明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

新進のチェーン店で一杯 西所沢『とさか』

2025年02月28日 | 居酒屋・バー
先日、飲み仲間の先輩に誘われ、昨年末に開業した『四文屋』荻窪店で飲んだ。
近年はご無沙汰していたが、かつては中野、高円寺、阿佐ヶ谷の店舗には何度となくお世話になった四文屋は、
安くてウマくて気軽に立ち寄れる、東京を代表する素晴らしいチェーン店である。

最近は、【個人経営のお店を開拓・応援したい】という個人的なポリシーから、チェーン居酒屋には足を運んでいなかったが、
四文屋で久々に飲み食いしたことで、多店舗経営ならではの安定した品質や価格は、やはり侮れないと再確認。
ちょうど、所沢在住の飲み仲間から、「いい店を見つけたから飲もう」と誘われており、
調べたところ、新進のチェーン店のようだが、惹かれる商品があったので、先日ふたりで飲んできた。
お店の名前は『とさか』で、訪問したのは、昨年12月に開店したばかりの西所沢店。

※食べログに『とさか屋 西所沢店』と誤登録したバカがいたが、屋は不要である

母体は株式会社登坂(とさか)で、会社のポリシーは“日本に酔っぱらいを増やしたい”だそうだ。
本店は川口にあり、25年2月末現在で、埼玉、静岡などに計18店舗。東京は足立区の1店舗だけだが、今後増えそうな予感。

さっきの店頭画像は、退店後に撮影したもので、入店したのは開店時間ちょうどの16時。
早い来客にもかかわらず、女性店員さんはイヤな顔もせず迎え入れてくれた。第一印象は◎である。
店内にはカウンター席とテーブル席があり、二階席もあるそうだ。
友人によると、カウンター席ひとり客専用の「少なめおつまみメニュー」も用意してあるとか。

席数は多いが、店員さんも比例して多く、注文の対応や商品提供はスムーズであった。
まずはお店メニューを紹介。お店HPに掲載されていたものを拝借。
○料理1 炭火で焼く串焼きは、1本132円から。


○料理2 麺料理やご飯ものなど、シメの御食事も充実している。


○ドリンク1 焼酎濃いめの「追加料金不要」は、呑兵衛には嬉しいサービス。 


○ドリンク2 ワインやウイスキーなど、品揃えは良好。


上記の他、卓上には日替わりのおツマミや日本酒が記されたメニューも置いてあった。


チェーン店ならではのお手頃価格だが、私が驚き、そして訪問する気にさせたのが、ドリンク2の右上オレンジ枠内、


とさかの一升びんコーナーの「キンミヤ2200」(2420)円である!
キンミヤのボトルは、いろんな店舗で入れてきたが、一升瓶で2420円は、アルコール20度とはいえ破格である。
入間の『楽゛』(らぐ)が、かつて2500円で、昨年正月は3000円(※)だったが、それを凌ぐ史上最安値。
既に友人のボトルが入っており、最初からそれを飲ませてもらうことに。氷が無料なのもありがたい。


割り用ドリンクとして、友人は「ソーダ」、私は「ホッピー白・そと」、双方とも275円を注文した。

お通しとして、煮物と大根の鬼おろしが提供される(価格不明)。 ※追記 後日再訪し、319円と判明
鬼おろしはお替わりできるそうで、営業中は店員さんが、せっせとすりおろしていた。


おツマミは、まずは友人が数品頼み、私も目に付いた料理をいくつかオーダー。
なお、友人推奨の「生わさびのツンツン漬け」385円は、この日は品切れだった。
最初にやってきたのが、私が頼んだ「手作りプリン」308円。


「プリンかよ…」と友人はあきれ顔だが、“限定10個”と書いてあったので、早めに注文したのだ。
ちなみに、我々が飲んでいた時間帯は、他に注文した客はいなかったと思われる。
舌触りはなめらかだが、とろけるタイプではなく、スフレのような質感がある。乳成分が多いのか、レアチーズケーキのようにも感じた。


キンミヤとの相性はさておき(苦笑)、甘いモノ好きな方にはおススメだ。
数分後、左から「皮」132円、「せせり」198円×2、「ねぎま」187円×2が、タレで登場。


HPによると、使用しているのは「大山鶏」と「錦爽鶏」と説明。錦爽鶏というのは知らなかった。
私はせせりとねぎまを食べたが、大ぶりで噛み応えはあったものの、タレ以外の旨味はあまり感じられず。
申しわけないが、串焼きならやはり、冒頭で紹介した四文屋の方が上である。

一方、私が気に入ったのが、「もつ煮込み」418円。


煮込みというより肉豆腐っぽいビジュアルだが、食べてみると、醤油ベースでガツンと来る濃さ。
ツユは脂っこさはないが、とにかくしょっぱい。七味をぶっかけ、モツをほおばり、キンミヤをぐいっと飲み干す。


実に酒がススム煮込みで、残ったツユは、ねぎまの肉や後述するツマミも浸して食べたが、当然ウマかった。
私が選んだのは、プリンともつ煮だけで、あとは友人に任せた。

割り用ドリンクは、ホッピー白からボトル用「ウーロン茶」275円にチェンジ。
ある程度飲んでから、撮影していないのに気付いたが、そこそこ大きめのデカンタで出てくる。


デカンタ奥に写っていたのは、馬刺しメニューの「さくら肉三点盛」1078円。


刺身類は苦手だが、馬刺しはビタミン・ミネラル豊富なので、数切れいただく。醤油が九州風の甘口なのもいいね。
デカンタ右にチラッと見えていたのは、「山いものフライドポテト のり塩で」418円。


プリンを頼む私が書くのもナンだが、友人はいいトシこいて、フライドポテトが大好きなのだが、
こちらは通常のじゃがいもポテトより、山芋の方がおススメらしい。食べてみたら、のり塩が効いていて確かにイケる。
右下のベージュ色したソースが、これまた絶妙なテイストで、山芋ポテトにも合う。
私は「ソース+マヨ+マスタード」と予想し、友人は「他にも何かが入っている」と断言。
店員さんにたずねてみたら「濃口醤油とマヨです」だって。マスタードやソースは!?

バカ舌なのが改めて露呈したが、気にせず紹介を続ける。こちらは、私も大好きな「とん平焼き」418円。


モヤシ入りや青ネギ乗せ、国分寺『えどっこ』のように焼きそば入りなど、いろんなスタイルがあるとん平焼きだが、
こちらのは、青海苔がかかり、千切りキャベツと薄切り豚肉が入る、オーソドックスなタイプであった。


友人は「きゅうりの一本漬け」308円も追加。私は口にしなかったが、友人は「全然漬かってない…」と不満げ。


こちらのようなメニュー豊富なチェーン店では、「とりあえず置いてある」商品も中にはあるだろう。
すべての商品が美味しい店は希少だし、我々飲み客はハズレをツモらないよう、感覚を研ぎ澄ます努力が必要である。
そういう私も、先日初めて入った某中華食堂で、傷んだ餃子と焼豚に出くわしてしまったが(泣)。
しかもこの日の私は、一升瓶だからと調子に乗って、キンミヤを飲み過ぎて早々と酩酊。
感覚を研ぎ澄ますどころか、「自己のペースで飲む」という、飲み客の基本すら守れない自分を反省。

酔って舟を漕ぎ始めた私に対し、友人はさらに「うずらの味玉ニラダレがけ」308円と、「もやしとニラのピリ辛ナムル」209円を頼んでいた。

※気付いたときは、だいぶ食べ進んだあとだった

私も当初は、「牛すじの塩にこみ」528円を食べ、「貝だし中華そば」か「たんたんめん」(どちらも418円)で締めるつもりだったのだが、
最後は食べ物どころか、ドリンクすらも入らいない泥酔状態となり、一升瓶を飲み切らずに退散。
その後、友人に連れて行かれた所沢のスナックで、復活&ゴキゲンになったことは、また改めて(←改めなくていいだろ)。

私がチェーン居酒屋、特に安価なお店を利用しなくなった理由には、客層の悪さや店側のレベルの低さもある。
あえて書くけど、四文屋もかつては、一部の支店にはひどい客やダメな店員もいた。
今回訪問したとさかさんは、騒がしい客や、態度の悪い輩などは不在。
店員さんは皆さん若いが、良好な接客をしてくれたため、終始気分よく飲むことができた。飲み過ぎて最後は気分悪くなったが(苦笑)。
従業員教育もしっかりしているようだし、冒頭の四文屋さんと同様、とさかさんも素晴らしいチェーン店である。
東京に進出を始めたら、あわてる同業チェーンも多いだろうね。

激安のキンミヤ一升瓶も魅力だが、実は瓶ビールも好きな私。
「中ビン」で528円と、こちらもお手頃価格だし、次回は最初の一杯くらいは、瓶ビールで喉を潤したいね。

※店内壁に貼ってあった、和田ラヂヲ先生がカットを手掛けたポスター

おまけ
四文屋さんの看板商品は「焼きとん」だが(一部扱っていない店舗もあり)、私のイチオシは「カシラ」の醤油焼きである。
通常は「タレか塩か」たずねられるが、あえて「醤油でお願いします」と伝えてみよう。
私は通算で100回くらい注文しているが、断られたことはなく、どの支店でも対応してくれるはず。
数分後には、カシラに醤油を絡めて焼いた、タレのように甘くなく、塩よりも香ばしい絶品が出てくる。

※荻窪店で頼んだカシラ醤油

四文屋ならではの新鮮かつ上質なカシラと、日本食文化の象徴である醤油との組み合わせを、未食の方はぜひ試していただきたい。



とさか 西所沢店
埼玉県所沢市西所沢1-12-1
西武線西所沢駅から徒歩1分ちょい
営業時間 月~木16~25時 金は26時まで、土は15~26時、日は15~24時
定休日 なし
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

駅至近の隠れ家風酒場 分倍河原『花まる』

2025年02月04日 | 居酒屋・バー
以前も書いたが、自分が気に入った居酒屋のマスターから教わる、おススメの同業店はほぼハズレがない。
昨年、行きつけの某居酒屋の店主さんから、「分倍河原駅出てすぐの場所に、おでんで飲める良店がある」と教えてもらい、
数日後に分倍河原へ行ってみたところ、確かに駅至近の距離に、看板に「おでん」と記載されている居酒屋があったが、
その隣にも、おでんを出しているお店があり、屋号を記憶していなかった私は立ち往生。ちゃんとメモっておかなきゃダメだな。
片方は、店内明るく活気ある印象の居酒屋で、もう一方は、店内照明は抑えているが、渋い雰囲気のお店。
私が選んだのは、ひとり客でも入りやすそうな後者のお店で、屋号は『花まる』

※上記画像はお店インスタグラムより拝借

後日、居酒屋店主に確認したところ、教えてくれたお店もこちらであった。

入口で、女性店員さんに「いらっしゃいませ、お靴を脱いでお入りください」と声掛けされる。
店内に入ると、畳フロアに座布団が敷いてある。和の内装でなんだか落ち着く。
掘りごたつ式のカウンター席に案内されたが、団体用のテーブル席も3つある。
内観を見てほしいが、いつもお客さんがいるので撮影できず。気になる方は「府中 花まる 内観」で画像検索を。

着席するとおしぼりが提供され、最初のドリンクは、「ホッピー白」セット495円を注文。


お通しは推定300円で、上記は苦手なトマトか梅干しを使用した「なにか」だったので、食べられなかったが(たぶんイチゴではない)、
毎回、手間がかかった小鉢を出してくれる。たとえば、ナルトが入った野菜の煮物や、


こちらは茹でたワンタンに、ネギと食べるラー油のような調味料をかけたもの。


このスパゲティサラダは、レギュラーメニューにしてほしいウマさだった。


壁いっぱいにメニュー札が貼ってあるが、卓上にも手書きのメニューがある。
また、私の座った席からは、厨房内のおでんの大鍋が見え、食欲をそそる。
さっそく、おでんの「牛筋」「がんも」「玉子」と、看板に【串揚げ】とあったので、「玉ねぎ」「キス」「ニンニク」も注文。
以下で、2度目の訪問で撮影した、卓上メニューを掲載していく。
まずはおでんメニュー。1個132~385円の単品注文も可能で、春夏秋冬提供している。


