明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

大正創業の老舗が作る「うそ」「う中」 恵比寿『長命うどん』

2022年05月31日 | そば、うどん
今から1年以上前、とあるTV番組で、ダウンタウンの松本人志さんが、
「赤いきつね」「緑のたぬき」を一緒にして、「紫のいたち」にして食べる”と語っていた。
「赤と緑を混ぜたら、紫じゃなくて茶色では?」「そもそも、松本さんみたいな大金持ちがカップ麺を喰うのか?」
などの疑問を抱きつつも、面白そうなのでマネしてみることに。


粉末スープを2個使うのは塩分過多になりそうなので、緑のたぬき分だけを使用。


スープが薄まらないよう、赤いきつねの方は、熱湯入れて5分たったら湯切り。


カップには当然入りきらないので、丼を用意し、双方を合わせて完成。七味はどっちも使った。


なお、緑~は3分で完成するので、仕上がりにムラが生じないよう、時間差でお湯を入れる必要がある。
今気付いたけど、赤~は普通に作り、緑~を湯切りしていれば、同時にお湯を入れて、5分で完成したのに。
何はともあれ、「紫のいたち」を改めてアップで紹介。なお松本氏は、だいぶ前からこの食べ方を広言していた模様。


府中や国分寺にあるラーメン店『紅』は、太さが異なる自家製麺を使っているが、


紫~はうどんとそばなので、太さだけでなく風味も異なる、過去に経験したことのないテイストである。


油揚げ+そば、かき揚げ+うどんも新鮮だったので、最後まで飽きることなく食べられた。

うどんとそばの双方を出すお店はたくさんあるが、紫のいたちのような「一緒盛り」を提供している店は少なそう。
以前紹介した『山田うどん』には、冷やしの「ざる相盛り」はあるが、温かい「かけ相盛り」はない。


一部地方には存在している「かけ相盛り」を、ウリにしているお店が今年の4月、東京に進出。
そのお店とは、恵比寿の『長命うどん』。前回の『千年ラーメン』に続き、縁起のいい屋号だよ。
本店は名古屋にあり、創業はなんと大正2(1913)年! 100年以上の歴史を誇る老舗店である。
お店では「ミックス」と呼んでいる相盛りは、いつから始めたのかはわからないが、老舗らしからぬ柔軟な発想だよね。
いつから始めたといえば、恵比寿店は開業して1ヶ月以上すぎたのだが、お店のHPなどでは、
「現在はソフトオープンですので、臨時休業などがごさいます」との表記が。
私は、ソフトオープンという言葉を知らなかったが、どうもプレオープンと同意のようだ。
後述するオーダーの仕方とか、試行錯誤中なのかもしれない。

そんな老舗の相盛りうどんを味わうべく、先日久しぶりに恵比寿まで行ってきた。
さすがは山手線内屈指のおしゃれタウン。居心地の悪さは格別(※あくまで個人の感想です)。
非おしゃれの私だけでは不安なので、恵比寿勤務の友人と待ち合わせ、長命うどんに入店。


まずはメニューを紹介。私の撮影より画質が良好な、お店ツイッターの画像を拝借。
こちらが麺類とトッピング。麺はうどん、中華麺、そば、きしめんと4種もある。


下記が夜限定のおつまみや、ドリンク類。


とりあえずオーダーしたいのだが、ここからがちょっとメンドくさい。
1 店員さんから渡されたQRコードをスマホで読み込む
2 表示されたメニュー表から、注文する商品をクリック
3 さらに「注文リストに追加」をクリック
4 すべての商品を選択し終えたら、「オーダー」をクリック
5 最後に「注文する」をクリック

友人に操作を任せたのだが、3と5は不要な気がしないでもない。
あと、厨房から「○○(商品名)入りましたー」のような掛け声がないので、注文がちゃんと伝わったのか不安になる。
結局、「我々のオーダー、通ってます?」と質問し、無事通っていることが判明。
意外にも、女性店員は明朗で、言葉遣いなども丁寧で好感が持てた。
「意外にも」と書いたのは、こちらのように会話せずに注文できるお店は、店員が不愛想だろうと思い込んでいたから。
別の男性店員も、常連らしい女性客と談笑していたし、「操作ができない」と嘆くおっさん客にも、真摯に応対していた。
接客スキルはあるようなので、口頭注文可能にしてもいいんじゃないかね?

オーダーから約10分後、完成した商品が運ばれてきた。
私が頼んだのは「2種ミックス」690円のうどん&そば、通称≪うそ≫と、「生卵」100円。


残念ながらきつね=お揚げがないので、紫のいたちの注文はできなかった。
麺は半玉ずつなので、合わせて1人前。なぜか丼の模様が、『吉野家』の丼とそっくりだ。


ツユをひと口すすると、カツオの風味が効いた、東京風の出汁に近い濃口ツユであった。
生玉子と一味を乗せて、いよいよ麺をすすっていく。


やや細めのうどんは、ムチムチとした歯応えながら、しっかり腰もある。
濃口ツユで食べるうどんは、山田うどんや立ち食いソバなどのような、柔らかタイプが一般的なので、
腰のある麺との組み合わせは新鮮であった。なお、うどんは自家製、ツユは無添加だそうだ。
ただ、相盛りのそばは、妙にねっちょりとした歯触り。茹でたあと、ぬめりを取ってないのかね。
「うどんは自家製」ということは、他の麺は違うのだろうが、調理はちゃんとしてほしい。
こちらは、友人が注文したうどん&中華麺、通称≪う中≫。


中華麺をひと口もらったが、中華というか、細いうどんという印象。


カツオ出汁の風味をジャマしないよう、この麺を選択したのだろうが、
かん水を使用した黄色い麺の方が、いかにも中華らしくて、うどんとの違いを楽しめると思うけどね。

お酒やツマミは頼まず、うどんだけ食べてお会計。ここからがまたメンドー。
1 さっきのスマホ画面に戻り、「お会計」をクリック
2 お店が発行した伝票が、客席に運ばれる
3 客席フロアにある精算機でセルフ会計

※3のセルフ会計用精算機

別にメンドーでもないだろ、と思われるだろうが、我々の会計時は、2の伝票がなかなか来なかったのである。
「たびたびすみません、会計伝票が来ないのですが」と女性店員に告げたところ、
彼女はすぐに厨房に戻り、「申しわけありません」と謝りながら伝票を持ってきた。どうやら、放置されていたようである。
この日、働いていたのは5名。役割分担もあるのだろうが、他の誰かが気付かないのはおかしい。
失礼ながら、我々の訪問時はそれほど混んでおらず、厨房にいた3名は、結構ヒマそうにしていたし。
これなら精算機ではなく、レジを設置し、対人での会計にしてもらいたい。

