユで再加熱されたかき揚げのウマいこと。


カロリー過多だろうが、溶けこんだ衣を回収すべく、ツユを全部飲み干してしまった。
この日も厨房のおじちゃんに、天ぷらサービスの御礼を告げてから退散。
たいした常連でもない私に、オマケしてくれるなんて、なんていい人なんだ…と感激していたのだが、
私がよく見ているブログの記事によると、白樺さんの天ぷらオマケは、よくあることらしい(笑)。
サービスは私だけではなかったとしても、私の白樺さんに対する敬意は変わらない。
なぜなら、この日私が置き忘れたビニール傘を、ちゃんと倉庫で保管しておいてくれたから。
お手数かけて申しわけない…っていうか、忘れ物してんじゃねえよ、オレ。

数日後、傘を受け取るべく、タイトルどおり「青空の下、南風が吹く」昼間の時間帯に初訪問。
「武蔵小金井に南風が吹くのか!?」のような、野暮なツッコミは控えてほしい。
夜の時間帯は、おじちゃんひとりの営業だったが、昼間はおばちゃん店員もいた。
他店ではあまり見かけない、「餅カレー」のうどんを頼もうとしたら、「今はやってない」とのこと。
冬限定だったのか、そもそもメニューから外してしまったのかは不明だが、希少メニューマニアとしては残念。
気を取り直し、この日は気温が高かったので、冷やしタイプの「天ざる」650円をうどんで注文。
うどんを冷水で締め、容器に冷やしておいたツユを注ぎ、さらに冷えた天ぷら(笑)が盛られて、天ざるが完成。


ほどよい歯応えのうどんを、漆黒のツユに浸して啜る。途中で、薬味のネギと、サービスのたぬきをツユに投入。
天タネはナス、海老、ピーマン。冷たい揚げ物を、冷たいツユで食べるのは、正直しんどい。
ただし、コロモ自体も厚いとはいえ、海老ちゃんもなかなか太かったのは嬉しかった。


寡黙なおじちゃんに対し、おばちゃんは快活で、常連らしい客と仲良くしゃべっている。
そんなふたりに傘の御礼と「ごちそうさま」を告げ、青空の下、南風に吹かれて(←しつこい)お店を出た。

こちらは個人店ではなく、かつて吉祥寺にあった『大鵬』のグループだったが、
現在は『果寿濃』というグループに所属しており、近所の『ハンバーグレストラン 葦』も、同系列だとか。
今度は、白樺さんと同様に根強い人気を誇る、そっちのハンバーグ店にも行ってみようかな。
いずれにしても、今では貴重になった非チェーンの立ち食いソバ店である、
白樺さんには末永く営業を続けてほしい。おじちゃんおばちゃん、これからもよろしくお願いします!



白樺
東京都小金井市本町5-12-11
JR武蔵小金井駅から徒歩約80秒(信号次第)
営業時間 11時~20時
定休日 基本なし
コメント (2)
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跳ねるほどウマいうどん 東大和市『うさぎ屋udon』

2023年05月06日 | そば、うどん
私が住んでいる多摩地区は、うどんの名店が複数存在するのだが、
ほとんどのお店は昼間だけの営業で、なおかつ車を利用しないとしんどい場所にあったりする。
基本、正午近くまで寝ているグータラで、自動車免許を持っていない私にとって、
駅近く&夜営業ありの『うさぎ屋udon』さんは、それだけでもう名店扱いである。
店舗がある東大和市まで、私は健康のために(?)立川から徒歩で向かうこともあるが、
普通の方は、西武線かバスの利用をオススメする。というか、立川駅からだと歩いたら60分くらいかかるからね。

お店の場所は、表通りから一本入った住宅街にあるのだが、出汁の匂いを頼りに歩けば、すぐ見つかるはず。


初訪問は数ヶ月前。カウンター席とテーブル席があるが、ひとりなのでカウンターへ。
厨房の女性が店主で、他の若い男女はバイトだろうか。接客担当の男性店員にまずは、
「麒麟一番搾り生ビール」550円と、「ねぎ塩唐揚げ」の小330円に「味付たまご」110円を注文。
お店のHPやインスタグラムによると、以前は夜の時間帯におつまみ類を提供していたようだが、
現在はうどんとご飯もの以外の料理は、唐揚げと味玉、あとはデザートだけ。
提供メニューだけでなく、うさぎ屋(略称、以下同)さんは店舗の場所も、以前とは変わっている。
当初は、出店希望者に空きスペースを提供する、「チャレンジショップ」とかいう仮店舗みたいな場所で、
約2年ほど、開業前のお試し営業&宣伝したのち、現在の場所で正式開業したそうだ。