こちらは揚げ物やチーズ料理など。「串揚盛り合わせ」770円のところに“単品でもどーぞ”と記されているように、


壁には串揚げの単品メニューが掲示してあり、私はそこからさっきの3品を選択した。価格はひとつあたり132~275円と安価。
さらには、魚、野菜、納豆・豆フなどもあり、この他に、日替わりの黒板メニューも用意されている。


続いてはドリンクメニュー。ビール、サワー、カクテルなどの定番に、


焼酎や日本酒も揃っている。やはりおでんには、熱燗か焼酎のお湯割りだよね。私は即酔うので遠慮しておくが(苦笑)。


まずは、大鍋から盛られたおでんが登場。牛筋はネギ入りで、お皿を分けてくれた。


出汁は濃すぎず、ちょうどいい塩梅。左側の器は、牛筋の旨味が加わりさらに美味しい。
続いて、串揚げ3種が登場。左から玉ねぎ、キス、ニンニクだが、それぞれの価格は覚えていない。


串カツ専門店のような細かいパン粉で、サクサクと食べられる。私の好きなニンニク揚げもホクホクだ。
「おかわり焼酎」ことナカ220円をお替わりし、さらに「ウーロンハイ」440円を飲み終えたところで、
こちらに来る前に他のお店で飲んできたので、お会計をお願いした。
最初に声掛けしてくれた女性が店主のようだが、お会計はもちろん、調理、接客、洗い物などもすべてひとりでこなしている。
後日、もうひとりの女性バイトも見かけたが、私の訪問時は大半がワンオペ。
終始忙しそうなので、会話はできなかったが、注文時は笑顔で応対してくれたし、
安くてウマいお酒とおツマミ、さらに落ち着く内装や、分倍河原駅から徒歩約10秒という好立地も気に入り、
以後もちょくちょく通っている…のは、既にお通しの数々を紹介しているので、書くまでもなかったか。

余談だが、花まるさんがある場所の奥には、だいぶ前に紹介した洋食店『ハッスル』もある。
お店データは「駅から徒歩約20秒」と記したが、店舗は二階にあり、階段を上る時間を忘れていたので、徒歩30秒に修正しておいた。

以降では、その後に頼んだ料理を掲載していく。おでん各種もたびたび注文しているが、そちらは省略。
お酒は3度目くらいの訪問時に、「キンミヤ」ボトル2200円を入れて、飲ませてもらっている。この日のお通しは菜の花の和え物。

※外ホッピーや、氷セットの価格は忘れた

キンミヤは、よくある720mlサイズではなく、900mlなので2200円はお得だ。

お子ちゃま口の私だが、たまには「酒の肴」的な商品も頼む。こちらは、黒板メニューの「鮭の西京焼き」で、価格はたぶん6~700円くらい。


私は女将さんと呼んでいる、女性店主が料理上手なので、普段は食べない焼き魚も美味しくいただいた。
ここからは、普段の私らしい料理(笑)が続くが、大人も子供も食べて満足できる逸品ばかりだ。
まずは、居酒屋の定番メニュー鶏の唐揚げ。「おひとりならハーフの方が…」とおススメされたので、「鶏唐ハーフ」385円を頼んだら、
串揚げと同様、細かい粉で揚げられた唐揚げが、5個もやってきた。普通の「鶏唐揚」660円は10個らしい。


味付けは控えめの油っこくない唐揚げで、5個でもじゅうぶん満足できた。
こちらは「チーズオムレツ」638円。ケチャップではなくソースがかかっていた。


中から出てくるとろ~りチーズが、ソースと意外に合うのが面白い。


女将さんは揚げ物が得意なようで、コロッケ類も当然美味しく、常連さんにも人気らしい。
先に、「ポテトコロッケ」275円と、「クリームコロッケ」330円を注文。1個ずつ頼めるのが嬉しい。


右側のポテトコロッケには、ソースを付けていただき、


左側のクリームコロッケは、そのまま食べた。どちらも間違いのないテイスト。


唐揚げハーフや、コロッケ1個からの注文を認めてくれるなど、ひとり客への配慮がありがたいね。

別の日には、コロッケトリオ最後のひとり・「カレールーコロッケ」330円も注文した。
まずは、黒板メニューの「ポテトサラダ」をいただく。価格は400円くらいだったかな。


自家製と思われるサラダに舌鼓を打った数分後、カレールーコロッケも登場。


カレーはかかっているのではなく、中に入っており、小さく切ったじゃがいもも入っている。


その直後、せっかくなので、コロッケトリオをまとめて追加注文。


ふたつに割って撮影し、「ウマいウマい」とパクついた……以降の記憶がなく、気付いたら立川市の自宅で寝ていた。


この日は、花丸さんが2軒目で、1軒目の店でもそこそこ飲んでおり、酩酊状態で入店していた。
酔って迷惑をかけたか不安になり、翌日、女将さんにお詫びしに行ったが、2ヶ月ほど店内での飲食を自粛していた。
その後、特に問題はなかったと判明(たぶん)し、つい先日、友人と一緒に訪問。
入口で、「以前泥酔した正田ですが、大丈夫ですか」と確認すると、女将さんも「どうぞどうぞ」と迎え入れてくれて、ひと安心。

ふたりなので初めてテーブル席に座り、いつものようにキンミヤボトルをホッピーなどで割り、
昆布を含めると全9品あった、おでんの「盛り合わせ」825円、


串揚げ各1本ずつ(ニンニク、うずら、紅生姜)、


そして、日替わりメニューにあった、「チーズリゾットコロッケ」550円を注文。コロッケ類はすべて食べておかなくては。


最初からソースがかかった、小さめサイズが3個。中にはチーズとライスがあり、確かにリゾット風だ。


友人が、いかにもツマミらしい「もろきゅう」385円を追加したところ、しっかり包丁細工が施された一品が出てきた。


繰り返すが、女将さんはワンオペなのに、仕事に手抜きがない。

記憶をなくしたときは、個人的な理由で不機嫌な状態で入店したため、悪酔いを心配していたのだが、
ポテサラやコロッケ3種、なにより女将さんの明朗な応対で、機嫌を直したのだろう。
実際、近くの初めて会った客に、「元気出しましょーよ!」などと声掛けしていたらしいし。人見知りのオレが!?
この日は、ほろ酔い状態でお会計を済まし、「また来ます」と告げてお店を出た。

女将さんに、いつから営業しているのかたずねたところ、「今年で18年目」と教えてくれた。
やや目立たないエリアにあるとはいえ、花まるさんの存在に、長年気付かなかった自分が悔しい。
おツマミ豊富で、ひとり客も安心して飲める、駅至近の隠れ家風居酒屋として、今後もぜひ通い続けたい。
なお、泥酔者など女将さんを困らせるような客は入店禁止である。「お前が言うな」と怒られそうだが。



居酒屋 花まる
東京市府中市片町2-21-17
JR、京王線分倍河原駅から徒歩約10秒
営業時間 17時~23時 22時ラストオーダー
定休日 日曜、その他不定休
※不定休などの情報は、お店インスタグラムでご確認を
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

愉快な屋号のジビエ居酒屋 花園町『近所のおばはん』

2024年12月28日 | 居酒屋・バー
だいぶ前に、西荻窪の深夜食堂『最後に笑え』で、若い女性客とお話しさせていただいたことがある。
その方は、女性ひとりで大阪・西成区の安宿に宿泊するツワモノで、女性6名用のゲストハウスに泊まったこともあるらしい。
昔よりは治安がマシになったとはいえ、西成はやはり西成である。見知らぬ5人との相部屋なんて、私でもおっかない。
そんな女傑が教えてくれた、西成区のおススメ飲食店こそが、今回の『近所のおばはん』である。
奇抜な屋号に反し、店主夫妻は猟師の資格を持っており、猪肉や熊肉などのジビエ料理を提供している。
他店では食べられないメニューと、愉快な店名に興味を惹かれ、今から6年前、2018年の夏に初訪問。

最寄り駅は地下鉄の花園町だが、私は新今宮駅周辺のホテルから徒歩で向かった。
しばらくすると、「近所のおばはん」の文字が記された、真っ赤なファサードを発見。

※上記画像は2022年に撮影

入店すると、「いらっしゃい」と声がかかる。どうやらこの方が女性店主のようだ。
店名から、上沼恵美子みたいな、いわゆる「ナニワのおばはん」を想像していたが、見た目はごく普通の女性である。
ただし、店内はかなり奇抜であり、壁にはシカの首のはく製があり、


カウンターには大量のイモリが生息しているケースと、


マムシだかなんだかわからんが、ヘビを漬けた酒瓶が複数置いてある。


圧倒されつつも、イモリケースそばの席に座り、とりあえずビールを注文。
ワンオペの女性店主に、初めて来たこと告げると、東京モンの私に対しても、丁寧に応答してくれた。
そんな店主を、私は「女将さん」と声掛けし、常連客は、「なおちゃん」と呼んでいた記憶があるが、
今回ブログではあえて、店名と同様「おばはん」と記させていただく。

メニュー表を眺めると、「イモリの唐揚」などに混ざり、「ハンバーグ」といった普通の商品も記されている。
他店で飲み食いしてきたので、おつまみは上記2品のみをオーダー。価格はどらちも500円。
イモリはこのケース内のを調理するんですか? という私の質問に対し、おばはんは、
「そやで。生きてるヤツを捌いて揚げるんや」と「せやけど、内臓は抜くから苦味はないで」と解説してくれて、
撮影はしていないが、実際にまな板の上で捌く様子も見せてくれた。
その後、エビセンと一緒に、揚げたイモリが提供された。


苦味はないとはいえ、グロテスクな見た目にビビりつつ、かじってみたところ、おお、確かにクセはない。
かつて、イモリの黒焼きは身体にいいとされてきたが(迷信説もあり)、直前まで生きていたイモリの唐揚げも、精がつきそうだ。
続いて、おばはんはハンバーグの調理にかかる。ジビエではなく牛と豚の合い挽きのようで、注文後にお肉をこねて成型。
数分後、居酒屋というか、レストランで出てきそうな立派なひと皿が登場。


ハンバーグにハシを入れると、肉汁がドバーと飛び出す。このクオリティで500円とは驚きである。


当然ながら味もいい。というか、この年関西で食べた料理では、ここのハンバーグが一番ウマかった。
猟師の顔を持つおばはんだが、調理師としても一流なのであった。

舌鼓を打ったところで、目の前のヘビが入った瓶を改めて見てみると、小さな穴が開いており、「さわるな」の注意書きも。


理由をたずねたところ、「中のヘビ、まだ生きてんねん。穴は呼吸用や」だって。
「もうそのヘビは大丈夫やろうけど、元気なうちは指入れたら噛まれるで」うわ、おっかない!
ビールも2本飲み終えたので、せっかくなので、透明だった焼酎がだいぶ色づいた、瓶のお酒を飲ませてもらうことに。


ビール中瓶も、ハンバーグと同様500円だったが、ヘビ酒は700円くらいだったはず。


まあ、生きたヘビのエキスが抽出されたお酒なのだから、値が張るのも当然だ。
味の方は、焼酎に獣臭を加えたようで、ちょっとクセがある。滋養強壮効果を期待し、一気に飲み干した。

こちらのお店は、イモリやヘビだけでなく、生きたスッポンも仕入れており、
おばはんがわざわざ見せてくれた。バタバタと手足を動かす、元気なスッポンである。


サービス精神旺盛な、おばはんとの会話が楽しく、ビールをさらに追加してしまった。
ただ、おばはんは初見の私には普通に対応していたが、常連客には「ナニ言うとんじゃアホ」「やかましいボケ」などと、関西弁で罵り放題。
こういう発言を耳にすると、やっぱりナニワのおばはんだなあ、と思ってしまう(笑)。
言葉はキツイが、それが客との親密さを表しており、聞き苦しいどころか、むしろ心地良く、意外と長居してしまった。

その後はコロナ禍もあり、西成に行く機会がなかったが、2022年、甲子園出場を決めた母校野球部を応援するため、4年ぶりに関西へ。
近所のおばはんにも、ようやく再訪できたが、お店入口には「準備中」の札が。


しかし、店内では飲んでるお客さんがいるので、ドアを開けてみたところ、入店を許された。
おばはん曰く、「メンドくさいから、いつも準備中にしとるんや」だって。
それでも、常連らしき客が次から次へとやって来て、おばはんの罵倒も絶好調で、店内は賑やかである。
4年ぶりに来たことと、前回は元気なスッポンを見せてもらったことを申告したら、「今はもうスッポンはやめた」と返答。
その理由は「ある日、一匹どっか逃げてもうたんや。何万円もの損やで」。イキが良すぎるのも困ったものである(笑)。
相変わらずおばはんのハナシは面白く、ついつい酒がススム。
ただし、この日も難波『カツヤ』のカツカレーなど、既に2軒で飲み食いしていたので、注文したおつまみは一品だけ。
その前に、メニューを撮影したので掲載する。こちらはドリンクと定番のおつまみ。