長命うどんの感想をまとめると、自家製うどんはなかなかウマく、濃口ツユとも好相性
さらに、他の麺と食べるアイデアは面白く、接客担当の店員さんの応対はよかった
だからこそ、そばと中華麺がイマイチなのは残念だし、スマホでの注文、精算機での会計もメンドーだ。
やっぱり、口頭で注文と会計が可能なスタイルにすべきでは? 
コロナ禍ゆえ、客と店員がなるべく接触しないよう、このシステムにしたのかもしれないが、
客との私語は禁止されておらず、さっき書いたように、常連らしい女性客とも積極的に会話を楽しんでいた。
関係ないけど、この女性客がウザかった。夜なのにサングラスかけて、帽子かぶって、胸元の開いた服を着てと、
芸能人のような気取った格好で、ワイン飲んでやがるの。だから恵比寿はイヤなんだよ…。

※退店時に撮影したものの、激しくブレた看板

未食のきしめんも気になるし、うどん+きしめん≪うきし≫も試してみたい。
ただ、恵比寿はちょっと遠いし、なにより街全体から漂うアウェイ感がしんどい。
うどん、そば、中華麺、きしめんを出す店ならば、多摩地区の豊田に『大黒屋』がある。
お店の人にお願いして、≪うきし≫を特別に作ってもらえないかね。



長命うどん 東京本店
東京都渋谷区恵比寿1-14-6
JR恵比寿駅から徒歩約3分
営業時間 11時半〜15時、 17時半〜21時 土祝11時半〜15時半
定休日 日曜、その他不定休
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替玉≧100円に抗うお店 調布『千年ラーメン』

2022年05月28日 | ラーメン、つけ麺など
21世紀の初頭くらいまでは、1本100円の串焼き店は、それほど珍しくなかった。
私はつい最近まで、串焼き、串かつ、『松屋』の生野菜なども、100円が当たり前だと思っていた。時代錯誤である。
あともうひとつ、100円が基本だと認識していたのが、ラーメンの替玉
人生初の替玉はたぶん30年前。当時代田橋にあった『なんでんかんでん』で、1玉100円。
現在のなんでんかんでん(西新宿店)は、1玉150円。他店も、100円以上が当たり前になっているが、
過去に紹介したお店では、京王八王子『NAGAHAMA』や、千歳烏山『榮じ』などが100円をキープしている。

替玉≧100円の数式が一般化する中、いまだに50円で提供しているお店も存在する。
そんな1軒が、今回紹介する調布の『千年ラーメン』だ。


「九州とん骨」「長寿」などの文字が躍る中、目に付くのはやはり、「替玉50円」の看板。


初訪問は今から5年前。調布出身の後輩に教わり、京王閣競輪場の最終レース終了後に寄ったところ、
18時オープンのため準備中(苦笑)。なので、同じ調布の『台北飯店』で、一杯やってから再訪。
注文したのは基本の「ラーメン」で、当時は500円。替玉だけでなく、全体的に安価である。


臭みはないが、豚の脂はしっかり感じる豚骨スープに、硬めに茹でられた麺が泳ぐ。
すぐに食べ終えたので、券売機で「替玉」50円と「おろしにんにく」10円の食券を購入。


にんにく有料は、元のラーメンが安いから仕方ない。麺の硬さは指定できないようなので、お任せで。
硬いというより、ちょっと生っぽい麺だな、との印象だったが、そう感じる客が多いらしく、厨房の換気扇壁には、
「ギョギョギョ! この麺なま! と思うでしょうが大丈夫です」のような説明文が掲示してあった。さかなクン!?
撮影に失敗したので、他人のブログ画像から、その文章内容を抜粋すると、
「β(ベータ、生澱粉)から熱湯に入れて30秒でα(アルファー、食べられる状態の澱粉)に早変わりする自家製麺」
「この麺を作るにあたり、粉の神様・高島義弘先生、九州東福製粉のご指導をいただき完成」
とのこと。
アルファやベータは正直よくわからんが、「粉の神様・高島義弘先生」という表記は気になる。
ネット検索してみたが、詳細は不明のまま。プロレスの神様カール・ゴッチのような、頑固オヤジなのだろうか。
なお文末には、「三回食べてください、きっとくせになります。」というメッセージもあった。

2度目の食事は今年の春。競輪終了後、調布駅周辺を散歩して時間をつぶし、18時の開店に合わせて訪問。
さっき掲載した店頭の画像も、そのときに撮影したものである。
ついでに、店頭のメニューも撮影。ラーメンは50円値上がりしたが、それでも安い方だ。


この日の注文は、具だくさんバージョンの「半熟味玉千年ラーメン」740円。


「千年ラーメン」は、普通のラーメンに+150円で、半個の玉子が倍になり、ノリ5枚、チャーシュー2枚、肉高菜が加わる。
さらに+40円で、ゆで玉子が半熟味玉になる。ずいぶんお得だよね。
前回同様、麺の硬さは指定しなかったが、生っぽさは薄れ、ちょっと食べやすくなった印象。
スープは相変わらず臭みはなく、脂の甘さを感じるようなまろやかさ。具材も豊富ですぐに麺を食べ終える。
卓上に設置の紙製メニューに、前回はなかった「替玉(小)」と「替玉(大)」があるのを発見。


半玉で30円、倍のふた玉で90円とは、これまた嬉しい価格だ。さっそく「替玉(大)」を追加。
ちなみに、チェーン店の『一蘭』は、普通のラーメンでさえ890~980円(店舗によって異なる)と高額だが、
替玉も210円、半替玉で150円もしやがる。麻薬でも使っているのかよ。
そんなお店と比べると、安すぎて心配になる替玉(大)がやってきた。あまり見たことのないビジュアルである。


半分ほどを丼に移しても、まだひと玉分残っている。なるほど、確かに倍量だ


ただし、計3玉の麺がスープを吸ってしまったため、最後の方は油そばのような汁ナシ状態に。


食後はさすがに腹イッパイ。今の自分は、3玉くらいが限界のようだ。

そしてつい先日、店主の「三回食べて」というメッセージに応えるべく、3度目の訪問を果たした。
今回注文したのは、千年ラーメン700円の大盛(麺ふた玉)+40円。


前回紹介し忘れたが、お店オリジナルの「辛子肉高菜」もちゃんと入っている。


目の前にはスープを炊く巨大な釜と、ダシを取り終えた豚骨があった。


こんなにデカい釜で炊くのだから、豚骨の旨味をすべて抽出した、いいスープができるはずだ。
店頭の「長寿」の文字や、屋号の「千年」が示すように、このスープを飲めば長生きできるかも。