数分後、まずはビールと味玉が登場。味玉は最近、150円に価格変更したけど、まあ仕方ないよね。


さらに遅れて、生野菜を添えられた、ねぎ塩唐揚げが提供される。さっきの味玉の中身と、一緒に撮影。


「ウーロンハイ」440円に変更し、ネギと塩ダレ(市販のもの?)がかかった唐揚げと味玉を食べ終え、メインのお食事に。
一番のおススメは、店頭のノボリに記してある「肉汁うどん」880円だと思われるが、
「ごまだれうどん」770円も気になるので、双方のツユで食べられる「2種うどん」1100円をオーダー。
1玉100グラムのうどんは、3玉までが同料金で、4玉は+55円、5玉が+110円。私は当然、3玉を希望。
重量を計測してから茹でられたうどんが、丁寧に盛り付けられ、2種うどんが完成。


肉汁には豚バラ肉、揚げナス、焼きネギが入る。ごまだれには豆乳を使用している。


自家製のうどんは、太くて硬い武蔵野風ではなく、透明感がある平打ち麺。私の好きなタイプだ。


まずは肉汁に浸して啜る。肉と野菜は国産らしく、ダシは濃すぎず肉由来の脂っこさもないが、
私の苦手な大根おろしが入っていた。生姜やネギなどの薬味と同様、できれば別皿提供にしていただきたい。
一方のごまだれは、クセがなくまろやか。途中で卓上の唐辛子を入れてみた。
なにより、平打ちうどんが素晴らしく、茹で立てなのに柔らかく、舌触りも良いので、スルスルと腹に収まっていく。
なので、すぐに3玉も食べ終えたが、肉汁もごまだれも、まだまだ余っている。


結局、「すみません、うどんが美味しかったので、もう少し食べたいのですが…」と、素直にお替わりをお願い。
「構いませんよ。何玉ですか?」とたずねられたので、2玉110円追加。最初から、5玉頼むべきであった。


2玉もペロリとたいらげ、あと3玉くらいはイケそうであったが、腹八分(?)でやめておく。
シメとして、先述したデザートの「クッキー&クリームチーズケーキ」330円も注文。


クリームチーズ生地の上下を、「オレオ」みたいなクッキーでデコレートしている。


クッキーのほろ苦さと、甘さ控えめのチーズとの相性は良好。私のように冷水ではなく、
セルフサービスの温かいお茶か、コーヒーと一緒に食べた方がいいと思う。 ※コーヒーとのセットは550円

お会計は、レシートを受け取り、お店入口の自動精算機で支払い。アナログな私は当然、店員さんにやり方を質問。
その後の訪問でも、お店側の電源入れ忘れ(笑)などもあり、私は毎回、スムーズに操作を終えたことはない。
会計は面倒だが、自家製平打ちうどんがとても美味しかったので、大満足でお店を出る。

数日後、例のうどんを他の味でも試してみたくなり、うさぎ屋さんに再び足を運ぶ。
メニューの一部を紹介。こちらは【温かいおうどん】カテゴリーで、洋風や中華風の創作うどんもある。


この日は酒を頼まず、冷たい麺+温かい汁の「つけカレーうどん」の並935円をオーダー。
なお、うどんの価格も変わっており、並が300グラムで、1.5倍の大盛は+150円、2倍の特盛は+300円に。
小麦粉の価格も高いし、それまでの「100グラムごとに+55円」は、さすがに安すぎたよ。

しばらくすると、お盆に乗せられたつけカレーうどんが登場。


うどんは前回と同様、美しく盛りつけられた、口当たりしなやかな平打ち麺。
国産小麦使用とのことだが、味オンチの私には、小麦の味はわからず。申しわけない。
とろみを帯びたカレー汁には、ひき肉、ネギ、椎茸などが入っており、辛さは控えめ。


ただし、うどんもカレー汁もそれぞれ美味しいのだが、やや一体感に欠けるような感も。
麺がなくなったので、出汁割りスープをお願いしたら、立川のラーメン店『おや麺』と同じく、ポットでの提供。


写真はないが、鰹節・宗田節・サバ節・うるめ節、その他(←HPより)を使用した、黄金色の出汁が実にウマい!
出汁入りのカレー汁を飲み干したところで、元々予定していた、2杯目を注文することに。

さっきの黄金出汁をそのまま味わいたいので、希望は当然、かけタイプのうどんだ。
第一候補は、非・創作ジャンルの「かけ肉うどん」880円だったが、肉汁うどんは前回食べたので、
ダメ元で、つけ汁タイプの「鴨汁うどん」1045円を、かけで作ってもらえるかお願いしてみたところ、
店主は「今回は特別に…」と、了承してくださった。ありがとうございます!

