明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

昭和の香り漂う「皆様の洋食店」 国分寺『フジランチ』

2022年03月28日 | 洋食屋さん
約2年前、カツカレーの記事をアップした直後、案の定カツカレーが食べたくなってしまった。
数ある候補店の中から選択したのが、これが初訪問となる、東小金井の『冨士ランチ』。
 ※左記の店頭画像は、お店のツイッターから拝借

注文したのは「カツカレー(大)」890円。出てきたのは、予想以上の大皿であった。


比較のため、カツの上にスプーンを置いてみた。無論、デザート用のミニスプーンではない。


一般的なお店の倍以上はありそうな、食べても食べても減らないカレーに悪戦苦闘。
「(大)なんか頼むからだ」とあきれる方もいるだろうが、こちらのお店のカツカレーは、
小、並、大、特盛、ジャンボと5種類あったため、大が標準サイズかと思ってしまったのだ。
ただし、890円で倍の量なのだから、価格自体は良心的である。※その後900円になった模様
カレーソースは、辛さやコクが控えめで、洋食屋さんというより、家庭的な味わいであった。
結局、時間はかかったものの、苦手なトマトと福神漬け以外は、どうにか食べ切った。


調べたところ、その後ジャンボサイズはなくなり、さらに現在は、カツカレー自体「お休み中」とのこと。
また、冨士「ランチ」という屋号に反し、昼間は営業していないのでご注意を。

カレーだけでなく、定食のご飯も大盛で、連日お客が詰め掛けている冨士ランチだが、
同名のお店が国分寺にもある。こちらはカタカナの『フジランチ』だ。


看板や外観から、昭和の香りがプンプン漂うお店で、もうすぐ創業50年になるらしい。
ハンバーグがメインでご飯は大盛と、共通点の多い東小金井店とは、親戚関係らしい。
数年前に閉店したが、かつては阿佐ヶ谷の駅前にも『冨士ランチ』があった。
「ハンバーグカントリー」など、国分寺店と同名の料理があり、ここも関係があったはず。

国分寺店はランチタイムも営業しているが、毎回行列ができており、なかなか入店できず。
先日のお昼頃、お店の前を通ったところ、満席ではあったが珍しく行列がなかったので、初訪問を決意。


並び始めたら、直後に数人の客がやって来て、私の後ろで列を作る。タイミングがよかったようだ。
待っている間に、今では貴重なショーケース内の料理サンプルを眺めたり、


入口ドアのそばに展示してある、メニュー表もチェック。
左側には全メニューを記載。カレーがなくなったり、以前より品数を絞ったようだが、お手頃価格は変わらず。


右側は主な料理の写真。さっき触れたハンバーグカントリーは、“ひき肉の玉子炒め”のことだ。


このメニュー表の中央には“安くておいしいボリュームタップリの料理”というキャッチコピーが躍る。


数分後、先客が退店し、「お待たせしました」の声と同時に入店。入口近くのカウンター席に案内された。
ホール担当は若い男性で、ご夫婦らしい男女が厨房。皆さんご家族なのかな?
感染対策のビニール越しに、お父さんシェフの調理を見学できる、特等席であった。


数あるメニューの中から選択したのは、お店の名前がついた「フジセット」1000円。
お父さんがフライパン、揚げ鍋、レンジを同時に駆使してメイン料理を仕上げていき、
補助担当のお母さんが、ご飯やみそ汁、付け合わせの生野菜やスパゲティを盛りつけていく。
厨房内はあまり広くないため、互いに接触しないよう、絶妙なコンビネーションを披露。
途中、お母さんに「もう少々お待ちくださいね」と2度告げられたのだが、
調理作業を眺めていれば飽きないし、そもそも「待たされている」と感じるほどの時間は経過していない。
最後にお母さんが、小さな炊飯ジャーで保温されていた、デミグラスソースをハンバーグにかけて、フジセットが完成。


ハンバーグ、目玉焼き、鶏のから揚げに、付け合わせの具なしナポリタンと生野菜。野菜以外(苦笑)は好物ばかりである。


みそ汁には豆腐とワカメがたっぷり、そしてご飯は、並盛のはずなのにかなり多い。


メニューに「小ライス 30円引き」と記されていたが、たぶんこれが、一般的な「並ライス」だと思われる。
+100円の「ライス大盛」は、店名同様、富士山のようなてんこ盛りになるらしいが、若くない私は遠慮しておく。
そういえば、こちらのお店ではオーダー時、「ライスは結構多いですよ」と忠告されている方も何人かいたが、
私にはその声掛けがなかった。どうやら、外見(デブ)で判断されたようだ。まあ、確かに食べ切ったけどさ。
なにしろ、オカズがウマいので、ご飯が足りないくらいだったからね。
ハンバーグは臭み消しのナツメグが効いた、上品な仕上がり。個人的には、もっと肉々しいタイプが好み。


ただし、デミグラスソースは絶品で、例のナポリタンとも絡めてズルズルすすった。
目玉焼きはご飯に乗せて黄身を崩して食べた。そして、特筆したいのが唐揚げの美味しさ。
最近、唐揚げの専門店も増えているけど、ニンニクなどの下味が過剰なタイプが多い気がする。
その点、フジランチさんの唐揚げは、醤油ベースでほんのり甘味を感じる、ちょうどいい塩梅の味付け。
もちろん、油っこさなどもなく、白米と一緒にバクバクと食べ進めたよ。
今回も、トマト以外は残さずたいらげ、すっかり満腹になったところでお会計。
レジで千円札を出すと、30円分の次回割引券をくれた。こういう、ささやかなサービスは好きだ。


レジの男性、その後厨房のお父さんお母さんにも「ごちそうさまです」と挨拶したら、
それまで、ほとんど声を発してなかったお父さんが「ありがとうございます」と声をかけてくれ、
お母さんは再び「お待たせしてすみませんでした」と謝ってくれたので、恐縮してしまった。全然待ってないのに!
フジランチさんが人気を集める理由は、味や量だけではないのがよくわかった。

つい先日、まん防解除により再開した、ディナータイムに訪問。開店直後なのに、早くも数名の先客で席が埋まっている。
ただし、シェフの目の前の特等席が空いていたので、またまた着席&見学させていただくことに。
今回は、チキンカツ+ピーマン肉詰めの「Cセット」900円をオーダー。
「デラックスセット」などに付くコロッケも気になり、「Cセットにコロッケ付ける…のはできますか?」とたずねてみたが、
残念ながらそういう注文は対応していないらしい。ワガママ言ってゴメンなさい。
注文後、お母さんがピーマンの種を取り除いて、肉を詰め始め、お父さんが鶏肉を叩き、粉を付けてから揚げる。
他の客が頼んだハンバーグも、注文が入るたびにお父さんが、肉の成型と空気抜きを行なっていた。
驚いたことに、夜の時間帯は作り置きなし!? あ、具なしナポリタンは例外ね(笑)。
作り置きはなくても、好連係により数分後には、Cセットが完成。