そういえば、こちらのお店の評判をネット検索したところ、「昔はもっと臭かった」という意見を見かけた。
私が初訪問した5年前は、すでに臭くなかった。開業は1996年だそうだから、だいぶ昔のことだろう。
かつて、「豚骨ラーメンは臭い方がウマい」説があった。臭みが出るのはしっかり煮込んでいるから、というのが根拠らしい。
ただ、あるラーメン店の店主は、「臭みが出るのは古い食材を使用しているから」と断言。そうなの!?
「臭いスープなんて簡単に作れるが、臭みのないスープは技術がいる」とおっしゃる。
私個人の意見としては、「匂いの有無はさておき、味さえよければいい」で、
臭みのない現在の千年ラーメンは、結構好きなテイストである。

さて、ふた玉の麺をたいらげたので、再度券売機に行き、替玉などの食券を購入。
わざわざ食券を買わず、口頭で注文してもいいようだが、ひとり回しの店主の負担を、少しでも減らしてあげたくてね。
追加購入した「替玉(小)」30円、「スープ追加」100円、「マー油」50円の食券を、卓上の専用置き場へ。


小にした理由は、すでにふた玉食べているので、苦しくならないように、という配慮。
スープは、大盛にしたら増えるかと期待したのだが、普段と同量だったため、今回も減ってしまったので追加。
マー油は多いと苦く感じるので、自分で調整できるよう「マー油ラーメン」を頼まず、あとから入れる方式に。
食券を受け取った店主が、すぐに追加3種を運んできた。


まずはお椀に入った、追加のスープを丼に注ぐ。お椀にはじっくり煮込んだ証拠となる、豚骨の粉が残った。


こちらがマー油。『餃子の王将』でバイトしたときに知ったのだが、マー油は液状ではなく、元は固形なのである。


少しだけスープに溶かしてみたところ、ニンニクを焦がしたような独特の風味が広がる。
やはり、入れ過ぎたら苦くなりそうなので、半分ほどしか入れなかった。


マー油を残したのは申しわけなかったが、スープは追加分も含め、全部飲み干したのでお許しを。

さっき書いたけど、千年ラーメンさんは今年で創業26年目。
繁華街からはやや離れた場所ながら、しっかり固定客をつかんでいる様子。3回食べた私も、そのひとりに加えてほしい。
HPによると、定休日はなく月に1回くらいしか休んでいないようだが、どうか無理せず、今後も営業を続けてほしい。
無理せずといえば、ウクライナ情勢などを要因とした、小麦粉の高騰が叫ばれてる昨今、
現在は安価な替玉やラーメンも、少しくらいは値上げしてもいいのではないかね。

なお府中には、替玉は何個食べても無料という、太っ腹すぎるラーメン店もある。
機会があったら、こちらのお店も紹介したい。 ※追記 紹介しました→こちら



千年ラーメン
東京都調布市小島町3-68-1
京王線調布駅から徒歩約5分、京王多摩川駅からは約8分、JRなら矢野口駅から約29分
営業時間 11時半~13時半、18時~23時半
定休日 不定休
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少しずつ他とは違う「中華レストラン」 西立川『東華園』

2022年05月23日 | 中華食堂
コロナ禍のせいで、ロクなことがなかったここ数年。
数少ない収穫のひとつが、それまで未訪だった、地元の良店に巡り合えたことだ。
一時期、「不要不急の外出は控えろ」とのお達しが下り、「食事は“不要不急”じゃねえだろう!」と、反発しつつも、
公共の交通機関の利用を避け、近所(私の定義では徒歩60分圏内)の飲食店を探索したものだが、
そのとき知ったのが、ラーメン&チャーハン店の『らんぶる』や、中国人奥さんが料理長の『銀星』
そして今回紹介する、西立川の中華屋さん『東華園』である。

※レトロかわいいイラストである

上記画像は店舗脇の看板だが、入口ドアなどには「中華レストラン 東華園」と記されており、こちらが正式名かも。
場所は、以前紹介した、九州ラーメンや八王子ラーメンを出す『えんの助』の2軒隣。
昨年春頃、えんの助が開いておらず、こちらに入ってみたのがきっかけで、その後も何度か利用している。
なお、えんの助はその後休業→改装となり、最近『らぁ麺 えんの助/居酒屋えんちゃん』にリニューアルした模様。

店内はテーブル席が主体で、喫茶店のような内装。愛想のいい接客担当のおじちゃんから「いらっしゃい」と声がかかる。
厨房の調理担当は若い男性。普段は寡黙だが、お会計時は丁寧に挨拶してくれる。ふたりは親子なのかな? 
テーブル席に案内され、おじちゃんが持ってきてくれたメニュー表に目を通す。
酒類提供禁止の時期だったため、この日は食事に専念。(餃子、ラーメン、ライス)の「餃子セット」900円を注文した。
数分後、お盆に乗せられたセットが登場。小だと思い込んでいたライスが、意外と多くて驚く。


なお、「ラーメン」単品は(煮卵入り)で450円と安く、「餃子」は5個400円で、ライスは未確認だが150円くらいか。
ラーメンは玉子抜きで、餃子は4個だけど、お新香も付いて900円はやっぱりお得である。
あとで調べたところ、ここ6年ほど値上げしていない模様。個人店の奮闘に感謝したい。
いざ食べてみると、餃子はやや「ヨク焼き」だが、ちゃんとおいしい。


汁があふれるタイプではなく、かといってパサついてもなく、ニンニクもほどよく効いててジューシィ。
箸袋に「手作り餃子」と印字するだけあって、お店自慢の逸品なのだろう。
ラーメンも、昔ながらのシンプルな醤油味かと思いきや、ほんのり魚介ダシも感じる。


麺や具材は平凡だが、ありそうでないタイプのスープで、見た目に反してコクがある。
私は普段、餃子でご飯を食べないので、小じゃないライスが来て困惑したのだが、
スープがおいしかったので、お茶漬けのようにして、ズルズル啜った。
他にも気になるメニューがあったので、東華園さんにはまた来ようと誓い、お会計&退散。

2度目の訪問で頼んだのは、お店も推している「つけ坦々麺」700円。ここのタンの字は「つちへん」のようだ。
単価400円の「高菜ごはん」か「ブタバラ丼」が、+300円で付けられるので、ブタバラ丼を選択。
オーダー後、すぐにセットが完成。提供が早いのも、こちらの長所だ。