数分後、待望の「鴨汁うどん・かけバージョン」がやってきた。価格は店主のご厚意で、1045円のままであった。


丼のサイズは大きめで、これは食べ応えがありそうだ。


まずはおツユをひと口啜ると、例の黄金出汁に塩分が加わり、さらに鴨の旨味と脂が融合して…
屋号の「うさぎ」のごとく、飛び跳ねたくなるほどウマい!
これまでは、平打ちうどんを絶賛してきたが、今回はスープも同等かそれ以上だ。
ご覧のように、椎茸などの野菜からも旨味が出るため、時間の経過とともにウマさが増していく印象。


初めて食べた温かい状態のうどんも、柔らかいけれどもしっかりコシがある。
とにかく、こんなに美味しい鴨うどんは初めてだし、ひょっとしたら、鴨料理としても生涯最高かもしれない。
2杯目にもかかわらず、スープまで残さずたいらげ、厨房の店主に「ものすごく美味しかったです!」と報告。
興奮気味の私に対し、店主は冷静に「以前、まかないで作ったことがあったんですよ」と教えてくれたが、
この「かけ鴨うどん」は、レギュラーメニューにしても絶対に人気が出ると思う。
結果的に、つけカレーに鴨かけと、うさぎ屋さんのうどんを2種類連続で食べたが、
「二兎を追う者は一兎をも得ず」とはならず、胸をなでおろした(←ウマいこと書いたつもり)。

そしてゴールデンウィーク中、うさぎ屋さんに3度目の訪問。
帰りに、近くの『串寅』さんに寄るつもりだったので、今回も飲酒は控え、
カルボ好きゆえ気になっていた、「カルボナーラうどん」1045円の大盛+150円をオーダー。


鴨うどんと同サイズの大きな丼には、実際のカルボナーラとは違い、クリーミーな白いスープがたっぷり。
具材はベーコン、椎茸、ネギ、卵黄、さらに薬味のネギ2種に、とろけるチーズや黒コショウなど。
スープは例の出汁に、豆乳を加えたのかな? 魚介出汁とチーズの相性は、あまり良くないかも。
うどん大盛は、1.5倍の450グラム。珍しく、麺リフト画像の撮影を試みたら、
ちょうど女性店員が近くに来てしまい、恥ずかしいのなんの。 ※なのでリフトも控えめ


毎回、堂々と撮影している、ラーメンブロガーはエライなあ。あ、これは皮肉じゃなくて本心ね。
うどんなので遠慮なくズズっと音を立てて啜り、途中で黄身ちゃんを崩し、麺やスープと絡めて食べ切った。

以上、うさぎ屋さんで4種のメニューを食べてきた。うどん自体が秀逸なので、どの商品も当然高品質である。
一橋学園の『うどん屋 武』もそうだけど、「かけ」や「もり」などのシンプルなうどんがなく、
アレンジした商品がウリのお店って、元々の麺と出汁がウマい気がする
うさぎ屋さんの麺で食べる釜玉や、あの出汁だけを味わう素うどんは、絶対ウマいだろうなあ。

最後に、店舗から少し離れた場所にあった看板に、お店情報が記載されていたので、掲載しておく。



うさぎ屋udon
東京都東大和市南街5-95-4
西武線東大和市駅から徒歩約2分半(信号次第) JRだと新小平駅から推定徒歩42分
営業時間 11時~15時半、17時半~20時半 月曜は昼のみ
定休日 火曜
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もっと通いたかったお店 東村山『小島屋』

2022年11月29日 | そば、うどん
以前も述べたが、私がうどんを好きになり、食べ歩くようになったのは、今から5年前の2017年。
きっかけとなったお店は、吉祥寺の『うどん白石』だ。