他にも料理はたくさんあり、さらにホワイトボードにも日替わりメニューがある。


上記メニューの右側が、鹿、ハクビシン、猪などのジビエを含む、こちらのお店ならではの希少商品。


その中から私は、「鹿の焼き肉(タレ)」1600円を注文。
数分後、玉ねぎと一緒に炒められた、鹿の焼き肉が登場。


数粒散りばめた赤い実も、確かおばはんが採集したものだったはずだが、名称は忘れてしまった。


鹿の肉は結構硬く、噛み応えがあった。タレのせいで臭みなどは感じず、牛肉に近い味か。

おばはんは、狩猟についても語ってくれたが、猟には銃、網、罠などを使い、それぞれ資格が必要だそうだ。
猪や鹿は頭が良く、自分の縄張りに人間が侵入したことを、匂いや地面のちょっとした変化で察知するそうで、
我々素人が罠を仕掛けても、まずかからないらしいし、一度人間の存在を察した地域には、しばらく近付かないらしい。
もちろん、捕らえた肉も素人が処理すると、臭みが残ったり硬くなったりする。
私が食べた鹿肉も、こうして料理になるまでに、相当な手間がかかっているようなので、感謝して味わったよ。

そして昨年の夏も、我が母校野球部が甲子園に出場したので、私も2年連続で関西に行き、近所のおばはんに寄った。
3度目の訪問では、瓶ビールや「ウーロン割」450円の他、以前も頼んだ景気づけのヘビ酒と、


日替わりメニューの「アライグマの肉豆腐」をオーダー。500円くらいだったかな。


近所のおばはんでは、アライグマ料理を複数提供しているが、店内一角に、あらいぐまラスカルのグッズが置いてあるのがちょっとイヤ(笑)。


アライグマの肉は、脂身が多かったが、醤油ベースの甘辛出汁や、豆腐と一緒に食べると美味しい。


調理を終え、客席で休憩しているおばはんに、相変わらず忙しそうですね、と声をかけると、
「夜はええけど、最近はランチの時間に他の人にお店を貸しててな、その準備もあって忙しいねん」とのこと。
間借り営業で、別の方がバターチキンカレーを提供しているそうで、私が興味を示すと、おばはんが「よかったら食べる?」だって。
カレーがあるんですか? と聞いたら「あるもナニも、作ってるの私やから」。えっ!? 
お店を貸すだけでなく、調理までおばはんが担当し、「別の方」は販売するだけらしい。変わった間借り営業である。
そこそこ満腹だったが、せっかくなのでいただくことに。
数分後、パンを添えられた「バターチキンカレー」が出てきた。価格は確か1000円。


バター由来のマイルドなカレーで、鶏肉は柔らかく煮込まれ、パンとの相性も良好。


狩猟もできて、料理も美味しく、少々口は悪いが、竹を割ったような性格の方で、
先述したが、私は実際には「女将さん」と呼んでいたし、おばはんよりも、そちらの呼び名の方がふさわしい女性である。
そもそも、なぜこの店名にしたのか気になったので、本人にたずねてみた。
「私はな、こういう性格だから、絶対に客と揉めるって、開業前に旦那に言われたし、私自身もそう思った。でな、警察沙汰になったとき、
捕まった相手が、“どこで揉めた?”って聞かれて、“近所のおばはんで”答えるの相当恥ずかしいやろ思って、この名前にしたんや」とのこと。
過去に警察沙汰になったことがあるのかは不明だが、私の訪問時は、タチの悪い客を見たことはない。

今年は、母校が地区予選で敗れ、関西及び近所のおばはんには行けずじまい。
つい先日、冒頭で名前を出した『最後に笑え』へ飲みに行き、マスターと例の女性客や近所のおばはんについて語っていた。
マスターがスマホで、お店の近況を検索したら、「あれっ、近所のおばはん閉店してる!」と教えてくれた。
お店インスタグラムを見てみると、確かに「12月15日で都合により近所のおばはん閉店させて頂きました 11年間有難う御座います」の投稿が。
常連客は知っていたのかもしれないが、私にとっては突然の閉店で、ファンとしてショックである。

関西では、毎回あちこちで食べ歩き、こちらに空腹で来たことはなかった。
お店インスタグラムの説明では、「春は山菜取り夏は釣り秋は畑仕事の手伝い冬は狩猟をしています」と記してあり、
狩猟が解禁される冬シーズンは、獣肉も美味しくなる時期らしく、
「ウチに来るなら冬がおススメよ」とおばはんには言われていたが、高校野球がない冬は、関西に行く機会がなかった。
一度でいいから、冬場に空腹で、可能ならば友人たちと複数人で、ジビエだけでなく普通の料理も、片っ端から注文してみたかったな。

最後に、閉店を発表したときのインスタ投稿を、スクショして転記。


旦那さんは初めて見たが、確かに猟師っぽい貫禄がある。
再び何らかの形で、お店が復活してくれることを願いつつ、ひとまずは、
女将さん、旦那さん、11年間にわたる『近所のおばはん』の営業、お疲れさまでした。
またいつか、お目にかかれたら幸いですし、その日が来ることを祈念いたしております。



近所のおばはん
大阪府大阪市西成区鶴見橋1-4-14
地下鉄花園町から徒歩約1分、南海電鉄萩之茶屋駅から徒歩約5分、新今宮駅からは徒歩約13分 ※食べログの「新今宮駅より徒歩7分」は無理
営業時間 夕方から0時くらいまで(と聞いた)
定休日 不定休

※文中のとおり、2024年12月15日で閉店なさいました
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

がんばれ西武ライオンズ 新秋津『なべちゃん』

2024年09月23日 | 居酒屋・バー
プロ野球のペナントレースもいよいよ大詰め。
私が応援しているオリックス・バファローズは、昨年までリーグ三連覇をしていたとは思えぬ負けっぷり。
2リーグ制になった1950年以降、三連覇を遂げたのはセ・パ両リーグ合わせて、のべ14チーム。
4年目の成績を調べてみたところ、優勝し連覇を続けるチームや、2位や首位と僅差の3位など、好成績のチームが大半。
そりゃあ、3年連続優勝するくらいだから、チーム力も充実しているに決まってるよな。

最低順位は、59年西鉄ライオンズ、67年南海ホークス、70年阪急ブレーブス、2019年広島カープの4位。
首位との最大ゲーム差は、59年西鉄の22.0。ただし66勝64敗の貯金2で、優勝した南海が貯金46と強すぎたようだ。
最低勝率は、70年の阪急で64勝66敗の.482。他のチームはすべて勝率5割以上だった。
要するに、9月22日現在、5位に低迷し首位と25.5ゲーム差、59勝73敗の借金14で勝率.447のオリックスは、
三連覇経験チームでは史上最弱。以前私が唱えた、「オリックス三連覇はまぐれ」説は、正しかったようだ。
ただ問題なのは、そんなオリックスに15ゲーム差を付けられている、最下位の西武ライオンズである。
8月19日までシーズン100敗ペースだったが、翌日からオリックスが3連敗し、危機を救った(苦笑)。

かつての西武はメチャクチャ強く、85~88年に四連覇すると、90~94年には五連覇。
89年も、優勝した近鉄バファローズに0.5差の3位で、世が世ならリーグ十連覇の新記録を達成していた。
そんな西武ライオンズを、長年応援し続けているのが、新秋津の立ち飲み店『なべちゃん』である。


正式名は『立ち飲みスタジアム なべちゃん』で、以前は別の場所にあったが、数年前に現店舗に引っ越し。
シーズン中は店内モニターで西武の試合を放映し、お客は声援を送りながら、渡辺店主やママさんが作る料理とお酒を楽しんでいる。
旧店舗時代から常に混雑していたため、なかなか入店が叶わず、初めて訪問したのは2年前。
近くの『竹辰』で一杯やったあと、西武-ソフトバンクホークス戦の経過が気になり入店した。
飲み食いしたあとだったので、注文したのは「ウーロンハイ」と「玉子豆腐」だけ。価格はたぶん、どちらも350円くらいだったはず。


中継でスコアを確認し、1杯飲んだら帰るつもりだったが、1-1という緊迫した試合展開から目が離せず、ウーハイをお替わり。
隣にいた、常連さんらしき方が語ってくれた西武の情報もためになり、気付けばウーハイを5杯飲んでいた。
この日のソフトは、勝つか引き分けで優勝だったが、延長11回裏、二死から森友哉がヒットで出塁し、続く山川穂高がサヨナラホームラン!
森をもらったオリのファンがいうのも図々しいが、森と山川が移籍したのも、西武弱体の理由のひとつだろう。

ホームランが出た瞬間、店内にいた西武ファンたちと一緒に、オリックスファンであることを隠していた私も大喜び。
初対面の方ばかりだったが、全員で乾杯orハイタッチ。若い女性客とのハイタッチは、ちょっと緊張した(←だらしねえ)。
この日西武が勝ってくれたことで、翌日オリが勝ってソフトが敗れ、オリが奇跡の逆転優勝を遂げた。 ※詳細はこちら

4日後、今度は友人となべちゃんに再訪問。この日は試合がなかったのに、4日前に一緒に語った常連さんが来ていた。
このお客さんや店主夫妻に、実はオリファンだったことを明かそうか迷ったが、結局黙ったままで、現在に至る。
まあ、西武戦の中継中に、露骨に相手チームを応援したりしなければ、他チームのファンも大丈夫だと思うよ。
私もさすがに、西武とオリが試合をする日は、飲みに行ったことはない。
この日も別の店で飲んできたので、頼んだのはここで紹介した「ハンバーグステーキ」と「キムチ」のみ。


店主は昔、レストランでシェフを務めていたおり、ハンバーグは本格的なテイストだった。
そのレストランが西武グループだったため、選手たちとも親交があるらしく、ユニフォームなどが店内に飾られている(後述)。

その後も、お店には何度か訪問したので、注文した商品を以下で紹介していく。
まずは、最後に訪問したときのメニューを掲載。こちらはドリンクで、


こちらがフードメニュー。日替わりで毎回15品目ほど用意されている。

※さっきのは「ハンバーグステーキ」で、「ハンバーグ鉄板焼き」とは別商品かな?

私はウーロンハイか「びんビール」500円、あとは「ホッピー白」400円+「同なか」200円のセットを頼むことが多い。


この日のコースターは、2019のライオンズフェスティバルで配布されたものかな?