つけ坦々麺には、ラーメンとは異なる、全粒粉入りの麺を使用。なるほど、確かにツブツブが見える。


全粒粉ならではの小麦の風味…は、味オンチの私にはわからないが、健康にいい食材らしいから歓迎。
坦々ダレの具材は、ひき肉と玉ネギ程度。ゴマの風味が強く辛さは控えめだが、麺自体を味わうにはいいのかも。
それでも、太麺&濃厚ダレが主流の現在では、麺も含めてなかなかの個性派といえよう。
サイドメニューのブタバラ丼は、炒め調理ではなく煮込み調理。タレの味はそんなに濃くなかった。


卓上の黒胡椒と、別添えの紅生姜を追加し、牛丼スタイルで食べた。生玉子も欲しいね。
退店後、入口脇に画像のような、紹興酒の大きな甕(かめ)が置いてるのを発見。


「ご自由にお持ち下さい」とのことだが、自宅に置き場所がないからなあ(笑)。

3度目の訪問では、「卵豚バラ定食」900円をオーダー。私の大好きな、きくらげ玉子炒め=KTI定食だ。


よくあるKTIかと思いきや、玉子や豚肉のパーツがデカい。まるで炒り卵と焼肉みたいだ。


当然メシが進んだが、定食のご飯はそんなに多くなかったので、お替わりしようか悩んだよ。

4度目の訪問は、待望の酒類提供が解禁された直後、中華で一杯やろうと、夕方の時間帯に訪問。
前回会計時、「中休みナシ」を確認しておいたのだが、店内は消灯しており、男性店員ふたりは休憩中の様子で、
私の存在に気付き、営業再開。「すみません、お休み中でしたか?」と謝罪したら、「いえいえ。いいんですよ」とのこと。
東華園さんは、基本通し営業だが、客の不在時は休憩することもある、のかもしれない。
初めてカウンター席に座り、設置されていたメニューを撮影したので、以下で掲載。
こちらはおツマミ用の小皿・一品メニューと、麺類、ご飯類など。


こちらがセット・定食と、単品メニュー。この他、黒板などに記されたメニューもある。


まずは「ビール」500円を注文。キリン一番搾りの中瓶だ。酒類は、ビールと紹興酒と…あとは思い出せぬ。
おツマミには、「マーボー豆腐」単品650円を注文してみた。
さすがの手際で数分後には完成。中央には山椒などがかかっており、見た目も香りも辛そう。


しかも、中華丼に使用するような、深く大きな器に入っており、ひとり客にはしんどい量。


レンゲでひと口食べた感想は、最初は「熱い!」(←当然だ)で、その直後に「辛い、でもウマい!」が来る。
いわゆる街中華の麻婆豆腐ではなく、同じ立川にもある『陳建一麻婆豆腐店』のような、本格的な味わい。
辛さを和らげるためビールをお替わりし、勢いよく流し込んでいく。
食べ終えたあとは、冬場なのに汗が出た。ついでに食欲も出てきたので、シメのお食事を選ぶことに。
当初食べる予定だったメニューも辛口なので、胃と舌がヤラレるのを心配し、別の商品を探す。
目に付いたのが、壁紙にあった「マーヂャー麺(みそあんかけ麺)750円」というネーミングと、料理の画像。
念のため、おじちゃん店員に質問し、辛くないことを確認してからオーダー。
「味噌ラーメンのツユなし・冷やし麺タイプ」という、おじちゃんの説明どおりの商品であった。


具材はひき肉、モヤシ、ニラなどの野菜。味噌ダレはそんなにしょっぱくなかった。
「アンと麺を混ぜて食べてください」という指示に従い、よくかき混ぜた。
熱々の味噌アンと、冷水で締めた麺が合わさるため、ネコ舌の私も安心して食べられる、ちょいどいい温度になった。


飲んで食べて汗かいて満腹になって、ゴキゲン状態で「ごちそうさまです」。

そしてつい最近、4度目の訪問で「当初食べる予定だった辛口メニュー」を食べてきた。
そのメニューとは、汁なしタイプの「麻辣刀削焼きそば」750円。汁ありの「麻辣刀削麺」も同額。


具材はひき肉、モヤシ、ニラなどと、マーヂャー麺と似ているが、漂ってくる匂いがすでに辛そう。
まずはひと口。ズルズル、ズルズル…ヴホッ! 左記の「ヴホッ!」を日本語にすると「辛え!」だ。
商品名の「麻辣」の二文字はダテではない。とはいえ、「ペヤング」の激辛シリーズとは違い、耐えられる辛さだ。
麺は、私の好きな幅広タイプ。「刀削麺」という名称だが、さすがに厨房内では、刀で粉の塊を削っていないと思う。


幅広麺の歯応えと舌触りがたまらないが、調子に乗って吸い込むと、辛さでムセるのが悔しい(苦笑)。
妥協のない辛さに悶絶し、辛さに秘められたウマさに舌鼓を打ち、この日も大満足して退散。
初夏の季節ゆえ、汗だくになってしまったが、帰り道の気分は爽快であった。

東華園さんでは、ここで紹介した以外にも、いろんな料理を食べてきたが、どれもハズレがなく
しかも、少しずつ他店とは違う、オリジナリティがあるのがスゴイ
まもなく本格的な夏を迎える。中華料理と一緒に飲むビールが、ウマい季節になるね。



中華レストラン 東華園
立川市富士見町1-27-10
西立川駅から徒歩約5分、立川駅からは徒歩約24分
営業時間 11時~20時 木曜だけ15時まで、基本中休みナシ
定休日 日曜
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『吉野家』以外のチェーン牛丼を食べた

2022年05月21日 | 丼もの
前回予告したように、拙ブログの小好評シリーズ【牛丼チェーン以外の牛丼を食べた】番外編として、
『吉野家』以外のチェーン店の牛丼を食べた感想をリポートする。

最初に断っておくが、私はカップ焼きそばの「ペヤング」や、即席ラーメンの「サッポロ一番」も大好きだが、
ライバルの「UFO」や「中華三昧」なども認めている。認めるどころか、先日久々にUFOを食べたとき、
「ペヤングよりウマいのでは…?」という疑念を抱いたりして(笑)。ペヤングの社長、ゴメンなさい。
だが、牛丼については、吉野家が一番ウマいと頑なに信じ、他店の牛丼とは別格扱いしており、
「吉野家以外の牛丼の方がウマいというヤツは非常識だ」と言い放つ、完全な吉野家至上主義である。
なので、各店を訪れた際も、「どうせウマくねえんだろ…」という、負の感情で食事に臨んでいたため、
本来のウマさや魅力に気づかなかった可能性もあるが、そこはご了承いただきたい。