※つい先日食べた、「かけ」+「生卵」の月見うどん


※汁を先に飲み釜玉風にする、「マツコ式」を試してみた

その数年前、初めてうどんをウマいと思ったのが、下高井戸の『JAZZ KEIRIN(ジャズケイリン)』
ついでに、初めて知ったうどん専門店は、おそらく『山田うどん』、現『山田うどん食堂』だが、
初めて知ったうどんの名店は、たぶん東村山の『小島屋』。山田うどん、「非名店扱い」でゴメン。

小島屋さんを知ったのは、私が尊敬するライター・伊丹由宇先生の著書「こだわりの店乱れ食い」にて。
青年漫画誌ビッグコミックオリジナルの連載コラム「こだわりの店 不親切ガイド」をまとめた書籍で、
伊丹先生が絶賛した、私の地元多摩地区・東村山のうどん屋さんということで、記憶に残ったのである。
ただ、書籍が発売されたのは2001年。この頃の私は、うどんを目当てに出かける習慣はなかった。
その後、TVや雑誌で小島屋さんは何度も取り上げられ、有名なお店だということも判明したのだが、
私自身は相変わらず、「近くに行く機会があれば…」と、積極的に寄ろうとはせず。
実際は、西武園競輪という、「近くに行く機会」が何度もあったのだが、
競輪場からも徒歩圏内だった、小島屋さんのことを忘れていた、当時の自分を叱責してやりたい。
「昼間だけ、しかも売り切れ早じまいアリ」という営業時間も、正午くらいまで寝ている私には厳しく、
初訪問は結局、うどん店を巡るようになってから3年目、2019年9月になってしまった。

西武線の東村山駅から10分ほど歩くと、「小島屋」と記されたオレンジ色の屋根が見えてくる。


創業は昭和39(1964)年。もっとひなびた建物かと想像していたが、何度か改装したのだろう。
既出した、伊丹先生の著書で得た情報を、以下で羅列する。
〇薪のかまどでうどんを茹でる
〇お店の名物は「肉汁うどん」
〇女将さんが毎朝竹で打つうどんは、柔らかいのにコシがある
〇出汁は関東のコクと関西の微妙な甘さの中間
〇天ぷらに使う野菜や薬味のネギは、裏の畑から採ってくる
〇西日本(山口県)出身の伊丹さんが「初めて関東のうどんを旨いと思った」


入店すると、おばちゃんが「いらっしゃ~い」とお出迎え。この方が、女将さんの小島孝子さんだろう。
「お好きなお席へどうぞ」と告げられ、テーブル席へ。いただいたお冷やで喉を潤しながら、
壁のメニューを確認し、名物の「肉汁うどん 並」750円をオーダーした。


上記画像ではわかりづらいだろうから、卓上のメニューも撮影。

※この画像も、決してうまい撮影ではない

肉汁うどんや「カレー汁うどん」はつけタイプ、「肉うどん」や「カレーうどん」はかけタイプだと思われる。
こちらはうどん以外のメニュー。自家製野菜使用の天ぷら各種は、01年が85円で、18年後もオール105円と破格。


ビールと天ぷら、シメにうどんでもよかったが、もう1軒ハシゴする予定だったので、アルコールは自重。
数分後、女将さんが肉汁うどんを運んできた。普段はおばちゃん店員が複数いるようだが、この日は女将さんだけ。


つけ汁にはたっぷりの豚肉と長ネギ。しょっぱすぎず、ほんのり甘味があって食べやすい。


うどんにはワカメと、かき揚げ天ぷらも付いてきた。これはありがたい。


武蔵野うどんの系統かと思っていたが、自家製うどんは硬くなく、むしろ柔らかい。
モチモチとした歯触りで、塩分も控えめ。肉汁との絡みがよく、スルスルと食べ進められた。
なので、もう1軒ハシゴするにもかかわらず、「替玉」105円を追加してしまった。


すぐに出てきたので、茹で立てではないだろうが、不揃いのうどんはソフトでおいしく、いくらでも食べられる。
女将さんは、お冷やを追加してくれたり、「今日も暑いですね」などと、私に度々話しかけてくれた。
家庭的な味わいの手作りうどんと天ぷら、そして初訪問の私にも気さくに応対する女将さん。
まるで親戚や友人のお宅に遊びに来たような、居心地のいい空間とひとときであり、
「ああ、オレはこういうお店が好きなんだな…」と、自分の好みに改めて気付かされた。
今でも、その思考と嗜好は間違っていないと断言できる。