ピーマン肉詰めには、濃厚そうなKAGOMEのトマトケチャップがかかっていた。


あと、前回もそうだったのかは忘れたが、生野菜には赤い粉が振りかかっていた。辛くないのでパブリカかな?
ピーマンにはまだ歯応えが残っており、ハンバーグ同様、臭みのないひき肉と好相性。
チキンカツは叩かれ柔らかく、最初は塩、次に醤油、最後はやはりソースで食べた。


お酒は飲んでなかったが、お腹イッパイになったためか、帰宅後はすぐに熟睡。子供かよ。

最初の方に載せた、メニュー中央の“安くて美味しいボリュームタップリの料理”のコピーの下には、
フジランチは皆様の洋食店ですという一文が記されている。
良心的な価格で、美味しくボリューミーな料理を、ナイフやフォークではなくお箸で食べる。
飾らず気取らず、けれども温かいおもてなし。フジランチさんはまさに、庶民のための洋食屋さんだよ。



フジランチ
東京都国分寺市本町2-13-7
JR、西武線国分寺駅から徒歩約4分
営業時間 11時~14時、17時半~20時半
定休日 火、水、年末年始
※東小金井の『冨士ランチ』は、東京都小金井市東町4-38-17

※※2023年4月追記 最近は夜の営業はお休みのようです
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誠実さが込められた一杯 千歳烏山『榮じ』

2022年03月25日 | ラーメン、つけ麺など
以前記したが、世田谷区の千歳烏山にある図書館で、母校野球部の貴重な資料集を借りた。
借りた本は当然返すが、返却時にまた別の書籍を借りてしまい、数日後にまた返して借りて…と、
気付けば千歳烏山との往復を繰り返していた。京王線の特急(旧:準特急)が停車するので、アクセスは良好。
とはいえ、世田谷区の税金で購入した図書を、立川市民がタダで読むのは申しわけないので、
帰りは必ず、千歳烏山で飲食や買い物をし、微々たる額ではあるが、世田谷区にお金を落とすことにしている。
私がもっとも気に入ったのが、『中華そば 榮じ(えいじ)』。お店の場所は、最初に利用した『世田谷餃子』のすぐ隣であった。

※栄の字は旧字の「榮」

こちらは、店内や外壁に貼ってある、現在のメニュー一覧と、商品についての解説。


国内産の小麦粉だけの 自家製めんと 無化調 天然素材だけのスープです
化学調味料を使わず、天然の素材で麺とスープを作っている、お店の心意気は素晴らしい。
しかも驚くことに、基本の「中華そば」600円など、どの商品も安価なのである。
厳選食材を強調するラーメン店はいくつか知っているが、その大半が、
たいしてウマくなく(味が薄く)、そのくせ値段は高く、さらに店主のプライドも妙に高い、
イヤな店が多い気がするのだが、榮じさんは、それらとは一線を画す良店なのである。
そもそも今の時代、日高屋などの廉価チェーンを除けば、600円で食べられるラーメン自体が少ないよね。
ましてや東京23区内、しかも駅前という好立地で、この低価格は驚きだよ。
立川市には『鏡花』という、やはり厳選素材を謳う店があるが、一番安いラーメンが1100円である。
鏡花(きょうか)という屋号には、強気な価格の「強価」、あるいは「狂価」という意味を含んでいるのか。
※追記 22年6月には、1200円~とさらに値上げ
※追記その2 さらに23年2月くらいに、1250円~に上げた模様


さて、狂った店(←言い過ぎ)のことは忘れて、榮じさんのラーメンを紹介していこう。
店内はカウンター席のみ。小料理屋さんのような、落ち着きのある内装である。
私の訪問時は、夕方の時間帯ばかりで、厨房にいるのは、頑固職人風の店主だけ。
ただし、店主は見た目に反し、口調は常に穏やかで、エラそうな振る舞いなどは微塵も見せない、好人物であった。
こちらは、ワンタンメンが有名な浜田山の名店『たんたん亭』の孫弟子にあたるそうなので、
私も初訪問時は、「わんたんめん」700円を注文。数分後、麗しいビジュアルの商品が登場。


まずはスープ…と丼に顔を近づけると、魚出汁の生臭さは一切なく、芳香だけが鼻腔をくすぐる。
「これは熊本県天草市牛深産の節と煮干しだな…」と心の中でつぶやく。味オンチの私が、産地に気付いた理由は、
“牛深産 節・煮干し”と記され、くまモンも描かれた段ボールが、店内に積んであったから(笑)。


産地はさておき、スープは無化調ながら、香りだけでなく味もよかったのは間違いない。
自家製の麺は、細いけれどしっかり腰があり、のど越しなめらか。魚介系醤油スープとの相性も抜群。
ワンタンは、やや小さめが3個。中にはもちろん、ひき肉がちゃんと入っている。


本家たんたん亭とは、風味も大きさも異なるが、通常の「中華そば」+100円という価格は嬉しい(たんたん亭は+300円)。
ワンタン以外の具材は、大きめチャーシュー、ノリ、刻んだネギに赤玉ネギと少数精鋭。
チャーシューは甘味がなく、肉と醤油の旨味をダイレクトに感じるタイプ。
スープは熱々で最後まで冷めず、私の食欲も最後まで持続したままで、スープも残さず食べ切った。
角煮などたっぷりの肉や、背脂、ニンニクなどは入らず、大盛でも太麺でもなく、こってり濃厚豚骨スープでもない、
私好みのジャンクなタイプとは対照的なラーメンなのだが、満足度は相当高かった。
商品自体の素晴らしさもさることながら、こういう正統派のラーメンを美味しいと感じる自分にも驚いた(笑)。
もう一杯、別のラーメンも試したかったが、なんだか恥ずかしくて、結局断念。
ラーメンの替玉を何度も頼んだり(人生最高は6玉)、ラーメンを食べたあとにカツ丼を注文したりするのは平気なのに、
ラーメン自体のお替わりは、異様に恥ずかしいのはなぜだろう。
BGMがない静かな店内環境と、一緒に食事している、地元世田谷区民と思われる上品そうな客層のせいか。
腹具合はともかく、心はじゅうぶん満たされたので、この日はおとなしく退散。

2度目の訪問では、中華そばと同額ながら、煮干しや油の量を増した「コク旨中華そば」600円に「たまご」100円を追加。
数分後、コク旨中華そばがやってきた。前回のわんたんめんより油膜が多い。