まずは『松屋』。最近は定食やカレーの評判がよく、だいぶ企業イメージが上がった気がする。
私がバイトしていた約20年前、社員から聞いたのだが、ある日の会議で幹部から、
「もはや吉野家は眼中ない。我々が目指すべきは『マクドナルド』であり、『大戸屋』である」という訓示があったらしい。
要するに、「ウチは牛丼屋ではなく、大戸屋のような定食屋、マックのような大企業を目指す」という意思表示だろう。
松屋従業員のくせに吉野家派の私は、「“眼中ない”って…吉野家を追い抜いてから言えよ」と鼻で笑ったものだが、
時代が変わり、近年では失速した大戸屋に代わり、松屋が定食屋チェーンとして存在意義を増しているからビックリ。
また、定食だけでなく牛めしも、数年前に「プレミアム牛めし」へとグレードアップ。
発売直後に食べたときは、たいしてウマくねえな、と思ったのだが、
先述した吉野家至上主義ゆえの思い込みかもしれないので、数年後、再度食べてみた。

地元の某店にて、「生野菜」110円と「プレミアム牛めし大盛」530円の持ち帰りを購入。商品名と価格は当時のものだ。
野菜嫌いの私だが、健康面を考慮し、かつては松屋の生野菜を、よくテイクアウトしていた。
当時、コンビニのサラダが180円から200円以上したのに対し、松屋は量が多いのに100円と安価だったので。
ところが、数年ぶりに購入した生野菜は、量が減っただけでなく、見た目もよろしくない残念なモノ。


まるで、他人の食いかけのようなビジュアルで、食欲の進まないこと。
野菜から先に食べた方が、血糖値が上がらないそうなので、全部食べ切ってから、牛めしを食べることに。
付属の紅生姜と特製七味、自宅の生玉子を乗せて完成。


最初のひと口の感想は、ウマいマズいではなく、ちょっとヌルい
自宅までの持ち運びとか、生野菜を食べたりとか、盛り付けなどで時間がかかったけど、それにしても冷めるのが早い。
ただでさえ、「松屋の牛めしはイマイチ」という固定観念があるのに、冷めていては満足できるわけもなく。
結局、特製七味以外、なにがプレミアムなのか不明なまま、食べ終えてしまった。

数年前、先輩たちと谷川岳登山をしたとき、他の皆さんは山中でお湯を沸かし、温かいコーヒーやカップ麺を楽しむ中、
私が食べたのは、約7時間前に吉野家上里インター店で購入した、牛丼並と温泉玉子だった。


当然のように冷え冷えであったが、大自然の中で食べる吉牛は、それでもウマかったけどなあ。

と、ここまで書いて、さすがにヌルい牛めしだけで松屋を批判するのは失礼かと思い、
つい最近、出来立てほやほやを食べるべく、立川南口の店舗を訪問。
いつの間にか、客がカウンターへ商品を受け取りに行き、食後はやはり客が食器を下げる、セルフ形式に変わっていた。
注文したのは「牛めし並」380円。“プレミアム”の冠詞がなくなったが、値段と味はそのままらしい。
食券に記載の番号を呼ばれ、お盆に乗った牛めしと、フタ付きの「みそ汁」を渡される。


こちらが牛めしのアップ。玉ネギの色や形状から、煮込んでからあまり時間が経過していないのがわかる。


まずはひと口…さっき書き忘れたが、熟成肉を使用しているらしいけど、肉由来の臭みが強い。
この日は、期間限定のポークソテー丼や、各種定食のオーダーが多く、牛めしを注文する客は少なかった。
あまり注文が入らないから、タレに溜まった肉のカスや脂分を取り除く、タレ濾しと呼ばれる作業をしていないのかな。
途中で七味や紅生姜を加えたが、臭みをごまかせず、さらに卓上の焼き肉タレなども投入。
「バーベキュー」は個性が強く牛めしとケンカになるが、柑橘系が効いた「甘口タレ」との相性はなかなかよかった。
というか、焼肉のタレなど不要で、牛めし本来の旨味だけで食べさせなくてはダメでしょ。
正直、松屋をフォローするつもりで訪問したのだが、逆の結果になってしまった。
機会があったら、今度は松屋お得意の定食類を食べて、リポートさせていただく。フォローになるかは疑問だが。

続いては、現存の牛丼チェーンでは4番手扱いだが、5番手以降には大差を付けている『なか卯』に行ってみた。
利用したのは秋津店で、注文したのは「和風牛丼」と「はいからうどん(小)」のセット580円に、生玉子80円。
券売機では、セットのボタンがどこかわからず、1分ぐらい迷ってしまった。後客が並んでなくてよかった。
しばらくすると、セット一式が登場。生玉子には、黄身と白身を分けるセパレーター付き。


なか卯の和風牛丼は、以前は豆腐や白滝も入るタイプだったが、いつの間にか普通の牛丼に戻っていた。


食べた感想は、なか卯の牛丼もやはり、イヤな匂いがした。途中から気にならなくなるが、旨味も乏しい。
こちらのお店も、私の滞在時はうどんや親子丼などを頼む客が多く、牛丼の注文は少なかった模様。
ひょっとして最近の牛丼店、注文が減ったからか、牛肉の調理に手を抜いてないか!?
前回、吉野家でしじみ汁とねぎ玉牛丼を食べたときに書いたけど、吉牛でさえ少し臭みを感じたからね。

なお、「親子丼とうどんが美味しい」との評判があるなか卯だが、はいからうどんは可もなく不可もなく。


牛丼が、見た目に反し味が濃くなかったからか、西日本風の透明ダシがしょっぱく感じてしまった。
意外とよかったのが生玉子。商品名は「こだわり卵」で、80円は高えなと思ったが、食べてみたら黄身がおいしく感じたよ。


昔はどのチェーンも50円だった生玉子も、だいぶ値上げしており、吉野家が74円で松屋が80円。
唯一、すき家は60円と、低価格を維持。そういえば、牛丼並の価格を紹介していなかった。
さっき書いたように、松屋は380円。吉野家は426円、なか卯は430円、すき家は400円。松屋だけみそ汁が付く。
上記は各社のHPで調べた、店内で食事した場合の価格であり、店舗によっては価格が異なる場合もあるのでご注意を。
ちなみに、私が初めて牛丼を食べたのは30年以上前で、当時は吉野家と松屋しか知らなかったが、どちらも400円だった。
物価の推移を考慮すると、もう少し値上げしてもいい気がする。