飲食店に通う理由は、美味しいモノを食べたい、満腹になりたい、栄養摂りたい、などいろいろある。
私の場合は全部ひっくるめて、「いい気分になるため」である。子供じみた表現でスマン。
「いい気分になる」は、「イヤな気分にならない」とイコールであり、どんなに美味しい料理でも、
料理人や店員の態度が悪かったり、客層がひどかったり、値段がバカ高かったりすると、いい気分も台無しである。
反対に、料理の味だけでなく、店主の対応や人柄が気に入り、ファンになったお店はいくつもある。
小島屋さんはそんなお店のひとつであり、女将さんの真摯な心が伝わってくる、愛すべき名店であった。

繰り返しになるが、小島屋さんのうどんは茹で立てではなく、時間帯によっては残念な状態の場合もあるらしい。
実際、ネットでは批判的なコメントもいくつか見受けられるし、私が愛読している某うどんブログでも、
「うどんを持ち上げた瞬間、ブツブツと千切れた」と嘆いていた。辛口意見は少ないブログなのに…。
確かに、好みに合わない方もいるだろうし、世の中にはここよりも美味しいうどん店は多数あるだろう。
それでも私は、小島屋さんを気に入ったし、その後も通うつもりであった。

初訪問から数ヶ月後、父親の死去など家庭の事情もあり、私自身の外食機会が激減。
さらに数ヶ月後にはコロナ騒動が勃発し、小島屋さんも休業に見舞われた。
2020年頃、東京新聞の<東村山新聞>というサイトが、こちらの記事で小島屋さんを取材しており、
現在は営業を自粛しているが「終息したら、また頑張らなきゃね。楽しみにしてくれる人たちがいるから」と前を向いた。
という女将さんのコメントを掲載し、文を締めている。
「楽しみにしてくれる人たち」のひとりである私も、再開を待ちわびていたが、ネット情報では常に「臨時休業中」。
申しわけないが、今年に入ると私もチェックを怠り始め、迎えたつい先日。
いつものように「東村山 うどん 小島屋」でネット検索したところ、Googleには「閉業」、食べログには「閉店」の文字が! 
今年の9月末、小島屋さんはひっそりと、58年の歴史に幕を下ろしていた
理由や事情は私にわかるはずもないが、女将さんもおそらく、不本意だったのではないか。

結果的に、小島屋さんは一期一会となってしまった私。
こんなことなら、あのとき「かけうどん」や「カレーうどん」も食べておくべきだった。
ちなみに、あの日私が2軒目に寄ったのは、同市内の『ひの食堂』

※当日食べた「豚肉スタミナ」の単品と、現役で稼働していたピンク電話

こちらも、ご夫妻で営むほのぼのとした雰囲気の食堂であったが、一昨年の春に閉店している。
志村けんさんも含め、東村山は近年、3つの宝を一気に失ったといえる。立川市民の私も悲しい。

拙ブログで取り上げる飲食店は、「いいお店なので、皆さんも行ってみてください」という意味が込められている。
なので今回のように、閉業したお店を紹介するのは例外中の例外で、方南町の『御利益』さん以来、2度目である。
突然の閉店は、これまで何度も経験してきたが、今回の小島屋さんは、かなりショックだった。
僭越ながら、「こんな素晴らしいお店があったんですよ」と、世間の方々にお伝えしたく、記事にさせていただいた。
一度しか食事しなかった私に、そんな資格はないかもしれないが、どうかお許しいただきたい。
また、私自身も今回の閉店を教訓とし、今後は「行きたいと思った店は、あと回しにしない」ことを誓った。
たとえば、前回の日記で「もっとも行きたくなった店」と評した、青梅市のとんかつ&ラーメンの『幸泉』には、
先日さっそく行ってきたので、近いうちにリポートする予定だ。

※『幸泉』のとんかつ単品。リポートはこちら

最後に。女将さん、並びに従業員の皆さん、長年の営業お疲れさまでした。
小島屋さんのことは一生忘れません。皆さんどうか、いつまでもお元気で!



手打ちうどん 小島屋
東京都東村山市野口町3-10-3
西武線東村山駅から徒歩約11分、武蔵大和駅や西武園駅からも同じくらいの距離
営業時間 10時半~14時くらいまで、売り切れ早じまいあり
定休日 日、祝、不定休?
※文中のとおり、22年9月に閉店なさいました
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