初回に撮影を忘れた、横アングルがこちら。底が深い丼で、一見少なそうに見えるが、実際はそうでもない。


まずはスープをひと口飲んでみたところ、油分が多いのか、前回よりさらに熱々。お陰で舌をヤケドした。
なので、中華そばとの違いはさほどわからず。ちょっと煮干し感が強く、好みが分かれそうかな。
そういえば味玉は…と思い店主にたずねたところ、どうやら忘れていた模様(笑)。あとから別皿でやってきた。


味玉はくっきりとした味付けで美味しかった。黄身ちゃんの柔らかさもちょうどよかったし。

もはや図書館よりも、榮じ訪問がメインになってきた3度目は、「貝出汁そば」800円をオーダー。


出汁だけでなく、貝そのものも具材としてラーメンに入っている。あと今回も、これまでと異なる器でやってきた。


いつもの和風魚介スープに、貝の旨味も加わっており、今まで食べた3種の中では一番ウマく感じた。
すぐに麺を食べ切ってしまったため、「かえ玉」100円を初注文。この手のラーメンで、替玉があるのは珍しい。
数分後、替玉が追加用のタレと同時に提供された。麺が意外と多いのに驚く。


一般的な九州ラーメンの替玉は、茹でる前で100グラム程度だが、ここは130グラム以上はありそう。丼のせいか、多く感じなかった。
しかも、すでにスープを結構飲んでしまい、麺自体もスープを吸うため、途中で汁っ気がなくなった。


最後の方は油そば状態の麺に、追加用ダレをかけながら食べた。
替玉よりは、最初から麺が多くてスープともなじむ、「大もり」100円の方がオススメかも。
無論、健啖家かつ大胆不敵な方には、ラーメン自体のお替わりを推奨する。

今月22日、東京でもようやく「まん防」が解除され、飲食店の営業時間も延長。
ネット情報によると、以前の榮じさんは、15時から18時まで中休みだった模様。
HPはなく、SNSもやってなさそうなので、やむを得ず電話で直接営業時間をたずねたところ、
まん防期間と同様、「11時半から中休みなしで19時くらいまで」とのこと。
ならば、と昨日の夕方、返却図書とともに、4度目の訪問を果たした。
注文したのは未食の「つけめん」800円に、メニューに記載はないが「わんたん」100円をプラス。
相変わらず店内は静かで、聞こえてくるのは麺茹で釜の中で、湯が煮える音のみ。
しばらくすると、これまた豪勢な器で、ワンタン入りのつけダレと、冷水で締めた麺がやってきた。


通常よりやや太い、つけめん専用の麺だけを食べてみたら、これぞ国産小麦の風味(←わからねえくせに)。
具材は、ノリがない以外は、初回のわんたんめんと同じ。つけダレは、魚介の風味より酸味を強く感じた。


酸味のあるタレは、ワンタンとは好相性。途中で卓上のミル胡椒を振りかけた。
冷たい麺で温かいタレが冷めないよう、ほぼハシを止めることなく一気に食べ切った。

※麺の下には水切り用の金具ザルがあった

この日は珍しく、私以外に客がいなかったので、店主榮じさんと「昨夜は電話してすみません…」などと、少しだけ会話。
昔は酒類や焼餃子も提供していたこと、21時までの営業だったが、時間内に入店すれば対応していたこと、
さらに安すぎる価格について、「他店のことは知らないけれど…」と前置きしつつ、
「小麦粉だけでなく、いろいろ値上がりして苦しいけど、もう少し(現状の価格で)頑張ってみる」と語ってくれた。
誠実そのものといった印象の榮じ店主。その姿勢が調理作業や商品価格、そして味にも込められている。
彼のためにも、小麦粉など各種食材の高騰が早く収まることを、願ってやまない。
こういうラーメン店が駅のすぐそばにある、千歳烏山はいい街だよ。



中華そば 榮じ
東京都世田谷区南烏山5-17-11
京王線千歳烏山駅西口改札より徒歩約30秒
営業時間 現在は11時半~20時だが、19時頃には閉店
定休日 日、月

※残念ながら、22年8月頃? に閉店なさったようです
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NARUTO-ナルト- 愛すべき存在だってばよ!

2022年03月20日 | ラーメン、つけ麺など
東小金井駅の南口を出てすぐの場所に、『宝華』(ほうか)というお店がある。
麺類だけでなく、炒飯やレバニラのような一品料理も提供する、いわゆる街中華だ。
そこで修業したと思われる方が、立川と国分寺に『宝華らぁめん』という、麺類主体のお店を出した。
名物は、本店では「宝そば」と呼んでいる、汁なしタイプの「油そば」。

※上記画像はHPより拝借。スープ付きで700円

先日、約8年ぶりに食べたくなり、立川店に行ってみたところ、店頭に行列ができていた。
以前からそこそこ繁盛していたが、並ぶほど人気があるとは知らず、入店を諦めた。

その8年前の訪問時、私のふたつ隣の席に、酔ってゴキゲンそうなじいさん客がいた。
常連なのかは不明だが、冷や酒を飲みながら、周囲にやたらと話しかけていたため、店員さんも正直迷惑そう。
さっき書いたように、こちらは麺類専門店なので、おつまみは餃子にワンタン、チャーシューやメンマなど、種類は少ない。
一応アルコール類も置いてあるが(3月21日までは提供休止)、ひとり客、しかもカウンター席で長居して飲む客は珍しい。
しかも、じいさんが食べているつまみは…切ったナルトのソテー!?
もちろん、そんな商品はメニューにないので、酒のアテとして、無理矢理作らせたのであろう。

あのときの酩酊じいさんのような愛好家(?)もいるだろうが、ナルトという食材は、ずいぶん軽視されている気がする。
ラーメンの具材はいろいろあるが、メジャーなものとしては、チャーシュー、メンマ、玉子、海苔、ネギ、
あとはラーメンの種類にもよるが、もやし、ほうれん草、コーン、キムチ、高菜、キャベツ、キクラゲ、ワカメ、ワンタン、
そしてナルトだろう。※チャーシューは鶏肉や角煮、玉子は生、半熟などすべて、ネギは辛口和えや玉ねぎも含む
上記具材15種のうち、唯一ナルトだけが追加できないトッピングである。
「味玉+100円」はともかく、「ナルト+100円」なんてお店、あまり見たことないでしょ?
低温調理チャーシューや何日間も発酵させるメンマなど、手の込んだトッピングは増えているし、
「麺もスープも具材も自家製」というお店もあるが、自家製ナルトを提供している店も見たことない。
ラーメン店の皆さん、もっとナルトに愛を!