たった今、何度か名前を出した『すき家』だが、個人的には、昔からどうも好きになれない。
盛り付けは雑だし、店員はヤル気もないし、店内の清掃もテキトーで不衛生。
下記は、すき家HPから拝借した画像だが、このように、下のご飯が見えないようキレイに盛られた牛丼は見たことない。


なか卯と同じグループだし、食べなくてもよかったかもしれないが、やはり店舗数業界1位はダテではないし、
すき家の牛丼を久々に(多分10年以上食べてない)味わってみることに。入店したのは、初訪問となる某店。
店内には、先客が数名立って待っている。いくつかの席が空いていたが、店員からの誘導はない。
立っている先客もいるし、コロナ禍だし勝手に座るのもマズいかと思い、私もしばらく立ちすくんでいた。
店員とは目が合い、私の存在を認識したはずなのに、「空いてる席にどうぞ」はもちろん、「いらっしゃいませ」すらない。
一応、接客担当は4人ほどいたし、人手不足ではないはず。ひょっとしてすき家は、ブラック企業と叩かれて以降、
従業員の酷使をやめただけでなく、指導自体もやっていないのか?
さすがに気分を害したので、何も食べずに退店。ついでに「すき家は一生利用しない」と決意。

結論を述べると、吉野家以外のチェーン、松屋となか卯は、定食やうどんなど、別のメニューに尽力しているためか、
牛丼は臭みが気になり、明らかに以前よりおいしくなくなっていた。タイミングが悪かったのかもしれないが。
すき家は、たまたま入った店がダメだったのかもしれないが、とりあえず論外。
というわけで、やはり吉野家を超える牛丼は、どのチェーンもいまだに作っておらず、
「吉野家より美味いのは吉野家だけ!」という結果になった。
昔↑こういうキャッチコピーあったよね。「ビーボ」とかいうドリンクの。

大手チェーンは今後も、互いに切磋琢磨し、おいしい牛丼作りに励んでいただきたいものだが、
吉野家も含めどの企業も、最近は牛丼を軽視しているように感じるのが気がかりである。
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あえて今訴える、牛丼なら『吉野家』!

2022年05月18日 | 丼もの
ちょっと前に、『吉野家』の不祥事がいくつか報じられた。
ネットでは大騒ぎになり、「ファンだったのに裏切られた」「もう吉野家には行かない!」などと、批判が続出。
数年前のペヤングのとき(詳細は触れない)もそうだったけど、わざわざ批判の投稿をするヤツなんて、真のファンじゃないし、
むしろ承認欲求の強いバカだろうから、「どうぞ二度と来ないでくれ」と切に願う。
あと、意外と多かったのが「松屋(orすき家)の牛丼の方がウマいし、吉野家はつぶれてもいい」といった意見。
いくら匿名で投稿できるからって、よくこんな非常識な発言ができるな。
「つぶれてもいい」とはヒドい、と感じた方もいるだろうが、私があきれたのは「吉野家よりウマい」の方だ。
これって、「私は味覚オンチの恥知らずです」と、広言するようなモンだからね。
バカどもの意見はさておき、吉野家のイメージダウンは著しく、株価も暴落するなど、かなりピンチの様相だが、
こんなときこそ、のび太君の言うとおり、拙ブログはあえて、吉野家を支持・応援する
 (C)藤子・F・不二雄 (C)小学館

ただ、このような擁護は、騒動の直後に表明するのが望ましく、今回のブログのように数日経過したタイミングだと、
世間が忘れかけたところを蒸し返す形になるので、むしろ逆効果かもしれない(苦笑)。吉野家、ゴメン。

いくつかの事件のうち、最も大きく取り上げられたのが、「生娘シャブ漬け」発言だ。
知らない人もいるようだけど、発言主の常務取締役は、「吉野家一筋30年!」のようなベテラン社員ではなく、
5年前に外部からスカウトされた、いわゆる雇われ幹部であり、叩き上げの取締役ではない。
なので、「吉野家で上層部に出世するのは、こんなクズばっかりなのか!」という批判は誤りである。
とはいえ、こんな人物に立派な肩書きと、普通の社員よりは明らかに多い報酬を与えていたのだから、
彼を起用した社長及び上層部は、猛省しなくてはならない。
発言主の伊東某という輩は、コンサルタントだの、アドバイザーだの、マーケターだの、
いろんな肩書きがあるようだけど、私に言わせりゃ単なる予想屋である。
ただ、競輪場にいる予想屋さんは、自分が売っている商品(予想)に誇りを持っている。
おカネや自分は大好きだが、自社の牛丼はさほど好きでもない、そんな人間を重用したのが吉野家の悲劇であった。
この騒動、悪いのは暴言を吐いた取締役であり、雇った社長であり、
現場の従業員や牛丼は悪くないので、一部のバカ以外は、これからも吉牛を食べてくれよ。
ただ、真偽はさておき、吉野家本部の対応がよろしくないとの噂は、数年前から出回っている。
さっき書いた「上層部はクズばっかり」が、事実でないことを願いたい。

さてここからは、牛丼の味について擁護させていただく。
以前どこかで告白したと思うが、私は吉野家と松屋で、バイトした経験がある。
なので、そんじょそこらの評論家や常連客も知らない、内部事情も理解している。
以下で、ネットなどにはあまり出回っていない(と思う)、牛丼の具材=「丼肉」の仕込み方を記していく。

ここまで、のび太君の画像しか載せていなかったので、直近で食べた吉野家牛丼の画像を掲載しておく。


注文したのは、「ねぎ玉牛丼」544円+「しじみ汁」173円。詳細はまたのちほど。

丼肉の作り方は、どのチェーン店も多分同じ。シンク状の大きな専用鍋にタレを注ぎ温めて、
そこへ玉ネギと牛肉を投入。脂やアクをすくい取りながら、数分煮込めば完成
牛肉と玉ネギは、店舗に袋詰め状態で届く。肉の量は、ひと袋あたり5キロだったかな。
完成後は鍋から丼肉をすくい出し、鍋に隣接された、ステンレス製のフタ付き肉置き場(名称知らず)に移して保存。
注文が入るたびに、この置き場からタレの入った鍋に肉を移し、再加熱してツユをまとわせ、ご飯に盛りつけ提供。
松屋も吉野家も、使用食材はほぼ同じ。牛肉は薄く切られた脂身の多いもので、玉ネギもカットされたものが店舗に届けられる。
タレも、袋詰めで届いたものを使う。タレだけを舐めた感想は、吉野家は生姜の風味が効いており、コクがあるのにまろやか。
松屋も使用調味料は似ているはずだが、醤油のしょっぱさがダイレクトに伝わり、ややトゲがある印象だった。