だいたい2軒目か3軒目に寄るので、料理の注文は少なめ。
こちらはハンバーグとは対照的に、家庭的な味わいだった「肉じゃが煮」600円。


これはたぶん、友人が頼んだ「ソーセージ鉄板焼き」750円。我々の注文時は、もう少し安かった記憶がある。


個人的には未知の料理「磯はんぺん」500円は、青海苔が入った練り物で、はんぺんとカマボコの間のような食感だった。


私が気に入ったのは、下記の「鶏ガーリックバター鉄板焼」850円。


立ち飲み屋さんで出てくるのは珍しいと思われる、クオリティの高い商品で、ナイフとフォークも提供される。切り分け方がヘタで申しわけない。


にんにく風味のチキンはもちろん、添えられたベーコンとポテトもウマかった。

先述したように、店内壁には選手からプレゼントされた、実際に使用したユニフォームや帽子などが掲示されている。
これは、左側が大久保博元、右側が鈴木健かな。他球団の帽子もたくさん並んでいる。


これは右側が西武から近鉄に移籍した安部理で、左のは…見たことないな。


左肩にオレンジ色のライオンがいるのは、西鉄ライオンズ時代のものかもしれない。今度店主に聞いてみよう。
グッズだけでなく、店主が撮影した(あるいは寄贈された?)、西武の黄金時代をとらえた貴重な写真も多い。
こちらは1992年、ヤクルトスワローズを下して日本一になった直後の記念撮影。


私の撮影がヘタで、誰がいるのかわからないだろうが、監督は森祗晶で、主力投手陣は、渡辺久信、石井丈裕、郭泰源、工藤公康、鹿取義隆ら。
野手陣の主力は、石毛宏典、田辺徳雄、伊東勤、辻発彦に、言わずと知れたAKD砲
彼らの写真もあったので、それぞれ撮影。長距離打者なのに盗塁王も獲得した、A=秋山幸二。


まだ太っておらず、このまま西武に残れば良かったと思われる、K=清原和博。


打順は五番も、本塁打王や打点王を何度も獲得した、D=デストラーデ。登録名はオレステス・デストラーデだ。


9月22日時点で、今年の西武のホームランは56本とリーグ最少。秋山と清原のふたりだけで到達できる本数だ。
西武はAKDの前の時代も、田淵幸一、大田卓司、テリー・ウィットフィールドらが猛打を振るっていた、
あの時代は、私の嫌いな細かい継投、日替わり打順は珍しく、さらにはスター選手の米国移籍はなかったため、
選手の年俸も高騰せず、入場料も安かった。この頃と比べると、今は給料泥棒が多すぎる。 ※特にオリックス
また、今年は「飛ばないボール」疑惑もあり、投手戦というか貧打戦ばかりで、ちっとも面白くない。 
凄い打者が揃い、得点と白星を積み重ねる、西武が憎たらしいほど強かった、あの頃の野球が懐かしい
もうすぐオフシーズンになるが、なべちゃんでご夫妻やお客さんと、昔のプロ野球について語りたいよ。

最後に。本日9月23日、マジック1だったソフトバンクのパリーグ優勝が決定
オリックスに9-4と完勝してのV、ではなく、実際は試合終了より前に、西武が2位の日本ハムを破っており、その時点で優勝が決定していた。
意地を見せた西武ライオンズの選手・関係者の皆さん、来年はもう少し頑張ってください。
そして、今日まで6勝16敗とソフトにカモにされ、地元で胴上げを見せられたオリックスも、来年はもうちょっと頑張れ。
まあ、相手の優勝がかかった試合で、エラーした選手がヘラヘラ笑ってるんだから、来年は西武に抜かれて最下位かもな。

おまけ
店内に貼ってある、唯一の非プロ野球選手の写真だと思う、西武ファンの吉永小百合さん



立ち飲みスタジアム なべちゃん
東京都東村山市秋津町5-25-26
JR新秋津駅から徒歩約1分、西武戦秋津駅からも徒歩5分くらい
営業時間 16時~22時 西武の試合時間などによって、早まったり延長したりすることも
定休日 日曜、その他不定休あり
※営業時間や定休日については、こちらのお知らせアカウントをご確認ください
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ぎょざえもん」と「とりこちゃん」 国分寺『それはそれ』

2024年01月08日 | 居酒屋・バー
自他ともに認めるロクデナシの私だが、ごくわずかだが、ピュアな感情も残っている。
たとえば、友人の小さなお子さんと遊んでいるとき、一緒に絵本などを眺めれば、登場キャラを素直に「かわいいな」と思う。
その直後、「キャラはかわいいのに、今のオレはすっかり汚れちまって…」とダメな自分の現状に絶望し、
こっそり涙目になってしまい、お子さんに「どうしたの?」なんて心配されたこともある。しっかりしろ、オレ(苦笑)。

そんな私が、ちょっと気になったのが、下記画像の看板。


どうやら、餃子と焼鳥を出す、『それはそれ』という屋号のお店で、マスコットらしきかわいいキャラたちも描かれている。
餃子と焼鳥が好物で、変わった屋号に惹かれがちで、心がピュア(笑)な私が、この店に興味を抱いたのは必然である。

お店の場所は、JR国分寺駅から国分寺街道を南下したところにあり、洋食店『キッチンきねや』の帰路に発見した。
その日は満腹だったので入店せず、帰宅後にネットでお店情報を検索したところ、最寄り駅は国分寺だが、住所は府中市であった。
なお、食べログ投稿はゼロ。【食べロガーが来ない=いいお店】の法則から、期待を胸に後日訪問。

店内はカウンター席と小さなテーブルがひとつ。照明はやや暗めで、落ち着いた雰囲気。
カウンター奥にいた男性が、「いらっしゃい」と挨拶しながら厨房へ。彼が店主のようだ。
ドリンクメニューを確認し、まずは「黒ホッピーセット」550円を注文。


一緒に提供されたお通し396円は、私の好きなマカロニサラダと、竹の子の煮物で、


それらをつまみながら、フードメニューを眺める。マカサラが、玉子多めで嬉しい。


まずは、お店の二大名物である餃子から、「オリジナル」484円と「にんにく丸ごと」528円を頼んだところ、
店主が「(餃子は)1人前4個ですが、大きいので2個ずつにしておきますか?」と提案してくれたので、そうしてもらう。
お店にとっては、2人前注文してもらった方が儲かるはずなのに、こういう気づかいはありがたいね。
厨房奥に向かった店主が戻ってきて、「すみません、にんにくが1個しかなかったので…」と、オリジナル3にんにく1に変更となった。
専用の焼き場に餃子を並べ、仕上げに油を少々垂らし、計4個の餃子が焼き上がった。
確かに大きく、普通の餃子の倍くらいはありそう。一番左の緑色がかったのが、にんにく餃子のようだ。


裏返してみると、美しい焼き色をしている。まずはオリジナルから食べてみよう。


具材は、やや粗めに刻まれた白菜が主体で、シャキっとした歯ごたえが楽しめる。


餃子によっては、小籠包レベルのスープが飛び出す場合もあるので、こぼさないよう注意しよう。
一方のにんにくは、商品名どおり丸ごと1個入ったにんにくの香りと存在感がすごい


もっと食べたかったので、売り切れだったのが残念である。
なお価格は、それぞれの単価を4で割った額で計算してもらえたようで、オリジナルが1個121円、にんにくは1個132円だった。
焼酎の中242円を追加し、「焼酎 烏龍茶割り」440円に変更したあたりで、ようやく餃子を食べ終えた。
今度は、残りの餃子2種「トマトチーズ」と「カレーチーズ」を2個ずつ追加。価格は264円ずつ。
トマト嫌いの私は注文前に、「生トマトは使用していない」ことを確認済み。
焼き上がるのを待つ間、店内壁を見回していたら、コロナ禍に貼られたと思われる下記のポスターを発見。


例のおふたり(?)は、「ぎょざえもん」と「とりこ」という名前らしい。せっかくなので、今回のタイトルにさせていただいた。

数分後に、餃子が完成。種類によって、具材だけでなく皮の色も違うようだ。


オレンジ皮のトマトチーズは、野菜の他にトマトソースとチーズが入っていた。ソースやケチャップなら、私も食べられる。


イエロー皮のカレーチーズも、中身の写真はないが、トマトソース→カレーソース以外はほぼ一緒。
酸味のトマト、辛味のカレーという印象で、どちらも面白い味であった。
どの餃子も食べ応えがありウマかったが、にんにく好きの私はやはり、にんにく丸ごと餃子が一番好きである。

烏龍茶割りもお替わりし、餃子を食べ終えたところで、だいぶ酩酊・満腹状態になってきたのでお会計。
提示された金額は、私の暗算よりも安い。そういえば…と、お店ツイッター(X)の最上部にあった、下記お知らせを思い出した。

※ツイッターから拝借

“平日19時までは、一部ドリンク100円引き、焼酎中40円引き”の、いわゆるハッピーアワーが設定されていたのだ。
店内には、上記のお知らせが見当たらなかったので(店頭に貼ってあった)、忘れていたよ。
次回は、店主さんといろいろ話してみようと誓い、「また来ます」と告げて、この日は退散。

数週間後、再び平日の早い時間帯、いわゆるハッピーアワーに再訪問。
まずはウーロンハイ440円→340円を注文。この日のお通しは、マカサラとちくわマヨであった。


店主は、私を覚えてくれていたようで、「今日はにんにく餃子ありますよ」と教えてくれた。
せっかくなので、この日も餃子のオリジナルとにんにくを2個ずつオーダー。


ついでに、店主さんにも「よろしかったら1杯どうぞ」と飲んでもらい、いろいろとお話しさせていただいた。
こちらのお店は、元々は別の方が営んでいたのだが、引退するにあたり、
当時は常連客のひとりだった、現店主が継ぐことになったそうで、その際、店名やメニューを一新。
あの餃子も、「基本は先代から習いましたが、自分なりにアレンジしてます」とのこと。

一風変わった屋号も、現店主が考案したそうで、由来については「深い意味はない」らしく、
「しいていえば、『まあ、あんまり難しく考えず、気楽にやりましょうよ』ってことですよ」。店主はさらに続けて、
「最近はラーメン屋さんとかで、妙に気合の入った屋号のお店がありますよね。ああいうのは……」ここで店主は口をつぐんだ。
ああいうのは「自分には似合わない」なのか、「バカじゃねえかと思う」のかは定かではないが、たぶん私と同意見だ(笑)。

私が気に入った例のキャラ、ぎょざえもん&とりこちゃんについてたずねたところ、
「あれは、知人のデザイナーに依頼して、格安で作ってもらったんです」とのこと。
完成度が高いと思っていたが、やはりプロが手掛けたキャラだったのか。
また、壁の手書きメニューにも、イラストが描かれているのだが、これらは、共同オーナーである女性の作画らしい。


以前、通りかかったときに屋号などが気になり、立川市から来たことを告げると、店主は「それは珍しいですね」と
「電車に乗って来るのは、引っ越した昔の常連客くらいで、普段は近所の人が多いですから」とのこと。
先述のお店ツイッターでは、駅チカの反対「駅遠(エキトオ)居酒屋」と名乗っているようだし、
私のように国分寺駅から歩く客は少ないかもしれない、好アクセスとはいえない場所ながら、
10年以上も営業を続けていることが、近隣住民からの支持と、お店の実力を証明している。

店主は酎ハイを飲んでいたが、本当は日本酒がお好きなようで、いろいろと銘柄酒を揃えている模様。


店主推奨のお酒をいただくべきなのだろうが、キッチンきねやのときにも書いたように、
国分寺街道は道幅が狭い割には交通量が多く、泥酔すると帰路がおっかないので、自重しておいた。
その代わり、ウーロンハイをがぶ飲みし、さっきの手書きメニューからおでんを数個、
そして、もうひとつのお店名物、とりこちゃん=焼鳥類も追加オーダー。
まずは、大鍋で煮込まれているおでんが登場。私が頼んだのは「ゆで卵」121円、「はんぺん」165円、「がんも」(価格不明)だ。


ひと口かじると、ジュワっと浸みだすおダシが美味しい。寒い冬は、やっぱりおでんだねえ。


しばらくすると、串焼各種が焼き上がる。焼き方はお任せにしたところ、
最初に「せせり」の塩198円(左側)、あとから「つくね」154円と「もも」176円のタレが来た。


せせりはちょっと肉質硬め、ももは適度な弾力があり、つくねは、誰もが好きなオーソドックスな味。
つくねは「なん骨入り」220円もあるし、鶏肉だけでなく豚肉=焼きトンもあるので、次回頼んでみたい。

おツマミを食べ終え、何度かお替わりしたドリンクも飲み干し、だいぶ気持ちよくなってきたのでお会計。
店主さんからの「帰り道、気をつけてください」という忠告に従い、帰路は車に轢かれないよう、慎重に歩いた。

さっき記した、それはそれさんが「10年以上営業を続けている」のは、店主がおっしゃっていたのだから間違いない。
実際は何年くらいなのかな…とお店ブログの過去記事を閲覧してみたところ、
現店名になったのは2010年12月で、以前は『作のすけ』という屋号だったようだ。
そして、2011年7月には、『SORE WA SORE』高円寺店を開業していた。ルック商店街の先あたりのようだが、知らなかった!
現在、高円寺店は営業していないようだが、驚いたことに、開店当初のお店看板には、
有名漫画家の西原理恵子先生が手掛けたと思われるイラストが描かれている。
店主の人脈の広さに驚きつつ、いろいろと詳しいことを聞かせていただくため、今後もお店に通おうと思っている。
ぎょざえもん、とりこちゃん、そして店主さん、今後もよろしく!