とはいえ、私自身も若い頃は、ラーメンのナルトに必要性を感じていなかったが、
世間と歩調を合わせたくない、ヘソ曲がりのロクデナシゆえ、近年はナルトを応援する側に転向。
下記画像に「大きめのナルトに好感」など、共感者の少なそうな感想を添えるなど、注目を集めるべく努力しており、

※残念ながら閉店した、『まぜそばコンドル』の「すばらしいまぜそば」

今回ついに、ブログでナルト愛を訴えてみることにした。
ここまで、タイトルに釣られてうっかり読んでしまった、某有名漫画のファンの方、ゴメンなさい。

苦みもクセもない、ナルトの味自体を嫌いな人はほとんどいないと思うが、
その淡泊な風味が、チャーシューや味玉らライバルとの比較で、埋没してしまった感は否めない。
あとはピンク色の派手な模様が、着色料など添加物を拒む層から反発されたのかも。
ラーメンを喰っておいて、着色料や添加物を気にしても仕方ないと思うけどねえ。
先日、某バラエティ番組で、「カマボコは栄養豊富で最高の健康食品」と力説していた芸人がいたが、
それは、同じく魚のすり身を原料とする、ナルトも該当するのではないだろうか。
栄養豊富(?)で見た目が愛らしく、丼の中でひっそりと脇役に徹するナルトちゃんは、もっと注目されていい存在である。

既出したように、ナルトの有料販売を実施しているラーメン店を私は知らない。ソバ・うどん店でも多分ないだろう。
ただ、メニューには掲げてないけど、裏メニューとして「ナルト増し」が可能なお店を、ひとつだけ知っている。
それは、名店『江ぐち』の味を受け継いだ、三鷹の『中華そば みたか』さん。
こちらのお店、表メニューのおつまみは「焼豚(チャシュー)」と「竹の子(メンマ)」しかないが、
「お店にある食材はすべて注文可能」という素晴らしい営業方針が特徴で、
常連客は「メンマに玉子」「モヤシだけ」「五目そばの具材だけ」など、独自のつまみを頼み、ビールを飲んでいる。
先日は私も、「焼豚に半熟卵乗せ」400+50円を注文し、ビールを2本飲んだ。



※「卵」は生や固ゆでも可能

そして、シメの「ラーメン」を頼む際には、「あの…ナ、ナルト増しってできますか…」と小声で質問。
「端っこの方、サービスで出しますよ」という店主の提案に、「有料で構いませんので、多めに…」とお願い。
しばらくして、完成したラーメンに、店主がナルトを並べていく。その数、全8枚。
こちらがその、人生初オーダーとなる「ラーメン・ナルト増し」である!


ライバルの焼豚をナルトたちが囲む、インスタ映え必至(?)のラーメンである。※mixiとFacebookには投稿した
気になるお会計はラーメン550円+トッピング50円の計600円。値段が安いのも、みたかさんの魅力のひとつだ。
調子に乗った私は次回訪問時、「前回ナルト増しをお願いしましたが、今回は増し増しで」と、さらに図々しい注文を敢行。
「増し」が+7枚なので、今回は+14枚、計15枚である。丼内でナルトが満開だ!


これでも、ラーメン550円+50円トッピング×2で、650円である。
ナルトがスープに与える影響は少ないが、独特の風味と歯応えがあるので、そこそこ満足感はあったよ。
隠れナルトファンの方は、今すぐみたかさんに駆けつけ、「増し増し」を頼むべし!
ただし、これら裏メニューは、混雑時はできないこともあるのでご注意を。
あと、いくら+50円だからって、ナルト増し増し増し増し増し増し…なんて注文はしないように。

最後に衝撃の事実を紹介。冒頭で紹介した、宝華らぁめんの「切ったナルトのソテー」だが、
立川店のメニューに載ってないため、酔ったじいさんのワガママで作ったと思い込んでいたが、
つい最近、国分寺店には数年前から、該当商品が存在していたことが判明!
先日、国分寺店を初訪問し、メニュー表を確認してみたところ、右側のおつまみ欄に(黒囲みの中)、


「焼きナルト」350円という、見慣れない一品があるではないか(笑)。


あのじいさんは国分寺店を利用したことがあり、立川店にもあると思い、頼んだのかもしれない。
ナルトファンを自負する私も、せっかくなので注文してみることにした。
まん防期間ゆえ酒類の提供はしていなかったので、食べたことのない「塩らぁめん」730円と一緒にオーダー。
まずは塩らぁめんがやってきた。丼中央には普通のナルトが顔をのぞかせている。


直後に、餃子を焼く機械でソテーされた、焼きナルトが登場!


幅広くそぎ切りされたナルトが計8枚。中央には彩りとしてカイワレ大根が盛られている。
ナルト自体も醤油で味付けされており、香ばしい香りと焦げ目がついている。
卓上の七味を振りかければ、あのじいさんじゃなくても、酒が欲しくなるよ。


塩らぁめんはよくあるタイプだった。宝華で食べるべきはやはり、油そばだよな。
途中で、普通ナルトと焼きナルトの夢の競演も実現! 「夢」だと喜んでいるのは私だけだが(苦笑)。


簡単に作れそうだけど、提供しているところはなさそうな、この「焼きナルト」。
メニューにはオレンジ色の文字で「アルバイトオススメ」と記されているが、バイトの発案なのかな。
まさか、例のじいさんの応対をしたバイトが、意見を基に商品化…そんなワケはないか。

調べてみたところ、ナルトの主な生産地は、徳島県の鳴門市ではなく、静岡県の焼津市らしい。
カツオ漁で有名な焼津は、巨大プリンだけでなくナルトも作っているのか。

※焼津『カントリーロード』の「スーパープリン」

原材料を吟味した、高級ナルトとかあったら食べてみたい。ナルトファンの方、情報お待ちしております。
ただ、食べる方のナルトのファンって、某漫画のファンより圧倒的に少なそうだな…。



宝華らぁめん 国分寺店
東京都国分寺市本町2-11-5
JR、西武線国分寺駅から徒歩約2分
営業時間 11時半~22時半 3月21日までは21時閉店
定休日 火曜
※立川店は東京都立川市柴崎町3-7-4
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祝・ペヤングソースやきそば発売47周年

2022年03月12日 | ペヤング
毎年書いているが、3月13日は【ペヤングソースやきそば発売記念日】である。
新商品もいろいろ出しているが、私にとっては元祖の「ソースやきそば」こそベスト・オブ・ペヤングであり、
嬉しいときも悲しいときも、常にそばにいてくれる、頼もしい相棒であった。