調理法や使用食材に大差はないのに、味が違う理由はズバリ、追加調理にあった。
丼肉が減ってきたら当然、肉と玉ネギを新たに仕込まなくてはならない。
松屋では再度、推定5キロの肉を投入。客の少ない深夜帯などは、半分の2.5キロしか煮ないこともある。
一方吉野家は、ピークタイム以外は約200グラムしか煮込まない
計量器を用意し、客の来店に合わせて約200グラムずつ計り、鍋に投入していく。
当時の牛丼並盛の肉量は85グラム(現在は90)。玉ネギ分を引いても、200だと2~3人前しかない。
大量の肉をいっぺんに煮る方が楽だが、吉野家はあえて、調理仕立ての丼肉を提供すべく、同じ作業を何度も繰り返す。
無論、複数の客が同時に来店した場合は、400グラムなどに増量するため、お客を待たせるケースはほぼ皆無。
脂とアクもしっかり取るし、煮込むたびに、鍋の火力を上げ下げ(加熱と保温)するのも忘れない。
そして、松屋との最大の違いは、吉野家は追加調理のたびに、タレも必ず追加するのである。
松屋が5キロの肉を1回煮込む間に、吉野家は単純計算で、200グラム×25回煮込むことになる。
つまり、タレを1回しか追加しない松屋に対し、25回追加する吉野家。どちらの味が安定しているかは明らかだ。
他のチェーンも、やり方は松屋と同じはず。人手不足のブラック企業・すき家は、もっと手を抜いている可能性もある。
以前チラッと紹介した、新橋の『なんどき屋』もそうだったけど、
肉は少しずつ煮込んだ方が、脂臭さが肉にまとわりつかないし、アクなども取りやすいはずだ。

※なんどき屋の「牛めし並」650円+「玉子」50円

以上、私が「牛丼は吉野家が一番ウマい、他店をウマいと主張するヤツは非常識だ」と述べた理由は、
吉野家は丼肉をこまめに調理しているという、事実に基づく正論であり、
決して、自分の好みを押しつける強引な主張ではないことを、理解していただきたい。

ここでひとつ告白、というかお詫び。私が双方の店で働いていたのは、今から20年以上前
現在は松屋も、こまめに調理しているかもしれないし(すき家は絶対やってない)、
逆に吉野家は、最近は牛丼以外のメニューも増えたため、テキトーな調理になってしまった可能性もある。
そもそも、当時の吉野家は、朝定食の時間帯が終わると、メニューは牛丼・牛皿・牛鮭定食しかなく、
来客の99.9%は丼肉を頼む(たまに酒だけのジジイが来る)ため、肉の調理に気合を入れるのは当然だった。
繰り返すが、さっき紹介した調理法は今から20年以上前のことなので、現在のやり方は不明。
補足しておくと、私が勤務していた吉野家はもちろん、松屋もなかなかの繁盛店で、
仕事のできるバイトも多く、マニュアルはちゃんと守っており、本社からの評価は高かったと記憶している。
ただし、私自身は酔った状態で夜勤or二日酔いで朝出勤のケースが多く、評判はよくなかった(苦笑)。

最後に、さっき載せた吉牛画像の詳細をつづっておく。食べたのは京王線の中河原駅近くの店舗。
牛丼に青ネギは不要だと思うが、野菜不足なので頼んでみた。玉子と紅生姜も乗せて食べる。


しじみ汁は初注文。しじみエキスは健康にいいらしいから…って、
野菜不足とかしじみで健康とか、牛丼を喰うだけなのに、いちいち面倒なことを考える自分がイヤになるね。
そのしじみ汁、目に付いたのは身のない殻ばかり。ムカついたので、青ネギが入っていた器に、殻を移し数えていく。
文字どおり、身のないカラの殻ばかりだったら、店員に抗議しようかと思っていたが、
汁の底に、身だけ沈んでいたりして、殻と身の数が近付いていく。
結果的に、殻が40に対し身が36。許容範囲の差であった。というか、40個の殻って結構な数だよ。


さすがは吉野家。殻だけなどと疑って申しわけなかった。しじみ汁、また頼ませてもらうよ。
そういえば、牛丼自体の味は、肉の臭みをちょっとだけ感じた。脂取りが足りなかったのかな。
ところが、久しぶりに食べた他チェーンの牛丼は、もっとダメダメな仕上がりであった。
近日中に「牛丼チェーン以外の牛丼を食べた」シリーズ番外編として、「吉野家以外のチェーン牛丼を食べた」を公開!
追記:公開したので、よかったら読んでください→こちらをクリック

他店の牛丼を食べてみて、改めて確信した。
だいぶ前にも主張したけれど、牛丼なら、やっぱり『吉野家』だよ!
いろいろ問題はあるようだけど、ファンとして、元従業員として、吉野家には踏ん張ってもらいたいね。
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餃子とちゃんぽんの穴場店 西国分寺『千尋』

2022年05月04日 | 餃子
つい最近、西国分寺の駅改札を出てすぐの地点で、それまで見たことがなかった、
「ちゃんぽん ぎょうざ」の白い看板が目に留まった。


場所は、人気カレー店『すぷーん』のちょっと先にあるラーメン店の2F。
「餃子の大将」を自称する餃子マニアとしては、未知の店に遭遇したら素通りはできぬ。
看板地点まで行ってみると、赤い看板と「アルバイト募集」の貼紙がある。屋号は『千尋』らしい。


メニューの一部を記した黒板もあり、「ちゃんぽん650円」など安心価格だったので、入店してみることに。
階段を上った先はすぐ店内で、厨房の店主が気付き、テーブル席に案内される。
冷水が入ったジョッキを運んできた店主に、とりあえず瓶ビールと餃子をオーダー。
店主が素早く栓を抜き、グラスにビールを注ぎながら提供してくれた。「キリンクラシックラガー」は600円。


こちらがドリンクメニューで、


裏がお食事メニュー。調べたところ、ちゃんぽんと皿うどんは『リンガーハット』より安い。


店主は気さくな方で、作業をしながらいろいろと話しかけてくれた。いいトシこいて人見知りな私にはありがたい。
「以前はお好み焼き屋だったんですけど、つい最近、餃子とちゃんぽんの店に変更しまして」。
確かに、私の目の前にある台には、お好み焼きやもんじゃ焼きが記された、旧メニュー表が置いてあった。
テーブルもよく見ると、裏返せば鉄板になりそうで、卓上で焼くことも可能な様子。
「コロナのせいで、バイトがやめて人手不足で、ひとりでもできる現在の業態に変更しました」。
確かに、お好み焼き屋さんは、お客さんのテーブルで調理する手間もあり、ひとり回しは絶対無理。
とはいえ現在だって、餃子を焼いて、麺を茹でて野菜を炒め、酒を作って…と、大変なのは変わりないのだが。