餃子・焼鳥 それはそれ
東京都府中市栄町2-27-3
JR、西武線国分寺駅から徒歩約15分、JR北府中駅からも歩けそう
営業時間 17時~23時くらい、ラストオーダー22時
定休日 木曜
※京王バス「京王ストア栄町店」下車徒歩0~2分(←お店ツイッターより)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

愛されて25周年 春日『BIG Daddy酒場かぶき うぃずふぁみりぃ』

2023年12月27日 | 居酒屋・バー
前回予告したように、今回はプロレスラーのザ・グレート・カブキさんが営む居酒屋を紹介。
正しい屋号は『BIG Daddy酒場かぶき うぃずふぁみりぃ』だが、私や友人たちは「カブキさんの店」と呼んでいた。


最寄り駅は地下鉄の春日駅だが、私はJR水道橋駅から徒歩で向かうことが多かった。
いざ入店すれば、店主のカブキさんと、ママさんこと奥様の安子さんが、温かく迎え入れてくれる。
私は東京の西側に住んでいるし、お店はいつも混雑していたため、頻繁には通えなかったが、
飯田橋に店舗があった頃から通算すると、50回近く訪問しているはずだが、泥酔客や迷惑客とは遭遇したことがない。
仮にそんな客がいたら、店主にぶっ飛ばされるからね(笑)。私も当然、こちらのお店では大人しくしている。
※実際のカブキさんは、もちろん客を殴ったりはしません

著名人が営む飲食店は、あくまで著名人がウリであって、味がイマイチで妙に高かったりすることもあるが、
こちらのお店は、料理も美味しいし価格もリーズナブル
カブキさんは、子供のころから家事もこなしていたし、プロレス入門後も先輩たちの食事を作らされたため、調理には慣れている。
そんな、逸品揃いのおつまみメニューがこちら。


こちらが反対側。この他にも、季節限定料理や日替わり商品もある。


なお、上記2枚の撮影は、コロナ禍前の19年8月なので、価格などは変わっているはず。なので、今回は価格表記は省略する。
前回紹介した、鶏の照り焼き=ドリーテリー焼きのように、
「阿修羅ハラミ串」や「アッジーフレアー」など、レスラーの名前にちなんだ、ユニークな商品も多い。
こちらは、大ぶりの豚バラ肉を焼いた「アブドーラ・ザ・ブッタ串」。


脇のボトルは、お店オリジナルの焼酎で、麦と芋があり、どちらもボトルキープが可能。
こちらは、春日の移転直後、ドリーテリー焼きと同時に登場した、特大サイズの「牛レバーステーキ」。


「ジャイアント・レバ」なんて、いいネーミングだと思うけど、カブキさんは馬場さんのことを、あまり好きではなさそうで(笑)。
ただし、昭和のプロレスファン共通の疑問、【ジャイアント馬場とアントニオ猪木、本当はどっちが強い?】に対し、
カブキさんの見解は「全盛期なら馬場さんが勝つ」であった。猪木もファンだが、団体は全日派の私には嬉しい意見だ。

メニューの紹介に戻る。こちらは、マッシュポテトにひき肉やコーンを混ぜ、チーズを乗せて焼いた「ガッデムポテト」。


商品名の由来は、プロレスのスラングで、誤って急所攻撃することをポテトと呼び、やられた側が罵る言葉が「ガッデムポテト」らしい。
やや乱暴な商品名とは裏腹に、ビールによく合う、美味しいおツマミである。

冬季限定のおでんは、鶏ガラベースで醤油を使わない、透明な出汁の「塩おでん」で、柚子胡椒で食べる。


カブキさんの生まれ故郷・九州では、おでんはこのスタイルらしい。

宮崎で生まれ、リングネームが高千穂明久(本名は米良明久)だった時代もあるカブキさんは、中学生のとき愛知へ引っ越した。
愛知では有名な「どて煮」から発想を得たのが、お店の名物であり、カブキさんの名前を冠した「かぶちゃん煮込み」だ。
牛スジやこんにゃくを赤味噌などで煮込んだ料理で、デジカメ画像は下記のものしかないが、私は数えきれないくらい食べている。


味噌の甘ほろ苦いテイストに、七味をかけて食べると、焼酎がグイグイ進んでしまう。
焼酎類は、ウーロンハイやレモンサワーなどもあるが、ボトルがお得。
芋と麦がキープできて、下記の「東洋の神秘」は飲み切りタイプで持ち帰りも可能。


そして、こちらのお店の名物ドリンクといえば、カブキさんの毒霧と同じカラーのハイボール。
お通しと一緒に映っているこちらは、赤く色付けされた「赤の毒霧ハイボール」で、


こちらは「緑の毒霧ハイボール」。味自体は、どちらも普通のウイスキーソーダだ。


当然毒は入っていないが、飲みすぎると、カブキさんの得意技・アッパーカットをくらったかのように、フラフラになるので注意。

緑の毒霧と一緒に映っていたのが、カレー味のちゃんこ鍋「連獅子」で、名前の由来は、連獅子の「華麗」な舞いだ。


ちゃんこ鍋は、かぶちゃん煮込みと並ぶお店の看板メニューで、価格も長年千円以下で、もっともお得な商品である。
シメには「ごはん」や「チーズ」も用意されているが、私は大好きな「うどん」と「玉子」をよく追加していた。


鍋料理は、すべて客任せの割にバカ高い価格のお店もあるが、こちらは安価にもかかわらず、最後までお店側が調理。
多彩な具材それぞれの煮込み時間を変え、すべて食べ頃になってから提供し、シメの食事も、改めて厨房で作ってくれる。

こちらは、裏メニューからレギュラーに昇格した、鶏出汁ベースの醤油味鍋「そっぷ炊き」。


具材から染み出たスープが美味しく、一滴残さず食べてしまった記憶がある。
そして今年、久々に訪問した祭、キムチ味のちゃんこ鍋「赤い毒霧」を食べてきた。


ラーメンのように、横アングルも撮影。1人前にはじゅうぶんな量だ。


商品名の由来となった真っ赤なスープは、キムチのピリ辛に、各種具材の旨味が合わさり、めちゃくちゃ美味しい。
具材は豚肉、キムチ、白菜、豆腐、キノコ類、ニラ、もやしなど。野菜嫌いの私でも、美味しく食べられる。


シメは当然、玉子+うどん。食べ終えたら身体はポカポカ、お腹はパンパンだ。


カブキさんが飯田橋でお店を開業したのは、50歳になったばかりの頃。その後、現在の春日に店舗移転し、
多くのファンに愛され、25年目を迎えた今年。夏場にお店のSNSで、カブキさんとママさんの連名にて、
「元気なうちに第三の人生のステップを踏み出すべく」「年内で幕引きとさせていただきます」との発表があった。

閉店はショックだし、美味しい料理やお酒、そしてカブキさんご夫婦との会話が楽しめなくなるのは当然さみしいが、
おふたりも熟考しての決断のはずだし、そもそも、ご夫婦の次の人生を干渉する権利は、我々にはない。
最後に挨拶を…と思っていたが、数ヶ月先の予約まですぐに埋まってしまい、今月23日が通常営業最終日となる。
26日と27日、つまり昨日と今日は、だいぶ前から予定表に「特別営業」と記されていたが、その内容が今月、
「予約なしでも来店可能」「大勢のお客様にお会いしたいので心苦しいですが、滞店時間は30分に制限」とSNSにて発表された!
営業時間は16時~20時で、誰でも訪問できる、「スタンディング、お料理提供は無し、ドリンクのみ販売」の30分1本勝負だ。
最後にお会いできるチャンスを作っていただいたので、昨夜、最後の訪問をしてきた。
吉祥寺の和菓子店で、カブキさんの好物である「きんつば」(週刊プロレス・選手名鑑データより)を購入し、お店に到着したのは17時半頃。
すでに2回転し、先客が帰った直後だったため、数分待っただけで入店が許された。

ママさんに軽くご挨拶し、さっそく飲み始める。特別営業のドリンクメニューはこちら。


普段、ウイスキーはあまり飲まないが、せっかくなので緑の毒霧と、

※飲みかけ失礼

赤の毒霧をお替わり。卓上には、“感謝”とプリントされた柿ピーが置かれていた。


せっかくなので、その柿ピーと、カブキさんとお店のロゴが印刷された、お土産用焼酎3000円を、記念品として持ち帰った。


3杯目のウーロンハイも飲み終わり、カブキさんにご挨拶…の前に、図々しくいつものようにプロレスの質問を。
最後は、これまで聞いたことはなかったが、個人的にはすごく気になる事柄である。前回と同様、Qが私でAがカブキさんだ。
Q カブキさんは、世界一強いレスラーはアンドレとおっしゃいましたが、一番巧いレスラーは誰でしょうか?
A ……難しいね。ひとりには絞れないよ。
全米で暴れまわったカブキさんのことだ。我々も知らない技巧派レスラーとの対戦経験も多いのだろう。
何度かたずねてみたが、回答は得られなかった。そこで私はしぶとく、第二の質問を。
Q で、では、日本人で一番巧いと思ったレスラーを教えてください。
A そりゃ馬場さんだよ。馬場さんには叶わない

迷わぬ即答、しかも意外な回答に「えっ!?」と思わず声を上げて驚いた私は、
「カブキさんが『オレだよ』と返答するのを期待したのですが…」と食い下がるも、「いやいや、馬場さんが一番巧い」と断言。
前回書いたように、「全日本プロレスオーナー・馬場」には、待遇面の不満もあったようだが、 ※馬場さんの奥さんも悪いと思う
若い頃は巨体なのに素早く動けて、受け身もこなした、「プロレスラー・馬場」には、カブキさんも一目置いていたのだ。
おふたりの関係を知り、プロレス道の奥の深さを再認識した一夜であった。

貴重な時間は過ぎていき、30分1本勝負は早々とタイムアップ。
お客の大半が、カブキさんやママさんと記念撮影をしていたが、私は過去に撮ってもらったことがあるので、おふたりのツーショットだけを撮影。


カブキさん、安子ママさん、25年間お疲れさまでした!
退店間際、ご夫妻に「ありがとうございました」と告げると、ふたりとも握手をしてくれた。やっぱり来てよかった。

昨夜も告げたが、拙ブログでも再度、最後のご挨拶を。
カブキさん、ママさん、今までありがとうございました。
僭越ながら、おふたりのご健康とご多幸を、心から祈念いたします。



BIG Daddy酒場かぶき うぃずふぁみりぃ
東京都文京区小石川1-25-9
地下鉄春日駅から徒歩約10分、後楽園駅から約15分 ※左記はお店の名刺より、JR水道橋からは20分くらい
営業時間 18時~23時
定休日 日、月、木、祝、その他不定休
※2023年12月27日で閉店なさいました
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新世界で朝酒を 動物園前『酒の穴』

2023年08月19日 | 居酒屋・バー
前回少しだけ触れたが、私が関西に行ったときの拠点、つまり宿泊先はほぼ、西成区である。
地下鉄なら動物園前駅、JRなら新今宮駅から少し歩けば、ドヤ街と呼ばれる安ホテル密集地にたどり着く。
少しずつ値上げしているが、料金は今でも2000円台。施設のボロさや周囲環境(笑)などの難点もあるが、
私はどうせ、毎回飲み歩いてベロベロになり、部屋では寝るだけなので、あまり気にならない。

チェックアウトは、どのホテルもだいたい10時。まだ早い時間だが、帰京前にもう少し飲みたい…
そんなとき重宝するのが、ホテルからは徒歩圏内の新世界『酒の穴』
5年前の訪問時に撮った、お店の外観を再掲載。指が写り込んでいるダメ写真でスマン。


指で看板が隠れた、シャッターが閉まっている(定休日)店舗も、実は酒の穴であり、2軒連なっているのだ。
開いている右側が、「本店」あるいは「酒場」と呼ばれ、左側が「お好み焼き店」らしい。
昔は、お好み焼きは左側でしか扱ってなかったのかもしれないが、現在はどちらの店舗でも注文が可能。
右の本店は、最近は8時開店で、左のお店は10時開店。定休日はそれぞれ異なるので、
チェックアウト後の10時以降ならば、毎日どちらかは必ず営業している
ほぼカウンター席しかなく、どの時間帯も混んでいるが、2軒あるので入れるはず。

こちらの魅力は、早い時間からの営業だけでなく、酒も料理も品数豊富で、しかも安い
安ウマ酒場ならば、以前紹介した西成区今池の『難波屋』さんもそうだが、あちらは立ち飲み屋さん。
連日の飲み歩きなどで、疲労が蓄積した状態の滞在最終日は、ゆっくり座って飲みたいものである。
なので近年は、関西最終日の午前は、酒の穴さんに立ち寄るのが、私の恒例行事になっている。