※ひいきのオリックスが、リーグ優勝を決めたときに食べたペヤング

販売・製造元の『まるか食品』さん、47周年おめでとうございます
他の商品はさておき(苦笑)、ソースやきそばは一生愛し続けますよ。

さて、相変わらずとどまることを知らない、「他の商品」=新商品ラッシュ。
記念日翌日の3月14日には、「九州豚骨やきそば」を新発売。“熱湯1分でバリカタ仕上げ”だって。
迷商品・珍商品も多いペヤングだが、最近話題なのが、激辛を超えた獄辛シリーズ。
つい最近、史上最辛らしい「獄激辛やきそばFinal」という商品がリリースされた。
だいぶ前に「激辛END」というのもあったので、本当にファイナルなのかは怪しいが、とにかく辛いのは間違いなさそう。
このときの冒頭で告白したように、辛口料理がツラくなり、ペヤングの激辛シリーズは敬遠していた私だが、
地元のドンキで特売していたので、つい買ってしまったのが「獄激辛にんにく」。あと「チェリオ フルーツパンチ」。


ペヤングが60円でチェリオが28円。税込でも95円だって。昭和の小学生の買い食いかよ(苦笑)。

※会計時、さすがに恥ずかしかった

調べたところ、獄激辛にんにくの発売は昨年7月、定価は221円だった。ずいぶんな値引きだよ。
帰宅後、さっそく食べてみることに。ソースを取り出しかやくを投入し、熱湯3分。


具材はキャベツと揚げニンニクのみ。お湯を捨てたのち、辛さの元凶であるオレンジ色の怪しげなソースを注ぐ。


ソースのアップがこちら。灰色部分のニンニク由来の匂いはするが、辛そうな香りは特になし。


全体にソースをまとわせるため混ぜていたら、キャベツをひと欠片、容器外にこぼしてしまった。
特に警戒することもなく、拾い上げて口に含んだら、予想外の辛さが襲う!
これは、想像以上に手強いぞ…と覚悟を決めつつ、混ぜ終えたのが下記画像。


見た目はそんなに辛そうではないのに、ひと口食べたら「ああっ!!」と、叫び声を上げずにはいられなかった。
感想は「辛さを通り越して痛い」だ。呼吸をすれば口内に熱風が吹き込むし。
700mlのチェリオはすぐになくなり、さらに水を飲んでも辛さは収まらず。あと、久々のチェリオ、やっぱりウマくねえな。
とにかく、にんにくのテイストも忘れさせる、私の人生において最辛の食品であった。
その後も懸命に食べ続けたが、どうにも耐えられず、無念のギブアップ。


とはいえ、ペヤングを残すor捨てるというのは、私の人生におけるタブーのひとつである。
仕方なく、約半分残った麺を熱湯で洗い、獄激辛成分を落とすことに。念には念を入れ、熱湯→すすぎを3度繰り返した。


ようやく辛味が抜けたと思われる麺を湯切りし、容器に戻し、


「ブルドック中濃ソース」をかける。もちろんウマくないが、なんとか食べ切った。


この獄激辛にんにくの2倍辛いとされるのが、獄激辛Finalである。ショック死する人がいないか、心配でならない、

獄激辛は私の口には合わなかったが、そこそこウマかったのが「超大盛シーフード唐辛子マヨやきそば」。
商品の撮影をし忘れたので、ペヤングツイッターの画像を拝借。


発売日は今年の1月31日、定価は324円だが、私は地元ドンキで205円で購入。
激辛ではなくピリ辛らしいし、量も通常サイズの倍と安全なので(とはいえ1137カロリー)、恐れることなく調理。


最後に、味の決め手となるピリ辛マヨネーズを絞り出し、全体を混ぜ合わせる。


具材はキャベツの他、エビ、カニカマ、イカと商品名のシーフードもたっぷり。イカがちょっと細かすぎるが。

 
ソースは醤油ベースで、そこそこしょっぱめだが、シーフードとの相性はいい。
ピリ辛マヨも、例の油臭のする麺とマッチしている。超大盛だったけど、ペロリと食べられたよ。

最後にもう1品、私の「ペヤング・データベース」(仮)から、過去の名作を紹介。
今回は、2018年2月発売の「たこやき風やきそば」。最近、たこ焼きについてよく語っていたので、ちょうどいいかと。


具材は、たっぷりの揚げ玉、キャベツ、紅生姜、以上。タコは入っていなかった。


たこやき「風」だからいいのかもしれないが、以前触れた、昔の立川・諏訪神社のテキ屋と一緒だよ! 
ソースを混ぜたのが下の画像。通常より甘口のソースは、たこ焼きっぽくてよかった。


タコなしとはいえ、甘口が好きな私は、そこそこ気に入った。パッケージのイラストもかわいらしいし。
この商品を基に作られたのが、2020年7月に出た「 超超超大盛GIGAMAX 関西風天かす」かもしれない。



※詳細はこちらの後半部にて

最近のペヤングは、宮城県の高校の「ペヤング研究会」と共同開発した商品も出している。
ペヤング研究者かつペヤング愛好者として、その高校生たちがうらやましいよ。
まるか食品さんに、「こんな商品どうですか?」というメールでも送ってみようかな。
提案するのは当然、いつも書いてる「クリームソーダ味」、「ウナギのタレの匂い味」、「シュークリーム味」だ。
採算が取れるのかは疑問だが(笑)、私は絶対買うぞ。
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ガード下の新世界 吉祥寺『串かつ髙橋』

2022年03月09日 | 居酒屋・バー
年に数度の割合で通っている、東大和市駅近くの串カツ店『串寅』さん。
店名の由来でもある、寅年オープンのこちらは、明日3月10日で12周年を迎えるそうだ。おめでとうございます!


上記は最近食べたもので、左から「紅ショウガ」、「チクワチーズ」、「バームクーヘン」。
バームクーヘンにはシロップがかかっており、あまりのウマさにお替りしてしまった。
以前紹介した際、東京で通っている串カツ店は2軒しかないと述べた。
そのうちの1軒がここ串寅さんで、もう1軒が、今回紹介する吉祥寺の『串かつジャンジャン』であった。

こちらの開業は、串寅さんよりも早い2008年11月。私が通い始めたのは2010年頃だったかな。
お店の場所は、吉祥寺駅を出て西荻窪方面へ、中央線のガード沿いに歩いていくと見つかる。
この道を10年以上歩いているが、途中の飲食店が、何度も入れ替わっているのを目にしてきた。
ジャンジャンさんはさらにその奥、繁華街から離れた立地にありながら、13年以上も営業を続けている実力店だ。
外観はこちら。毎度のごとくダメな画像でわかりづらいだろうが、吉祥寺らしからぬレトロな雰囲気の建物である。

※中央上の赤い光は、走行中の中央線

屋号の「ジャンジャン」は、串カツの本場・大阪新世界のジャンジャン横丁が由来だろう。
数年前、商標の都合により、『三代目七宝 串かつ髙橋』に店名を変更。
以降では、お店の名前は髙橋、あるいは髙橋さんと、略称で呼ばせていただく。
偶然にも、前回に続き『高橋』屋号のお店となったが、こちらは「髙」、いわゆるハシゴだかである。
なお、今回のブログタイトルには、旧店名から発想した「新世界」の名称を含ませてもらった。