「元々、餃子が好きで、いろんなお店を食べ歩いたんですよ」。おお、それは私と一緒だ。
店主が出した結論は、「奇をてらわぬ、普通の餃子が一番美味しい」だそうで、
お気に入りのお店は、大阪の『丸正』らしい。私は食べたことはないが、行列のできる超有名店である。
数分後、大きな鉄皿に盛られた餃子が登場。商品名は「マスターぎょうざ」で、1人前6個450円。


丸正の餃子はひと口サイズだが、こちらのは横幅が長く大きめで、一般的なサイズの3割増しくらいか。
中身はざく切りの野菜が主体で、ニンニクも結構効いており、味もしっかり付いているので調味料ナシでもOK。


店主は「普通の餃子」が理想のようだが、大きさや食感、味付けなどには個性が感じられる。
また、添えられた千切りキャベツにはポン酢が少量かかっており、柑橘系の香りでいい口直しになる。
私好みの餃子だったので、店主に「美味しいです。水餃子もお願いします!」と、すぐに追加注文。
一応、調味料もいくつか試してみたが、卓上に設置の海苔ふりかけ「さるかに合戦」が、意外と好相性であった。


しばらくすると、スープに入ったマスターぎょうざ=水餃子450円がやってきた。


丼は、ラーメンなどに使うようなサイズで、スープもたっぷり入っており、450円は破格だ。


ラー油や、辛口薬味(『ホープ軒』に置いてある赤い粉のようなモノ)もスープに溶かし、味わってみた。


餃子はもちろん、スープにも旨味があり、一滴も残さずたいらげてしまった。
酒類は瓶ビールのあと、「ホッピー白」セット450円と「なか」200円を飲み干し、
店主がオススメする「特製緑茶ハイ」450円を注文したら、ティーパックが入ったジョッキが来た。


店主が他の店で同じ商品を飲んで気に入り、作り方やお茶の仕入れ先などを教わったらしい。
緑茶は香ばしい風味で飲みやすく、すぐにお替わり。すると、同じグラス&緑茶パックで再登場。
あとで伝票を見たら、「なか」扱いになっていてお得。店主曰く「4杯くらいまではパックから味が出ます」とのこと。
さらに「なか」をお替わりし、だいぶベロベロになってきたところで、シメのお食事を。
お店のウリである「東京ちゃんぽん」650円を頼むべきかもしれないが、私はあえて「ぎょうざラーメン」800円を選択。


要するにワンタンメンの餃子バージョンだが、それだけ千尋の餃子を気に入ったのである。
具材は炒めたキャベツにモヤシ、そして刻み玉ねぎ。あとは餃子と、角煮風のチャーシューが1個。
他の客が食べていた、ちゃんぽんの具材も野菜主体で、似たような色合いだった。
長崎ちゃんぽんのように、ピンク色のカマボコなどは入らないから、「東京ちゃんぽん」という名称なのだろう。
麺はラーメン用の細麺。店主曰く「有名なカンノ製麺所から仕入れてます」とのこと。


おそらく、いろんな人気ラーメン店で使用されている、『菅野製麺所』のことだろう。
無知な私は今までずっと、「スガノ製麺所」と誤読していた。店主さん、教えてくれてありがとう(苦笑)。
なお、スープの底に沈んでいたチャーシューが、肉自体の旨味を感じさせ、なかなかウマかったと報告しておく。


塩味ベースの熱々スープをすすり、身体中にアルコールが回り、ベロベロになったところでお会計。
帰路は立川までふた駅なのに、中央線内で爆睡し、寝過ごすところであった。

ゴールデンウィーク中の営業日を聞きそびれたので、ワンオペなのに申しわけないが、とある日のランチタイムに電話し、
当日の夜、営業していることを確認してから再訪。営業時間に合わせ、駅周辺を少し散歩。
店舗がある北口ではなく、線路を挟んだ南口から、お店の外観を撮影してみた。


入店後はすぐに、「昼間、忙しいときに電話してゴメンなさい」と店主に謝罪。
今回は、窓際の席に案内された。駅を行き交う電車が丸見えで、「鉄ちゃん」にはたまらない席であろう。


私が入店したあとも、続々と客が入ってくる。あまり宣伝はしていないそうだが、早くも認知されているようだ。
この日はホッピーセットからスタートし、なかを飲み干したあとは、またまた緑茶ハイを注文。
注文したおツマミは焼き餃子と、「チーズクリスプ」400円。チーズのおせんべいみたいな料理だ。


店主によると、このチーズクリスプを使用したかき氷も考案中とのこと。
チーズとかき氷の組み合わせとは斬新だ。歯が悪いので氷はキツイけど、発売された際は食べてみようかな。
焼き上がった餃子と一緒に食べてみたが、餃子へのチーズはやはり、とろけるタイプがいいようだ。


最初のオーダーで「(ガッツリ飲んだ)あとで皿うどんを注文します」と伝えたつもりだったのだが、
しばらくしたら、いきなり「国分寺皿うどん」650円が提供されてしまった。


この日はベロベロになる前に退散するつもりだったので、ちょうどいいか、と食べ始める。
具材はキャベツとモヤシの他、竹の子、竹輪、豚肉なども加わる。
九州から取り寄せた皿うどん専用の細麺は、アンと混ざっても独特の歯応えを維持。


東京ちゃんぽんと同様、本場の皿うどんとは異なり、魚介類やウスターソースはないが、これはこれでウマいよ。
全部食べ終わったところでお会計。店主にゴールデンウィーク後の営業時間や定休日を聞いたところ、
驚いたことに千尋さんの営業日は、当面は月火水のみで、木金土日は休みとのこと。
金土日はなんと、やはり西国分寺駅の近くで、『千俵』というダイニングバーを営んでいるらしい。
今度はそちらにもお邪魔して、カウンター越しの店主と、餃子談義でも楽しみたいね。



千尋(ちひろ)
東京都国分寺市西恋ケ窪2-6-5 2F
JR西国分寺駅から徒歩約1分
営業時間 11時半~14時半、18時~22時
定休日 木、金、土、日 (月~水も、週によって昼のみor夜のみ営業の場合もあり)
※営業時間や定休日などの詳細は店主ブログにてご確認を
※金土日営業の『千俵』は、東京都国分寺市泉町3-33-16
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