安ウマ料理が多々ある中、私がオススメするのが、5年前にも紹介した「八宝菜」と「どて焼き」。


毎回、片方は必ず注文する、この二大逸品については、あとで改めて説明する。

ここからは、昨年夏に訪問したときの画像を紹介していく。まずは壁のメニューから。
昨秋からの原価高騰により、現在は下記より数十円値上げしたが、それでもまだまだ安い。
ドリンク類に揚げ物の具材、ホワイトボードは「すぐ出る小皿料理」など。


ドリンク類・ホワイトボードの続きと、お好み焼き・焼きそばなどの鉄板焼き類。


別の壁には、おでんと粉モノ以外の焼き物メニューも貼ってある。


お客さんがいて撮影できなかった方面の壁にもメニュー札があり、とにかく品数豊富なのは、わかっていただけたであろうか。
ちなみに、私が座った席の前には、寿司屋のような冷蔵ケースがあり、新鮮な魚介類などが並んでいた。


この日はまず、瓶ビールの大、お店表記では「大ビール」510円をキリンで注文。※アサヒも選べる
最初に注文したおつまみは、先述したどて焼き320円と、


おでんメニューから、「玉子」と「ちくわ」各90円に、個人的には未知の具材「うめ焼」130円を選択。


どて焼きは、牛スジ肉を串に刺して味噌ダレと絡めて焼くのが基本だろうが、
こちらで出すような、こんにゃくなどと一緒に煮込みネギを振りかける、「どて煮」タイプも私は好きである。
甘口の味噌ダレを、他のツマミに付けて食べてもウマいよ。
おでんのうめ焼とは、魚のすり身と玉子を合わせたものを、梅の花の型にハメて焼いたもの。


はんぺんほどでないが、フワフワとした歯触りで、なかなか美味しい。関東にも広まるといいな。
ビールが空いたので「ウーロンハイ」310円を追加。関西では珍しい、酎ハイ類が置いてあるのも嬉しい。
ウーロンハイは、以前より焼酎が濃い気がした。店員さん曰く「ウチのは“新世界で一番濃い”って言われます」だって。
帰京直前の泥酔はマズいので、2杯目からはチェイサーの「ウーロン茶」210円も同時に注文。


ちょうどその頃、日替わりメニューと思われる天ぷらが完成し、ケースの上に並べられていく。


5品限定らしく、注文が殺到したので、私もあわててオーダー。
商品名「てんぷら。」の価格は、なんと270円! 人生最安の天ぷら盛り合わせである。


ただし、海老と思われた赤い天タネはカニカマで(笑)、内訳はカニカマ4、玉ねぎ2、ししとう1であった。


前回語ったように、天ぷらで飲むのが好きな私は、270円で7つも食べられたのだから、当然文句はない。
結構飲み食いしたが、お会計は2000円チョイ。こんな安価で気分よく酔えて、大満足である。
この後、京都の『からふね屋』に向かったのだが、焼酎が効いたのか、阪急電鉄に乗った途端に爆睡(笑)。

それから1年後。今年もまた、甲子園に出場した母校野球部を応援するため大阪へ。
今年は西成区ではなく、中央区の北浜という場所に泊まっており、新大阪は5駅ほどで着くのだが、
チェックアウト後は、酒の穴さんで一杯やるため、わざわざ逆方面の地下鉄に乗り、動物園前へ。
東京都で例えるならば、四ツ谷のホテルから東京駅へ向かわず、反対方向の高円寺へ向かうようなものである。
今回もキリンビール大550円(今年の価格、以下同)からスタートし、
おつまみには、二大逸品のひとつ八宝菜240円と、「うなぎ」350円に、お好み焼きの「豚玉」500円をオーダー。
すぐに八宝菜が登場。さっきも掲載したが、中華屋さんの同名料理とは異なる、お店オリジナルの商品である。


炒飯に使うような、八角形の器で提供される八宝菜は、酒の穴の看板メニューであり、
儲けを度外視し、長年100円で販売していたそうだが、その後200円になり、昨年の訪問時が220円。
一般的な八宝菜のようなトロミはなく、具だくさんのスープという印象の料理である。
しかも、このスープの味付けは、塩分や旨味が控えめで、やさしく絶妙なのである。
この日の私のように、前夜の酒が残っている状態でスープをすすると、さらにウマく感じるから不思議。
そういえば、新世界には「シチューうどん」を出すお店もあるが、そのシチューもやさしい味わいであった。
具材はキャベツ、人参、じゃがいも、しいたけ、豚肉、かまぼこ、竹の子、玉ねぎと、ちょうど8種。
提供時、店員さんが「お好みでお使いください」とコショウを置いていったので、そのとおりにしてみた。


少し辛い方が、お酒がススムだろうけど、私は何も入れない、そのまま味わう八宝菜が好きである。
ちなみに、私が酒の穴さんに初訪問した、12年前にガラケーで撮った八宝菜(&豚平焼き)がこちら。


当時は、竹輪の輪切りやピーマンも入っていたが、安さとウマさは、現在も変わっていない。

八宝菜のスープとビールを交互に啜っていると、これまた激安価格のうなぎの蒲焼が登場。


レンジでチンされお皿が熱々なので、もう1枚お皿を敷いてある(笑)。小ぶりだけど、350円だしね。
しばらくすると、お好み焼きの豚玉が登場。こちらはレンチンではなく、鉄板でじっくり焼かれていた。


ここでお好み焼きを食べるのは初めてで、生地の具材は玉子とキャベツくらいだが、
大きな豚バラ肉の旨味がソースやマヨと合わさり、なかなかイケる。豚肉のアップを撮影したが…あまり意味ない?


ビールがなくなったので、これまた初めて頼む、「ワイン白」300円を追加注文。


グラスは脚(ステム)がないタイプで、手の温度が思いっきり伝わるが(笑)、私はワイン通ではないので気にしない。
ほろ酔いになったところでお会計。今回は2000円未満だった。安くて申しわけない!

最後にちょっと珍しい画像を。酒の穴さんはかつて、「週刊朝日」の表紙イラストに使用されたことがあるようで、
店内壁に、その表紙を複製したポスターが貼ってある。「うまくて、安い店。」のコピーがいいね!


発売されたのは、1999年3月26日号なので、今から24年前。
この頃の新世界は、現在のようなチェーン店は少なく、今以上に私好みのエリアだったに違いない。

私は今後も、関西には何度も遊びに行くだろうが、帰りはなるべく、酒の穴さんに立ち寄りたい。
「ティファニーで朝食を」ではなく、「新世界で朝酒を」だ。全然原型をとどめていないが。
なお、一昨日の母校野球部の敗戦については、執筆意欲が湧かないので(苦笑)、また後日改めて。



酒の穴
大阪府大阪市浪速区恵美須東2-4-21
地下鉄動物園前駅から徒歩約4分、JR新今宮駅からは徒歩約5分、恵美須町駅なども徒歩圏内
営業時間 右側の店舗が8時~21時、左側の店舗が10時~21時
定休日 右側が木曜、左側が火曜、あとは年末年始
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

禁酒法時代にお世話になったお店 立川『麺や★Fuji』

2023年07月02日 | 居酒屋・バー
タイトルの「禁酒法時代」とは、20世紀初頭のアメリカのことではなく、
コロナ禍における【飲食店の酒類提供禁止時期】を指す。
時代と称するほどの長期間ではないが、居酒屋や酒販売業者、我々呑み助が不自由を強いられたのは事実である。
21年5月、東京と埼玉の一部が酒類禁止になったとき、私はわざわざ禁止対象外の入間市へ飲みに行った。 ※詳細はこちら

その後、私の地元立川市では、「もう我慢できねえ!」とばかりに、通常営業を再開する居酒屋が続出。
駅北口を出てすぐ右折した先のエリアでは、大半のお店が酒類提供をしていたが、
ただでさえ民度の低い立川の酔っ払いが、久々の飲酒で普段以上のバカ騒ぎをしており(苦笑)、利用する気にならなかった。
大勢のダメな客と同じ空間に滞在するのは、コロナに罹るのと同じくらい苦痛だからね。
そんなある日、その駅前エリアからは少々離れた、競輪場通りにある『麺や★Fuji』というお店が、
「感染対策を徹底し、お酒を提供中」のようなPR文を、食べログに掲載していたのを発見。
飲めるラーメン店は私も好きだし、駅近くのようなバカ騒ぎはしていないと予想し、行ってみることにした。

看板に記載してあるように、こちらは「ラーメンと日本酒のお店」で、つのだ☆ひろ氏のように、店名に★が入るようだ。


店内はカフェのような内装で、L字カウンター席とテーブル席が少々。
カウンター席の客は、全員飲酒しており、私も「ホッピーセット・白」480円を注文。
おつまみは、すぐ出てきそうな「ラーメン屋3種盛り」580円を選択。チャーシュー、メンマ、味玉にもやし付き。


上記画像はSNSにも投稿したが、下記のようにホッピーが写っている画像は、時勢を考慮し掲載を控えた。


おつまみとしてもう一品、「担々餃子」400円を注文。 ※現在は販売していない


中身は肉野菜ではなく、担々麺の具材のような、タレで味付けされたひき肉と玉ネギ。


ホッピー「ナカ」200円をお替わりし、ゴキゲンになり…たかったところだが、先客のジジイがうるさすぎる。
接客担当の女性は、丁寧な応対をしているのだが、それをいいことに、ジジイがやたらと話しかける。
声がデカく、無視したくても聞こえてしまうし、その内容も下品。本人は満足だろうが、周囲の客としては迷惑極まりない。
駅から多少離れた店にも、このような客がいるとは…さすがは立川市、ダメ人間の層が厚い(嘆)。
うるさかったので、初訪問時はシメの食事は頼まず、退散することにした。

緊急事態宣言が解除され、他の店でも酒類を提供するようになってからは、このジジイとは一期一会。
「一期一会」と記したように、私はその後も、ここ麺や★Fuji(以下、「フジ」と略称で呼ぶ)さんに通っているが、
お客さんは食事だけの若者や、日本酒を静かに飲む男性などばかりで、不快な輩には遭遇していない。

2度目の訪問では、メニュー表を撮影。こちらは日本酒以外のドリンク類。


日本酒の銘柄は「店内表示をご覧ください」とあるように、日替わりでいいお酒を入荷している模様。

※2022年5月に撮影

こちらはおつまみ類。日本酒と同様、下記以外にも日替わりメニューがあるが、撮影しそびれた。ゴメン。


この日の注文は、またまた白ホッピーセットと、


おつまみとして、前回の担々餃子とは異なる「鶏と大葉の和風餃子」400円、


私の好きなもつ煮、商品名は「ラーメン屋のモツ煮込み」500円、


さらに、串焼きから「鶏モモ串」180円を、タレと塩で1本ずつ注文。 ※写真は塩


もつ煮は濃厚ではなく、むしろ薄口。使用しているラーメンスープが濃くないからかな?
鶏モモ串は、塩味もタレ味もいたって普通。180円にしては、鶏肉が小さいし。
ただ、鶏と大葉の和風餃子は、商品名からして個性的だし、味も良かった。
一応、ハシで割って中身の画像も撮ってみたけど、大葉より鶏肉の旨味の方が印象に残った。


こちらのお店は、ドリンクは日本酒推しなので、おつまみも日本酒に合う料理の方が自信がありそう。
既述したように、日替わりのおばんざいのような一品料理が、黒板に記されているのだが、
よく覚えてないけど、酒盗とか若竹煮とか山菜の和え物とか、私の苦手な和の一品が多かった気がする。
このブログには「和食」カテゴリーがなく、ラーメン、カレー、ハンバーグ、餃子、デザートと、
お子さんが好きな食べ物ばかりを載せているのは周知のとおり。私も結構いいトシなんだけどね…。
というワケで、ここからは私の好物であり、お店のもうひとつのウリである、麺類を紹介していく。

メニューはこちら。お店の屋号がつく「白ふじラーメン」の他、超白ふじ、赤ふじ、赤ふじ汁なしなど種類は豊富。


2度目の訪問ではシメとして、「香味塩つけ麺」850円を注文。並・大同料金なので、当然「大」にしてもらう。


白ふじラーメンのスープと似た色のタレは、塩分控えめのマイルドタイプ。
近年のつけ麺は、濃厚でしょっぱいタレが主流なので、こちらのタレは異色といえよう。
麺はサッポロラーメンのお店で使うような、色鮮やかな黄色。麺自体の味はさほどなし。
具材は、前回食べた3種盛りのと同じメンマとチャーシューに、ナルトとネギで、特に個性はなし。
途中で、麺をすべてつけダレ容器に入れちゃったので、ミニラーメンみたいになってしまった。