お店を営むのは、「テルさん」の愛称で親しまれている髙橋店主。私は「マスター」と呼んでいる。
立派なガタイで一見コワモテの店主だが、話してみると、気さくでマジメな方だったりする。
とはいえ、無礼な客にはそれ相当の対応をするらしく、生意気な若者3人が来店したときは…以下自主規制。
以前どこかで書いたけど、吉祥寺はイメージに反し、ガラの悪い人間も結構多いのだが、
こちらのお店では、髙橋店主がそのような輩を寄せ付けないので、気分よく飲み喰いができる。
若い頃はニューヨークに留学していた、人生経験豊富な店主との会話も、楽しみのひとつである。

そんな店主が提供する、お店自慢の串カツ類の画像を掲載しよう。
下記は、1年ちょい前に撮影したもので、左から「たまねぎ」「鳥モモ肉のハサミチーズ」「とり」「串かつ」…のはず。


一般的な串カツ店と比べると、サイズが大きめなのにお気付きだろうか。
ここで中身の画像を掲載。かじったあとなので、少々(だいぶ)見苦しいかもしれないが許してほしい。


左が鳥モモ肉のハサミチーズ、右が串かつ(牛肉)。ご覧のとおり、大きめの理由はコロモの分厚さにあった。
その秘密は、具材につけるバッター液(別名:どろ)にある。一般的にはトロトロの液体を使用するが、
髙橋さんのバッター液は、たっぷりの山芋を含んでいるため、粘りがあって固体のよう。
ただし、コロモになると、山芋由来のフワフワ食感により、もたれることなく、むしろソースを吸収しやすく食べやすい。
しかも、分厚いコロモが具材の風味と温度を長時間保つため、テイクアウトなどでも味が変わらないそうだ。
確かに、ネコ舌の私は熱々なのが苦手で、数本は少し時間を置いてから食べるが、ここの揚げ物は冷めてもおいしい。
店主は開業前に、関西の有名店をいくつも食べ歩き、研究を重ねた結果、
この店独自の【冷めてもおいしい、分厚いけど食べやすいコロモ】を完成させたらしい。
過去には、「関西のとは違う!」「こんなの串カツじゃない!」と怒る客もいたそうだが、
店主曰く「“串カツはこうあるべき”というルールはないし、味には自信があるので、そんな抗議は気にしない」と仰ってた。
そもそも、「餃子は皮を食べる料理」であるのと同様、「串カツはコロモを味わう料理」だと聞いたこともあるし、 ※諸説あり
たとえ見た目は違っていても、味さえよければいいじゃねえか、と思うけどね。
私自身は、アメリカンドッグが大好きなため、分厚いコロモの髙橋流串カツは大歓迎である。

ここで、卓上にある串かつ類のメニュー表を掲載。下記以外にも、店内壁や黒板に多くの商品が掲示されている。


新たなコロモを生み出した店主だが、後述する、他店にはないオリジナル具材も多い。
ただし、本場関西から受け継いだ伝統もある。それが、「串かつ1本100円」の価格だ。
「串カツにルールはないけど、やっぱり基本メニューの串かつ1本100円という値段は守りたい」と語っており、
数年前、やむなく外税になった(ので現在は110円)ときは、「申しわけないです…」と謝罪され、恐縮したよ。
今、東京で一番有名な某チェーン店のメニューを調べたら、「串カツ牛」は150円だって。
バカそうなアンちゃんが、テキトーに揚げている(※数年前に入った立川店の感想)くせに割高だ。 
髙橋さんは他の具材も比較的安く、限定メニューを含めても、一番高い揚げ物は300円(税別、以下同)かな。

以下で、私が食べてきた商品を紹介したいのだが、いかんせんコロモのせいで、中身がわかりづらい。
かといって、かじって撮影した写真は、どうにも下品である。
以下は左から、「チーズ豚しそ」200円、「豚ガリ」200円、「にんにく」150円である。クリックすれば大きくなるが…。
      

チーズ豚しそは名前のとおり、豚ガリも生姜のガリを豚肉で巻いたもので、例のたっぷりコロモと好相性。
にんにくはご覧のように、粒がゴロゴロと入っており、1本で元気モリモリである。


こちらは、外観からもわかる「たこ焼き」100円。小ぶりサイズ2個を串に刺し、コロモを付けて揚げている。


揚げ物以外にも、お新香、塩辛、マカロニサラダなど、すぐに出てくるおツマミがいろいろあるが、
忘れてはならないのが、串カツ店でおなじみの「どてやき」300円。こちらは煮込みタイプで提供される。


甘口の味噌で、牛スジ肉がトロトロに煮込まれた絶品。付属のキャベツを付けてもウマい。
このどてやきで瓶ビール550円が進んでしまい、揚げ物が来る前に1本空いてしまうこともある。
ついでにドリンクメニューを掲載。この他にも日本酒や焼酎各種、「ジョッキワイン」などもある。


お手頃価格ゆえ、普通の方なら腹いっぱい食べて飲んでも、3千円台で済むはず。
 
先日、久々に吉祥寺に行き、髙橋さんで飲んだ。
近年は、下記メニュー表に客がチェックして提出する形式になった。小さくて見づらいだろうがカンベンしてくれ。


ここまで紹介していなかったが、揚げ物を頼んだ客には、最初にソースと無料のキャベツが提供される。

※初めて見た、ネコのイラストが描かれたお皿がかわいい

瓶ビールを飲んで待っていると、コロモをまとった全5種が登場。


右の巨大な物体から時計回りに、「舞茸爆弾」300円、串かつ、そして「広島産カキ」、「ハンバーグ」、「餃子」各200円。
この日はかじらず、ハシでコロモをはぎ取り、中身を見せることに。どっちにしても見栄えはよくないが。
最初に串かつをパクり…と思ったらカキで、チュルンと飲み込んでしまったたため、画像はナシ。
こちらはハンバーグ。初めて食べたが、中のハンバーグがイマイチに感じた。


続いて、私の大好きな餃子。餃子2個にコロモを付けて揚げる、斬新なメニューだ。


ハンバーグも餃子も、お店自家製ではないと思うが、この餃子は意外とウマかった。
串かつを食べ終え、いよいよ大ボス(?)の舞茸爆弾に挑戦。おしぼりと同じくらいデカい。


丸ごと揚げられた舞茸は、爆弾のネーミングどおり扱いづらく、ソースに浸すのもひと苦労。


そういえば以前は、舞茸は塩で食べていたのを忘れていた。卓上に塩はないが、店主にお願いすれば用意してくれる。
無論、お店自慢のソースも、独特のコクと旨味があり、どちらで食べても満足できるはずだ。

何を食べてもウマい髙橋さんだが、個人的ベスト5を挙げると、5位舞茸爆弾 4位どてやき 3位串かつ 2位豚ガリとなる。
そして1位は、最初の方でチラッと紹介した「鳥モモ肉のハサミチーズ」!

※画像再掲。左から2本目、チーズがはみ出ているのが鳥モモ肉のハサミチーズ250円

この商品と串かつ、つまり1位と3位の商品は毎回必ず頼んでおり、先日も当然、追加注文。
要するに、焼鳥の「ねぎま」のネギをチーズに変えたものを揚げるのだが、
鶏肉とチーズの他、胡椒やガーリックなどいろんな調味料も使用しており(たぶん)、
それらの香りと旨味のすべてが、例のコロモに閉じ込められ、さらにソースに浸すのだから、ウマいに決まっている。
一応、ハシでコロモを剥がしてみたが…撮影に失敗し、よろしくない見た目に。


実物は本当に美味しいので、ぜひ皆さんにも召し上がっていただきたい。

ここまで書いてきたら、またまた髙橋さんの串カツが食べたくなってしまった。近日中の再訪決定!
あと、もう4年間訪れていない、大阪・新世界の串カツ・どて焼きが恋しい。
今年の夏こそ関西に遊びに行きたいので、母校野球部にはなんとしても、甲子園に出てもらいたいね。



三代目七宝(しちほう) 串かつ髙橋
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-38-1
JR吉祥寺駅アトレ口から徒歩約7分
営業時間 以前は18時半~翌2時 現在は17時~21時
定休日 月曜、年末年始
※詳細はお店のツイッターで確認を→https://twitter.com/jyan2
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関東屈指の老舗たこ焼き店 立川『高橋』

2022年03月01日 | たこ焼き、お好み焼き
以前、「たこ焼き」について語ったとき、コメントをいただいた。
たちかわ競輪場近くの「たこやき高橋」がずっと気になってるんですが、行かれたことはありますか?
ああ、そんなお店があったなあ…と思い出した。住宅街の中にある、近所の方以外は知らなそうな小さなお店なのだが、
すぐ近くに競輪場があるため(笑)、私はたまたま存在を知り、だいぶ前に1度だけ、お持ち帰りを買ったことがあった。
昔のSNSを調べてみたら、ガラケー映像が残っていた。3個100円と安価で、とりあえず200円分だけ購入。


お子さんでも買えるお手頃価格は、私の理想とするたこ焼きの条件のひとつである。
安さと並ぶ、ここのたこ焼きのもうひとつの特徴が、中にタコだけでなく、タクアンが入ること!
ガキの頃から大根が苦手だった私が、人生で初めてタクアンを口にしたのが、ここのたこ焼きである。
このときは、焼き場のお母さんから購入したのだが、店内をのぞいたところ、常連風のお客たちで混んでいた。
タクアンは苦手だし、非常連ゆえ入りにくそうだし、立川競輪の帰りは金がないしで(苦笑)、その後はご無沙汰していた。

冒頭の質問コメントをいただいたのが2月23日。ちょうど、大レース(取手・全日本選抜競輪)の決勝戦があり、
立川競輪場で前売り車券を買った帰りに、お店の様子を見に行ってみた。
競輪場の北門から出てすぐ、現在は赤いノレンを出しているお店が『高橋』さんだ。


こちらが店頭の画像。ノレンには「たこ焼」の白い文字が躍っている。


お店の真ん前には公園があり、お子さんたちが元気に遊んでいる。まるで昭和の風景のようだ。


数年ぶりの訪問だったが、「たこやき3ヶ¥100」と、値段は変わっていなかった。


以前、200円分だけ買ったテイクアウトたこ焼きは、現在は500円からなのかな。それでも『銀だこ』1人前より安いけどね。
店内にお客さんがいなかったので、初入店してみることにした。
なお、ネットでは「たこやきや高橋」「たこやき高橋」「高橋本店」など、いろんな店名表記があるが、
電話では「はい高橋でーす」と応じていたので、拙ブログでは『高橋』表記にしておく。

中に入ると「いらっしゃい!」とおじちゃんが迎えてくれた。私は初めて見たが、旦那さんもいたのか。
カウンターは7席で、間隔はやや狭め。背後には、小さいテーブルとイスが3つ。
一番端に着席し、「ビール大瓶」600円と、「たこやき3個」100円をタクアン抜きで、
そして「おこのみやき」300円を注文。こちらにもタクアンが入るそうなので、抜いてもらった。
お母さんが、熱した鉄板に生地を流し込む。たった3個で申しわけない。


調理の様子を見ていると、たこ焼きを熱している部分だけでなく、隣の鉄板も温めている。
しばらくすると、ある程度周囲が固まったたこ焼きを、隣の鉄板に移し、2度焼き状態にしている。
私もたこ焼き調理の経験はあるし、プロが焼く工程も何度か目にしてきたが、このやり方は初めて見た。
旦那さんに理由をたずねたところ、「このやり方だと、パリッと仕上がるんだよ」とのこと。
おそらく、生地で温度が下がった穴から、熱々の穴に移すことで、低温油→高温油の2度揚げのような効果があるのだろう。
繰り返しになるが、3個しか頼んでないのに、手間をかけていただき申しわけない!
しばらくして、愛らしい姿の「たこやき3兄弟」が完成。


ソースなどの調味料は、カウンター上に用意されているので、店内で食べる場合は、自分で好みの味付けをする。


この日は車券を購入していたので、黒星●を避けるためソースや醤油は付けなかった。
生地自体にほんのり味が付いているし、店主が冷蔵庫から出してくれたマヨネーズと、青海苔だけでもおいしい。
しばらくして、旦那さんが焼いてくれた、おこのみやきが登場。


パンケーキくらいの大きさで、半等分してある。300円と安価なのに結構分厚い。
具材はキャベツ、タコ、紅生姜など。本来ならここに、タクアンも入る。
全体的に黄色いのは、生地に溶き玉子を混ぜているから。玉子の風味がして素朴だけどウマい。
こちらには、ソースやマヨなど、いろんな調味料を試させてもらった。


玉子が含まれているせいか、ソースより醤油の方が合う気がしたね。
私が食べている途中で、常連らしいご夫婦が入店し、たこやきを500円分注文。さらに持ち帰り予約の電話も入る。
すべての鉄板のガスが灯り、タコ、タクアン、紅生姜を冷蔵庫から取り出し、焼く準備に入る。


アップした画像がこちら。黄色いのが細かく刻まれたタクワンだ。


マヨネーズだけでなく、タコやタクアンも、調理後はすぐ冷蔵庫に戻される。提供する商品は安いが、仕事に手抜きはない。
途中で、公園で遊んでいたと思われる女の子がやって来て、「すみませんトイレを貸してください」と頭を下げる。
公園にトイレがないため、こちらに借りに来る子がよくいるそうだが、敬語を使っているのに驚いた。
場所柄、競輪ファンの溜まり場のような、入りづらい店という印象があったが、それは誤解だった模様。
現在は閉店した、2軒隣にあった飲食店の記憶と混ざったのかな?