接客担当の女性店員はこの日も、入店時は「いらっしゃいませ!」と温かく迎え入れてくれて、
商品の注文&提供時も、丁寧に応対してくれたのだが、すぐに厨房の奥に引っ込んでしまう。
客席に近いと、前回みたいに妙なジジイに絡まれるので、それを避けたのかな。
ただ、私の会計時は調理担当の男性ともども、どこかに行ってしまい、厨房内はもぬけの殻。


競輪場近くという場所柄(笑)、食い逃げ防止のためにも、どちらかひとりは店内に残った方がいいと思うよ。

ここまで触れていなかったが、店名の由来は先代店主が、
「フジロックフェスティバル」に、最初の1回目から出店していたかららしい。
当初は、立川市の別の場所で開業し、4年前に現住所に移転したのだが、直後に店主が急逝。
当時パートだった先述の女性店員は、お店を継いで新店主として営業を継続することを決意。
そして調理担当は、先代店主が作るラーメンを長年食べ続けてきた、彼女の息子さんが引き受けたそうだ。
こういう事情を知ってしまうと、こちらのお店と母子を、応援したくなるよね。
その後は、近所の『サムライキッチン』で飲んだあと、立川駅とは反対方面のフジさんに立ち寄り、
軽く一杯やったり、シメの食事を楽しんだりしている。

あるときは、基本の白ふじラーメン780円と、「悪魔のバター醤油ご飯」220円をオーダー。


スープは、鶏ガラと豚骨を長時間煮込んで作るそうだが、弱火で煮込んでいるのか、臭みもなくあっさり。


麺や具材は、さっき紹介した塩つけ麺と同じ。スープと麺の絡みはイマイチのような。
バター醤油ご飯は、バターとゴマが乗ったご飯に、添付の醤油だけ。あまり「悪魔」要素は感じないな。


途中でスープを注いでみたが、家系ラーメンのようにしょっぱくないのでご飯と合わず、むしろバターの風味が消える逆効果。


日本酒と和風おばんざいがウリのフジさんで、ジャンクフードのバターライスを頼んだのが間違いだったか。

ここまで、麺類はあまりホメていないが、ちゃんと推奨したいメニューもある。
その商品とはいズバリ、下記の「玉子とじ塩ラーメン」である!


名古屋のご当地ラーメンの一種らしく、だいぶ前に、中野に専門店があった記憶がある。
白ふじラーメンと同じスープに溶き玉子を加えた、一見シンプルな商品だが、
そのふわふわ玉子ちゃんが、淡泊なスープと黄色い麺を、巧みに融合させている。
具材はないが、740円と麺類ではもっとも安価だし、スープを最後まで飲み干せる、お得な一品である。
なお、このときはラーメンが来る前に、初回にも頼んだ3種盛で「烏龍茶割り」450円を飲んでいたため、
味玉半分とチャーシュー1枚がゲスト参戦。玉子のダブりは気にするどころか、むしろ喜びである。


溶き玉子マシができないか、今度相談してみよう。麺抜きのスープというのも、満腹時のシメによさそうだ。

先代店主の早逝や、無意味な禁酒法時代などの苦難を乗り越え、現店舗の営業も5年目に突入したフジさん。
昨年くらいから、ツイッターの投稿が増え、限定メニューなどを積極的に宣伝・提供している。
最近は「冷やしごまつけ麺」などを販売しているが、以前やっていた、太麺使用の「ちゃんぽん」がウマそうだった。
繰り返しになるが、先代の遺志を継いだ現店主母子を応援すべく、フジさんに通い続けようと思っている。
今後は麺類だけでなく、日本酒や和風おつまみも頼んでみる…かも。



麺や★Fuji
東京都立川市高松町2-25-31
JR立川駅から徒歩約12分、多摩モノレール高松駅からの方がやや近そう
営業時間 11時半~14時半、17時半~22時
定休日 月
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

豊田の地下の「シン中華」 豊田『トヨチカ』

2023年05月20日 | 居酒屋・バー
歴史ある街中華のお店が大好きな私だが、今回のテーマは、真逆のお店。
創業は昨年の7月で、店員はおじちゃん&おばちゃんではなく、若く溌剌とした男女。
そんな彼らが働くお店は、肩書きこそ「中華酒場」だが、おしゃれなバーのような内装と雰囲気。
「おしゃれなバー」という、使い古された表現は恥ずかしいが、おっさんの私には、適切なワードが浮かばない。
約一時間熟考した(本当)結果、最近よく目にする「シン」というワードにたどり着いた。
使い方が正しいのかはさておき、中華屋さんの新しいカタチということで、シン中華と呼ばせていただく。
蛇足だが、カタカナのシンで私が真っ先に思い浮かべるのは、ゴジラでもウルトラマンでも仮面ライダーでもなく、
インドの狂虎タイガー・ジェット・シンである。彼については、「プロレス」ブログでまた改めて(←需要あるのか?)。

シン中華と勝手にカテゴライズした、今回のテーマである『トヨチカ』は、
酩酊状態で豊田駅の北口をプラプラ探索していたときに、下記のノレンを偶然発見したことで知った。


私の好きな飲める中華屋さん、しかも、豊田の地下でトヨチカとはいい屋号だ!
わかりやすいネーミングに興味を抱き、一瞬入ってみようと思ったのだが、
数分前まで南口の『ふじ』で飲んでいて、シメにオムライスも食べていたので、いかんせん満腹である。

※ふじの「オムライス」730円

なのでその日は、入口に貼ってあったメニュー表を確認しただけで、引き返した。
そのメニューの中に、気になる料理がいくつかあったので、数週間後、シラフ&空腹で再訪問。
前回もあったのかは覚えていないが、電飾付き看板が設置してある建物の階段を下りていくと、


地下は照明が控えめで、しかも入口近くにお花が飾ってあったりする、私の苦手なハイソな雰囲気。


実際のお店も、冒頭で述べたようにおしゃれバーっぽい雰囲気で、アウェイ感は否めないが、

※後述する、2度目の入店時に撮影

せっかく来たのでカウンター席の端っこに座り、飲み食いさせてもらうことに。
なお、お店の雰囲気を重視し、今回のカテゴリーは「中華食堂」ではなく、「居酒屋・バー」にした。

女性店員にドリンクをたずねられ、ろくにメニューも見ず、「ち、青島ビールください」と即答。
場違いな空間の雰囲気に呑まれたのか、緊張して注文を噛んでしまう、悲しき中年。
卓上のドリンクメニューがこちら。いつもと同様縮小してあるので、値段が見えなくてゴメン。


「青島ビール」は737円。価格にはお店の雰囲気代が込みなのか、全体的にややお高めかな。


周囲の客も、雰囲気に合った身なりの方ばかりで、薄汚いおっさんは私だけ(泣)。
ただ、店員さんたちは初訪問の私に対しても親切に応対してくれたので、心置きなく飲み食いができた。
ドリンクメニューの裏はお食事メニュー。普通の中華食堂にはない商品が多い。


どの料理も気になるが、右上で“トヨチカ3大名物”(端が切れているが)と称されている、
「焼き餃子」、「牛すじ麻婆豆腐」、「角煮ポテサラ」の3品を注文。価格はすべて660円。
「麻婆豆腐はハーフもできますよ」と告げられたので、そうしてもらったが、ハーフの価格は不明である。
まずは、お通しとして「北京ダック・トヨチカ風」が登場。価格は330円だった。


店員さんの「(皮で)巻いて食べてください」の指示に従う。さっきのハーフもそうだが、この日の私は素直である。


テンメンジャンの甘味とコクが効いており、青島ビールが進んだ。
しばらくして、牛すじ麻婆豆腐が完成。ハーフのはずだが、お皿からあふれるくらい盛られている。

※なぜかレンゲも2本あった

実際はバカ盛ではなく、容器が小さいのだが、このような盛り付け、というか演出は面白い。
続いて、焼き上がった餃子が、お店オリジナルの赤い調味液と一緒に登場。


そういえば、こちらの卓上には調味料は一切置かれていない。他に加える必要がない、という料理への自信の表れだろう。
牛すじ麻婆豆腐は、初訪問時の「気になる料理」のひとつで、スジ肉独特の香りと風味が、ピリ辛の麻婆タレに合う。


ひとり客ならハーフでじゅうぶんの量。気になる価格は、会計時に550円と判明。
ハーフで正価から110円引きはちょい割高に感じるが、逆にフルサイズがこの倍で660円なのは、相当お得だよ。
厚めの皮に具材をパンパンに詰めた餃子は、重量は一般的な店舗の1.5倍くらいか。


肉野菜の他、「スープを固めてジュレ状にしたものも含んでいる」と、厨房責任者らしい男性が教えてくれた。
調理で忙しい中、何度か話しかけてくれた、彼がこの店の店長かも。
お通しも料理も美味しく、青島ビールがすぐになくなったので、「ホッピー白」セット539円に変更。


欠点が見当たらないトヨチカさんだが、焼酎がもう少し濃かったら完璧である。
その後、3大名物最後のひとつ・角煮ポテサラが、予想外のビジュアルで登場。


「温かいうちにお召し上がりください」のメッセージどおり、温かいマッシュポテトに、角煮がでーんと乗っている。
別アングルでも撮ってみたが、角煮タレのおかげで、ポテトは肉じゃがっぽい風味になっている。


ポテトはホクホクで、角煮もホロリと崩れる柔らかさ。タレの甘味とは別に、お芋とお肉自体の甘味も感じる。


サラダなのか煮物なのか、そもそも中華なのかは判断しかねるが、そんなカテゴライズは必要のないウマさ。
何を食べても美味しいお店だが、角煮ポテサラは、絶対に食べるべき逸品だよ。
※6月1日追記 角煮ポテサラは最近、万能ねぎナシ・693円になりました

ホッピーの「中」275円と、焼酎の「ウーロン茶割り」440円をお替わりし、3大名物も食べ終えたので、
シメとして「ルーロー卵焼きそば」780円のハーフサイズ680円を追加オーダー。
すぐに店主風男性が調理を開始し、数分後には目映い輝きを放つ(←照明が映り込んだだけ)お皿が登場。


「これハーフですよね?」とたずねたら、「麺だけ半分で具材はそのまま」とのこと。
たっぷりの炒り卵と煮込まれた豚肉が盛られているので、ハーフでも680円はお得だし、量的にもシメにピッタリ。
オイスターソースなどを使用した(たぶん)タレが、歯応えのある麺とよく絡み、玉子ちゃんとお肉が三位一体に。


ペロリとたいらげ、麻婆豆腐と同様、「次回はハーフではなくフルで食べよう」と決意し、お会計。

お店のインスタグラムによると、毎日14時から営業しているそうなので、
念のため店主風男性に確認したところ、「夜と同じメニューで営業していますので、昼飲みもぜひ」と仰るので、
つい最近、昼酒を楽しむため2度目の入店。明るい時間帯ながら、ちゃんと看板照明が点灯している。


店主風男性は不在(あとから来たけど、奥で事務作業? に専念)で、働いているのは初見の若い女性ひとり。
彼女は昼営業担当なのか、たくさんの仕込みをこなしながら、私の酒と料理を作ってくれた。
この日はウーロン茶割りから始め、途中で、前回常連客が頼んでいた、大ジョッキバージョンも作ってもらった。


縁のギリギリまで注がれた、こちらの価格は880円。レシートには「男茶割り」と記載してあった。
前回同様、北京ダック風のお通しをつまみながら、注文した料理が出てくるのを待つ。
まず提供されたのは、「エビマヨ」660円。オレンジ色のマヨソースで和えた海老を揚げ、水菜などの野菜サラダに盛り付け、
最後にパクチーが添えられて完成。私はパクチーは大嫌いで、帰宅後は見るのもイヤだったのか、
せっかく撮った画像を、うっかり消してしまうミス(苦笑)。一応復元してみたが、「Tenorshare 4DDiG」のロゴが入っている。
ロゴをはずして取り込むのは有料なので、この状態の画像をスクショした。見づらくて申しわけない。


結局、パクチーは取り除いて食べたが、やっぱり匂いが残っていて気になった。
続いては、牛すじ麻婆豆腐とともに初訪問時から気になっていた、「回鍋肉春巻き」が完成。
昼番の女性店員にも「ハーフもできますが?」とたずねられ、「じゃ、じゃあハーフで…」と了承。
通常は2本660円だが、ハーフだと1本440円。それはさすがに、ハーフではもったいない。