とにかく、高橋さんが良店なのはよくわかった。再訪してよかったよ。
聞いたところ、開業から今年で61年目とのこと。1961=昭和36年から営業しているとは!
また、常連客に競輪ファンはあまりいないそうだが、旦那さん自身が競輪好きだった(笑)。
帰宅して競輪中継を観るため、お替わりはせず退散。お会計はちょうど千円であった。
競輪のハナシを少々して、旦那さんが「ぜひまた来てください」と仰ってくれたので、
「明日の木曜は定休日なので、あさって払い戻しの帰りに寄りますよ」と、
確定前にもかかわらず、図々しく的中宣言をしてから、お店を出た。

帰宅後にTVで観戦した、この日の全日本選抜競輪決勝は、押さえ車券が的中。


たいした浮きではないが、負けなかったのだからヨシとしなくては。翌々日、立川競輪場で払い戻しを済ませ、
再度高橋さんを訪問した私を待っていたのは、「本日都合により休業」の貼紙(泣)。


「日本一臨時休業に出くわす男」を自負しているので、気落ちすることなく(?)、数日後改めて訪問すると、
お店はちゃんと営業しており、お母さんが焼き場の前に立っていた。
この日はまず、ビール大瓶と、たこ焼きを400円分、12個オーダー。下記が高橋さんの全メニューだ。


ビールを飲みながら、店内に置いてあったスポーツ新聞に目を通し、焼けるのを待つつもりだったが、
しっかり競輪面が抜かれている(笑)。しばらくすると、その競輪面を手にした旦那さんが登場。
予想どおり、前売り車券を買ってきたらしい。ちなみに金曜日に休んだ理由は「釣りに行ってた」だって(苦笑)。
まあ、おふたりが病気などで休んだのではなく、元気だったのならばいいよ。
下記画像は、お母さんが私の分と、電話注文分を焼いている場面。鉄板の場所を移し、2度焼きするのは先述した。


数分後、焼き上がった12個が、お皿に盛られて登場。この日はソースも付けて食べる。


ラー油や醤油など、いろいろ試してみたけど、一番ウマかったのが、一味&マヨネーズかな。


ビールを飲み終え、「ウーロンハイ」350円を追加。焼酎は意外と濃かった。


たこ焼きも食べ終えたので、注文したことのなかった「やきそば」300円も追加した。
旦那さんが専用の鉄板で、麺に水を含ませ、具材のキャベツとモヤシを入れ、最後にソースで仕上げる。


麺は柔らかめで具材も少なく、プロというか家庭的な味わいなのだが、それがまたいい!
毎回、このようなソフトな仕上がりなのかはわからないが、私はすごく気に入った。

※青海苔とマヨも合う

ソースは、卓上に設置してあるものと同じらしい。ウスターソースのようにサラサラだが、独特のコクがある。
聞いてみたところ、立川の某店に置いてある、某メーカーのソースらしい。今度私も買いに行こう。
ソース以外のことも、店主である旦那さんと、いろいろお話しさせていただいたので、以下でQ&A形式で紹介。

私「今年で61年目ということですが、立川で一番古いたこ焼き屋さんなのでは?」
店主「立川どころか、関東でもかなり古い方じゃないかな。大阪にいた私の母があっちで覚えて、
(たこ焼きの)機械をわざわざ送ってもらって、ここ立川で始めたんだ」
ウィキペディアでは、「1960年代中頃には、関東地方でも屋台での販売が見られるようになる」とある。
ウィキ~に全幅の信頼は置けないが、1961年創業のたこ焼き店は、関東では相当な老舗なのは間違いなさそう。

私「タクアンが入るのは珍しいですが、これは昔からですか?」
店主「味も作り方もメニューも、みんな昔から変えていないよ。お客さんみたいにタクアン抜きを頼む方もいるし、
逆にタコを抜いてくれって人もいる。あ、あとウチはね、タコじゃなくてイカを使っているんだ」
私「えっ!? イカなんですか!」 
店主「そう。一時期タコも使ったことがあったけど、不漁で使いづらいし、今はずっとイカだね」
言われてみれば、タコにしては色が白いとは思っていたけれど、たこ焼きじゃなくて「いか焼き」だったのか。

※イカは、たこやき1個あたり2~3粒入っている

私「昔は、『高橋本店』と名乗っていたようですが?」
店主「実は、親類がやってるたこ焼き店が羽村にあるんだ。だからこっちが本店で、あっちが支店ってことで。
羽村の店は、今は日曜だけの営業だし、ウチ以上に“知る人ぞ知る店”だと思うよ」
確かに、ネット検索しても全然出てこない。羽村の『高橋支店』、ご存知の方は情報をください!

私「味やメニューは変えてないそうですが、値段もここ数年間、変わってませんよね?」
店主「そうだね。今でも近所の小中学生が買いに来るから、あんまり(値段を)上げるワケにはいかないねぇ。
長いことやってるから、中学生が大人になって自分の子どもと一緒に来て、さらに孫を連れてきたケースもあるよ。
小麦粉も油も値上げが続いてるから苦しいけど、もうしばらく今の価格で頑張ってみるよ」
親子三代で通う客がいるってのは、歴史ある良店ならではの「いいハナシ」だね。
あと、個人店が努力して、なんとか価格を抑えているのに、値上げばかりのテンイチは、やっぱりけしからん。
「超こってりラーメン」1200円なんて作ってねえで、もう一度価格を見直すべきではないか!?
テンイチはさておき、店主とはこの他にも、「立川競輪の現在・過去・未来」といった、
有意義な会話も交わしたのだが、皆さんの興味を惹かなそうなので、今回は割愛する。

立川及び関東でも屈指の、歴史あるたこ焼き店『高橋』さん。
競輪場からは近いものの(笑)、一般の方にはアクセスは良くないかもしれないが、
安くて美味しいたこ焼きなどを食べたいときは、ぜひとも寄ってみてほしい。テイクアウトも大歓迎とのことだ。



高橋 (たこやき高橋)
東京都立川市曙町3-36-7
立川駅北口より徒歩約17分 西国立駅からも同じくらいだと思う 立川競輪場からは北門出て徒歩30秒
営業時間 11時半くらい~19時
定休日 木曜、その他不定休 夏場は休みがあったはず
※来店前に電話連絡がおすすめ
コメント (2)
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