カットされた状態で登場した春巻きの具材は、予想に反し豚肉とネギ。本場の回鍋肉は、キャベツを使わず辛口らしいが、
こちらのもピリ辛だった。ウーロン割りには合っており、味自体はけっこう気に入った。
前回餃子を食べたので、今回は「フカヒレ焼売 XO醤」1個176円を2個を頼んでみた。


ご覧のように2個だと見た目がさみしいので、4個くらいからの注文を推奨しておく。※味はフツーだった
ウーロン割りを何杯かお替わりし、いい気分になってきたので、シメの「煮干しラーメン」748円をお願い。


撮り忘れたが、麺は中細で、具材はメンマとナルトとネギに、たくさんの刻み玉ねぎ。
煮干し風味のスープは、ビーカー状の容器に入った赤茶色の液体に、麺を茹でるお湯を足して作っていた。
ちょっとしょっぱかったが、量も手頃で、なかなか美味しい。
ラーメンを食べ終えたのに、さらにデザートとして「杏仁豆腐」429円も追加。
店員さんが杏仁豆腐をスプーンで何度かすくい、最後にチリソースのような液体!? をかけて完成。


ソースの容器を凝視したら、「クコソース」と記してあった。どうやら、クコの実のソースだったようで、ひと安心。
甘さ控えめのさっぱりタイプで、いい口直しになったところで「ごちそうさまです」。
外に出るとまだ明るく、もう一軒ハシゴしたいところだが、すでに腹パンパンなのでやめておく。

どの料理にも個性があり、若い店員さんたちの接客も素晴らしく、さらに昼酒も飲めるトヨチカさん。
数ヶ月後には、どこかのマスコミが嗅ぎつけ、シン中華の店として(?)話題になっていそうな気がする。
「鶏白レバニラ」や「生青椒肉絲」など、まだまだ気になる料理も多いので、私も当然、今後も通わせていただく。
可能ならば豊田だけでなく、日野や立川にも『ヒノチカ』『タチチカ』と、支店展開してほしいものだ。



中華酒場トヨチカ
東京都日野市多摩平1-4-8 B1
JR豊田駅から徒歩約5分
営業時間 14時~23時
定休日 日曜
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

激安焼きとんグループの元祖? 武蔵小金井『百薬の長』

2023年04月30日 | 居酒屋・バー
年齢とともに飲食店巡りのキャリアも重ねたことで、根拠のない自信を得たのか、
今では見知らぬお店でも、恐れず入るようになった私。 ※ただし、値段の高そうな店は除く
かつては外観だけで避けていたお店も、実際にノレンをくぐってみたら、意外な良店だったりする。
今回紹介する、武蔵小金井の大衆酒場『百薬の長』も、そんなお店のひとつ。

場所は、駅北口のドン・キホーテ脇の道を進み、立ち食いそば店で右折し、さらに左折すれば、
お店のノレンと赤ちょうちんが見えるはず。


こちらのお店はだいぶ前に、駅に向かう途中で偶然発見し、「変わった屋号のお店だな」と記憶にとどめた。
そのときの店内は、いかにも常連らしい高齢男性の方々で賑わっており、
私なんて若輩者扱いされそうで、入店するのをためらい、そのまま数年たってしまった。
つい先日、小金井界隈を探索していたとき、お店の存在を思い出し、入ってみることにした。
なおこの店は、食べログでは掲載保留、つまり「閉店したかも?」扱いになっているが、普通に営業している。
以前、神楽坂の洋食店『MARIO』さんが掲載保留扱いになったときは、
「ちゃんと営業しているから、保留を解除しろ」と、運営側にメッセージを送ったのだが、
百薬の長さんは、今でもじゅうぶん混雑しているし、食べロガーには来てほしくないので、あのまま放置しておく。

店内は二の字カウンターで、以前通りかかったときと同様、店内は人生の先輩方で、ほぼ満席状態。
女性店主に、奥の方の空いている席に案内され、とりあえず「ホッピーセット」の白をオーダー。
こちらのお店は店主だけでなく、ふたりのお手伝いさんも含め、働いているのは全員女性である。

メニューは正面と背後の壁に掲示してあるが、常にお客さんがいるのでカメラを向けられず。
何回目かの訪問時に、厨房側の上に貼ってあるメニューをなんとか撮影。


上段が飲み物や一品料理、中段がお店のウリである串焼きの一覧、下段が日替わりメニュー各種。
もつ焼きは複数揃っているが、売り切れると中段の「ハツ」「タン」などの札が裏返る(一番右側など)。
モツについては、別の場所に貼ってある下記の表で、部位や詳細を解説している。この表については後述する。


最初のおつまみは、「煮込み」320円と、日替わりの「マカロニサラダ」260円をオーダー。
先に、外ホッピーと氷の入ったジョッキ、そしてコップの縁ギリギリまで注がれた焼酎、のホッピーセットが登場。


ぶきっちょな私はこぼしそうなので、女性店主の「代わりにお注ぎしましょうか」という提案に甘えることに。
コップを傾け、少しずつジョッキに注ぐのがコツらしい。周囲の皆さんも、器用に少しずつ注いでいる。
ホッピーセットは、外が280円、中の焼酎が290円、そして氷40円×2で80円の計650円。
焼酎はギリギリどころか、受け皿にもあふれており、合計すると推定150mlはありそう
チェーン店なら中5杯分、通常の酒場でも3杯分はありそうで、290円はかなりお得である。

その後、私の好物であるマカロニサラダが提供され、


さらに、これまた好物の煮込みがやってきた。ホッピーにはやっぱり煮込みだよね。


なお、煮込みは半額160円のハーフサイズもあり、私は毎回、どちらかを頼んでいる。


マカサラは、自家製ではないかもしれないが、マヨネーズが控えめのあっさりタイプ。
煮込みも同様に、それほど脂っこくなく、万人受けするテイストである。
最初の方に書いたように、年配のお客さんが多いので、塩分や脂分を抑えているのかな。

ホッピーセットを氷なし(セコイ!)でお替わりしたが、焼酎は多いので2杯でやめておき、
その後は順番が変だが、瓶「ビール中」550円をオーダー。銘柄はサッポロだった。
さらにおつまみとして、「うずらの串焼き」(商品名うろ覚え)120円と、


おでんから、「串もつ」100円と「玉子」170円を追加注文。


おでんは、串もつと「豆腐」180円以外は、すべて170円。出汁がこれまた、濃すぎず薄すぎず絶妙な塩梅。
うずらが意外とウマかったので、さらに2本追加。残った煮込みの汁に浸してもおいしい。


なお、こちらのお店には、焼酎は3杯、日本酒は5杯までというルールがある。
詳細はこちら。他の店で飲んできた酩酊客の場合、3杯未満でもストップがかかる場合もあるようだ。


実際はお店側がジャッジするため、絶対に3杯までしかダメ、というわけではなさそう。
私の場合は焼酎2杯に+ビール1本。もう1杯くらい許してもらえそうな雰囲気だったが、
さっきの貼紙に記されていたように、「健康を第一と考え」、酔う前に退散することにした。
下記の専用伝票が各席に置かれているため、明朗会計である。この日の支払い額は2980円であった。


滞在中、何人かのお客さんと話したが、常連ヅラしてエラそうに振る舞うような、メンドーな人はいなかった。
ただ、繰り返しになるが客の平均年齢は相当高く、自分も立派なオッサンなのに、年下に見える客はほとんどいない。
私自身は、高齢者ばかりの空間は競輪場で慣れているし、安く飲めて居心地もよかった。
なので、その後も通っているが、どの時間帯も年配客が多い(笑)。まあ飲みに来る元気があるのはいいことだ。

ここからは、その後に注文した商品を一気に紹介。
私の好きなウーロンハイはなく、「ウーロン茶」180円+焼酎290円になる。缶はミニサイズなので、焼酎が絶対に余るぞ。


おでんは、「はんぺん」と串もつ2本、


豆腐と串もつも頼んだことがある。串もつは、煮込みに入れても美味しい。


もつ煮でドロドロになった(?)、血液をサラサラにする、「新玉ねぎスライス」は230円。


ウインナー串120円は、甘口と辛口があり、写真は甘辛1本ずつ。


お店のウリである、もつ焼きも当然頼んでいる。下記は左から、「小肉」「れば」「かしら」をタレで注文。


こちらも左から、「れば」「てっぽう」「あぶら」「かしら」「豚バラ串」をお任せで。

※てっぽうとあぶらは、先に来たので食べかけ

下記もお任せで頼んだ、左から「ひも」「たん下」「小肉」。どの部位も小ぶりで食べやすい。


もつ焼きはオール100円。豚バラ串は、メニュー札の表記は150円なのだが、100円で計算していた。
さっきの表を再掲するが、「たま」「豚の玉子」「さお」などの珍しい部位の札は、いつも裏返っている(=品切れ状態)。


実は、上記の表と同じ文面を、数年前に閉店した、沼袋の『ホルモン』というお店でも見た。
こぶくろの「アンチサンガーリズム」の意味がわからず、調べたので覚えていたのだ。
ちなみに意味は、サンガーという女が提唱した産児制限、のアンチなので、精力増強のようなことだろう。
女性店主に沼袋ホルモンとの関係をたずねてみたところ、以下のように回答してくれた。
「よく知らないんだけど、私がこの店を引き継ぐ前、『百薬の長』ってお店が都内に10軒くらいあったらしいの。
今は、ここと小川(西武線)の2軒しかないけど、屋号を変えて営業している店があるのかも」。
小川にも同名の店があるのは知っていたが、昔は10軒もあったのか。

※小川店の外観

さらに店主は、「昔は国分寺に本店…みたいなのがあって、各店の店長が営業前に集まって、
そこで串打ちとかの仕込みをしてから、それぞれの店に持ち帰っていたらしいのよ」。と教えてくれた。
東京の呑み助なら絶対に知っている、『四文屋』という安くてウマい焼きとん屋がある。
西武線や中央線を軸に支店展開し、現在は北海道や大阪にも進出している一大グループだ
今もそうなのかはしらないが、東京の支店の店長は、毎日中野店で串打ちをして、自店に持ち帰っていた。
百薬の長は創業が1962(昭和37)年。今から60年も前に、四文屋と同じ手法のお店があったとは!?
沼袋ホルモンとの関係は不明だが、百薬の長さんは、当時の居酒屋業界では一大勢力だったのかも。
※国分寺店など、過去の『百薬の長』についてご存知の方、情報提供をお願いします

店主には別の質問もしてみた。私「ネットの記事で見たんですが、女将さん(私はこう呼ぶ)は4代目だそうですね?」
店主「よくわかんない。取材受けていた? そんな記憶ない」。あれっ? 記事の末尾には「取材」って記してあったのだが。
私「何代目かはさておき、このお店を引き継いだ理由は?」。私の予想は「前店主が親類」か「お店の常連客だった」だが…
店主「引き継いだ理由はまあ…成り行きで。私が来るまで、半年くらい休業していたの。
前の店長までは、全員家族関係だったようだけど、私は赤の他人。
常連客? こんな店来たことなかったし、(店主に)なったばかりの頃は、イヤでイヤで仕方なかった(笑)」そうだ。
さっきのネット記事の情報を信じると、店主が引き継いだのは今から18年前。
今でこそ、常連客を叱りつけることもある(叱られた客も嬉しそう)店主だが、
引き継いだ当初は、年配客ばかりの居酒屋で働くのは、確かにしんどかっただろう。
ただ、廃業の危機もあったお店に、突如現れた若い女性店長は、当時の常連たちを大いに喜ばせたはずだ。
そんな彼女を応援するような気持ちで、長年通い続けている客も大勢いるはずで、
彼らは女将さんを、居酒屋店主ではなく、孝行娘と認識しているのかもしれない。

長年、安価で頑張ってきた百薬の長さんだが、諸経費の高騰により、近日中の値上げが発表された。


お店での飲み食いを楽しみにしている常連客のためにも、無理せず適正価格で、営業を続けてほしい。
そして私も、人生の先輩たちのように、高齢になってもこの店に通わせていただきたいものだ。



百薬の長 武蔵小金井店
東京都小金井市本町5-12-15
JR武蔵小金井駅から徒歩約2分
営業時間 16時~22時 土曜は21時まで
定休日 日、祝
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする